たいちの仮設避難所

某小説投稿サイトの規約改定による 仮設の避難所です。

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七十四話


洛陽




--関羽--


賈詡殿に部屋で待機を命じられて、はや十日は過ぎただろうか?
それとも一年はたっただろうか?
日付の感覚が曖昧でよくわからない。


桃香様や鈴々等は、当初は洛陽の人達が悪政などで苦しんでいない事を喜んでいたが、
今では、なぜ自分達に未だに何の処罰も下されないのか、
朱里達と一緒に不安がっている。
星は・・・・いつも通り飄々としたものだが、表情にいつもの明るさはない。

張譲の処刑は速やかに行われたのに、私達には未だに何の音沙汰もない。
董卓殿は、一体我らをどうするつもりなのだろうか?

ご主人様は男という事で別室を充てがわれているが、
部屋を出て庭園で気分転換をするくらいは許されているので、
その時に会い、様子を聞いてみたら、特に何も酷い仕打ちは受けていないという事だ。

どうやらご主人様は異民族だと思われているようで、
時折、兵士がやってきては、この国の常識を教えてくれるそうだ。
だがその教え方は親切で、とても異民族を相手にするものではないのだが、
それが董卓殿の方針なのだそうだ。
まず相手を信頼しなければ自分を信じて貰えない。
実際、董卓殿は、異民族と積極的に経済交流する事で、羌や氐を抑えているそうだ。

ご主人様は、すでに以前の服は没収され、
宮中ということで、普通の民が着る服よりも上質な物をを支給され、
今後、洛陽から追放された際に生きていけるように、
この国の常識を教えられているそうだ。

董卓殿の噂を聞くくらいの兵士との会話は許されているので、実際聞いてみたのだが、
以前の洛陽はそれは酷く、民の生活も困窮していたらしい。
そこへ何進様暗殺事件が起きて、宮中の宦官が袁紹達に誅殺され、
拐われた天子様を董卓殿が救ったと言う事で、
現在の地位、相国に納まったと言う話だそうだ。
董卓殿の統治に変わってからは、違法な賄賂等の要求は一切禁止され、
今の洛陽を見ればひと目で分かるように、善政が敷かれ、民に笑顔が満ち溢れ、
兵士も洛陽を守ることに誇りを持っている。

だから今回の反董卓連合には激怒し、兵士達の士気は上がり、
何が何でも洛陽と董卓殿、
それに天子様を守るんだという気概に満ち溢れていたそうだ。


そこでついでに喜媚殿の事を聞いてみたが、
喜媚殿は以前から董卓殿に高待遇で士官を勧められていたようで、
今回、張譲達によって、反董卓連合を組まれた事で、義によって立ち上がり、
客将扱いで董卓軍に仕官し、工作部隊の部隊長として参加し、
数々の戦功を上げられたそうだ、

私がその話を聞いた兵士は喜媚殿の事を、
まるで自分の戦功を誇るように語り、褒め称えた。
どうも喜媚殿が率いた部隊は 『黒猫隊』 と呼ばれていてそうで、
皆喜媚殿と同じ、猫耳頭巾付き上着の制服を支給され、作戦時に着用している。
その部隊は五十名前後で構成され、
董卓軍の最精鋭部隊として勇名を馳せているそうだ。
志願者は数多くいるけれども、決して増員されず、
今回の戦が終わり、連合が解散した後、その部隊も解散されたが、
一部の者は、今でも重要な秘密任務を受けていて、
日々、洛陽の為に影で働いているそうだ。

その話を聞いた私は、酷く罪悪感に苛まれる事になる。
我々の陣営はあの状況では他に選択肢がなかったとはいえ、
戦嫌いで、周りの者を大切にし、日々の穏やかな生活を望む喜媚殿を、
私が戦場に狩りだした要因の一部になってしまった事に・・・


