たいちの仮設避難所

某小説投稿サイトの規約改定による 仮設の避難所です。

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七十七話


洛陽




その日はいつもと代わりはなく、いつも通り店を開いて営業していたのだが、
昼食を交代で食べ、しばらく経った時である。
店の入り口から、どこかで見たことのある黒髪の少女が、
金髪の少女と青髪の女性を引き連れる・・・と言うか、
金髪の少女の腰に縄を括りつけ引っ張りながら店に入ってきた。


「おじゃまします。 喜媚さまは・・・あ、喜媚さま!
お久しぶりです、周泰です!」
「周泰ちゃんお久しぶりって・・・後ろにいるのは美羽ちゃんと七乃さん?」


縄に括られていたのは少しやつれてはいるが、確かに美羽ちゃんで、
その横で疲れた顔で、私の顔を見た途端その場に座り込んだのは、
確かに七乃さんだった。


「つ、つかれたのじゃ~。」 「ようやく・・・着きました。」
「情けないですね、別に普通に旅をしただけなのに。」
「き、喜媚ぃ~、あの蜂蜜の入った水が欲しいのじゃ~。」
「わ、私もお願いします。」
「あ、はい。とりあえず、個室の方に。
飲み物を用意してきますから。」


私は、蜂果水を人数分・・・・だと足りなさそうだったので、
倍の人数分用意して、個室の方にお菓子と一緒に運んでいった。
私が個室員入った時には、すでに美羽ちゃんも七乃さんも机に突っ伏して、
へたり込んでいたが、周泰ちゃんだけはニコニコと私の方を見ていた。


「はい、飲み物です、あんまり急いで飲まないでくださいね。
ゆっくり飲んでください。」
「おぉ~、ようやくまともな物を飲めるのじゃ!」
「あ~この味、身体に染み渡りますぅ。」
「ありがとうございます喜媚さま。」


とりあえず、美羽ちゃんと七乃さんが人心地つくまで様子を見つつ、
私は周泰ちゃんにどうしてココに美羽ちゃん達が来たのか聞くことにした。


「改めて、お久しぶり元気だった?」
「はい、私は元気です! ・・・もっとも、
あの二人は、そうでもないみたいですけど。」
「あぅ~・・・・喜媚~お腹が減ったのじゃ~。」
「つ、疲れました~。」
「・・・それで、どうして美羽ちゃん達がここにいるの?
それも周泰ちゃんが連れてきたように見えるけど。」
「はい、それなのですが・・・喜媚さまは雪蓮様が連合を解散して寿春に帰る時に、
我々が袁術を襲撃したのは知ってらっしゃるでしょうか?」
「あぁ・・・噂では聞いてるけど、どうしてそんな事に・・・って、
やっぱり揚州の民のためとか?」
「・・・はい、あのまま袁術や、その配下の者に統治させておいたら、
揚州の民はまともな暮らしを送る事が出来ないでしょう。
雪蓮様も袁術に借りがあるとはいえ、もう十分それを返すだけの働きはしました。
そこで我らは、様々な不正の証拠や、
袁術の統治ではもはや揚州の民は限界だと言う事を証明する書簡を揃えた上で、
蜂起して袁術を打倒し揚州の民を我らで救うことになったのですが、
袁術の処遇で揉めまして・・・処断すべきとの声もあったのですが、
雪蓮様は揚州から追放し、二度と旗揚げをしたり、
揚州の地に、二度と足を踏み入れない事を条件に追放処分にしたのですが、
袁術の名が問題でして・・・このまま放置しておくと、
どこぞの諸侯や豪族に取り入れられて厄介なことになる事は目に見えていたので、
どうしようか悩んだのですが、
袁術本人が、喜媚さまの所で蜂蜜を作って生活すると言い出して・・・」
「それで、ココに連れてきた、と・・・はぁ。
まぁ、美羽ちゃんや七乃さんが無事だったのは正直嬉しいけどね。
寿春の話を聞いた時は本当に心配したから。
だけど、洛陽に連れてこられても蜂蜜は作ってないんだけどね・・・
蜂蜜作ってるのは許昌だから。」
「それも説明したのですが、どうしても喜媚殿のとこに行くと聞かなくて・・・
それに喜媚殿のところなら、袁術もおとなしくしているでしょうし、
誰かに袁術を利用される事もありませんし、
董卓さまへ、今回の件を報告するにしても、
袁術には洛陽に来てもらわねばならないので我らとしても好都合だったんです。
いくら揚州の民のためとはいえ、今この時に袁術・・・
ひいては皇室に叛意は無い事を証明するために、
色々証拠や袁術自身の証言も必要でしたので・・・」


