たいちの仮設避難所

某小説投稿サイトの規約改定による 仮設の避難所です。

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六十三話


洛陽




曹操さん達と孫策さん達が食事と会話を楽しんでいるが、
食事の話から、徐々にまじめな国政の話に変わったり、
お互いの領内での黄巾の乱の後の賊の動きなどの情報交換に変わっていく。

私は、厨房で食事を作ったり、劉花ちゃんと食器を洗ったりしていたのだが、
陽も大分陰ってきたので、孫策さん達にその事を伝えようと、孫策さん達の方に行く。


「孫策さん、大分陽も落ちてきたみたいですし、
そろそろ宮殿か宿に戻らないと駄目なんじゃないですか?」
「あら? もうそんなに経ったの?
まだ、大丈夫だと思ったのだけど。」
「私達はココが宿だから別にいいんだけど、
孫策、貴女達は戻らないと駄目なんじゃないの?
賈詡がまたうるさいわよ。」
「え~、私もココに泊まりたいなぁ~。 駄目? 喜媚ちゃん?」
「駄目です。 そもそも急にそんな事言われても、布団も食事も用意できませんよ。
今用意してるのは、私達と曹操さん達の分だけなんですから。」
「ちぇ~、残念ね。 まぁ、今日はおとなしく帰るわ。
戻ったら賈詡に私達も外に宿をとっていいか聞いてみましょう。」
「雪蓮・・・喜媚殿に迷惑を掛けるのは止めろよ。」
「別に迷惑じゃないわよね?
明命も宮殿の用意された部屋に押し込められるより、
喜媚ちゃんと一緒のほうが楽しくていいわよね?」
「そ、それはその・・・いいんでしょうか、喜媚さま?」
「周泰ちゃんと周喩さんだけ、だったらいつでも歓迎ですよ。」
「なんで私は駄目なのよ!?」
「夜遅くまで、酒盛りとかしそうだからです。」
「ぶ~、喜媚ちゃんは私の扱いが悪くない?」
「私と孫策さんの初対面の時の事をよく思い出してください。」
「まぁ、しょうがないな、あのザマでは。」
「しょうが無いですよね。」
「うぅ・・・皆が冷たい。」


そう言って孫策さんが机に突っ伏す。


「孫策、貴女何やったのよ?」
「別に何もしてないわよ? いつも通りよ。」
「そうだな、いつも通り、仕事をほっぽり出して、逃げ出そうとして、私に捕まって、
髪の毛を引っ張られながら、喜媚殿の前にひきずり連れだされて、
その夜の宴席では、客人である喜媚殿達が席に付く前に、
料理や酒を祭殿と楽しんでいたな。
喜媚殿達を歓迎する宴席なのにもかかわらずな。」
「・・・それは、しょうがないと思うわよ。」
「曹操にまで見捨てられた!?」


場の全ての人に見捨てられ、落ち込む孫策さんだが、
周瑜さんと周泰ちゃんが席を立ち上がり、帰ろうとすると、
まるで親について行く子犬のように、孫策さんも周瑜さん達について行く。
なんかその時の孫策さんはすごくかわいい感じがした。
きっと周瑜さんも、普段の孫策さんもそうだが、
ああいう感じの孫策さんも好きなんだろう。
普段は大人の魅力満載の孫策さんが、あんな子犬みたいに周瑜さんについて回る姿は、
ギャップがあってとても可愛らしい。


「それでは喜媚殿、ご馳走になりました。
また明日来ますが、その時はもしかしたら袁術様も一緒に来るかもしれないので、
その時はよろしくお願いします。」
「あ、はい。 わかりました。」
「喜媚さま、また明日お会いしましょう!」
「周泰ちゃんまたね~。」
「喜媚ちゃんまた明日ね。」
「はい、孫策さんもまた明日。
あんまり周瑜さん達に迷惑かけないでくださいよ。」
「はいはい、程々にしておくわね♪」


