たいちの仮設避難所

某小説投稿サイトの規約改定による 仮設の避難所です。

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八十一話


洛陽




塾の見学を終えて、帰りに肉まんを従業員の皆の分も合わせて袋一杯買って、
私と美羽ちゃん、七乃さんの三人で一緒に店に帰る途中、
宮殿の方からやってくる明命ちゃんと合流した。


「あ、こんにちは喜媚さま! 皆さん。」
「こんにちは明命ちゃん。」
「ほふ、ふうふぁいふぁ。」
「美羽様、口に物を入れてしゃべるのはいけませんよ?
こんにちは周泰さん。」


見た感じ明命ちゃんの表情は明るいので、親書の返事の方はうまくいったのだろうか?


「親書の返事の方は良い返事をもらえた?」
「はい! あ、荷物私も少し持ちますね。」


そう言って周泰ちゃんは、私の持っていた肉まんの袋の内、一つを持ってくれた。


「あまり詳しくは話せませんが、返事の方は良い返事をもらえました。
それと、袁術さんと張勲さんの方も、前も話しましたが、
今日から正式に董卓軍預りとなりました。
いずれ董卓軍の誰かから通達があると思います。」
「そうですか、じゃあ、もう周泰さんに、
何時斬られるかと怯えなくてもいいんですね。」
「七乃さんもそんな事思ってもないくせに・・・」
「そうでもないですよ、コレでも結構怯えていたんですよ。
孫策さんなんか、私をかばう美羽様を斬る寸前までいったんですから。」
「その話は聞いたけど、今考えると孫策さんもアレで結構人のいい所があるから、
美羽ちゃんの覚悟を試したんじゃないのかな?」
「妾の覚悟を試すために、毎回斬り殺されかけてはたまらぬわ!
あの時は本当に死ぬかと思ったのじゃからな!」
「でも、あの時の美羽様はカッコ良かったですよ。」
「う、うむ? そ、そうか?」
「えぇ、袁逢様がご覧になったらきっと褒めて下さったでしょう。」
「そ、そうかのう・・・。」
「とりあえず話の続きはお店でしようよ、もうすぐそこなんだから。」
「そうですね、早く戻りませんと皆さんに迷惑をかけてしまいますし。」
「うむ、帰るのじゃ!」
「はい。」


こうして私達は店に帰ったのだが、少し違和感を感じる部分があった・・・
と言うか以前から有ったのだが、
七乃さんが妙に人当たりがいいというか、
従業員の皆や劉花ちゃん、私に人当たりがいい・・・
というのを通り越し卑屈なくらいの態度をとる時がある。

今だって、七乃さんは寿春でかなりの地位にあったはずなのに、
今は早く帰らないと従業員の皆に迷惑だからと気を使っている。
七乃さん本人の人柄、と言う部分も有るのかもしれないが、
私には少し違和感を感じさせるものがあった。


さて、店に帰って皆に肉まんを渡して、順番で休憩をとってもらい。
その間私達が仕事をしていたのだが、
美羽ちゃんが皿洗い中に鼻歌で塾で劉備さんが歌っていた歌を歌っていたのだが、
ソレがなかなか上手で、私もそうだがお店のお客さんも聞き入っている様子だった。
美羽ちゃんの意外な才能に気がついた瞬間だった。

後で七乃さんに聞いたら、美羽ちゃんは歌が結構上手いらしく、
寝る時に良く七乃さんと一緒に子守唄を歌ったりしていたそうだ。


皆交代で休憩を取り、本日の営業を終わらせ、
夕食時に明命ちゃんから聞かされたのだが、
やはり、孫尚香ちゃんと大喬ちゃん、小喬ちゃんの三人の受け入れは了承され、
詠ちゃんがギリギリまで自分達の方で屋敷を用意すると粘ったのだが、
明命ちゃん自身が真名を交わし、周喩さんの命の恩人でもあり、
孫策さんとも交友が有る私の屋敷が、
孫家に取って最も信用できると言う事で、
私の屋敷で従業員として雇う事になってしまった。
・・・実質は董卓軍へ叛意を持たないための人質なのだが
それは言わないほうがいいだろう、どうせなら三人には、
ちゃんと給金分は働いてもらうが、洛陽での生活を楽しんで欲しい。

名目上でも友好の使者が茶屋の従業員と言うのはどうなのか? と思うが、
孫策さんがこき使ってやってくれと言っているので、
月ちゃんと孫策さんの間で決まった以上、受け入れざるを得ない。
孫策さんが言うのなら本当に普通に従業員として使っても、問題ないのだろう。
そんな事で策を弄する孫策さんでは無いはずだ。

