たいちの仮設避難所

某小説投稿サイトの規約改定による 仮設の避難所です。

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七十二話


洛陽




桂花達がそれぞれの領地へと去って、少し店内が寂しくなったが、それも束の間、
翌日から開店するための準備をして、いざ開店となった時、
待ってましたと言わんばかりのお客さんで、店内はごった返し、
中には、私が今回の連合との戦いに参加していた事を知っている人達なども居て、
お礼(?)のお土産や、お祝いなどを持ってきてくれる人も居るし、
ウチの息子の嫁にどうだ? と結婚を勧められる始末。

まぁ、それは向こうも冗談だったのだが、
中には本気で、見合い話を持ってくる人や、
所謂、黄金色のお菓子を持参しては、
月ちゃんに会わせて欲しい等と言う輩まで出てくる始末。

そういう人はウチの従業員兼警備隊の御用になって、屯所に突き出されるのだが、
以前はもう少し私が董卓軍と懇意にしてると言う噂を、確認しようとか、
もう少し伺う様子があったのだが、
今日はストレートに月ちゃんや賈詡さんに面会するために、
私を利用しようとしたりする人が現れたり、慌ただしい開店日となった。


そんな事があったせいで、店内には交代で向かいの屯所の人が一時常駐したり、
従業員の皆もピリピリして、
劉花ちゃんは接客ができずに厨房仕事をしていたりしていたが、
数日程で落ち着きを取り戻し、
今でも、私に汜水関や虎牢関での戦いの話を聞かせて欲しいと言う子供と達が来るが、
なんとか通常営業に戻れている。

その裏で、家の拡張工事は進んでいるようで、
今は隣の買い取った屋敷との壁を壊し、
通路を作ったり、一部を破壊して庭を広くしたり、
壁を厚く補強、風呂場の拡張、酒蔵の新設、東屋や池、庭の整備などの工事が、
急ピッチで進められている。
厨房の拡張工事は、すべての工事が終わった後で、
最後に店を何日か休んでするため、店内の方は今は殆どいじっていない。
工事の音でうるさいと言う苦情が来るかとも思ったが、
洛陽は、月ちゃんが治める様になって以来、
様々な所で工事をやっているので、特に問題にはならかったようだ。


こうして更に何日か経ち、月ちゃんの方も忙しさはあるが、
戦の時や、その直後のような休む時間もないほどの忙しさはなくなり、
少しづつ皆が休みを取れるようになってきた所で、
宮殿内では何日か通して兵なども各部署ごとで、勝利の宴を開いたそうなのだが、
一度、身内の皆で集まって宴会を開こうという事になり、
その場所は私の店になってしまった。
それからしばらく、私は宴会の準備に追われる事になる。

今回は私の知り合いだけで行われるのだが、
協ちゃんも変装して来るという事で、
向かいの屯所の警備隊とウチの従業員も一緒に参加して、
休みの日に日夜激しい訓練をしている。
あまり無理をさせるといけないので、差し入れを入れたり、
店の休みの日を少し増やしたり、従業員の皆の仕事を私が変わったりしながら、
無理をして倒れたりしないようにしながら、訓練と宴会の準備の日は続いた。


そして、宴会当日。


霞さんと華雄さんが一番最初に大きな酒樽を持って来たかと思ったら、
恋さんと音々ちゃんが大量の食材を持って、
恋さんの 『家族』 と一緒にやってきたり、
物々しい警備の中、月ちゃんと協ちゃんが乗った馬車が店の前まで来て、
賈詡さんが警備隊に何か指示を出している。

店内では、すでにある程度の料理の準備はできているのだが、
更に恋さんが持ってきた大量食材を誰が調理するのだろうか・・・?
私は宴会へのまともな参加を諦めた。


こうして皆が席に着き、それぞれの器にお酒も注がれ、
後は協ちゃんの言葉を待つのみとなった。


「うむ、今回は堅苦しい事は無しじゃ!
今回はがんばってくれたのう。
妾はこうして無事に洛陽の民が安心して生活を送れるようになって嬉しいし、
この洛陽を守った、皆を誇りに思う。
さぁ! 堅苦しい話はここまでじゃ!
後は皆好きなように飲んで食べて大いに騒ぐが良いぞ!!
乾杯じゃ~~!!」

