たいちの仮設避難所

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六十八話


洛陽




--周泰--


雪蓮さまと冥琳さまと曹操達が食事の時にもしていた、
洛陽の統治についての話を風呂あがりにも軽くして、
夜も深まった所でようやく就寝となり、
私達にあてがわれた部屋に戻り、眠ろうかという時、
雪蓮さまより大事な話があるという事で、
私と冥琳様は、椅子に座り雪蓮様の話を聞く事となった。


「さて大事な話というのは冥琳、貴女も気がついてるわね?
劉花という娘・・・いや劉弁様の事には。」
「あぁ、謁見の間でちゃんと容姿を確認したし、
喜媚殿が陛下から受けている信頼を考えても、
劉弁様を預けるなら喜媚殿だろう。
そしてこの店の従業員は全員かなりの訓練を受けた兵や細作で構成され、
向かいの屯所には常に兵が常駐している。
それにこの店。 ただの店ではなく壁も厚く扉も堅牢、
少しくらいなら籠城する事も容易だろうな。」
「なら決まりね、あの劉花ちゃんが劉弁様。 前皇帝少帝弁様だという事は。」
「そうだな。 噂通り怪我をしている様子はないが、
怪我といっても色々ある・・・心の怪我と言うのもな。
原因まではわからんが、何らかの原因で劉協様に皇帝職を譲ったのだろう。
そして自身は、洛陽で怪我の治療という名目で、この店に住んでいる。
聴きこみでも時折、喜媚殿と二人と護衛を連れて宮殿によく行くそうだ。
おそらく劉協様に会いに行くのだろう。」
「で、私達はどうするのかなのだけど。
どうする? 劉弁様拐っちゃう?」
「最も最悪な愚策だな。」
「そうよね、劉弁様に手を出した時点で、朝敵。 国内全ての諸侯を敵に回すわ。」
「間違い無いだろうな、劉協様と劉弁様の不仲は聞いていないし、
定期的に宮殿に会いに行くくらいだ、相当仲は良いだろう。」
「そ・こ・で、私は考えたんだけど、喜媚ちゃんなんだけど・・・
明命、貴女喜媚ちゃんの子を産まない?」
「・・・・は?」