こうなってしまっては後日、詠ちゃんに呼び出されて、
きつく注意されるだろう・・・
孫尚香ちゃん達に手を出すな、と。


親書の受け渡しと、返事の受け取りができたので、
明命ちゃんは明日にでも洛陽を発つと言うので、
おもてなしもろくに出来なかったが、
翌朝、早朝に起きてとりあえず大急ぎで道中食べるお菓子と、
孫策さんに送って欲しいと言われていた、
お酒を数本用意して明命ちゃんに渡す事ができた。


「なんか悪かったね、せっかく来てもらったのに何のおもてなしもできないで。」
「いいえ、おみやげもいただきましたし、
何より喜媚さまと真名を交わすことができました。
それだけで、今回洛陽に来た甲斐がありました。」
「それじゃあ、孫策さんや皆によろしくね。」
「はい! 喜媚さまもお元気で。
今度来る時は小蓮さま達を連れてきますので、よろしくしてあげてください。
ちょっとお転婆ですが良い子ですので。」
「うん、明命ちゃんも皆さんも道中気をつけてね。」
「はい、それでは失礼致します。」


明命ちゃんは最後にそう言って、部下を連れて城門の方に向かって行った。




--北郷--


俺達は徐州に向かって移動していたんだが、途中で袁紹の軍から離反した独立部隊や、
袁紹の軍が白蓮の州を襲ったと言う事で徐州へ旅をするどころでは無くなってきた。

その為今は、途中の村で華佗が怪我人の診察をしながら路銀を稼いでいる。
俺は道中で華佗から応急処置の方法や薬草の見分け方を習いはしたが、
荷物持ちくらいしかできないので、今は何も手伝うことができないでいる。


「くそ、どうなってるんだ?
袁紹の軍は解体され領地は没収されたんじゃないのか?」
「ご主人様、袁紹ちゃん自身がソレを認めても、
下の者がソレを認めるとは限らないのよん。」
「どういう事だ貂蝉?」
「袁紹に付いていた将官は大まかに三通りくらいに分けられるの。
一つは袁家の知名度や賃金が良い事が目当ての者。
一つは親の代からの世襲で袁家に仕える者。
最後は、袁家の名を笠に来て好き放題する者。
そして袁家の将官では、最後の者が圧倒的に多いのよ。
だから袁家が滅んでもらっては困るし、自分の私財が没収されるなんてもっての外。
そんな者達が共謀して、
袁紹ちゃんをむりやり御輿に担いで、公孫賛ちゃんの所を襲って、
その他の離反した部隊などは、他の集落や村、
そして今は政治的空白地・・・徐州を襲ってるの。」
「そんな・・・じゃあ徐州の人達は・・・」
「ご主人様達が洛陽にいる間に、
先行して董卓軍の者が行っているはずだから避難誘導しているでしょうね。」
「そうか・・・一応避難はできているのか。
でも、こんな時に何もできないなんて・・・」
「ご主人様が焦ってもしょうがないわ。
とにかく、今徐州に行くのはとてもまずいことになるわ。
これからあそこは戦場になるかもしれない、私達では賊から御主人様を守れても、
流石に軍隊から守るのは難しいわ。
ソレに徐州の人達は残るにしても避難するにしても、
ご主人様の事を覚えている民がどれほど残るかわからない。
それでも徐州に行くの?」
「あぁ、行く。 俺にはその責任がある・・・行って何ができるわけでもないけど、
避難の手伝いや、怪我人の応急処置位なら華佗から習ったし、
天の世界・・・俺が居た世界の保健体育や、理科で習った知識も役に立つはずだ。」
「そう、なら少しこの村で情報を集めてから、徐州に向かうか皆で検討しましょう。
流石に戦の最中の村や邑に行くなんて言い出さないわよねん?」
「あぁ、流石にそれは言わないよ・・・俺に愛紗達のような武力は無いからな。
・・・迷惑かけるな。」
「いいのよん、私はご主人様の愛の ど れ い だから。」
「・・・それはマジで勘弁してくれ。」




