たいちの仮設避難所

某小説投稿サイトの規約改定による 仮設の避難所です。

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六十五話


洛陽




曹操さん達が私の家に泊まるようになって三日目、
今日も曹操さん達は朝から宮殿へ出かけていったが、
今回の戦での戦後処理の話し合いが未だうまくいってないらしい。

それというのも、最大勢力でも有り、金銭的にも最も裕福だった、
袁紹さんの勢力が、領地と私財の没収で離脱。
美羽ちゃんは、孫策さんの張譲捕縛による功績で免除され、
これで莫大な戦後の補償費用を、残りのすべての諸侯で分担しなければいけない。
曹操さんも当初から董卓さんと内通していた事と、
情報を提供したことで免除されているが、
彼女の場合、曹操さん主導で戦後補償の話し合いを進め、
他の諸侯と合同で、袁紹さんの元領地を一旦平定しなくてはならない。
曹操さんはこれから精神的にキツイ仕事が待っている。

中には董卓さんに取り入ろうとする者が現れたりすることだろう。
そう言った諸侯には厳正に対処する方針のようだ。

更に、曹操さん主導で連合に参加した諸侯全員で、袁紹さんの領地を平定し、
その後一旦協ちゃんに返上し、その上で、領地運営を誰にさせるのか?
平定時の働きや、自領運営の様子を見て
再度協ちゃんが指定するという運びになっている。

袁紹さん本人は粛々と協ちゃんの裁定を受け入れるつもりのようで、
用意された部屋でおとなしくしているのだが、
その他の袁紹さんの配下の者が素直に受け入れるとは思えない。
中には、独自で勢力を立ち上げるような者も出てくるだろう。
それらの者達を、連合の諸侯達で同士討ちさせる。

コレが賈詡さんの連合を疲弊させるための策だ。
少なくともこの交渉がうまくいかない事で、
最初の段階の連合同士の不和を煽ることには成功している

そしてそんな不毛な話し合いが日々が続くので、曹操さんにしては
珍しく憂鬱な顔をして今日も朝から宮殿に出かけていった。


今回の戦で被害者を多数出したとはいえ、
政治的な視点で見れば最も得をしたのは、もちろん董卓さんの陣営だ。

袁紹さんの持つ莫大な領地に溜め込んだ資産や、私財を、
没収という形で得ることができ、
最大勢力である袁紹さんを自らの手を汚すこと無く、潰すことが出来、
名実共に洛陽では悪政など行なっていないことが証明され、
戦争で使った費用は、連合軍側の諸侯が負担してくれる。
そのため、戦争で散っていった兵達の家族への見舞金などもかなり厚遇され、
少なくとも遺族が路頭に迷うという事は無いようにしている。

更に、没収した私財を元に、まずは董卓領内だけで試験的に行われる、
塩を各城内である程度商用に備蓄し塩の引換券、
いわゆる塩引と呼ばれる手形を発行し、
塩をわざわざ運んで流通させなくても手形を持って城に行けば、
それに応じた塩と交換してくれる手形や、
インフレが起きている状態の五銖銭をきちんと管理し、
領内においては一定の品質管理をし、
偽造には最悪、関係者、一族郎党皆死罪と言うキツイ罰則を設け、
更に銀で作った百倍の価値のある貨幣等を発行する計画の、
初期段階の資金に当てるようだ。
コレらを、董卓領内から徐々に国内でも流通させていき、
重い五銖銭の束を持ち歩かなくてもいいようにし、
商品や金銭の流通等を促し、経済を回していこうと言う狙いである。
コレは長期計画なので、賈詡さんもゆっくり確実にやっていくつもりのようだが、
そのための初動資金として、
袁紹さんの資産や私財を没収できた事は、間違いなく追い風になっているだろう。


こうして賈詡さん達も、汜水関、虎牢関、の復旧工事計画や、
使った武器等の発注等の事務処理に追われ、
忙しい日々を送っている・・・はずなのだが、
彼女は今こうして私の目の前で、竹簡を読みながらお茶を飲んでいる。