「「「「「「「「乾杯~!」」」」」」」」

こうして、反董卓連合を乗り切りった董卓軍の仲間達との身内だけの宴会が始まった。


「よっしゃ! 今日は飲むで~!」
「張遼、飲むのは止めんが、酔いつぶれるのだけは止めろよ。」
「アホか! こんな席で潰れるまで飲まずに、いつ酔い潰れるんや!!」
「阿呆はお前だ! お前が潰れたら誰がお前を部屋まで運ぶと言うんだ!
私になるんだぞ!!」
「華雄・・・・後は任せたでぇ!!
喜媚ぃ~ツマミが足りへでぇ~!」
「あぁ・・・諦めるしか無いのか・・・」
「ふぁゆう・・・ふぁんば。」
「呂布、せめて口に物を入れながらしゃべるのはよせ。」
「さぁさぁ、恋殿! こっちには豚の丸焼きがありまずぞ!」
「ん・・食べる・・・」
「月・・・あのバカ共は放っておいて、ボク達は品良く楽しもうね。」
「あ、あの霞さん、私も、もう一杯いただけますか?」
「月ぇぇ~~~~!! ちょっと霞! あんた月に何飲ませてんのよ!?」
「はぁ? こんな機会でもないと月っちは喜媚の酒好き放題飲む機会無いやろが、
だから今日は月っちに優先的に飲ませてやってんねん。」
「やめなさいよ!! 喜媚のお酒はキツイのよ!
そんなに量飲んだらすぐに潰れちゃうわよ!!」
「大丈夫だよ詠ちゃん、このお酒美味しいし、私はしっかりしてるから。」
「月・・・月が見てるのはボクじゃなくてセキトだよ。」
「ワン!」
「詠ちゃんもそう思うよね~♪」
「あ~もう! やってらんないわよ! 喜媚! 私もお酒とオツマミもっと頂戴!!」
「ふむ、コレが喜媚の酒か、なかなかに美味よの。」
「劉協、この料理私が作ってみたのよ? 食べてみて?」
「おぉ! 姉様はとうとう料理まで作れるようになったのか!?」
「喜媚様に味見してもらったから、味は大丈夫なはずよ。」


そうして劉花ちゃんの作った東坡肉を食べる協ちゃん。


「うむ・・・・む! 美味いではないか!
よく味が染みていて、皮や脂身の部分がトロトロで美味いのじゃ!」
「作り方自体はそんなに難しくないし、根気よく煮込んで蒸し煮にするだけだからね。
劉花ちゃんでもできると思って。」
「うむ、コレなら姉様はいつでも嫁入りできるな!」
「まぁ♪」


さり気なく劉花ちゃんが横目で私の方を見た時に丁度目が合い、
お互い見つめ合い形になった所で、
いきなり横から何かに押し倒されたと思ったら、酔っぱらった賈詡さんだった。


「あんた、今何してたのよ!
私のツマミも作らないで劉花様といちゃつくとはいい根性してるわね!」
「いちゃつてないって、ツマミも作るから賈詡さんは席に戻っててよ。
じゃあ、私厨房に戻るから劉花ちゃんも協ちゃんも楽しんでね。」
「喜媚様も料理をつくるのはいいですが、
キリのいいところでこっちに来てくださいね。」
「分かったよ。 じゃあね。」


私は戦場となっている、厨房に戻り料理を作り始める。
宴会場もある意味戦場となっていて、霞さんが自身でもお酒を飲みつつも、
月ちゃんの器が決して空にならないようにお酒を注ぎ続け、
華雄さんがそれを止めようとするが、
「華雄は黙っとれや!」 と張遼さんが言ったと思ったら、
口にお酒の壷を突っ込まれて強制一気飲み状態になり、
恋さんは音々ちゃんや、皆が進める食事を黙々と食べ続け、
月ちゃんは霞さんか注ぐお酒を飲み続け、今はセキトや恋さんの家族の動物達を、
皆と勘違いし話しかけている・・・
動物達も、よくおとなしく月ちゃんの話を聞いてるものである。
賈詡さんは事態の収拾を早々に諦め、自身はちびちびとお酒を飲みながら、
皆の所に回っては、グチグチと日頃の愚痴をこぼしている。
協ちゃんと劉花ちゃんは二人で仲良く食事をメインに楽しみ、
偶に、皆のところに行っては劉花ちゃんが作った料理を、
皆に勧めて感想を聞いて回っている。


