たいちの仮設避難所

某小説投稿サイトの規約改定による 仮設の避難所です。

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九十四話


洛陽




--荀彧--


陳留から数日掛けて私達は洛陽までやってきた。
今回の目的は、反逆した袁紹の主力部隊を撃滅したことの報告と、
袁紹から離反し、独自の旗揚げ、賊徒化した元将官等の処理について、
董卓か陛下から伺う事。
連合に参加した他の諸侯の動きが悪いため、
陛下の方からお口添えいただけないかという要望。

そしてコレはあまり報告したくはないのだが、
袁紹自身と、そのお付きの文醜、顔良を取り逃がしてしまった事についての報告だ。


私が少しでも印象を良くするために、道中で報告の仕方について、
思考していると、不意に華琳様からお声がかりがあった。


「桂花。」
「はい、華琳様。」
「今回の報告内容は私の方で、すでに草案はできているから、
貴女は少しゆっくりして、旅を楽しんで、洛陽では喜媚に甘えるといいわ。」
「・・・は?」


華琳様は何をおっしゃった? 旅を楽しんで、喜媚に甘える?
反射的に想像した、喜媚に甘える自分の様子を頭に浮かべて、
私の顔は熱を帯びる。


「か、華琳様な、何をおっしゃって・・・!?」
「そうして慌てる貴女も可愛いけど、聞きなさい。
貴女と真桜にはお互いの状況を観察して報告するように言ってあったでしょう?」
「・・はい。」
「真桜からの報告で、少し気になる報告があったわ。
貴女に少し仕事量や、精神的負担がかかりすぎているってね。
しかし今、我が陣営は収穫の秋、飛躍の時。
少しでも多くの領地や領民を得るため、多少無理をしてでも功績を上げて、
陛下から賜る領地を少しでも多く増やさなくてはならない。
董卓や賈詡に有無を言わせないだけの戦功を上げ無くてはならない。
戦に出る者達にも負担はかかるけど、それ以上に、今、
貴女達に負担がかかっているのは、私は理解しているつもりよ。
ただ戦で袁紹軍の残党や、賊徒を討てば、それで終わりというわけではない。
その者達が荒らした村々や、邑を復興させ無くてはならない。
そのためには、ウチの中で内政面で最も優れた能力を持っている桂花、
貴女に少し無理をしてもらってでも、復興を急いで行い。
領民に少しでも早く生活を立て直してもらい、
少しでも早く税を納めてもらえるようにならなくてはならない。」
「はい。」
「そのためには貴女や真桜に今は少し負担をかけるけど、
そこはもうしばらく我慢してちょうだい。
この件が終わって、陛下から領地を賜って安定したら、
貴女達にはしばらく休みをあげるから、
休養をあげるから、名目上は董卓への友好の使者という事にでもしておいて、
洛陽にでも行くといいわ。 それまでは負担をかけるけど、
我慢してちょうだい。」
「・・・はい。」
「華琳様、私には!?」
「春蘭は閨でかわいがってあげるからいいじゃない。」
「本当ですか!? ・・・プフッ」
「汚いわね・・・稟じゃないんだから興奮して鼻血出すなんて止めてよね。
ほら、コレで拭きなさい。」


そう言って私は春蘭に手ぬぐいを渡す。


「ふふぁん。」


こうして、道中、華琳様から意外なお言葉を頂いたが、
私達は洛陽まで無事につくことができた。




--喜媚--


皆で交代で昼食取って、午後の営業に迎えて、
商品やお湯の準備をしていた時、どうやら客さんが来たようで、
従業員の皆の『いらっしゃいませ~!』と言う元気な声が聞こえてきた後、
美羽ちゃんの叫び声が聞こえてきた。


「な、な、なんでお主がここにおるのじゃ!?」
「ココはお茶屋でしょう? お茶を飲みに来たに決まってるじゃない。
ところで店主は居るかしら?」
「き、喜媚ぃ~~!!」


そう言って美羽ちゃんが厨房に駆け込んできたので、
とりあえず美羽ちゃんを抱き止めて、
七乃さんにパスして、店内の方に出てみると、そこには意外な人物達がいた。


「はい、私が店主ですが、なにか私に、御用・・・でしょうか・・・?
曹操さ・・・桂花!?」
「・・・・っ!」


店には曹操さんを先頭に、両脇に控えるように桂花と夏侯惇さんがいたのだが、
桂花がいきなり、私に涙目で駆け寄ってきたので、
何事かと思ったら、いきなり全力のビンタを食らった後、
桂花が私に抱きついてきた。


