たいちの仮設避難所

某小説投稿サイトの規約改定による 仮設の避難所です。

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六十一話


洛陽




現在、洛陽の宮殿内部、謁見間では、
反董卓連合に参加した諸侯にそれぞれ判決が下されている。

おおまかに言えば、袁紹さんは配下の将官も含めて領地、官職、私財の全て没収の上、
正式な手続きの後、荒野に一人放り出される事になる。
細かい話になるが、一応最低限の旅費や旅に必要な道具類は支給される。
コレは何も与えずに放逐して、いきなり賊になられても困るからだ。

その他の諸侯は曹操さん、美羽ちゃん、劉備さんの陣営を除いて、
今回の戦で被った董卓軍の被害を金銭等で補填し、
曹操さん主導で反董卓連合に参加した諸侯全てで、
袁紹さんの治めていた領地の内乱等を平定した後、
功績によってそれぞれの諸侯に分配され、領地運営を任せると言うものだ。

一刀君と劉備さんの領地であった徐州には、
董卓軍から一時的に領地運営をする者が選ばれ、
先行して統治の引き継ぎを行い、然るべき者に領地運営を任せるそうだ。

曹操さん、美羽ちゃん達は、基本的にお咎め無し。
しかし、やむを得ない事情や、張譲捕縛の功績があったとしても、
皇帝に弓を引いたのは事実なので、罰は無いが報奨も無い。


現在、細かい部分などを賈詡さんが説明している。
賈詡さんは抜け目がないし、
音々ちゃんや董卓さんと一緒に深夜まで何度も議論していたので、
抜け道を使って補償額を減らしたりといった事は出来ないだろう。

曹操さんも、無表情で聞いているので、あまり面白くない結果なのだろう。
あの人は弱みは見せないが、うれしい時は結構顔に出るので、
無表情の時や、意味もなくニコニコと微笑んでいる時は、機嫌が悪いと思われる。


しかし、コレでこの外史はこの先どうなるのか、
まったく予想がつかないものになってしまった。
北郷一刀くんは制服を没収された上に董卓領内から追放だ。
逆に劉備さん達は、洛陽での期限付きの強制労働が待っている。
私が聞いている話だと、新しく洛陽で識字率を上げるため、私塾ではなく、
公営の塾を開くので、そこの講師として働かせ、
武官の者は一般の警備隊員として働かせるそうだ。

その後、様子を見て使えるようなら、恩に着せる形でうまく使えるだろう、
と賈詡さんは話していた・・・あの陣営で使えない将は一人もいないだろうから、
少なくとも、今後何らかの形で民のために働くことになるだろう。

鉱山労働とかでなくてホッとしたが、洛陽から出る事はできないので、
一刀くんと会う事は、しばらくは不可能だろう。


この後、賈詡さんの細かい説明が終わった後、諸侯には宮殿内に部屋が用意され、
袁紹領内平定において、どの州や県を誰が担当するのか。
それと罰金などの支払い分配をどうするのか?
そう言った話し合いが行われるそうだ。

その話し合いには、賈詡さんなども出席するが、
曹操さん主導で行われるので、口はあまり出さない方針だそうだ。


こうして、私はようやく自分の家とも言える店に帰ることが出来、
洛陽の皆を守ることが出来、いつもの日常生活に帰ってくることができた。
・・・と思っていたのだが、劉花ちゃんと警備の皆と一緒に店に帰り、
店の事を任せていた従業員の皆の歓迎を受けて、
お茶会を開いていたのだが、お昼もすぎた頃、思いがけない来客があった。


「お邪魔するわよ。」
「・・・・・・邪魔するわよ。」
「失礼する。」
「え? ・・・なんで、曹操さん達が?」


私が帰ってくるまで店の営業はせずに、
維持管理だけさせていたので、店は開いてないのだが、
曹操さん達は、お構い無しとばかりに、堂々と店に入ってきた。


「私達は麗羽の領地の今後の事を話し合うまで、洛陽に居る必要があるのだけど、
賈詡と話して、私達と袁術達は、洛陽から出たり騒ぎを起こさなければ、
外に宿をとって良いという事になったのよ。
そこで喜媚、私達は貴方の所で宿を取ろうと思って、こうして訪ねてきたのよ。」
「賈詡さんは・・なんて事を・・・・」
「袁紹や他の諸侯は見張り付きで軟禁されているけど、
今回の件で、お咎め無しの私達を牢にぶち込んだり、軟禁できないでしょう?」