こうして、宴会の夜は進んでいき、皆が撃沈した所で、従業員の皆や、
かろうじて意識のある華雄さんや賈詡さん、それとお腹いっぱいで満足気な恋さんが、
皆をそれぞれの部屋へ放り込んで行き、
協ちゃんも今日は劉花ちゃんと一緒に寝るようだ。

そうしてこの宴会の夜は終わりを迎えた・・・はずだった。


それは宴会場の掃除が終わり、洗い物も片付き、
体を拭いてあとは寝るだけとなった時に事である。
私の部屋を尋ねる人物が一人・・・賈詡さんだ。


「喜媚・・・まだ起きてる?」
「起きてますよ、ちょっと待って下さいね。」


私は寝台から起き上がり、消そうとしていた燭台を持って扉に向かい扉を開けると、
そこには薄い生地で、
うっすらと下着が透けて見えるネグリジェのような寝間着を着た賈詡さんがいた。


「賈詡さんですか、こんな時間にどうしたんですか?」
「ん? 丁度いいと思ってね。
本当は別の日にボクがココに泊まりに来てから話すつもりだったんだけど、
今は皆酔いつぶれて居るみたいだからね。
話だけでも・・・と思って。」
「そうですか、とりあえずどうぞ。」


私は賈詡さんを部屋に案内し、椅子に座るよう薦めるが、
賈詡さんは寝台に座った私のすぐ横、肌が触れ合うような距離に座った。


「・・・え~っと、それで話ってなんなんですか?」
「一つは真名の話しよ、華雄は家の掟があるから別として、
ボクだけが皆の中であんたと真名を交わしていない。
別に嫌だったわけじゃないの・・・だた・・・なかなか機会がなくて。
あの戦の後お互い忙しかったし、邪魔が居たしね。」
「そうですね・・・あの戦の処理はまだ終わってませんけど、
あの直後は本当に忙しかったですね・・・
曹操さん達や美羽ちゃん達も家に泊まったりして・・・」
「それで・・・改めてボクの真名を受け取って欲しいの。
ボクの真名は・・・・ 『詠』 よ。 貴方にあずかって欲しい。」
「賈詡さん・・・・ 「詠よ。」 詠ちゃん。」
「ん♪」


その時の賈詡さん・・・詠ちゃんの笑顔は、今後一生忘れることはないだろう。
頬がほんのり赤く染まり、少しはにかむように微笑んだその笑顔は、
普段見る彼女の気の強そうな表情とは違って、とても女の子らしい澄んだ笑顔だった。


「これからは、僕の事は詠って呼んでね。
あんたの真名の事は知ってるから私はこのまま喜媚と呼ぶけど、
その意味が今までと違うのは・・・・いいえ、他の子とは違うわね。
そこでもう一つの話になるんだけど・・・
喜媚・・・私はあんたの事が・・・好き。」
「・・・・・え?」
「ちゃ、ちゃんと聞いてなさいよね!
ボクが人生で初めて異性に言った言葉なんだから!
私は、あんたの事が、好き。」
「・・・うん、そのなんて言っていいか、
いきなり予想外の事だったから驚いたけど、
・・・素直に嬉しいよ。
でも、私には 「待って・・・この事は荀彧も知ってるわ。」 ・・・え?」
「何時だったか、曹操達が泊まっている時に、荀彧と部屋を借りた事があったでしょ?
あの時に話したのよ。
そしてその後も何度か話をしてお互いの妥協点を見つけることができた。」
「桂花と・・・・?」
「コレを見て。」


そう行って詠ちゃんが私に渡した紙にはこう書かれていた。


『賈詡と董卓を抱くとこまでは認めてあげるわ。
洛陽での事は賈詡に任せるから、ちゃんと言うこと聞きなさいよ。
でなかったら・・・・わかってるでしょうね?』

と、そう書かれてあった


「はぁ!? (あれだけ私の浮気に敏感だった桂花が?
でも筆跡は確かに桂花の物だし・・・どういうことだ?)」
「あんたが納得出来ないのはよくわかるけど、まず話を聞きなさい。
荀彧・・・桂花も別に喜んでこの紙を用意したわけじゃないの、理由があるのよ。」
「桂花と真名を交わしてたの・・・?」
「已む無くね・・・一応言っておくけど、あいつが嫌ってわけじゃないの、
アイツとは恋敵なの、あんたをめぐってね。
だから慣れ合うつもりは無いけど、
今回は利害関係が一致し 『尚且つ』 お互いを信頼する必要があったのよ。」