こうして孫策さん達が洛陽の宮殿の用意された部屋に帰り、
店には私達と曹操さん達が残った。


「それじゃあ、片付けた後、夕食にしましょうか。」
「そうね、そうして頂戴。」
「あ、喜媚。 今日は『お酒』とおつまみも出してね。
どうせあんたの事だから、持ってきてるんでしょ。」
「アレは私達の分だから、できたら出したくないんだけど・・・」
「いいから出しなさいよ、蜂果水飲んだら久しぶりに飲みたくなったのよ。」
「はいはい。」
「あぁ、あのお酒! 思い出したわ、何本か送ってもらったけど、
まだ製法は教えてもらってなかったわね。
今日こそ聞けるのかしら?」
「そ、その辺はご容赦を、あまりこのお酒は世に出すつもりはないですし、
製法を教えても、材料が曹操さんでは用意できない物があるんですよ。
酵母菌というのですが、コレは私が何年もかかって作り上げたものなので、
よこせと言われて、はいそうですかと言って渡すわけにも・・・」
「そう、技術の結晶というのならば、ただでよこせというのは確かに不条理ね。
じゃあ 『今は』 勘弁してあげるけど、お酒は定期的にちゃんと送って来なさいよ。
代金はちゃんと払うから。」
「は、はい・・・分かりました。」


曹操さんのところにも定期的に送ることになってしまい、
母さんが怒るのが目に浮かぶ・・・なんとか洛陽での生産を確立しないと。

そして結局夕食時に、お酒も一緒に出したのだが、
曹操さん達には今日一日だけで二升ほど飲まれてしまった。
庭で作っている樽はまだ完成まで時間が掛かるし、
なんとか、お湯割りや、熱燗などでかさ増ししたりして、
酔うのを早くして控えてもらい、私達の分を確保しておかないと・・・

この戦でのストレスも有ったのだろうか、桂花はかなりのハイペースで飲んでいた。
この日は夜遅くまで飲んだ桂花が、
寝室で酔っ払った状態で私に絡んでくると言う一幕もあったが、
桂花は酔った時の事も覚えている方なので、
翌朝、私の顔を見た時、桂花はバツの悪そうな表情で、
挨拶だけして、しばらく無言だった。

酔った勢いとはいえ、二人っきりになった途端、
猫が甘えるように頬を擦りつけて来たり、いきなり服を脱いで、
裸で私に抱きついて来たりしたのを覚えていたらしょうがないだろう。


朝食後、戦後処理の会議のために曹操さん達は宮殿に行き、
私もいつものように店の掃除や仕入れ等をしていたのだが、
そんな午前中のある時、店に貂嬋さんが現れた。

貂嬋さんはいつものような覇気は無く、少し気落ちした様子で、
卑弥呼さん達は連れてこずに、一人で私の店に現れた。


「喜媚ちゃんお久しぶりねぇん。」
「貂蝉さんお久しぶりです。」


貂蝉さんを見た従業員の皆や、劉花ちゃんは一瞬身構えたが、
私の知人という事で、とりあえず武器を出すのは止めてもらい、
少し離れた所から様子を窺っている。

私は貂蝉さんにお茶とお菓子を出し、向かいの椅子に座る。
そうすると貂蝉さんは人差し指をくるりと回して、また手を元の位置に戻した。
左慈くんも偶にやるが、周りの人に話を聞かれないようにする術だろう。
と言う事は聞かれたくない話・・・一刀君関係だろうか。