「賈詡さん、私が言うのも何だけど、宮殿に戻らなくてもいの?
まだ昼にもなってないのに、こんな所でのんびりしてていいの?」
「だったらあんたがもう一度客将・・・いいえ、
ボクの専属の文官になってボクの仕事手伝いなさいよ。
こっちは昨日の夜も月や音々と一緒に深夜まで仕事してたのよ?
キリが着いた時くらい、ゆっくりしたっていいじゃない。
あと、あの新式の算盤、追加で幾つか作ってちょうだい、費用はこちらで出すから。
ようやくあれを使える者が何人か出てきたわ。
これから更に追加注文すると思うから、そのつもりでいてちょうだい。」
「それはいいけど・・・まぁ、身体を壊さないように気をつけてね。」
「ありがと。 気を使ってくれるなら、
ボクの仕事手伝ってくれたほうが 『はるかに』 いいんだけどね。」
「さすがにそれは・・・劉花ちゃんの件もあるし。」
「わかってるわよ、言ってみただけよ。
あ、それで思い出したけど、あんた、袁術の件どうするの?
劉花様がいるから、できたらココにこれ以上人を集めたくないんだけど。」
「どうしようか・・・正直私もどうしていいものか・・・
断ろうにも曹操さんの事がバレたら、
『曹操は良いのになぜ妾は駄目なのじゃ!』 とか言いそうだし。」
「ボクも昨日は、一応駄目だって言っといたけど、アレはまったく諦めてないわよ。
今日も又ココに来るだろうし、ボクのところにも来るだろうけど、
曹操とココで鉢合わせしようものなら、ボクも断り切れないわよ?
劉花様の事は秘密だから言えないし・・・
今となっては、曹操に市中に宿をとって良いなんて言わなければよかったわ。」
「しょうがないよ。
私もまさか曹操さんが家に泊まるなんて言い出すと思わなかったし。
洛陽にはもっと良い旅館がたくさんあるのに、
なんでわざわざ宿でもないウチを選んだのか。」
「・・・ごまかすのはやめなさい、あんただって察しがついてるんでしょ?」
「まぁ、ね。
私狙いと、最近、桂花に不満がたまってたみたいだから、
それの発散が目的だろうね。」
「あんたもホント厄介事ばかり巻き込まれるわね。」
「昔は普通に農家かココよりも小さなお店で、
のんびりできたらそれでよかったんだけど。
・・・今はそうも言ってられないしね。」
「そうね・・・なんとか反董卓連合は阻止したけど、
ここからは私達文官が、本腰を入れて国内を変えて行かないといけないんだから、
人材はいくら有っても困らないわ、あんた何かいい人材知らない?」
「そうだな~・・・劉備さんとこの諸葛亮ちゃんと鳳統ちゃん辺りは?
一応、将来的に国営の塾を設立する前段階として、
董卓さん運営の塾で講師をしてもらう予定らしいけど、
ある程度、為人を見極めて変な野心を持たないようなら手伝ってもらったら?
彼女達を塾の講師で使い潰すのは正直もったいないよ?」
「ボクはそれほど詳しく話した事はないけど、
黄巾の乱の時の活躍と領地運営を見るに、相当できそうな感じね。
・・・だけど、あそこは本当に運が悪かったわね。
もらった領地が袁紹のすぐ隣で、領内を把握してさぁこれからと言う時に、
連合の檄文ですものね・・・逆らいようがなかったでしょうに。
それに追い打ちを掛けるように天の御遣いだっけ?
アレがまずかったわね、アレがなければ領地没収までせずに済んだのに。」
「言い出した賈詡さんがよく言うよ。」
「仕方ないじゃない、
月の為にも危うい芽は早い内に摘んでおく必要があったんだから。
あの劉備を見て、コイツは早い内に潰さないと、まずい事になると思ったんだもの。
アレは認めたくないけど、月以上に人を引き付ける魅力がある。
だけど細作の調査の報告を見たところだと、まだ主君としての中身が伴ってないから、
今の内に潰して、下手に新興勢力なんか作れられないように、
手の内に置いて飼い慣らしておく必要があるのよ。」
「そういう意図があったんだ。
あの時はいきなり天の御遣いの話なんかしだすから、何事かと思ったよ。」
「今回の連合で、危うい芽はあらかた摘んでおきたかったからね。
ただ、曹操はどうしようもなかったわね、
調査記録と月との面識、どちらか欠けていれば何とかできたのに・・・
あんたが余計な矢文を射ってくれたし!」
「そ、ソレはしょうがないんじゃない?
董卓さんにあの時、曹操さんと面識がないなんて嘘つかせるわけにも行かないし、
そういう娘じゃないでしょ?
だから賈詡さんも董卓さんが好きなんじゃないの?」
「そ、それはそうだけど・・・っ!?
ボ、ボクは別に曹操みたいに同性愛者じゃないからね!
ちゃんと異性愛者だからそこの所は勘違いしないでよ!!
いい! 私はちゃんと男が好きなんだからね!!」
「え? えぇ? わ、わかったよ、分かりました。」