一瞬、雪蓮様が何を言っているのか分からなかったが、
理解した途端、顔が熱くなるのを感じた。


「な、ななな、何をおっしゃるんですか!?」
「大きな声出さないでよ、皆が起きてちゃうでしょ。」
「雪蓮様がおかしな事を言うからじゃないですか!」
「別におかしな事じゃないわ。
考えても見て、劉弁様・・・この場合劉花ちゃんと言うけど、
あの娘、間違いなく喜媚ちゃんに気があるわよ。
今は荀彧が居るから、抑えてるみたいだけど、
その内、劉協さまが仲を取り持つ事だって考えられる。
その劉協様にしてもそうよ、
謁見の間で陛下の真横に立つ事を許されるような信頼を受けているのよ?
しかも男と女、劉協様本人が喜媚ちゃんを婿に取ってもおかしくないわ。
取らなかったとしても、皇室に対して絶大な影響力を、喜媚ちゃんは持っているし、
冥琳が認めるほどの知もあるし、
武も私達と比べたら駄目だけど、一般の兵よりは強いし病気もなく健康。
喜媚ちゃんの血を孫家に入れられたら、
コレは後の孫家のために、必ずいい方向に進むわ。
劉協様と婚姻すれば、
次期皇帝は禅譲されて喜媚ちゃんになるか、またはその子になるか。
劉花ちゃんでも同じでしょう。
そうしたら孫家に喜媚ちゃんの子がいれば皇帝の血縁になる事ができる。
曹操もおそらく、その事に気がついているから、
荀彧を喜媚ちゃんの所に行かせてるはずよ。
もちろんあの二人の場合、元からそういう仲というのもあるけど、
打算も、もちろんあるはず。
ココで私達が出遅れる事はしたくないわ。
そ・こ・で、明命よ。」
「わ、私ですか!?」
「貴女喜媚ちゃんの事、憎くは思ってないわよね?
アレだけ嬉しそうに話すんだもの。
もちろん明命だけではなく私や、冥琳、蓮華や小蓮も狙っていくわよ。
だけど今一番可能性が高いのは明命、貴女よ。」
「わ、私が・・・?」
「そうよ、少なくとも喜媚ちゃんは明命にはほとんど警戒してないように見える。
喜媚ちゃんも暗愚じゃないから、
明命がどんな仕事をしてるか、察しはついてるかもしれないけど、
それが自分に向くとは思ってないはずよ。
あの子はよくも悪くも自分をただの農家の息子か、店の店主くらいにしか考えてない。
自己評価と出世欲が異様に低いのよ。
だけどそれももうすぐ代わるわ。
謁見の間で皇帝の横に立ったと言う事はそれだけで大きな意味を持つ。
これからあの子の周りにはあの子を取り込もうとする奴らが、
それこそ腐るほど湧いてくるわ。
もちろん董卓や賈詡がそれを許さないでしょうし、
喜媚ちゃん自身、人を見る目もそれなりにあるでしょう。
だから、今の内に喜媚ちゃんと私達の間に、
確固たる信頼関係を築いておく必用があるのよ、
そしてその先に明命か、他の誰かが、喜媚ちゃんの子を産むことが出来れば最高ね。
私は、寿春に帰り袁術を打倒した後、
小蓮を董卓との友好の使者と、
喜媚ちゃんの所に洛陽での勉強と言う名目で送るつもりよ。
幸いなことにシャオは私達の勢力下には名目上入っていない、
ただの孫家の娘と言う立場よ。
友好の使者としてと勉強のために洛陽に来たと言っても、
董卓や賈詡は警戒するでしょうけど、断る理由はない。
それと並行して明命には喜媚ちゃんと是非とも仲良くなってほしいの。
貴女をシャオとの連絡役と言う事で洛陽に派遣できるから、
その間にいろんな意味で・・ね♪」
「・・・・」
「正直、明命がおもしろくないとは思うのは、しょうがないと思ってるわ。
貴女と喜媚ちゃんの友情を利用しようとしてるんですもの。
でも、袁術から呉を取り戻した後、孫家が生き残り、
お母様の夢を実現させるには方法は、今はコレが最短なのよ。」
「・・・」
「明命、今我が孫家は反董卓連合に参加し、張譲を捕縛したという事で、
董卓陣営には一定の繋がりがあるが、袁術を討つと、それがどう転ぶかわからん。
そこで、明命には董卓との繋がりを維持するためにも、
董卓と喜媚殿との友誼は維持してもらわねばならぬし、
深めて貰う必要もある。」
「し、しかし、袁術を討てば、きっと喜媚さまは・・・」
「すごく怒るでしょうね・・・私も正直悩んだのよ。
・・・・だから袁術から領地は奪うが、
命は奪わないことにしたわ・・・
悔しいけど、今袁術ちゃんを討つと、国内での私達の立場はかなり悪くなる。
反董卓連合が失敗に終わり、袁紹は領地没収、袁紹領内では、内乱に近い状態になり、
諸侯は保証費用の工面などで袁紹領内で略奪を繰り返すでしょう。
そうでもしないと、自領の維持すらできない程の保証額を賈詡はふっかけてくる。
賈詡は、コレを機に一気に他の諸侯の弱体化を狙っているわ。
そして、その後に狙われるのは、
袁術を討った直後で地盤が固まっていない私達よ。
だけど董卓と強い繋がりを持つことが出来れば、
董卓と縁の深い私達を叩けば董卓が敵に回る可能性が出てくる。
そうなってくると、近隣の諸侯、特に劉表はウチに手を出せないわ。
だから私達は董卓と友誼を深めつつ地盤を固める時間をかせぐことが重要なの。
そのためのシャオでもあるの、今回の張譲捕縛と、
あの娘を友好の使者・・・悪く言えば人質として洛陽に出す事で、
董卓に叛意は無いと証明し、
一時的な短期間でもいいから同盟に近い状況を作り出して、領内を安定させる。」
「その間にシャオや明命には喜媚ちゃんと色々仲良くなってもらって、
董卓との友好も深めてもらう。」
「・・・・」
「貴女がどうしても嫌だというのなら別の人員を用意するわ、
亞莎辺りでも問題ないでしょう。
あの子は元武官だし、今は軍師見習いでもある、
喜媚ちゃんと話をすればきっと興味を持つはず。」


私以外の物が喜媚さまのお子を・・・?