私は周泰ちゃんの近くに行って耳元に顔を寄せる。


(言いたく無いけど完全に厄介払いだよね?)
(・・・・はい。 しかし、だからといって討つと言うのも・・・
雪蓮さまは喜媚さまから袁術の話を聞いていたので、
討つのは忍びないとおっしゃって。)
(私個人の意見はともかくとして、月ちゃんの許可がいるけどどうするの?)
(それは、後日董卓さまにお渡しする親書や書簡に書かれていますし、
私も一緒に説明する予定です。
もちろん董卓さまが了承される事が条件になるというのは重々承知していますが、
袁術は・・・喜媚さまの所に行く一心で、殆ど他の話を聞きませんので・・・)
(はぁ・・・周泰ちゃんも苦労してるね。)
(お察しいただけて幸いです。)


一旦私は周泰ちゃんから離れて、美羽ちゃんの方を向く。


「美羽ちゃん七乃さん、月ちゃんの許可がまず前提条件だけど、
ウチでは蜂蜜は作ってないから、ここに住むなら、
店の従業員として働いてもらう事になるけどいいの?」
「私は美羽様がいいなら構いません。」
「妾も喜媚と居られるなら構わぬのじゃ!」
「・・・ハァ、丁度店の拡張工事も、もう少しで終わって、
従業員を募集しようと思ってたから私はいいんだけど、
詠ちゃん達がなんて言うか・・・」
「ご迷惑をお掛けしてすみません。」
「いや、私はいいんだよ。
揚州の事はそれなりに知ってるし、美羽ちゃんや周りの事も知ってるし、
孫策さんの事も知ってるから、複雑な気分だけど・・・
美羽ちゃんには悪いけど、しょうがないかな、とも思うし。」


何はさておき、孫策さんに美羽ちゃんの話をしておいたのは正解だったのだろう。
今回は歴史が私の知る原作とはすでに乖離しているので、
もう殆ど宛てにはならないが、
こうして美羽ちゃんと七乃さんと無事に生きて再び会えたのは素直に嬉しい。
揚州の人達も、孫策さんの治世で生活が豊かになるだろう。
後は詠ちゃん達がなんて言うか何だけど・・・


「とりあえず、私は詠ちゃんに美羽ちゃん達の事で、
話をしてこない事には決められないけど、
周泰ちゃんは今日泊まる宿はもう見つけてあるの?」
「はい、部下の者に宿を取るよう手配していますので。」
「それだったらいいか。
下手したら何日かかかるかもしれないけど良い?」
「それは構いません。 私達としても袁術の処遇は重要な要件なので。」
「嫌じゃ! 妾は喜媚と一緒にココで暮らすのじゃ!」
「美羽様、今その話を喜媚さんが話をしてくれますから、
もう少し我慢してください。」
「嫌じゃ嫌じゃ! 喜媚と暮らすのじゃ~!!」
「・・・いつに無く美羽ちゃんが頑ななんだけど何があったんですか?」
「実は、道中で一切蜂蜜を口にすることが出来ずに、
今までした事のないような厳しい旅だったので、
ようやく喜媚さんに敢えて、離れたくないのでは・・・と思うのですが。」


美羽ちゃんも相当きつかったのか、幼児退行してるのか話を聞いてくれそうにない。
考えてみたが、美羽ちゃんなら、警備の人達で見張っててもらえば何とかなるし、
問題は周泰ちゃんだが、彼女月ちゃんに面会に来たのに、
迂闊なことはしないだろう。


「あ~・・・だったら美羽ちゃんと七乃さんと周泰ちゃんだけでも家に泊まっていく?
一部、拡張工事済んだ所で部屋数はたくさんあるから、
周泰ちゃんの部下の人達も泊まってくれても問題ないけど。」
「あ、構いませんよ。
私は袁術を喜媚さまに引き渡すまでの監視が仕事なので、
一緒に喜媚さまのお家にご厄介になれるのなら。
喜媚さまにご迷惑でないなら、私も嬉しいですし、
それに私も喜媚さまと色々お話したいですし。」
「じゃあ決まりだね、人数だけ教えてくれる?
部屋数と寝台の準備しないとダメだから。」
「あ、はい、私と袁術、張勲、と部下が四人です。」
「了解、じゃあ部屋の準備しておくよ。」
「ありがとうございます。」