--喜媚--


明命ちゃんが帰ったその日の夜、詠ちゃんと音々ちゃんが来て、
ウチで夕食を食べた後、個室に移動し、
美羽ちゃん達の扱いと、袁紹領内の現状報告をしてくれた。


「公孫賛がやられた事は前に話したわね?
今日はその続報、曹操は元袁紹軍の主力と戦闘のために兵を編成して出立したわ。
おそらく戦場は官渡のあたりになるはずよ。」
「そう・・・(こんな形で官渡の戦いが再現されるなんて。)」
「それ以外にも、袁紹の主力から外れて、独立した部隊。
コレはもう殆ど賊と変わりないのですが、
この部隊が各地で暴れまわっているそうです。
一応、ウチの領内から近いところには討伐部隊を編成し、
避難民の受け入れをする予定ですが、
あまり深いところまでは出ていけません。
コレは詠の策の為と言う事と、
長距離の移動に民が耐えられないだろうと言う理由からです。」
「この袁紹領内の内紛はあくまで連合に参加した諸侯に鎮圧させないとダメだからね。
喜媚同様ボク達もコレでいいとは思ってないけど、
長期的に見た時には必要な策だから我慢してちょうだい。」
「うん・・・それはわかってるよ。
私も博愛主義者じゃないし全てが救えるとも思ってない。
私にできるのは、私の手が届く人達に、
ほんの少し手を差し伸べる事くらいしかできないから。」
「分かってもらえるならボク達からなにか言う事はないわ。
でも、これだけは気をつけてちょうだい。
喜媚、貴方の発言力は今やボク以上の効力を発揮する場合があるの。
特に劉協様の耳に入った時は月ですら逆らえるかどうかわからない。
貴方はこの国で唯一、皇帝陛下を動かせる人物なの。
軽率な行動は控えてね。」
「・・・分かってる、私も、あの日、月ちゃんが決意したあの日に、
覚悟は決めてるから・・・全ては救えない。
でも手の届く人達にはできるだけ、手を差し伸べたい。
そして将来、この国の人達が、人らしく生きられる国の地盤を私達の世代で築く。」
「えぇ、そしてそれは月もボクも音々も同じよ。
今の私達にできる事は各諸侯の勢力が衰えるのを待つ事と、
私達に救いを求めてきた民を受け入れる事だけよ。」
「そうです、この国の未来の為にも、
今切るべき者を選定し潰し合ってもらわないといけ無いのです。
そして音々達の代で必ずこの国の未来の地盤を作るのです。
この計画は数世代掛けて今までのこの国のあり方を変える、
長期的な計画なのですから・・・
今の音々達には、たとえ今犠牲になる者達がいても、
それ以外の者達に明るい未来を民に示す事だけしか出来ないのです。」
「・・・そうだね、今の私達には今はそれだけしかできないから。
だけどせめて少しでも犠牲者は減るように・・・
二人ならちゃんとやってくれているか。」
「ふん、当然よ。」 「当然です。」


こうして袁紹領内での出来事の話は終わり、次の話へと移行する。
次の話は孫策さん達の事だ。

孫策さんは月ちゃんと敵対しない事、それと友好を結びたがっている。
表向きはそのために、孫尚香ちゃん達を洛陽に送ってくるそうだが、
本意はそれだけでは無い事はここにいる皆把握している。


「次に孫策達の話だけど、表向きの目的は、私達に逆らわない証明、
私達との友好、そして情報交換要員。
裏は、董卓軍の情報、洛陽での統治方法の研究、そして喜媚あんたよ。」
「・・・またココでも私なの?」
「喜媚も気づいているはずですよ?
今や喜媚の持つ発言力、人脈、個人的な資産、
そして五体満足で武も嗜んでいて、知識の豊富さ。
これだけ揃ってたら、喜媚を篭絡しようとするのは当然です。」
「私を篭絡ねぇ・・・それもあるけど孫策さんの場合、
それよりも私の血筋狙いってところじゃない?
万が一私が協ちゃんや劉花ちゃんと婚姻でもしようものなら、
その時点で孫尚香ちゃんだっけ?
その娘が私と関係を持っていたり、
子供が居るなんてことになったら皇家と血縁関係になれる。
博打を打つには十分すぎる価値はあると思うよ。」
「そうね、だから自分の妹以外にも江東の二喬をわざわざ一緒に付けてきてる。
連絡要員という理由だけなら普通は考えられないわ。
自分の妹、江東の二喬、誰か一人でも孕めばそれで良しと言うところなんでしょう。
ついでに喜媚と縁ができてれば言う事無し。
この馬鹿は、友人や知人を放っておけないお人好しだから、
孫尚香や大喬、小喬、が困ってるって言ったら手を貸すでしょうし。」
「私もそこまで見境ないわけじゃないよ。
今回の場合、孫策さんの目的がわかってるから、
そんなにホイホイ力を貸したりしないよ。」
「どうだか? 『揚州の民が困ってるの・・・何か良い知恵はないかしら?』
とか言われて、ホイホイと知恵貸すんじゃないわよ?
最終的には私達の持つ知識や、そこから先の知識や、
統治方法の情報はこの国の民全てに行き渡るようにするつもりだけど、
今の段階でそれをやったら、敵が厄介になるだけなんだからね。
それにあんた、孫策の所の周瑜の治療で華佗を紹介したでしょう。
まだ私達と知り合う前の昔の事だからとやかく言わないけど、今後は控えてよね。」
「わかってるって、よっぽど緊急の事態じゃない限り、
なるべく手を貸さないようにするよ。
私も、月ちゃんの描くこの国の未来は気に入ってるし、一緒に描いてるんだから。」
「まぁ、一応その辺は喜媚を信用しつつ、音々達みんなで監視することにするですよ。
喜媚が馬鹿やらかして、孫策の所の娘に手を出すようなら・・・もげばいいです。」
「・・・そ、それはボクは少しやり過ぎかと思うわよ?
まぁ、私達でしっかり監視しておきましょ。」
「・・・? いつもの詠なら賛成すると思ったんですけど。」
「ほ、ほら! 喜媚もこの間の戦でボク達と一緒に戦った仲間でしょ!
子孫くらい残してあげたいじゃない!」
「・・・まぁ、確かにそう言われればそうですけど、
詠・・・喜媚と詠は何か有ったんですか?」