そう言うと曹操さんは私の方に歩み寄ってきて、
妖艶に微笑みながら、私の頬を撫でまわす。


「・・・それにしても、貴方も汜水関や虎牢関ではやってくれたわよねぇ。
それに最後の陛下を引っ張りだしてきたの、貴方の発案でしょう?
董卓達に思いつくとは思えないし、仮に思いついても実行するなんて不可能でしょう。
そんな突拍子もない発想ができて、
陛下に直接頼める立場の人間なんて、貴方くらいしかいないものねぇ?」
「さ、さぁ? 何の事でしょうか?
(バレてる、完全にバレてるよ・・・)」
「こんな事になるってわかっていたのなら、
あの時、私の身体を使ってでも、
貴方を引き止めておくべきだったのかもしれないわね。
どう? 今ならあの時の条件、飲んであげてもいいわよ?」
「そ、曹操さんも私をからかっているんですよね?
それにあんな事もう二度とごめんですよ。
夏侯惇さんはいないけど、夏侯淵さんがいますし、桂花もいますし。」


私が桂花の真名を呼ぶと、今まで私の目を見ようとしなかった桂花が、
急に顔を上げて、私の顔を見てきた。


「・・・・・まだ、私の真名を呼んでくれるのね。」
「・・・桂花?」


桂花はそう言うと、涙目で私の元に走ってきて襟を掴んで締めあげてくる。


「あんたは! ・・・・あんたは何、馬鹿な事ばっかりやってるのよ!!
心配したじゃない! 汜水関に出てくるなんて、流れ矢でも当たったらどうするのよ!
おまけに私達の策を尽く、ぶち壊しにしてくれて!
あんた本当に私と一緒になるつもりあるの!?
何がどうなったら、あんたが皇帝陛下の命の恩人になって、
董卓軍の将官として戦場に出てくる事になるのよ!?
一瞬、私の事嫌いになったかと思ったじゃない!!」


桂花は私の服の襟を掴んで締めあげて私に詰め寄る。


「け、桂花・・・落ち、落ち着いて!」
「コレが落ち着いてられるわけ無いでしょう!?
人がどれだけ心配したと思ってんのよ!
おまけに謁見の間では陛下と一緒に出てくるし、
あんた何がしたいの? この国を乗っ取るつもりなの!?」
「話す、ちゃんと後で経緯を話すから今は手を離して、く、苦しいから。」
「聞くわよ? いくらでも好きなだけ聞いてやるわよ!
時間はたっぷりあるわ、納得行くまできっちり話を聞かせてもらうわよ!」


そんな私達の様子を、いつの間にか椅子に座り、
お茶を飲んでいた曹操さんが涼しげに見つめ。


「さて、桂花も喜媚もこう言ってるし、
私達がここに逗留するのは問題無いわよね?」
「え? そ、それは賈詡さんに・・・」
「賈詡は洛陽から出なければ、何処に泊まっても良いと言ったわよ。」
(賈詡さぁ~ん!!
・・・そうか賈詡さんは曹操さんと私の間であった事知らないから!)
「とりあえず、部屋は前と同じで、桂花は喜媚と一緒の部屋でいいし、
私と秋蘭も一緒の部屋でいいわ、そういう事で後はよろしく。
あっ! 後久しぶりにお風呂にも入りたいわね。
戦場では身体を拭くのがやっとだから、さっぱりしたいわ。
お風呂の準備もお願いね。」
「・・・もう好きにしてください。」


私は曹操さんに抗うのを諦めた。


こうしてなぜか、曹操さん達も家に泊まることになってしまい、
劉花ちゃんがすごくいい笑顔で私を見つめているが、
コレは、曹操さん達が帰ったら、ご機嫌を取るのが大変だな・・・と思った。


結局この日は、曹操さんには店でゆっくりしてもらっている間に、
寝具の準備や食料などの買い出しをしたり、
お風呂の準備をしたりと忙しく動きまわり。

夜は夜で食後、お風呂から上がった後、
少しお酒の入った桂花に強引に私の部屋に連れ込まれ、
深夜まで協ちゃん達との出会い、洛陽での事件、
その時に桂花と一緒に生きるためと、
やむを得ない事情で董卓さんに協力する事になった事。
反董卓連合が結成されたことで一時的に客将として参加した事。
その時に真名を交わした人が何人か出た事等を事細かに問ただされ、
真名を交わした人達と浮気してないかと疑われたが、
誠心誠意説得する事で、なんとか信じてはもらえた。