「今日はわざわざどうしたんですか?
なんか元気もないみたいだし・・・やっぱり一刀君の事ですか?」
「えぇ、そうなのよん。
今回の反董卓連合で、連合が負けた事で、
ご主人様の立ち位置が、かなり問題視されていてね。」
「・・・それについては一部、申し訳ないと思いますけど、
私も洛陽や許昌の皆を守るためにやった事ですから、謝りませんよ。
一刀君の事情は知恵袋や原作知識で知っているので気の毒だとは思いますが、
私も洛陽や許昌の皆を守るために、譲るわけにも行かなかったので。」
「私も別に喜媚ちゃんを責めに来たわけじゃないの。
喜媚ちゃんの事情も知ってるから、私にはどうしようもなくてね・・・」
「・・・今回の事は、私も一刀君も巻き込まれたような物ですからね。
張譲や橋瑁が何処かで諦めるか、袁紹さんが張譲達の話に乗らなかったら・・・
一刀君達と董卓さんは、うまくやれたと思うんですが。」
「そうね・・・私も、反董卓連合が始まるまでは、それを期待していたわん。
・・・でも、起きてしまった。」
「・・・えぇ。」
「そこで、ご主人様のこれからの事なんだけど・・・
元の世界に戻そうかという話が出てきてるのよ。」
「戻れるんですか!?」
「悪いけど、喜媚ちゃんは無理よ。」
「いや、さすがに私もここまで来て戻ろうとは思ってませんけど、
一刀君は戻れるんですか・・・」
「えぇ、ある場所に行って、私達の力を使えば戻すことができるわ・・・羨ましい?」
「・・・以前の私ならそう思ったでしょうね。
でも、今はこっちに大切な人達がいますから。」
「そう・・・それはそれで良かったわ。
喜媚ちゃんが、この世界で生きる事を望んでくれて、管理する私達としても嬉しいわ。
・・・それで、ご主人様一人なら私一人だと少しキツイけど、
左慈や于吉、卑弥呼が協力してくれるらしいから四人でなら何の問題も無く戻せるし、
その後の外史の管理活動にも問題はないわ。」
「・・・後は本人が望むかどうかですか。」
「そうね・・だからご主人様を説得する時に、
悪いけど喜媚ちゃんの事を少し話すつもりよ。
この外史の事は喜媚ちゃんに任せて、
ご主人様は、この外史で経験した事を糧にしてもらって、
元の世界でしっかり生きて欲しい、そういう感じで説得するつもりよ。」
「そうですか・・・だけど、よく左慈君が協力する気になりましたね?」
「コレはむしろ左慈が言い出した事なのよ。」
「・・・本当ですか?
何か裏があるとか無いでしょうね?」
「左慈にしてみれば、ご主人様を合法的(?)に排除するいい機会ですもの。
こういう時のあの子のご主人様への執着はかなり強いから・・・」
「なるほど、左慈君らしいですね・・・」
「私達としても、ご主人様が殺されるわけではないし、
このままこの外史にご主人様がいると、誰に利用されるかわからないわ。
それにご主人様が一人で生きるには、色々なモノが足りなさすぎる。
すでに、劉備ちゃん、曹操ちゃん、孫策ちゃんは力を貸さないし、貸せないでしょう。
ご主人様は天の御遣いを名乗ったとして、皇帝陛下から目をつけられている。
わざわざ、陛下に目をつけられるような人材を、
登用しようとは誰も思わないでしょう?
かと言って、このまま放っておいたら、他の誰に利用されるかも分からないし、
むしろ、何処かで野垂れ死にになる可能性が高いわ。
ご主人様は喜媚ちゃんのように、
最低限生きていける武を身につけているわけでは無いし
この世界の常識や旅の仕方をほとんど知らない。
元々部活で剣道をやっている程度では、複数の賊に襲われたらそれで終わりよ。
それに、私もそれは望むところではないわん。」
「・・・そうですね。
私のように十何年もかけてこの世界に慣れて言ったわけでは無いですしね。
劉備さん達にすぐ拾われたようですから、
旅での水や食料、路銀の調達の仕方も覚える暇はなかったでしょうし。」
「私達が一緒にご主人様と旅をして覚えさせる、と言うのも考えられるのだけど、
そうすると数年後、下手をしたら誰かにご主人様の知識を利用されて、
新たな争いの火種になる可能性も高い。
ならば、この外史は喜媚ちゃんに任せて、
ご主人様にはこの外史に渡ってきた元の時間の世界に戻ってもらい、
この外史での経験を糧にして、元の世界で幸せに暮らして欲しい。
私は、そう思っているのよ。」
「そうですか・・・だけどなんでそれをわざわざ私に教えに来たんですか?」
「喜媚ちゃんの事だから、ご主人様の今後の事を心配してると思ってね。」
「・・・そうですね。
気にはなっているんですよ、私が関わったおかげで、
私の知る外史とは流れが変わってしまった・・・
私にできるのは、一刀君の名を、この国に合う偽名に変えてもらって、
私の畑で雇ってあげるくらいしか出来ませんし。」
「それも有りかとも思ったけど、黄巾の乱を経験して、
反董卓連合を経験したご主人様が、これからのこの国の行く末を見ていて、
畑で農作業して満足するかというと・・・ね。
ご主人様は結構正義感が強いと言うか、根が善人だから・・・
だからこそ劉備ちゃんに協力して義勇軍を率いる事になったのだし。」
「そうですね、いつか我慢できなくなって飛び出してしまうかもしれませんし。
なんだかんだ言って彼は善人ですから、困っている人を放っておけない。」
「だったら、喜媚ちゃんの事を話して、
この外史は喜媚ちゃんが、いい方向に持って行こうとしている。
と安心させて、外史に関与できない、元の世界に戻したほうがいいと思ってね。
喜媚ちゃんの事を話せば、政治の中枢にすでに入り込んでいて、
皇帝陛下とも懇意で、今回の反董卓連合を最も流れる血の量が少ない形で収め、
これからも、戦ではない方法でこの国を変えようとしていると話せば、
ご主人様も素直に喜媚ちゃんに後の事を任せて、
元の世界に帰ろうと思ってくれると思うの。
最もすぐには無理だから、しばらく私達と旅をしながら様子を見て、
と言う事になるだろうけど。」