「痛ぅ~、桂花何す・・・・桂花?」


私に抱きついてきた桂花は、どうやら泣いているようで、
時折、嗚咽が聞こえて来る。
どうやら声を出さないよう、我慢しているようだが、
いきなりビンタで、そのあと抱きつかれてしまったので、
私もどうしていいか分からず、とりあえず、桂花を抱きしめて、
背中を撫でてあげた。


「何があったかわからないけど、私はココにいるから大丈夫だよ。」
「・・・く・・・ぅぅ。」


曹操さんは一瞬少し複雑な、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべると、
すぐにやれやれと言ったような表情に変わり、
夏侯惇さんは、何が起きたかわからないようで、呆けたような表情をして、
私達の様子を呆然と眺めている。
反董卓連合の時に怪我しなかったので大丈夫だとは思っていたが、
アレからも怪我はして無いようで、ちゃんと両目が健在な夏侯惇さんが居る。

その後しばらく桂花が落ち着くまで頭や背中を撫でてやり、
落ち着いたようで、桂花が私から離れてボソリと 『悪かったわね・・・』
と耳元で呟いて、曹操さんの脇に戻っていった。

しかしその間、私達は、店の全員から注目されていて、
なんとも居心地の悪い思いをしたのだが、桂花が落ち着いてくれたのならば、
その甲斐もあっただろう。


私の上着は黒なので、目立たないが、
桂花が顔を押し付けていた部分は確かに濡れていて、
先ほどまで桂花が泣いていたのは確実なのだし、桂花の目が真っ赤なので、
誰が見ても、桂花がさっきまで泣いていたのは確実なのだが、
指摘しても確実に桂花は否定するだろうから、敢えて今は何も言わない事にしたが、
後で詳しく話を聞いてみようと思った。


「曹操さんお久しぶりです・・・か、夏侯惇さんもお久しぶりです。」
「久しぶりね。」
「ん? なんか引っかかる言い方だな・・・
だがまぁ、久しぶりだな男女・・・じゃなくて喜媚。」
「えぇ! お久しぶりです!!」
(夏侯惇さんはいきなり切りかかって着たりは無いようだな、
曹操さんがちゃんと話してくれたのかな。)」


都合のいい事に忘れているのか、曹操さんがちゃんと言い含めてくれたのか、
陳留では曹操さんの悪口を言うと、夏侯惇将軍がやってくると噂になるほどの人だが、
今は随分落ち着いているようだ。
この様子なら、私が迂闊な事をしない限り大丈夫だろう。


「さて喜媚、私達がココに来た理由だけど、もう察しはついているわね?」
「・・・いつもの部屋でいいでしょうか?
あと注文は蜂果水とお菓子でいいでしょうか?」
「それでいいわ、後お風呂もね。 旅の汗を流したいわ。」
「うぅ・・・かしこまりました。」


結局私は、何時まで経っても曹操さんには勝てないのかもしれない・・・


とりあえず皆に普段の仕事に戻るように指示した後、
私は厨房に戻り、注文の品を作っていた。
その時、シャオちゃんが厨房にやってきて、
さっきの事について聞きに来たのだが、
私も何事か、理由がわからないので 『あとで桂花に聞いてみる。』
と話しておいて、注文の品をシャオちゃんに持って行ってもらった。


「ご注文の蜂果水と蜂蜜パンです!」
「ありがとう・・・? 貴女どこかで会った事なかったかしら? 」
「シャオ・・・コホン 私は直接のご面識はありませんよ、曹孟徳様。
でも私のお姉様とは面識はあると思いますよ?」


そう言うと曹操さんはシャオちゃんの顔をじっくりと見つめ、
はっとした表情に変わった。


「・・・もしかして細作の情報にあった孫策の妹?
末妹の孫尚香かしら?」
「当ったりぃ~! お姉様がお世話になっています!」
「そう、あなたがココでその制服を着ているという事は・・・
孫策もなかなか抜け目がないわね。」
「曹操さんはお姉様や冥琳みたいに、すぐに相手の意図が分かっちゃうんですね。」
「これくらい出来ないと、領主なんて出来ないわよ。」
「領主って大変なんですね~。
それじゃあ、ごゆっくりどうぞ♪」