そうして賈詡さんが語ったのは、私が現状置かれている立場。
馬超さん達の事、霞さん達のような他の私の知り合いの女性の事。
私の立場が変わった事で、これから色んな誘惑や話が持ち上がり、
その中には私を誘惑しようとする者や、見合い話を持ち込む者など、
様々な者達が現れるであろうという事。
そんな人達に私が騙されないように誰か信用が置ける者が付いていないといけない事。
そして桂花と真名を交換するに至った経緯。
私の正妻の座を賭けて勝負はするけど、お互い排斥はしない。

なぜ桂花と詠ちゃんがそんな事になったのか、理由を聞いたが・・・


「ボクと桂花、そして月にはあんたが必要なの。
桂花がどうしてそこまであんたに括るのかは詳しく聞いてないけど、
本気だというのは分かったわ。
そしてボク達の理由だけど、これからこの国の改革をしていく上で、
ボクも月もこれから今までに無い、苦難の道を歩いていくでしょう・・・
そしてその支えにあんたが必要なの。
月は、皆の前でもよく笑うけど、
あんたとボクの前でしか月は本当の意味で安らいだ顔を見せる事は無いの。
月にとって、皆は仲間であると同時に友人であり、
部下であり劉協様などは上司なのよ、
そしてあんただけは、そんな事関係無く友人であり、
同じ夢を持っている者どうしの共感、とでも言うのかしら?
月も自分と周りの人達が幸せならそれでいいと思っている娘よ。
そして喜媚、あんたもそう。
だからなのか、それとも単純に惹かれているのか、
月はあんたの前でだけは本当に安らいだ顔を見せる。」
「・・・詠ちゃん。」
「そしてボク・・・ボクは最初はあんたの知識が目当てだった。
劉協様と劉弁様が拐われたあの日、あんたの機転の効いた策や、
許昌で桂花と学んだという内政方法、
その時見せた知、それが目当てであんたの元に通っていたわ。
・・・でも通っている内に、
ボクが仕事で疲れている時なんかにボクの体を気遣って料理を出してくれたり、
ボクの愚痴を聞いてくれたり、悩みの解決案への道筋を示してくれたりしたり、
お酒に酔ったり、疲れて眠ってしまったボクを部屋に運んでくれたり、
そんな隙だらけのボクに何をするでもなく、そっと布団をかけてくれたり。
そんな日々を送っていたら、いつの間にか喜媚、あんたに惹かれていた・・・」


私は詠ちゃんの独白を黙って静かに聞く。


「そして反董卓連合・・・馬鹿な名前よね、
反董卓ですって? 月が何をしたっていうのよ! ・・・けど、それは今はいいわ。
その時に町の皆を守る為に、あんたが月の客将として参加し、
闘いぬいた時、ボクはあんたの本質を見た気がした。
あぁ、この子は月と同じなんだ・・・
自分の周りの人間が傷つくのが耐えられない子なんだ。
そう思った時、ボクは月に持っていた感情・・・家族、姉妹、親友、
そんな想いとは別に、
あんたには月に持っていた感情とは別に女として、
思慕の感情が生まれている事をはっきりと認識した。
・・・今、もう一度言うわ、喜媚・・・ボクは喜媚が好き。
あんたが必要なの、あんたの知、支え、伴侶、人生を共に歩く者として、
喜媚がボクには必要なの。」
「詠ちゃん・・・・」


詠ちゃんは私の目を真っ直ぐみ見てそう語る。


「別に今すぐ抱いて欲しいなんて言わないわ。
喜媚も桂花に確認したいでしょ?
だけど・・・今は、これくらいは許して?」


そう言うと詠ちゃんは私の正面に立って、私の頬を愛おしい人に触れるように撫でて、
目をゆっくりと閉じながら、顔をゆっくりと近づけ、私に口付けをした。

私はそんな詠ちゃんを拒否することは出来ず、
自然に、詠ちゃんの口付けを受け入れた。

後に私は、桂花への罪悪感に苛まれる事になるが、
その時は桂花への罪悪感は一切無く、ただただ詠ちゃんが愛おしかった。




詠ちゃんとの初めての接吻は・・・少しお酒の味がした。


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  1. 2012/09/30(日) 19:52:38|
  2. 真・恋姫†無双 変革する外史。
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