ここで一回貂蝉さんはお茶を口に含み喉を潤す。


「私が言うのも何ですが、一刀君の事、よろしくお願いします。
私も最初は彼に何とかしてもらえばいいや、なんて軽く考えてましたけど、
協ちゃん達を助けた時に、逃れられない選択を突き付けられる立場になって、
賈詡さんや音々ちゃん、董卓さんと政治の話や内政の話、
それに軍事の話をして実際に戦に参加して・・・
実に都合のいい事を彼に押し付けていたんだと実感して、反省もしています。
願わくば、彼が向こうの世界に戻って、この世界での経験を生かして、
充実した人生を送れるように願っています。
私は戻れませんし、もう戻る気もありませんが、
この世界で・・・せめて私の手の届く範囲の人が、
戦のない平和な生活を送れるようにしたいと思いますので、
彼の事、よろしくお願いします。」
「わかったわん、ご主人様の事は私達にまかせて。
喜媚ちゃんは喜媚ちゃんの望むように生きてね。
私達も微力ながら応援してるしサポートもするから。」
「はい、ありがとうございます。」
「じゃあ、私はもう行くわ。
たまには洛陽の私の店にも来てちょうだいね♪」
「そ、その内伺わせてもらいます。」
「じゃあね、喜媚ちゃん。」


貂蝉さんが店から出ていき、
従業員や、劉花ちゃん達はほっとしたような表情で、
みんな床に座り込んでいる。

まぁ、最初に貂蝉さんを見たら、大体皆あんな感じになるだろう。
原作では、あの曹操さんだって、取り乱すくらいだ。

だが、一刀くんのこの先が心配だったが、
貂蝉さん達が一緒なら安心して任せられるだろう。
なんだかんだ言っても、あの人達は 『中身は』 すごく良い人なのだから。


・・・ただ、一緒に旅をしてる間に一刀君が変な趣味に目覚めなければいいのだが。


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  1. 2012/09/27(木) 18:14:29|
  2. 真・恋姫†無双 変革する外史。
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

誤字?

華琳のセリフで【お酒は適期的に】は
【お酒は定期的に】では?
  1. 2012/09/28(金) 06:18:37 |
  2. URL |
  3. humakt #-
  4. [ 編集 ]

>>humaktさん
誤字の指摘ありがとうございました。
修正しておきました。
  1. 2012/09/29(土) 19:05:23 |
  2. URL |
  3. たいち #-
  4. [ 編集 ]

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