そうして私達が日々を過ごしていると、
ようやく賈詡殿から私達に対しての沙汰が下される事となったので、
謁見の間に通される事になった。

そこには董卓殿と賈詡殿、それに護衛の武官が数名待機している。


「劉玄徳、北郷一刀。」
「は、はい。」 「はい。」
「今回、貴方達の事情は察しますが、
あのような不敬な連合に参加し陛下のお住みになられる洛陽を攻め、
あまつさえ天の名を語る等という不届きな事を許すわけには行きません。
よって、前回申し付けた通り、領地は没収し、北郷一刀は我が領内から追放。
劉玄徳達以下の者は洛陽で期限付きの強制労働をしてもらいます。」
「はい。」 「はい。」
「労働内容は賈文和が説明します。」
「ではボクから説明させて貰うわよ。
まず劉玄徳、諸葛孔明、鳳士元の三名は、
最近ようやく完成した、ボク達が運営する塾での講師をする事。
コレは領内の識字率を上げ、住民の知的水準を上げることが目的よ。
その中から将来、我が軍に有望な者は現れたら積極的に登用していくつもりよ。
関雲長、張益徳、趙子龍の三名は、今度新設される、
洛陽の治安維持の為の部隊の一般隊員として、洛陽の民を守る事。
今まで貴女達の刑の執行に時間がかかったのは、
私塾の工事と、新設する部隊の屯所の建設や部隊編成に時間がかかったからよ。
なお、一応最低限の賃金は支給され、住む場所もこちらで用意するので、
刑期が終わるまでは、勝手に転居等しないように。」

「「「「「「はい。」」」」」」

「それと北郷一刀。
貴方は当初の予定通り、数日後、洛陽から追放されるわけだけど、
その際、最低限の旅の準備こちらでしてあげるので、心配はないわ。
コレは一応、黄巾の乱と今までの領地運営の功績を鑑みて、
董仲穎様からの温情だから感謝し、二度と天子様の名を語ったり、
国内を乱れさせるような真似はしない事。
希望があるなら、どこかの邑までの旅の手配をするけど何かある?」
「・・・徐州へ、できたら彭城への手配をお願いします。
俺・・・私が思慮が足りず馬鹿な事をやったせいで皆に迷惑をかけた、かけました。
せめて、皆にそのお詫びをしたい。」
「・・・わかったわ、彭城まで行く行商人の一座がないか調べておくわ。
それと、それまでにかかるであろう、旅費や食料も用意する。 それでいいわね?」
「はい。」
「他の者もそれでいいわね?」
「「「「「「はい。」」」」」」


こうして、私達の処分は決まった・・・・皮肉な事に、
私達がやむを得なかったとはいえ、
攻め込んだ洛陽の民を私達が守る事になるとは・・・

だが警備などしていたら、いつか喜媚殿に会う事もあるだろう。
・・・私はその時どんな顔をしたらいいんだろうか?
罵倒されるだろうか? 詰られるだろうか? 無視されるだろうか?
それとも私達の立場を理解してくれるだろうか?
・・・ただ、今の私は喜媚殿に会いたいというい気持ちの反面、
何よりも会うのが恐ろしかった。