こうして周泰ちゃん一行はこの日、私の家に泊まることになった。
一応従業員(警備隊)の人に詠ちゃんに簡単な状況だけ連絡しに行ってもらい、
問題がないか指示をもらってきてもらう。

私は、周泰ちゃんを受け入れる準備をしつつ、夕食の準備をする。

詠ちゃんから向かいの屯所見張りを増やして対応すると連絡があり、
とにかく美羽ちゃんと周泰ちゃんの話を聞かない事には判断しようがないので、
それまでは事を荒立てないようにするよう注意された。

その日の夜は美羽ちゃんが道中どんな酷い目にあったかと言う話と、
周泰さんの普通の道中だった、
むしろゆっくり移動したと言う話などで盛り上がり(?)
翌日、朝食を取ってから詠ちゃんに相談するために、宮殿に向かう事にした。


朝議中と言う事で、宮殿内の詠ちゃんの執務室に案内されて、少し待っていると、
詠ちゃんがやってきた。


「おはよう喜媚、待たせたみたいね。」
「おはよう詠ちゃん、それは別にいいよ、それで今日朝から来たのは・・・」
「袁術の件でしょ? あんたには悪い言い方になるかもしれないけど、
生きてた事にびっくりだわ。
それにわざわざ孫策の所の周泰が連れてきた事もね。」
「・・・うん。」
「それで受け入れの事だけど、音々や月とも話したんだけど、
条件付きでなら良いという事になったわ。」
「本当!?」
「えぇ、まずはこちらで取り調べる事、
それと昨日簡単に聞いた、孫策側の言い分通りなら官職と領地の剥奪して、
あんたの店で従業員として働く事、コレは劉備達と同じ強制労働みたいなものね。
揚州でかなりやらかしてるそうだから、ある程度の罰は与えないといけないし。
劉花様の件でどうしようか揉めたんだけど、店の新装で警備も増強されるし、
正直、袁術に好き勝手動き回られたら、
どこの馬鹿が目をつけるかわかったものじゃないわ。
下手に豪族などに接触して旗揚げなど不穏な動きをされても困るから、
目の届く所に置いておこうというのが理由よ。
後は董卓軍の情報を流すような真似はしない事くらいね。
こんなところね、後は状況を見てあまり酷いようなら条件を追加するか、
最悪、討つか追い出すかね。」
「分かったよ、それともう一つ条件と言うか、私の希望なんだけど・・・」
「何よ?」
「美羽ちゃんを董卓さんとこでやってる塾に通わせてあげて欲しいんだよ。」
「・・・なんでまた?」
「美羽ちゃん、家庭の事情で色々あったから、
同年代の子供や民と触れ合う機会が極端に制限されてたんだよ。
だから私塾で勉強しながら、子供達やその親達と触れ合って、
一般常識を学んで欲しいんだ。
市井の民としてこれから生活するわけだから。
まぁ、劉備さんと諸葛亮さん鳳統さんに押し付ける形になっちゃうけど、
私も店では美羽ちゃんの事はちゃんと見てるつもりだし。
根はいい子だから、しばらくしたら子供達とも仲良くなると思うんだよ。
それにあの子、意外に聡いよ? 特に人の悪意は敏感に見抜いてる節があるね。
教え方次第では将来の計画に使える人材に育つだけの器が有るよ。」
「・・・あんたがそこまで言うのなら、しばらく様子を見てもいいけど。
じゃあ、条件の中に、
市井の生活を学ぶために私塾に一定期間通う事を追加しておくわ。」
「ありがとう!」
「別にいいわよこれくらい、下手に袁術を野放しにすることに比べたら、
監視下における今の状態のほうが好ましいわ。
それよりも不気味なのは、孫策よ。
孫策がなんでわざわざ敵である袁術と張勲を洛陽まで保護して連れてきたかよ。」
「その件と関係有るかわからないけど、
どうやら美羽ちゃんに揚州の現状に付いて証言させるみたい。
本人の証言以上に説得力のある証言はないからね・・・
その上で、周泰ちゃんが親書を持ってきているらしいから、
月ちゃんに面会願いたいそうだよ。」
「親書? なにか申し開きを言ってくるだろうとは思っていたけど、
・・・まさか袁術本人に証言させるとはね。
それを条件に命を助けて喜媚に会わせるよう説得したか・・・
孫策が袁術と喜媚の関係を知っていたから出来た説得方法ね。
後は、大方同盟か、一定期間の不可侵条約か・・・
袁術を襲った事と、生かしておいた言い訳と言うところか。
今向こうは地盤固めで、他と争ってる暇なんかないだろうからね。」
「そうだろうね、特に揚州は豪族や江賊が幅を利かせているから。
それに・・・美羽ちゃんの治世で、民も安定してない。
何時、賊や流民になるかわからない。」
「そうね。 まぁいいわ、明日時間をとっておくわ。」
「ありがとう。」
「それと話は変わるけど・・・公孫賛が袁紹
・・・この場合、元袁紹軍かしらね、その軍にやられたわ。」
「え!?」