シャオちゃんは、曹操さんと少し話した後、
すぐに厨房の私のところまで戻ってきた。


「そういえばさっきは聞き忘れたんだけど、
曹操さんって何しに来たの?」
「それは洛陽にっていう意味? ウチにっていう意味?」
「両方~、・・・ふむ、喜媚ちゃんは領主には向いてなさそうだね。」
「当たり前だよ、私に領主なんて務まるわけがないよ。
それで曹操さん達が来た理由だっけ?
多分、袁紹さんの本隊を倒した報告と、
功績によって本当に領地が貰えるか釘を差しに来た事かな?
後、何か他にも報告があるかもしれないけど、
おおよそそんなところだと思うよ。
それとウチに来たのは、この店を宿として使うためだよ。
もうコレで三回目くらいになるんじゃないかな?
ウチの店を宿屋がわりに使うの。
因みに言うけど、孫策さんもそうなんだからね。」
「お姉様もなんだ、けどなんで喜媚ちゃんは断らないの?」
「・・・色々複雑な事情があるんだよ・・・特に今回はね。」


そう、今回は桂花の様子がおかしいので、是非とも話を聞いてみたいし、
なにか困っているなら力になってあげたい。
曹操さんもわざわざ、桂花を連れてきたのはそういう意図があっての事だろう。
でなかったらあんな一瞬でも苦虫を噛み潰したような悔しそうな表情するはずがない。
自分で桂花の問題を解決できない事があるのが悔しかったのか、
部下もろくに扱いきれてない、自分に嫌気が差したというところだろうか・・・
曹操さんはプライドが高いから、特に自分の落ち度は、自分で許せないのだろう。

そうして厨房でシャオちゃんと話して居ると、
曹操さんに呼ばれたので、曹操さんの居る席に向かう。


「どうしたんですか曹操さん?」
「お願いがあるのだけど、董卓に謁見の手配を取ってくれないかしら?
私達が宮殿に行って今から手配するより、貴方が連絡したほうが早いでしょう?」
「それはかまいませんけど、内容は、袁紹さんの軍の件でいいんですか?」
「えぇ・・・喜媚の耳に入っているって事は、
やっぱり董卓の耳にも冀州の状況は入っているのね。
その件で報告と質問が有ると言う事でお願い。」
「分かりました。 シャオちゃん向かいまで出てくるね。」
「は~い。」


そうシャオちゃんに伝えて、私は売り物の持ち帰り用のお菓子をいくつか持って、
向かいの屯所の警備兵に、宮中の詠ちゃんに連絡をとってもらうようにお願いして、
おみやげのお菓子を渡して店に戻る。


この日は曹操さんも部屋の用意ができたら、
夕食の準備ができるまで休むと言って
夏侯惇さんとすぐに部屋に引きこもってしまい、
桂花だけを残して、二階の部屋に行ってしまった。

残された桂花はどうしていいか分からず、
しばらくはおとなしくしていたが、落ちつかない様子でいた。


「桂花も疲れてるんだったら、先に休んでおく?
私の部屋で寝ててもいいし。」
「いや、いいわ。 私はココでしばらくお茶でも楽しんでおくわ。」
「そう? おかわりとか何か注文があったらいつでも言ってね。
午後はこれからしばらくは忙しくなって、
私もなかなか桂花の相手できないけど、
夜ゆっくり話を聞くから。」
「えぇ・・・」


こうして桂花と話して見たが、やはり様子がおかしい。
よっぽど疲れているのか、いつもの元気も無いし、
さっき私におもいっきりビンタした割には、
もうその事はすっかり忘れているかのような感じで、
おとなしくお茶を飲んでいる。


袁紹領内では、今大変な時期だから、よほど疲れが溜まっているのか、
本当に何か有ったんだろうか?

この日、結局私は桂花の事が頭から離れずに、
桂花の様子をちょくちょく伺いながら仕事をこなしていった。
この日、結局夕食時まで桂花はどこに行く事もなく、
店の中での厨房が見える位置の机で本を開き、
時折、私の方をチラチラと見ながら過ごしていた。


そうしている間に、宮殿から連絡が来て、
明日の午前、曹操さんと月ちゃんの謁見の機会を作るという事で、
警備隊の隊員から連絡が来た。
その事を夕食時に曹操さんに伝え、曹操さんもならば今日は早めに休むと言って、
夏侯惇さんとお風呂に入った後、晩酌をすること無く本当にすぐに寝てしまった。
一体曹操軍の中で今いったいなにが起きているのだろうか?