董卓殿から沙汰を下され、
私達は謁見の間を出て庭園に集まり、今後の事を話している。


「それにしても董卓さんが優しい人で良かったね!」
「確かにそうなのですが・・・少し腑に落ちません。」
「うん・・・朱里ちゃんもそう思う?」
「なにか気になるの? 朱里ちゃん、雛里ちゃん。」
「いえ・・・刑が軽すぎるんです。
死罪となったのは張譲さんのみで、袁紹さんでさえ領地と私財の没収です。
橋瑁さんは戦場で呂布さんに討たれたので除外しますが。
今回の連合に参加した諸侯全員、刑が軽すぎるんです・・・私が思うに、
・・・コレは策略です。」
「策略? どういう事だ?」
「おそらく賈詡さんは連合に参加した諸侯が潰し合うのを狙っているんだと思います。
今回の戦では董卓さんが勝ちましたが、その戦の仕方は防衛に徹していたため、
被害は軽微です、汜水関等の関や道が痛みましたが、
その保守費用は等は全て連合に参加した諸侯で補うことになっています。
今回、戦に参加した諸侯は被害は甚大で戦費もかなり使っています。
その上、保証費用を長期にわたって徴収されるので、どうしても自領では補えません。
と、なると無ければどこかから持ってくるしかありません。
それに、袁紹さんの領土は国内でも最も肥沃な土地で、そのため蓄えも十分あり、
アレだけ大量の兵を養っていけていましたが、その分汚職も酷かったんです。
おそらく、最悪、袁紹さん、
もしくはその側近の誰かが陛下の裁定に反旗を翻すでしょう。
そのための布石が 『袁紹さんと配下の将官も含めて私財没収』 なんです。」
「どういう事・・・まさか!」
「そうですご主人様、賈詡さんは 『わざと』 反旗を翻すよう誘って、
それの鎮圧を連合の諸侯にやらせて弱体化させ、袁紹さんの領土を平定した上で、
自分の腹心の部下にでも統治させ、この国の役半分の領土を得る事になるんです。
自分の懐は一切痛めず、それどころか肥やして。」
「そしてその間に董卓さんの領土は益々潤っていく・・・
今回の戦の勝利で、すでに董卓さんは天下統一への道標ができているんです。
曹操さんは袁紹さんの領土を狙っているようですが、
それも董卓さんの胸先三寸、袁紹さんの配下が反乱を起こせばそれを口実に、
国を乱した責任を追求され、袁紹さんの領地はわずかに貰えたらいいところ。
下手をしたら責任を追求される事さえあります。」
「では、この国は近い将来董卓殿が統一すると?」
「そうです星さん・・・その道筋はすでに見えているんです。」
「・・・む~、鈴々にはよくわからないけど、
戦が無くなるのは良い事なのだ。」
「そうですね、ただこれからしばらく袁紹さんの領内は荒れるでしょう。
その後、諸侯同士で潰し合って、最後に残った諸侯を董卓さんが止めを刺して終わり。
董卓さんの勝利です。」
「で、でも董卓さんはいい人だから酷い事はしないよね?
朱里ちゃん、雛里ちゃん?」
「そうですね、洛陽の統治を見る限り董卓さんの統治能力は、ずば抜けています。
私も以前の洛陽の話は聞きましたが、わずかこれだけの短期間でここまで復興させ、
繁栄させている・・・そしてすでにその先も見えているんです。
だからわざわざ、国費まで使って塾を作り、
民の識字率を上げ、これからの国政を担う者を育てようというんです。
そして、それを私達にさせるつもりなんです。」
「反董卓連合なんて意味がなかったんです・・・
董卓さんは今最もこの国の未来を見ているんですから。
私達がやった事は・・・・・」


朱里と雛里は無力感に苛まれ、暗い表情になっているが、
そんな時、星が明るくこう言った。


「そうか・・・しかし、そう悪いことでもなかろう?
これからこの国は良くなっていく、我らはその手伝いをいち早くできるのだ。
今は罰を受ける身だがその期限も無期限ではない。
将来この国が良くなった時に、胸を張ってこう言えばいい。
『我らがこの国の礎を築いたのだ。』 とな。
そう言えるように、与えられた任務を果たせば良い。
桃香様の 『みんなが笑って暮らせる国』 は我等の手では無理だったが、
その手助けはできるのだから、我らはまだ恵まれているというものだ。」
「そう・・・ですね・・・
そして私達はこれからのこの国を良くしていく子供達を育て上げて、
同時に董卓さんが権力に酔って暴走しないように、
内部から見張る役目をすれば!」
「そうだよ朱里ちゃん! 桃香様や御主人様、
それに皆でこの国を良くすることは、まだ出来るんだよ!」
「そうだな・・・我らがこの洛陽の民に迷惑をかけた分・・・
それにこれからの未来の為に、まだやれることがあるんだな。」
「鈴々も頑張るのだ!」
「そうだよな・・・俺も徐州に戻って巻き込んでしまった皆に謝って、
外から袁紹の領土の民が少しでも困らないように、
今まで学んだことを生かしてなんとかやって行くよ。」
「皆、頑張りましょう!」

「「「「「「おう!」」」」」」




--喜媚--


「と言う事で劉備達の処遇はそうなったわけ。」
「あんまり酷い事にならなくてよかったよ。」


今詠ちゃんはウチの店で、休憩しつつ、
今日劉備さん達に処断を下した事を教えに来てくれた。
私が愛紗ちゃんと知り合いだというのを知っているので、気を使ってくれたんだろう。


「月も甘いからね・・・私は死罪、鉱山労働、
五十回棒叩きでもいいと思うんだけど。」
「それって、ほとんど全部、死に直結してるよね?
一番いい鉱山労働だってかなり死亡率高いって聞くし。」
「・・・つまりはそういう事よ。」
「詠ちゃんは時々言う事が過激で怖いよね。」
「それがこの国の治安に取って最もいいと思うんだもの。
特に劉備は本当は真っ先に排除したいんだけど、
月がいい先生になりそうだとか言うから・・・あんたが吹き込んだんでしょうけど!」
「で、でも子供達には人気でそうだよね。
董卓領内の識字率を上げるための実験何でしょ?
先生が生徒に好かれるのはいいことだよ。」
「はぁ・・・・あんた達は呑気でいいわね。
ボクは子供達が変な洗脳されないか心配よ。」
「洗脳って・・・」
「天の御遣いなんて怪しい名前で義勇軍をアレだけ纏めあげたのよ?
あの娘は天然で人心を集めるのがうますぎるのよ。
それだけに放置できないから、殺すか、籠で飼いならすか・・・ハァ。
月も、もう少し主君として非情な判断を取れるようにならないかな?」
「でも、そんな月ちゃんが好きなんでしょ?」
「・・・・・フンッ!」