「・・・っ! や、やります。
私が、やります!」
「亞莎を出しにしたみたいだけど、嫌ならいのよ?
喜媚ちゃんは明命が嫌々抱かれようとしたのならあの子、多分見抜くわよ。
そんな気がする・・・あの子からはなにか不思議な感じを受けるの、
歳相応に見えないと言うか、本当にこの国の国民なのかしら?
劉備の所の本郷一刀に感じた違和感と同じモノを感じるわ。
それでもいけるのね?」
「・・・私がやります。 喜媚さまの事はもともと嫌いでは、
・・・好意は持っていました。
それに他の者にやらせるなら、
もともと喜媚様がす、好きな私がやったほうがいいですから。」
「・・・わかったわ、だけど焦っちゃ駄目よ。
いきなり明日、真名を交換しようとか言うのはダメよ。
明命が本当に真名を交換してもいいと感じた時に交換して、
抱かれてもいいと思った時に抱かれなさい。
無理をしたら喜媚ちゃんは見抜いてくるわよ。」
「分かりました。」
「それで雪蓮、袁術は討たないとすると、どうする?」
「呉には当然置いて置けないから、好きな所に行かせるつもりだけど・・・
十中八九喜媚ちゃんのとこって言うでしょうね、
あの娘が他に頼るとしたらそこしか無い。」
「いいのか?」
「しょうがないでしょう。
逆にそうする事で、私達に対する喜媚ちゃんの印象をよくできるわ。
あの子、袁術ちゃんの境遇に同情していたもの。
歳相応に生きられなかった境遇に・・・
喜媚ちゃんのところなら歳相応の生き方をするでしょう。」
「だが袁術が喜媚殿と通じたらどうする?」
「それは、どうもこうもないでしょう?
私達には選択肢が少ないし、仮に袁術ちゃんが喜媚ちゃんの子を産んでも、
普通に二人の子として育つわよ。
その時の袁術ちゃんは官職も勢力もない状態になる、
今までの情報や、喜媚ちゃんの話から、
あの娘が野心を持って旗揚げすることは考えられないわ。
喜媚ちゃんと仲良く店で働いてたら、それで満足するような娘よ。
あの子には幼さから来る出世欲があるけど、
それは美味しい物がたくさん食べれるようになるとか、その程度よ。
張譲たちのような権力を持ちたいと言う願望じゃないわ。
もちろん将来的にはわからないけど、
その頃には私達は地盤を固め終わった後よ。
袁術ちゃんがでしゃばる隙はないわ。
それに喜媚ちゃんのところなら美味しい物を食べて、
喜媚ちゃんと一緒に働いて偶に怒られてそれであの娘は幸せでしょうよ。」
「・・・そうか。」
「あの子の本質は、権力志向ではなく、日々の幸せや、愛情に飢えているところよ。
それが満たされれば余計な考えは起こさないでしょうし、
張勲も袁術ちゃんが幸せなら余計なことはしないでしょう。」
「ふむ、確かに張勲は袁術に対して異常な執着を見せることがあるが、
基本は姉や母親の様なものだからな、袁術が幸せなら余計なことはすまい。」
「正直、複雑な心境なんだけどね・・・・
今まで、散々嫌がらせを受けてきた相手の幸せを願わなきゃいけないなんて。」
「だがそれが今の我らの状況だ。」
「そうなのよね・・・ハァ、世の中ままならないわね。
願わくばシャオか明命が喜媚ちゃんを骨抜きにしてくれることを願うばかりね。」
「そ、そんな、骨抜きなんて・・・」
「この様子ではなぁ・・・ふむ、明命、少し房事の事を学んでいくと良い。
何も知らぬ娘に仕込むのも男の楽しみというが、
本当に何も知らぬのではそれはそれで困る。」
「そうね、シャオや蓮華には孫家の娘として教育してあるけど、
明命はそういう教育をあまり受けたことはなかったわね。
この際だから、少し勉強していきなさい。」
「え、ええぇぇ~!?」