なぜか異性愛者と言うところを妙に強調してくる賈詡さん。
そんな事、私は言った事もないし、
そんな噂も立ってないのになんでそんなに食いついてきたのだろうか?
確かに賈詡さんと董卓さんは仲が良すぎるくらいに仲が良いが、
彼女達の場合は見てて微笑ましいといった感じだから、
宮中で聞く噂も、実は腹違いの姉妹何じゃないか? とかそんな噂ばかりだし、
それほど気にする必要もないと思うのだが・・・


「まったく、変な事言い出さないでよね!
ボクと月はそんなんじゃないんだから。」
「わかりましたって。」


一度賈詡さんはお茶を飲み、一息つけてから今後の事を話しだす。


「とりあえず、後四~五日中に話が決まらないようだったら、私が介入するわ。
曹操もそれを待っているようだし、それまでには張譲の公開処刑も終えて、
連合の諸侯を洛陽に逗留させておく理由もないしね。
とりあえずそれまでは、何とかして劉花様の事を悟られないようにしなさいよ。」
「わかってるけど、曹操さんは完全に気がついてそうなんだよね。
劉花ちゃんに対して明らかに態度が違うし。
その上で、見逃してると言う感じなんだよ。」
「・・・やっぱり曹操を市中に出したのは失敗だったわね。
だからどうっていう事は無いんだけどね・・・劉花様が『怪我』をしたのは事実だし、
そのせいで政務執行不可能になったのも事実なんだから。
治療先は劉花様の最も信頼出来る者のところで治療していると言えばいい事だし。」
「心の怪我・・・ね。」
「ボク達には想像も出来ないけど、
あの誘拐事件がある前まではかなりご苦労されてたみたいだし。
劉協様からも偶に聞かされるわ。
『姉様は、妾の為に身を粉にして、
妾が安心して生活できるように守ってくれた』 って。
だから今度は自分が、劉花様が幸せに暮らせるように頑張るんですって・・・
皇帝陛下って言ってもそういうところはボク達と変わらないのよね。
・・・・あっ、コレは別に侮辱したとか不敬だとか言うのじゃないわよ?」
「わかってるよ、そんな事いちいち言わないよ。
だけど私もそう思うよ・・・なんだかんだ言っても皇家に生まれただけで、
人としての本質は変わらないって、だから私とも友達になれたし、
洛陽の民を見て幸せに暮らしているって感じるんだよ。
人の心が無くて本当に私達とは違い天人だとでも言うのだったら、
もっと価値観とかが違ってもいいはずだしね。」
「そうね・・・今のこの洛陽、月の領土の状況がこのまま長く続くといいわね。
民が飢えなくて人並な生活が送れて、明るい未来が見えるこの状況が・・・」
「そうだね・・・」


少し、しんみりした所で、私も賈詡さんも無言になる。
しばらくした所で、賈詡さんが残ったお茶を一気に飲み、席を立とうとする。


「さて、ボクはもう行くわ。」
「うん、仕事がんばってね。」
「あんたもね・・・そうだ、曹操達が洛陽を出ていった後、
少しあんたの店で世話になるかもしれないから、部屋の用意しておいて。
ボクも落ち着いた所で少し休みがほしいし、
・・・あ、あんたに話したいこともあるし。」
「ん、わかったよ。 用意しておくよ。」
「じゃ、じゃあね!」


そして賈詡さんは店から出ていったが、
陽の関係だろうか、賈詡さんの顔が少し赤く染まっていたような気がした。

賈詡さんと入れ違いになるように、曹操さん達が帰ってきたのだが、
桂花の様子が明らかにおかしく、不機嫌な様子だった。


「おかえり皆さん、今日は早いんですね。」
「えぇ、今日は昼食を食べてから回ろうと思ってね。
洛陽で出ている食事どころは何店か回ったんだけど、
どこも陳留でも食べられるような料理が多くて、
喜媚のところなら偶に変わった料理が出てくるから、
どうせ食べるなら陳留では食べられないようなものがいいでしょう?」
「そういうものですか?
私は普通に作ってるつもりなんですけどね・・・
ウチの母さんが舌が肥えてる割に飽きっぽいから、
同じ料理を頻繁に出すと文句言うんですよね。
それで作れる料理の品数が増えることになったんですけど。」
「良いお母様じゃない。」
「作る方からしたら良くないですよ、面倒ったらありゃしないし。」
「とにかく昼食を用意してもらえるかしら?
今日は急だったから少しくらい時間がかかってもいいけど、
明日からは毎日ココで昼食を食べるから、そのつもりでいてちょうだい。」
「はいはい、分かりました。」