一旦私も詠ちゃんもお茶を飲んで一息入れる。


「それにしても、本当にこの機会を捨てるの?」
「詠ちゃんも歴史は嫌というほど学んだでしょ?」
「・・・そうね、月やその子供の時代は良くても・・・その先は・・・」
「そのためにも必要なんだよ・・・出来れば三つが好ましい。」
「・・・ボクは正直、今は賛成できない・・・いや、頭では分かってるの、
喜媚の言ってる事はその通りだって、でも!」
「まだ時間はあるよ、いそがないで考えてみて。
音々ちゃんも居る、月ちゃんも居る、皆でゆっくり考えて歴史から学んで?
人はそんなに愚かじゃない。
きっと過去から学べるはず。」
「ただ問題はボク達は納得しても他がどうか・・・」
「私は信じるよ。 皆は戦なんか望んでないって。
あんな勝っても負けても虚しさしか残らない事なんか誰も望んでない。」
「そうだといいわね・・・でも腹案は必要よ? ボクはボクで策を進める。」
「うん。」
「でも・・・あんたの言う事も理解できる。」
「うん。」
「だから少し時間をちょうだい、ボクも、もう少し考えてみる。」
「うん。」


それから二人でお茶を飲んで一息入れる。
丁度湯のみは空になった。


「・・・それで、話は変わるけど、桂花から返事は来た?」
「ビクッ!? ・・・・ま、まだだよ?
あ、あの・・・お茶のおかわり 「いらないわ。」 ・・・そうですか。」


詠ちゃんが言っているのは、私が桂花に尋ねた、
本当に詠ちゃんと月ちゃんに房事を許したのか? と言う返事だ。


「返事、来たのね? ボクの言ってた事は本当だったでしょう?」
「・・・・う、うん。 でも・・・」
「桂花に悪い? 本人が許してるのに?」
「わ、私は 「ただの農家とか茶店の店主とか言うのは通じないわよ?」 あぅ。」
「大体あんた、この間この店に出入りしている豪族の娘と、
見合い話持ちかけられてたわね?
アレだって結局私が潰してあげたんじゃない!」
「こういう時どうやって断ればいいのかわからないんだよ。
下手に断って問題になってもアレだし、
今までは冗談で済んでたんだけど これからはそうも行かないし・・・」
「まぁ、あんたは元農家の息子だからしょうがないけど・・・
桂花が心配だって言っていたのがよく分かるわ。
あんたは人が良すぎるの! 嫌なら嫌って言えばいいの!!」
「う、うん・・・・」


こういう時に、元日本人の悪い癖が出てしまう。
NOと言えない日本人の癖が。


「とにかく! あんた見合い話とか、一度娘に会わないか?
とか、そういった話が来たら、まずボクに言いなさいよ!
あんただけに任せておくと、気がついたら側室が増えてました、
とかいう状況になりそうだわ。
流石に桂花に操立てしてるだけ有って、簡単に婚姻話は受けないだろうけど、
皇帝陛下に直接影響力のある喜媚なら、向こうは側室でも妾でも十分なんだからね!
有耶無耶にしようとしたり中途半端な返事はするんじゃなくて、
ボクに相談するか、はっきり駄目だって言いなさいよ!」
「はい・・・わかりました。」