いきなりの詠ちゃんからの意外な話に、私は驚いて思考が一時止まってしまった。
袁紹さんの部下に反乱をさせようとはしていたが、
まさか、公孫賛さんのところが落ちるとは・・・


「今日の朝議が長引いたのはそれが原因なのよ。
袁紹の配下が暴走してるのは知ってるわね?
その一部が徒党を組んで袁紹を御輿にして、
新しく国を興して私達に対抗しようと言う動きがあるの、
まぁ、コレは当初の計画通り何だけど。
それで、最終的に洛陽を攻める時に背後から攻撃されたのではたまらない、
と言う事で、まずは先制攻撃で公孫賛を先に攻めたと言う話しよ。
公孫賛の生死は不明、戦場で民をうまく誘導して逃がしたという情報もあるから、
本人もうまく逃げたかもしれないけど、
どちらにしても、次に元袁紹軍が攻めるのは・・・」
「空白地の徐州か陳留、曹操さんのところか、
徐州はすでに劉備さんの手にはないから向こうにとって脅威ではない。
曹操さんが今抑えているのは兗州に豫州、領土は袁紹さんと比べて狭いけど、
陳留と許昌の生産力は高く、連合の戦の時にも最も兵を消耗していないのは曹操さん。
それに比べて最も被害が大きかったのが袁紹さん。」
「そうね、この戦いは更に連合に与した諸侯は、
何らかの形で参加しなければ朝敵とされるから、
嫌でも出てくるでしょう、それか金子か兵糧を曹操に援助するでしょうね。
それに袁紹は完全に御輿状態で指揮能力は無いらしい、
完全に部下が勝手に暴走している状態だから、
黄巾より厄介だけど、反董卓連合よりは与し易いはず。
曹操なら何とかするでしょうけど、
その場合、鎮圧したのが曹操となると何か報奨を考えなくてはいけない。
冀州・青州・幽州・徐州、このウチの幾つかを曹操に渡すのが一番手っ取り早く、
計画を進めるのに最も効率がいい。」


董卓さんによる天下統一なら、曹操さんに領地を渡すのは愚策なんだけど、
渡しても良いという事は・・・


「詠ちゃん・・・じゃあ、あの計画を実行するつもりなの?」
「・・・ボクもあれから考えたわ、音々とも話したし月とも話した。
長期的視野で見ると、喜媚の言っていた天下三分の計が、
もっともこの国を安定化させられ、民のためにもなる・・・そう月が言っていたわ。
幸いにも曹操は厳しいけど平等で、善政を敷いている、
特に最近の陳留の発展は目覚しい。
孫策は見極める必要があるけど、
細作の情報だと民を大切にする主君だという情報もある。
拠点での統治はまずまずと言ったところのようだし。
問題は劉焉・・・あそこの跡目争いでの内紛は目に余る。
あそこはどうしても討たねばならない・・・が今は名目が無い。
陛下には何度か早く世継ぎを決めて安定させるように勅を出してもらってるけど、
今もまだ闘ってる所を見ると、あそこは誰が継いでもダメね。
最終的にはウチ、曹操、孫策で国を分けて三竦みでお互い監視しあうのが、
最もこの国にとっていいけど、劉焉をどうするか・・・」