劉花ちゃんの正体や、火薬の事については一切教えなかったが、
火薬の事は今までも何度も聞かれても教えなかったので、
董卓さんに渡してないと言う事だけ念入りに説明したら、
最後に念を押されて、その後は火薬についての追求は一旦諦めたようだ。
劉花ちゃんの事については、話さなかったのだが、
大凡、桂花達も察しがついたのか、翌日から・・・と言うよりも
劉花ちゃん会った時から、劉花ちゃんに対する曹操さん達の態度が
民や従業員に対する態度ではなかったのだが、
ここで皇帝にするような特別扱いするわけにも行かないので、
微妙な態度で接するようになった。


翌日、朝食をとった桂花達は、会議のために宮殿に向かい、
私達は、店の営業のために色々と準備をしていたのだが、
昼食後、しばらくしたら賈詡さんがウチの店に護衛と一緒にやってきた。
護衛の人は、すぐに向かいの屯所で待機し、
賈詡さんだけがウチの店に入ってくる。


「あ~まったく!
喜媚悪いけど、何か飲み物と軽く食べられる物出してくれない?
ボクまだ昼食、食べれてないのよ。」
「いらっしゃい。
それはいいけど話し合いがうまくいってないの?」
「うまくいくも何もないわよ!
予想通り、責任と保証の押し付け合いに終始して、話しなんかまったく進まないわ。
この様子だと、本当に死ぬまで終わりそうにないから、
キリがいいところで私達が介入して、
それぞれ収める金銭や兵糧等をこっちで算出して決めさせるわ。
曹操も話をまとめるのは諦めて、それぞれの諸侯の言い分を聞いてるだけだし!
あいつ絶対わざとやってるわよ!」


賈詡さんが愚痴っていると、店の入口から数人の見慣れた人達が入ってきた。


「あら? まとめる気はあるわよ?
だけど、まずお互い、言いたい事を言わせないと、どうしようもないもの。」
「曹操! ・・・なんであんたがここにいるのよ!?」
「なんでって、私達がココを宿にして逗留しているからよ?」
「喜媚の店は宿屋じゃないわよ!」
「私と喜媚は 『お友達』 だもの。
信頼出来る友人の家に泊まったって何も問題はないでしょう?
洛陽で問題も起こしてないし、
そこらの宿よりも喜媚の店の方が快適だし、私自身喜媚の方が信用できるわ。」
「くっ・・・・」
「それよりも貴女はどうしてここにいるのよ?
まだこの店は営業していないはずだけど?」
「ボクは喜媚の 『個人的な友人』 だからココにいてもおかしくはないわよ。
それに、この店はお茶も料理も美味しいって洛陽では有名なのよ?
ボクがいてもおかしくはないわ。」


その時、桂花が私を睨みつけたが、すぐさま私は首を横に振って、
浮気などしていないとアイコンタクトで桂花に伝える。


「あらそうなの?
董卓軍の軍師が懇意にしてる店なのね?
なら洛陽でもかなりいい店のようね。
そんなにいい店なら、私達が利用しても不思議ではないわよね?
いい店には自然と人が集まるものですもの。」
「喜媚!」
「は、はい!」
「あんたはどうなのよ!?」
「い、いや、桂花とは真名を交わした仲だし、
その主であり、官職を持っている曹操さんが言うのだったら、
私は別にいいんだけど・・」
「あら、私とは友達じゃないの?
名を呼び合う仲じゃない。」


曹操さんは賈詡さんが、なぜか今回の事で絡んでくる事を面白がっているのか、
賈詡さんを挑発するような言い方をするが、巻き込まれる方はたまったものではない。

劉花ちゃんの件もあるので、
賈詡さんが曹操さんをココに泊めたくないのはわかるのだが、
その事を言うわけにも行かないので、どうしても矛先が私に向いてしまう。

この後も何度か言い合いをしたが、
賈詡さんが最初に洛陽を出なければ、ある程度自由にしていいと言ってしまったので、
結局賈詡さんが折れ、 (劉花様の事だけは気をつけなさい!) と釘を刺された事で、
曹操さんが家に泊まるのは黙認する形になった。

曹操さん達が一つの大きめの机に集まって座り、従業員の娘達がお茶を出し、
少しはなれた所で、賈詡さんが座って食事を待っていたのだが、
賈詡さんが桂花を睨んだ後、
『荀彧、個人的な話があるからちょっとこっちに来なさい。』 と言って、
桂花と一緒に、奥の個室に行ってしまった。

この場合、私はできた食事を何処に持っていけばいいのだろうか?