もう、桂花云々以前に完全に尻に敷かれてるよね・・・
詠ちゃんが心配するのは解るから、私ももう少し気をつけないと。


「それで、桂花の確認が取れたならもう問題無いわね。
一回宮殿に戻って仕事を終わらせるけど、ボク・・・今日泊まっていくから。」
「・・・え?」
「意味は・・・分かるでしょ?」
「あんたがこの間、ボクを拒絶しなかったって言う事は、そういう事でしょ?
なら問題ないじゃない・・・っていうか、
女にここまで言わせて、これ以上恥をかかせるつもり!?」
「・・・詠ちゃんの事は嫌いじゃないんだよ・・・むしろ好きだよ。
でも、私にそこまでの価値があるかと言われると・・・」
「あんたがどう思おうがボクにはそれだけの価値があるの、
たとえ桂花と勝負で負けて側室扱いでもね。
桂花だってその覚悟があって、
それでもあんたと離れたくないから私と条件付きで協力してるんでしょ?」
「・・・・」
「ボクはね、いや、ボクも桂花も、そしてきっと月もだけど、
あんたと一緒に歩いて行きたいの。
これからボク達にはいろんな苦難が待ち受けているわ。
この国の未来の事やボク達の人生の事・・・
それ以外にも予想外の出来事も起こるかもしれないけど、
ボク達は皆あんたと一緒に乗り越えていきたいの。
桂花だって今は離れ離れになっているけど、
ボクの策かあんたの策、どちらかが成功すれば、
皆で一緒に暮らす事も不可能じゃないし、
桂花だって桂花なりに曹操の軍師という立場から、
あんたと一緒に生きていける方策を懸命に考えているわ。
・・・喜媚、あんたはボク達と一緒に歩んで行きたくないの?」
「そんな事はないよ!」
「じゃあ、答えはもう出てるじゃない。
あんたの今の立場では、側室を何人持ってもだれも文句も言わない、言えない。
それにボクも桂花も、お互いが求め合ってる。 これ以上何が必要なの?」
「り、倫理的に・・・?」
「適当な理由をつけてごまかすのは止めなさい、あんたの悪い癖よ。」
「うっ。」
「これが最後よ、どうなの? ボクや月、桂花と一緒になりたくないの?」
「・・・・なりたい。 皆と一緒に、ささやかでも良い。
ただ、皆と幸せに暮らしていきたい。」
「なら決まりね。 今日泊まっていくわ、お風呂の用意しておいてね。」
「一つだけ教えて、なんで詠ちゃんはそこまでして・・・
桂花や月ちゃんが居るのに私と一緒になりたいの?」
「・・・そんなの決まってるじゃない。
喜媚と二人っきりっていうのもいいけど、月がいたほうが幸せだもの。
桂花は・・・まぁ、決着さえつければ、仲良くやっていけると思うわ。
別にボクはあの娘の事、嫌いじゃないもの。」
「私にはすごくいがみ合ってるような気がするんだけど・・・」
「それは立場がはっきりしてないからよ。
お互いの立場がはっきりすれば、きっと仲良くやっていけるわ。
私、一度仕事片付けてくるから。
じゃあ・・・またね♪」


そう言って詠ちゃんは人差し指を唇に当てて、笑って店から出ていった。


この後、私は通常の仕事に戻ったが、いまいち仕事に身が入らず、
珍しく劉花ちゃんに 『喜媚様、集中していただかないと怪我しますよ!』
と注意されてしまった。


そして、この日の陽が沈む頃、詠ちゃんが店にやってきて、
皆で食事を取る時に、劉花ちゃんから妙に視線を感じたが、気のせいだろうか?

私は食事の片付けをしている間に、
お風呂に入り身を清めた詠ちゃんは、先に私の部屋へ行き、
その後私も最後にお風呂に入り、部屋に戻った時、
詠ちゃんは寝台で下着姿で私を待っていた。


「喜媚・・・その、ボ、ボクは初めてだから、やさしくね?
桂花から聞いた話だと、喜媚は激しいらしいから・・・」
「う、うん・・・なるべく優しくするよ。」
「ん・・・喜媚、好き、だよ。」
「詠ちゃん、私も好きだよ・・でも 「それは無しよ、今だけはボクの事だけ見て。」
・・・うん。」


そしてこの日、私は詠ちゃんと身も心も結ばれる事となった。


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  1. 2012/09/30(日) 19:55:05|
  2. 真・恋姫†無双 変革する外史。
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

誤記報告です。

 そうですね、ただこれからしばら袁紹さんの領内は荒れるでしょう。

 → しばらく袁紹さん
  1. 2012/11/14(水) 13:40:31 |
  2. URL |
  3. 匿名さん #t70T1cYU
  4. [ 編集 ]

75話へのリンク
  1. 2012/12/30(日) 09:36:28 |
  2. URL |
  3. ちょっと通りますよ #zQLvkSFw
  4. [ 編集 ]

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