そう言って詠ちゃんは壁に張ってある地図に向かって二本針を投擲する。
その針は荊州と益州の位置に刺さる。


「交州は南蛮の異民族が収めているから羌族や氐族と同じ方法で、
公益を持つ事を第一に考えて、穏便に進めればいいとしても、
まずは劉焉を何とかしないと・・・何か動きがあればいいけど・・・」
「そこは反董卓連合の手で、まずは民の意識から変えて行ったらどう?」
「・・・細作を使っての情報操作、か・・・」
「そう、劉焉さんの領土の民は苦しんでるはず。
そこに月ちゃんの領土では食うことに困らず、職にあぶれることもなく、
みな平和に穏やかに暮らしている。 と言う情報を流す。
劉焉さんの部下も一枚岩じゃないのは世継ぎ争いをしている事で明白。
中には義侠心に溢れた人達もいるはず、
その人達に内部から蜂起させ、董卓軍が援助する。
これで劉焉さん、もしくは世継ぎの子には統治能力は無い物と判断し、
協ちゃんの勅を出す口実にする。
そうすれば月ちゃんは荊州と益州の民を救う形で挙兵したと言う風評ができ、
蜂起した人達には援助の条件として、董卓軍に入ってもらい、
統治は任せつつも、こちらの要望や統治方法を教えていけば、
荊州、益州までは安定する。」
「・・・喜媚、あんた反董卓連合の時も思ったけど、
情報の使い方がえげつないわね。」
「詠ちゃんどんなに国が大きくても、結局はそこに住む人なんだよ。
私の知ってる偉い人の言葉に、
『人は城 人は石垣 人は堀。情けは味方 仇は敵なり。』 っていう言葉がある。
民を思い、信じれば民は答えてくれる、
民を蔑ろにすれば、それはいずれ仇となって帰ってくる。
月ちゃんはそれを良く知っている。 それは詠ちゃんもよくわかってるでしょ?」
「えぇ。」
「その事を荊州と益州の人達に知ってもらえれば、必ず蜂起は起こる。
民を思う将官は劉焉さんの配下の中にもかならずいるはず。
(民を思う、黄忠さんと厳顔さんがコレを知って動かないはずがない。
必ず月ちゃんに接触して来るはず。)」


詠ちゃんは、筆の柄の部分を咥えながら目を瞑って思案している。


「少し、考えさせて。 音々や月とも話してみたいわ。」
「うん、あまり急いで結論を出さずにゆっくり考えてみて。
それと・・・できたら、諸葛亮さんと鳳統さんにも、
今後この話に参加してもらうように出来ないかな?」
「あの二人に? 正直今は無理よ。」
「それはわかってる、だからしばらくあの娘達の為人を見て欲しい。
あの二人の才を塾の講師で終わらせるのは国の損失になるし、
あの劉備さんに着いてた軍師だよ?
必ず民の犠牲がもっとも少ない策を望むはず。」
「そうね・・・正直劉備の主君としての器はともかく、
あの、バカが付くくらいの、お人好し具合と、
人を惹きつける能力は月以上の物があるわ。
きちんと主君としての教育を受ければ、名君に成れたでしょうに。」
「劉備さんや一刀君もそうだけど、あそこは時期があまりにも悪すぎた・・・
主君は善政を望み、武官は一流どころが揃ってて、軍師も最高。
だけど、時は彼女達の味方をしなかった。」
「・・・諸葛亮と鳳統が最高かどうかは置いておくとして、その才は認めるわ。
ボクもあの娘達と少し話したけど、劉備の配下じゃなかったらウチに誘ってたもの。」
「だからあの二人を、それ以外にも愛紗ちゃん達もそうだけど、
このまま埋もれさせておくのはもったいないんだよね。
劉備さんは月ちゃんに考えが近いから、一度月ちゃんとゆっくり話してもらったり、
この洛陽や月ちゃんの統治する領土を見てもらえれば、
その下に付いていた、諸葛亮ちゃん達も協力的になるとは思うんだよね。」
「・・・その辺も含めて少し検討させてもらうわ。
少なくとも今すぐ返事を出すならダメよ。」
「分かってる。」