--荀彧--


賈詡に話があると呼ばれたため、店の奥の個室に連れて行かれ、
とりあえず賈詡と対面で椅子に座る。
私は賈詡に今聞くような話は無いのだが、連合の後始末の事で何かあるのかしら?


「・・・・・」
「・・・」
「・・・・・」
「・・・なにか話があったんじゃないの?」
「う、うるさいわね! わかってるわよ、色々とボクにも事情があるのよ!」


そう賈詡は頬を赤く染めて怒鳴っていたが、コレは完全に直感だが、この瞬間、
この女に無駄に大きい乳は無いが、コイツは陸遜以上の強敵だと私の本能が告げた。


「・・・コホンッ あんた相手に変に策を弄しても、
無駄に時間を使うだけだから、単刀直入に言うわ。
あんたと喜媚の仲は察しているつもりだけど、
ボクは喜媚が好きよ、もちろん女としてね!」
「・・・なん・・・ですって!?」
「月・・・董卓軍にも必要な人材だし、私にとっても必要な子だから、
喜媚にはずっと洛陽にいてもらいたいのだけど、荀彧・・・貴女の事がある。」
「ちっ・・・あの馬鹿、やっぱり!」

この女の意図がいまいちわからないが、
なぜ喜媚が好きだという事をわざわざ私に言う必要があるのだろうか?
普通に考えれば、私達が洛陽を去った時に喜媚を口説くなりすればいいのに、
なぜ、この女は今、私にわざわざその事を伝えてきた?
普通に考えたら余計な警戒心を煽るだけなのに・・・


「そんな事いちいち私に言う必要が有るの?」
「あるのよ。 喜媚を仕官させたいという気持ちもあるわ。
士官の話だけだったら、わざわざ貴女だけ呼んでこんな話しない。
だけどボクはあの子の知も欲しいけど、一人の女として喜媚が欲しいのよ。」
「・・・っ!」
「あんたが洛陽に来ると聞いてから、ずっと考えていたわ・・・
不意打ちで荀彧、あんたが洛陽から去った後に、
喜媚に私の気持ちを伝えるのもいいかと思ったけど、
それだと、きっとあの子はあんたに義理立てしてボクを拒否する。
だから、あんたとは一度、腹を割って話す必要があるのよ。
喜媚とあんたの関係は大凡察してるけど、
ボクには・・・ボクと月にはそれでもあの子は必要なのよ。」
「・・・どうしてあんたと董卓に喜媚が必要なのよ?
男なんて、あんた達ならよりどりみどりで、好きな男を選べるじゃない!
どこからでも好きな男を選んで取ってくればいいじゃない!
なんで・・・なんで喜媚なのよ!!」


最後の方で思わず大声で喋ってしまったが、
ココが個室で良かった。壁も厚そうだし。


「あんたが何処までボク達の事を知っているのかわからないけど、
ボク達は、当初望んでこの地位に着いたわけじゃない。
だけど当時はこの選択以外に他に選択肢は無かった。
月・・・董卓は本当に優しい子で、
あの子は家族や自分の周りの人間が、幸せで居てくれればそれで良かった。
あの娘はそういう娘なのよ。
だけど、運命は月に洛陽の君主として、
陛下を補佐する相国としての立場に月を押し上げてしまった。
そして喜媚も同じよ・・・
同じ志を持ちながら、同じように運命に翻弄されて、
何処にも逃げられない立場になってしまった・・・月と喜媚にはお互いが必要なのよ。
ボクが見ていてもわかる・・・月はみんなの前でよく笑うけど、
本当に本心の月を見られるのは、
月と同じ志を持つ喜媚と、昔からの付き合いのボクの前でだけなのよ・・・」
「・・・・」
「それに、ボクも最初は喜媚の知識が目当てだった。
あの子自身、そうは思ってないみたいだけど、荀彧、あんたならわかるでしょう?
あの子の持つ知識が、何物にも代えがたい素晴らしい宝だという事が。」
「あの馬鹿は・・・」


私や郭嘉、華琳様やコイツのような一定以上の知のある者には、
喜媚の持つ知識や、根底に一定以上の知がある上での、あの独自の発想は、
何者にも代えがたい宝に見える・・・見えてしまう。
コイツも最初はそれに釣られて喜媚に近づいたのだ。