桂花が不機嫌なのが少し気になったが、
下手に話しかけて地雷を踏むといけないので、
今回は敢えてスルーしようと思ったのだが・・・・


「しかし、さっき賈詡と会った時は面白かったわね秋蘭。」
「そうですね華琳様。
賈詡と桂花はあんなにも合わないものなのですかね?
目が合った瞬間に睨み合って、賈詡が桂花の耳元でなにか言ったかと思ったら、
烈火のごとく怒りだしたのには、私もびっくりしました。」
「私は同族嫌悪だと思うわよ、所々似てるとこあるもの。
ねぇ、桂花? さっき貴女、賈詡に何を言われたの?」
「なんでもありません! ごく個人的な事です。」
「私はそれを聞きたいのだけど?
部下の精神管理も主の仕事の内よ。」
「・・・お答えできかねます。」
「あらら、どうしましょうか秋蘭?」
「そうですね、賈詡殿に聞いても無駄でしょうし、
桂花に答えさせるしか無いのでは無いでしょうか?」


曹操さんも夏侯淵ニヤニヤと笑いながら話しているので、
無理に聞き出そうとは思ってなさそうだが、
桂花をからかう気は満々のようだ。

私は藪を突いて蛇を出すわけにも行かないので、
厨房で何も聞かなかったふりをしながら、料理を作る。


「桂花がアレほど怒るなんて、よっぽどの事よね~、
何が原因だと思う? 秋蘭?」
「そうですね、仕事で男に触れられた時等に嫌な顔をする事がありますが、
女に触れられて嫌な顔をしたということはありませんので、
やはり男関係でしょうか?」
「桂花の周りの男って言ったら、部下の文官か伝令や兵よね、
だけどどれも賈詡とは無関係だわ。
賈詡と桂花、双方に関係ある男と言ったら・・・あの子よねぇ。」
「あの者ですねぇ。」


桂花の表情がこわばってきて、私も心中穏やかではない。
いつ話がこっちに飛び火するかわかったものではない。


「アレかしら? 賈詡は結構喜媚と仲がいいわよね。
確か、連合が組まれる前は頻繁にこの店に出入りしてて、
泊まっていった事も数知れずとか?」
「そのような噂を聞いていますね。
この店には董卓軍の者達が頻繁に出入りしていますが、
その中でも賈詡が最も多く、その次が、同行する陳宮や、
酒を飲みに来る張遼のようですが、
賈詡が圧倒的に多いようです。」
「へ~そうなの? だけど他にも従業員が居るとはいえ、
女が男の所に出入りするなんて、ただ事ではないかもねぇ。」
「・・・くっ!」
「ん? 桂花、何か言いたい事でもあるのか?
あるのならば華琳様に申し上げてみたらどうだ?」
「・・・なにも、ありません!」
「フフフ、案外賈詡も喜媚に・・・・惚れてたりしてね?」
「そうですね、女が男の所に通い詰めるなんて早々あるものではないですから、
しかしそれを受け入れている喜媚も実はまんざらではない・・・それどころか
じつはすでにそういう関係なのでは?」

「そんな事あり得ないわよ!!」

「フフフ♪」 「フフン♪」
「・・・・あ。」


曹操さんと夏侯淵さんい桂花がいいようにからかわれて、
席を立ち上がって、顔が真っ赤になった桂花は座りなおして縮こまっている。


そんな時である、店の中に美羽ちゃんが飛び込んできたと思ったら、
とんでもない事を言い出した。


「喜媚! 賈詡が妾達がココに泊まっても良いと、許可を出してくれたぞ!!」

「・・なんですって! 賈詡め・・あの雌狐、やってくれたわね!!」


美羽ちゃんの第一声に反応したのは、
意外にも桂花で、しかもどうやら賈詡さんに何かされたような物言いだ。
一体彼女達の間で何があったのだろうか・・・




--賈詡--


(フフフ、劉花様の件があったから、
袁術を喜媚の所に泊めるのは危険があったのだけど、
曹操での前例がある限り袁術達に強く出れないわ。
ならばいっそコレを利用して、
荀彧と喜媚が二人っきりになるのを邪魔する事に利用すれば・・・
フフフ、この賈文和、狙った獲物は逃さないし、
荀彧だけにいい思いはさせないわよ!)


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  1. 2012/09/27(木) 18:16:35|
  2. 真・恋姫†無双 変革する外史。
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