詠ちゃんは一度深呼吸をし、椅子に深くもたれかかるように座る。


「これだけ大きい国だと、次から次へと問題は起こるものね・・・
昔の月の領土だけの頃だったらこんなに忙しくなかったし、
問題も少なかったのに・・・」
「だから一人の皇帝でこの国を収めるには・・・この国は大きすぎるんだよ。
だから漢王朝はこうして衰退している。
私達は歴史から学ぶべきだよ。」
「天下三分の計、政治体制の移行、議会制度、皇帝の象徴化・・・
あんたの言う話は突拍子なさすぎるのよね。
まぁ、頭への刺激は凄いから、ボクは話してて楽しいんだけど。
そうだ・・・今度あんたのとこへ行く日何時だっけ?」
「明日だよ。」
「そっか・・・お風呂、用意しといてね。」
「うん。」
「あと、もう少し月と話をしてあげて。」
「うん、これから月ちゃんとこにも行くつもり、お土産を持ってね。」
「そうしてあげて、あの子も色々と大変だから気分転換させてあげないと。
喜媚と話をするだけでも、十分気分転換になるみたいだから。
ボクだとどうしても仕事の話が多くなっちゃって・・・」
「詠ちゃんも、それに皆も頑張ってるよ、
特に最近は音々ちゃんの伸びが凄いからね。」
「あの子はこれからが成長期なのよ、
下手に恋が強すぎて、それに音々がくっついてたから、
策に頼る必要がなかったけど、これからはそうも言ってられないからね。
これから嫌でも伸びるわよ。」
「そうだね。」


この日はこの後、月ちゃんの所に顔を出して、少し談笑し、
協ちゃんのところにも顔を出したあと後、店に帰った。


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  1. 2012/10/09(火) 21:30:43|
  2. 真・恋姫†無双 変革する外史。
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:10
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コメント

洛陽 おもしろい!!

まあ、無理に統一する必要はないかもしれませんが、
劉備を使うのなら、董卓の部下である事にキチンと認識させる事。(慣れ合いをしない)
旧劉備一党をあまり一緒の職場にしない事(例えば、昔のように劉備に関羽を指揮させるような事はやめた方が良いような・・・)
董卓勢力内部に強過ぎる派閥が出来て、女王が二人になりますからね。

史実でも劉備は世話になった勢力を裏切るか、衰退させるかどちらかと思いました。
  1. 2012/10/09(火) 22:41:05 |
  2. URL |
  3. アレクサエル #VGpyGlCE
  4. [ 編集 ]

連載が再開されましたよね.
また読めるようになって嬉しいです.
とにかく話雰囲気がますます終わりを向けて駆け付けるようで惜しかったが,
まだ世語りが残っているようで幸いです.
次話も待たれますね.
  1. 2012/10/10(水) 00:59:00 |
  2. URL |
  3. lonelyhunter #mQop/nM.
  4. [ 編集 ]

誤字

「美羽ちゃん、家庭の事情で色々会ったから、
            ↓
「美羽ちゃん、家庭の事情で色々あったから、

  1. 2012/10/10(水) 01:22:23 |
  2. URL |
  3. Gfess #knJMDaPI
  4. [ 編集 ]

誤字の報告です

それは詠ちゃんもよくわかてるでしょ?」
→それは詠ちゃんもよくわかってるでしょ?」

この洛陽や月ちゃんの統治する領土を見てもらえれば、、
→この洛陽や月ちゃんの統治する領土を見てもらえれば、

「あと、もう少し月と話をしてあげて。
→「あと、もう少し月と話をしてあげて。」
  1. 2012/10/10(水) 18:23:53 |
  2. URL |
  3. へいほう #0DCaDBFQ
  4. [ 編集 ]

主人公の知恵。

 主人公の知識と努力と経験の結果でしょうか?
 主人公が平和の為に、本格的にやる気になってるみたいで、とても良い感じだと思います。
 
  1. 2012/10/11(木) 23:08:27 |
  2. URL |
  3. オ #SFo5/nok
  4. [ 編集 ]

Re: 誤字

誤字の指摘ありがとうございました。
修正しておきました。
  1. 2012/10/12(金) 21:20:18 |
  2. URL |
  3. たいち #-
  4. [ 編集 ]

Re: 誤字の報告です

追加の誤字の指摘ありがとうございました。
修正しておきました。
  1. 2012/10/12(金) 21:21:32 |
  2. URL |
  3. たいち #-
  4. [ 編集 ]

誤字?

詠ちゃんは、筆の柄の部分を加えながら目を瞑って思案している。

詠ちゃんは、筆の柄の部分を銜えながら目を瞑って思案している。
  1. 2012/11/11(日) 14:33:37 |
  2. URL |
  3. 匿名さん #-
  4. [ 編集 ]

誤字です^^

それはいずれ仇となって帰ってくる
返って
  1. 2012/12/09(日) 01:11:18 |
  2. URL |
  3. 黄金拍車 #-
  4. [ 編集 ]

78話へのリンク
  1. 2012/12/30(日) 09:49:07 |
  2. URL |
  3. ちょっと通りますよ #zQLvkSFw
  4. [ 編集 ]

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