こうして、この日は深夜まで、雪蓮さまと冥琳さまに房事の事を学んだお陰で、
翌朝、喜媚さまの顔をまともに見ることができませんでした。




--喜媚--


翌朝、周泰ちゃんの様子が変だったが、孫策さんに何か吹きこまれたんだろうか?
・・・それとも・・・まさか昨晩の桂花の声が漏れてた?
周泰ちゃんは隠密だから耳が良いのかもしれない・・・コレは改築案に、
壁をもっと厚くして、防音対策をしてもらうようお願いしておこう。


朝食後、曹操さん達と美羽ちゃん達は、会議のため宮殿に向かい、
私はいつも通りの掃除と開店準備や食事の買い出し等を行う。


そんな時、恋さんが音々ちゃんと一緒にやってきた。


「恋さん、音々ちゃんいらっしゃい。」
「・・・ん。」
「恋殿と一緒にわざわざ来てやったのですぞ!」
「なんかあったの? 音々ちゃんは。
機嫌悪そうだけど。」
「機嫌は悪くないですけど、せっかく恋殿と一緒に休みが取れたのに、
詠の馬鹿たれが余計な仕事押し付けていったのです。
ほら、コレを喜媚に渡すように言われたんですよ。」
「でも、喜媚の所にお菓子食べに来ようとしてた。」
「それでも、休みの日に何か頼まれると嫌なものなのです!」
「はいはい、お疲れ様でしたね。
何か美味しいもの出すから機嫌直して。
とりあえずどこか空いてるとこに座っててよ。」


私は二人にお茶と、後で食べようと思って、
仕込みだけしておいたホットケーキを全部焼いて、
恋さんの前に積み重ねる。


「はいどうぞ。」
「ありがとう。」
「恋殿、音々にも一枚分けて欲しいですぞ。」
「・・・ん。」


そう言って恋さんは五枚ほど音々ちゃんのお皿に積む。


「い、一枚で・・・・恋殿がせっかく分けて下さったんですから、
コレは食べ切らないと!!」
「音々ちゃん無理はやめて、食べられなかったら恋さんに食べてもらいなよ。」


私はそう言いながら椅子に座って、音々ちゃんから預かった書簡を読んでみる。

書簡に書いてあった内容は、、
『明日、馬超さんと会う時間を午後に作るから、
昼食食べたら劉花様連れて一緒に来い。』
と言う内容だった、と言うかそう書いてあった。


「賈詡さんも、もう少し書面の書き方というモノが・・・・
まぁ、わかりやすくていいけど。」
「なんて書いてあったんですか?」
「ん? 明日の午後に馬孟起さんに会う予定を作ったから、
ついでに劉花ちゃん連れて宮殿に来いってさ。」
「あ~、なるほど。
馬超は音々も会ったですが・・・変な娘だったのです。」
「変な娘?」
「えぇ、普段はそんなでも無いのですが、喜媚の話をしだすと急に真っ赤になったり、
喜媚がどんな男か聞いてきたり、汜水関での話を聞いてきたりするのですが、
そこに馬岱が茶々を入れるものですから、
顔を真赤にしたと思ったら真っ青になったり、
安心したかと思ったら、涙目になったりと実に見てて面し・・・表情豊かなのです。」
「へ、へぇ~。」


私の知る馬超さんは、確かに感情表現が激しいところはあったけど、
そんな音々ちゃんに不審がられるほどだっただろうか?
まさか私の知らない所でバタフライ効果で馬超さんに何か有ったとか?


その理由を私が知るのは翌日、彼女と出会った時だった。


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  1. 2012/09/29(土) 18:39:00|
  2. 真・恋姫†無双 変革する外史。
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