「そうやって喜媚に近づいて喜媚と接している内に、
この子は月と同じ志を持っている事に気がついた。
いつも華雄や霞や恋の訓練から逃げ出そうとして・・・しょうが無いヘタレだけど、
ホントどうしようもないヘタレ・・・・だけど、あの子は優しいのよ。
いつもボク達の事を気遣ってくれて、
友人や知人のためには、その知も武も惜しまない。
本当はやりたくもなくて、逃げ出したいはずなのに、
ボク達や洛陽の民のために今回の戦に、私達と一緒に参加してくれた・・・
そんな男だもの・・・見てくれが多少 『アレ』 でも、
女なら惚れてもしかたがないわよ。」
「賈詡・・・貴女本気なの? 真名も交わしてないのに。」
「ボクは本気よ、真名を交わしてないのは機会に恵まれなかっただけだもの。
今日だってあんたらがいなかったら、
泊まっていって、その時に喜媚と真名を交わすつもりだったもの。
そのためにわざわざ今日の予定を空けてきたんだから。」
「・・・・あの馬鹿は本当! ろくな事をしない!!」


私は頭を抱え込んだ、あの馬鹿はちょっと目を離すとすぐコレだ。
厄介事を巻き起こすか、余計な女を引っ掛けてくる。


「だけど好きなんでしょ? あんたも。」
「う、うるさいわね!!」
「あの喜媚があんたを選んであそこまで義理立てするんだもの、
あんたがどういう女か察しはつくわ、でも私も喜媚を諦めつるもりはない!」


そう言って賈詡は立ち上がって私に向かって指を突きつけて宣言する。


「荀文若! コレは宣戦布告よ! 喜媚はボクが、ボク達が貰う!」


私も反射的に立ち上がって、賈詡に宣言する。


「ふざけんじゃないわよ! 絶対喜媚は渡さない!
私にはあの子しか・・・あの子しかいないのよ!!」
「あんたと喜媚に何があったのか、今は聞かないわ。
でもそこまで言うのだったら、ボク達が正室の座についたら、
妾くらいは考えてやってもいいわよ?
喜媚はただの洛陽の茶店の主で終わる人間じゃない。
今回の戦の事だけでも、その戦功は素晴らしいもので、
その報奨もいずれ与えられるわ。
そしたらボクは陛下に直訴して、喜媚に上位の官職を与えるか、然るべき報奨を与えて
正室の他にも側室を持っても問題無い立場にするわ。
その後、月が正室になるかボクかはわからないけど、
あんたもウチに来るなら、入れてあげなくもないわよ?
あの子の血は何としても後世に残さなきゃいけないし。」
「ふざけんじゃないわよ!
見てらっしゃい、華琳様を私が補佐して、あんた達を叩き潰してやるわ、
その時にどうしてもって言うのなら、
私が正室であんたらを喜媚の性欲処理の妾くらいにはしてあげるわよ!?」
「だったらこっちはあんたを喜媚の性奴隷としてなら認めてあげてもいいわよ!」
「ふざけんじゃないわよ! あんた達がそうなるのよ!」

「「・・・ハァハァ・・ハァ。」」

「と、とにかく伝えたわよ。 喜媚はボク達が貰う!」
「絶対に渡さないわ!」
「でも貴女、もうすぐ帰るんでしょう?」
「くっ・・・だったら今のウチに私の魅力で喜媚を骨抜きにしてやるわ!
大体、賈詡あんた喜媚に だ、抱かれた事無いでしょ?」
「くっ!? ・・・そこまで進んでたの!?
・・・い、良いわよ! あんたがいない内に、
ボクだって・・・だ、だ、抱かれてやるわよ!!」
「そんなの許さないわよ!」
「許しなさいよそれくらい! あんたは抱かれてるんでしょ!」
「私は喜媚とはそういう関係だもの!」
「でも、婚約も婚姻も済ませてないじゃない!」
「くっ・・・こっちも色々事情があるのよ!」
「妻のいる男を取ったら問題だけど、
独身の男だったらなんの問題もないわ!」
「っ・・・減らず口を!」
「あんたは先に喜媚に会えただけ。 運が良かっただけじゃない!
それに婚約もしていない男に抱かれるなんてはしたないわよ。」
「私は、喜媚に命を救われたのよ!
命の恩人に身を捧げて何が悪いのよ。」
「だったらボクもそうじゃない!
今回の洛陽の戦では喜媚がいなかったら負けてたんだから、
命を救われたのはボクも同じよ!」
「あんたは、その他大勢のウチの一部じゃない。」
「救われた事には変わらないわよ!」