私が最後にお風呂に入った後、部屋に戻ろうとしたら、
庭で月を眺めていた桂花が、私を見つけたらすぐに側やってきて、
手を握って、すぐに部屋に行こうと引っ張っていった。

部屋について、髪の毛をひと通り拭いた後、
寝台に桂花と一緒に座って、何があったのか話を聞いて見ることにした。


「ねぇ、桂花?」
「な、何よ?」
「曹操さんとこで何か有ったの?
出会い頭の張り手にはびっくりしたけど、いきなり桂花泣き出すし。」
「な、泣いてないわよ!
アレはアレよ・・・あんた詠を抱いたでしょう!
いくら許したとはいえ、本当に詠を抱くもんだから、
一発くらい、ぶん殴ってやろうと思ったのよ!!
・・・そ、それだけよ。」
「でも・・・」


私が桂花に詳しく話を聞こうとすると、桂花はあからさまに話をすり替えようとする。


「そ、そういえば! 前書簡にも書いたけど、稟がウチに来たのよ。
あの馬鹿、私の知らない間に風・・・あ、
コレは程昱っていうウチの新しい軍師の真名なんだけど、
凛と風の二人で、華琳様の文官の試験を受けていてて、
陳留から少し離れた砦の責任者になってたのよ。
稟は私に一言くらい何か有ってもいいと思わない?」
「確かにそうだけど稟ちゃんっぽいといえば、彼女っぽいかな。
大方、桂花と同格になるまで黙っておこうとしたんじゃない?
桂花が曹操さんのところで、人脈を使わずに文官の試験を受けたみたいに。」
「確かにそういうとこあるかもね、アイツは。
それで、今は私の下で風と一緒に軍師をやってるのよ、もちろん筆頭は私だけどね!
そう言えば稟、あんたにもよろしく言ってたわ。
今度会った時に、昔話でも一緒にしようって。
風、程昱も一度あんたに会ってゆっくり話がしたいって言ってたわ。」
「昔話か・・・あの頃は良かったね。
私達三人みんな一緒に塾に通って、
三人で共謀して稟ちゃんにちょっかいかけた男の子泣かして、
稟ちゃんはそれに協力した当事者のくせに、
素知らぬ顔で本読んで無視してごまかして。
結局、私と桂花が先生に怒られて。」
「・・・そんな事もあったわね・・・本当、あの頃は良かったわね・・・」


そんな昔話をしていた時、桂花の目には涙が浮かんでいた。


「桂花?」
「え? ・・・・こ、コレは、欠伸よ! ちょっと眠くなっただけよ。
最近仕事が忙しくて、なかなか休む機会がなくて、
陳留からここまでそれなりの旅だったし 「桂花。」 ・・・な、何すんのよ。」


私は言い訳をしようとする桂花を抱きしめて、
そのまま寝台に倒れこみんだ。


「な、何よ。 わ、私が魅力的だからって少しは雰囲気を 「桂花・・・
もう何も聞かないから。」 ・・・何よ・・・」


そして桂花も私を抱きしめるように腕を回して、
顔を私の胸に埋める。


「・・・もう何も聞かないから、桂花はゆっくり休むといいよ。」
「・・・何よ、別に・・・本当になにもないんだから。
でも・・・少し疲れたわね。」
「今日はもうゆっくりしたらいいよ、このまま寝ちゃええばいいよ。」
「・・・・・・そうね。 なんか疲れたわ。」


こうしてこの日は二人で抱きあうようにして眠った。
せめて今夜は桂花がゆっくり身体と心を癒せるように。

桂花も私の胸の中ですぐに眠ってしまったようで、
起こさないように慎重に布団を掛けて、私達はこのまま眠った。


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  1. 2012/12/01(土) 18:01:06|
  2. 真・恋姫†無双 変革する外史。
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  4. | コメント:3
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コメント

誤字報告

>「花琳様、私には!?
 「春蘭は閨でかわいがって~
→「花琳様、私には!?」
 「春蘭は閨でかわいがって~

>寝台に軽だと一緒に
→寝台に桂花と一緒に
  1. 2012/12/01(土) 19:07:24 |
  2. URL |
  3. 白ウサギ #-
  4. [ 編集 ]

ここの桂花は本当に可愛い・・・
そういえば名無しの??が居ましたが、許昌の親族がどうたらって言ってますが結果的とはいえやらかしたことの大きさを考えれば、生きてるだけ御の字だと思うんですけどね~
  1. 2012/12/01(土) 23:04:58 |
  2. URL |
  3. ゼオン #t50BOgd.
  4. [ 編集 ]

誤字です^^

夏侯惇さんはいきなり切りかかって着たりは
来たりorきたり
  1. 2012/12/09(日) 06:56:04 |
  2. URL |
  3. 黄金拍車 #-
  4. [ 編集 ]

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