私と関係を持った事で、詠ちゃんは以前のように、
「もぐわよ。」と脅しをかけて来なくなった。
だが、今回はそれが逆に音々ちゃんの不信感を煽ってしまったようだ。


「な、なにもないわよ! ね? 喜媚!」
「・・・詠ちゃん、そんなに慌ててたら何か有ったとしか見えないじゃない。
まぁ、詠ちゃんとは真名を交わした時に少しあったけど、
それで勘弁してもらいえないかな音々ちゃん?」
「むっ・・・・まぁ、音々は二人の私生活に口出しする気はないですけど、
仲間はずれにされるのは不愉快です。」
「仲間はずれとかそういうのじゃないのよ、本当にちょっとあっただけだから。」
「そういうならそれでいいです。
音々だけ除け者にして二人で悦に入ってればいいです。」
「音々ちゃん機嫌直してよ、
話せるようになったら音々ちゃんにもちゃんと話すから。」
「約束ですよ?」
「わ、分かったわよ。 約束よ。」


こうして私と詠ちゃんは音々ちゃんに変な約束をさせられてしまった。
・・・これってアレか?

その内私は、桂花と詠ちゃんと関係を持って、
月ちゃんとも関係を持つことになるかもしれないって、
音々ちゃんに言わなきゃけいないってことだよね・・・最悪だ。


この後、美羽ちゃん達の事も話したが、美羽ちゃん達は以前、詠ちゃんが話した通り、
ウチの店で監視しつつ塾と従業員としての労働で罰を与えつつ、
しばらく様子を見るという事で結論が出て、
その後は、袁紹領内での動きを予想して対策を練りつつ、
今後、董卓領内で執行される新しい施策の検討を就寝間際まで続けた。


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  1. 2012/10/21(日) 18:27:01|
  2. 真・恋姫†無双 変革する外史。
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6
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コメント

更新お疲れ様です。

カテゴリが雑記になってます。
あと、誤字っぽいのがひとつ。
後で七乃さんに聞いたら、美羽ちゃんは歌が結構美味いらしく→上手い
誤字っぽいのはわざとなのかもしれませんけどね、ハニーボイス的な意味で。
  1. 2012/10/22(月) 13:36:52 |
  2. URL |
  3. まさやん #djiDnZP2
  4. [ 編集 ]

全方位から狙われている喜媚の運命や如何に


あと種馬君も
  1. 2012/10/22(月) 22:24:41 |
  2. URL |
  3. 只野逸般人 #dMQUwnQ2
  4. [ 編集 ]

続きを期待しています。

がんばってください
  1. 2012/10/23(火) 22:27:35 |
  2. URL |
  3. えんぴつ #-
  4. [ 編集 ]

Re: 更新お疲れ様です。

誤字の指摘ありがとうございました。
修正しておきました。

あとカテゴリも修正しておきました。
  1. 2012/10/24(水) 17:38:50 |
  2. URL |
  3. たいち #-
  4. [ 編集 ]

誤記報告です。

 脅しをかけれ来なくなった

 → 脅しをかけて
  1. 2012/11/14(水) 14:56:48 |
  2. URL |
  3. 匿名さん #t70T1cYU
  4. [ 編集 ]

82話へのリンク
  1. 2012/12/30(日) 09:54:50 |
  2. URL |
  3. ちょっと通りますよ #zQLvkSFw
  4. [ 編集 ]

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