「「・・・フー フー フー・・はぁ、止めましょう。」」
「「・・・そうね。」」


そうしてお互い椅子に座り直す。


「ともかくコレは宣戦布告よ。 ボク達は本気で喜媚を落とす。」
「やれるものならやってみなさい、
私が喜媚と結ばれるのに、どれだけ苦労したか知らないあんたが、
何処まで出来るか楽しみだわ。」
「言質は取ったわよ。」
「くっ・・・す、好きにすればいいじゃない。
遊びだったらあんたや喜媚を殺してでも止めるけど・・・本気なんでしょ?」
「あんたに喜媚しかいないように、ボク達にも喜媚しかいないんだよ・・・
月が笑ってくれて、ボクが惚れて、
みんなで笑って暮らし行くためには、喜媚しかいないのよ・・・」
「・・・ふん。
話はそれだけ? じゃあ私はもう行くわよ。
・・・あ、あと今日この店に泊まるのはやめといたほうがいいわよ、
私と喜媚の閨事を聞きたいなんて、悪趣味な事したくないならね。」
「・・・・くっ!」


賈詡は悔しそうに机を叩いていたが
私は賈詡を個室に残して部屋から退出し、
華琳様の所に戻る時に少し離れたところで華琳様と話していた喜媚の横を通り一言。


(あんた 『浮気』 したら殺すわよ。)
(なっ!? いきなり何っ!? し、しないよ!)


そう言って華琳様の元へと戻った。


賈詡がまさか・・・まさかあんな事を言い出すとは思ってなかったし、
本当は絶対に・・・絶対に! 死ぬほど許したくないけど・・・


(あんな泣きそうな顔で自分には喜媚しかいないなんて言われたらどうすりゃいのよ!
本当あの馬鹿は、少し目を離すと余計な所で余計な事をしでかすんだから!
引っ掛ける女は、稟も愛紗も皆良い奴ばかり!
遊びで近づく女ならなんとでもなるけど、
あんな・・・賈詡みたいな国の重職に立つような立場の者が、
あそこまでなりふり構わず言ってきたら、私は一体どうすればいいのよ!)


この日、結局賈詡は食事だけして帰っていったが、
私に強力な恋敵が現れた瞬間だった。
どこか私に似た、共感を覚える部分もあるが・・・


(・・・それでも喜媚は、喜媚だけは誰にも渡さないわよ!!)


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  1. 2012/09/27(木) 18:12:24|
  2. 真・恋姫†無双 変革する外史。
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6
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コメント

誤字?

[この後も何度か言い合いをしたが、
賈詡さんが最初に洛陽を出なければ、ある程度自由にしていいと言ってしまったので、
結局賈詡さんが折れ、 (劉花様の事だけは気をつなさい!) と釘を刺された事で、
曹操さんが家に泊まるのは黙認する形になった。]のうち、
[劉花様の事だけは気をつなさい!]は、
[劉花様の事だけは気をつけなさい!]のほうがいいのではないでしょうか?
  1. 2012/09/27(木) 20:24:52 |
  2. URL |
  3. るーふぁ #TTgf5Lno
  4. [ 編集 ]

>>るーふぁさん
誤字の指摘ありがとうございます。
修正しておきました。
  1. 2012/09/27(木) 20:32:58 |
  2. URL |
  3. たいち #-
  4. [ 編集 ]

脱字に繋げる適切な語句は?

音々ちゃんや董卓さん深夜まで何度も議論していたので、
→音々ちゃんや董卓さんと一緒に深夜まで何度も議論していたので、
  1. 2012/10/07(日) 04:36:06 |
  2. URL |
  3. へいほう #0DCaDBFQ
  4. [ 編集 ]

必用と必要は同じ意味?

洛陽に居る必用があるのだけど、
→洛陽に居る必要があるのだけど、
  1. 2012/10/07(日) 04:37:37 |
  2. URL |
  3. へいほう #0DCaDBFQ
  4. [ 編集 ]

Re: 脱字に繋げる適切な語句は?

誤字の指摘ありがとうございました。
修正しておきました。
  1. 2012/10/09(火) 21:48:27 |
  2. URL |
  3. たいち #-
  4. [ 編集 ]

Re: 必用と必要は同じ意味?

誤字の指摘ありがとうございました。
修正しておきました。
  1. 2012/10/09(火) 21:48:44 |
  2. URL |
  3. たいち #-
  4. [ 編集 ]

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