たいちの仮設避難所

某小説投稿サイトの規約改定による 仮設の避難所です。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

五十八話


虎牢関




「皆おかえり!」
「はぁ~、ただいま喜媚! やっと、ウチらしい仕事ができたで、
まぁ、主役は呂布で、ウチらは脇役やったけどな。」
「そう言うな、呂布にとって、今回の戦は義母の仇討ちだったんだ。
虎牢関防衛の任もあるが、我らは友として手伝ったのだからな。
主役が呂布なのも当然だろう。」
「恋殿が主役なのは当然なのです!
恋殿がこの虎牢関の主将であり、音々の主なのですから!
「取り敢えず虎牢関防衛の部隊以外の人達には休憩をとってもらってるから、
皆も食堂で飲み物と軽い食事を用意してあるから、
食べれる人は食べていって。
呂布さんも、今日はいつもの野営の食事とは違って、
お米を炊いたから久しぶりにおいしいご飯が食べられるよ。」
「・・・白いお米。」


虎牢関での橋瑁を討ち取る作戦が成功し、
兵に損害が出てしまったが、無事連合軍の武将であり、
呂布さんの義母さんの仇である橋瑁を討つ事ができた。

コレで董卓さんが呂布さんと約束した約定は、達成されたことになるだろう。
そんな中、呂布さんが思いもがけないことを言い出した。


「・・・皆ありがとう、これからは恋でいい。」
「恋殿!?」
「皆、恋達の為に命をかけて頑張ってくれた。
・・・恋にはコレ以上に返すものが無い。」
「恋殿・・・ならば音々も、恋殿のついでというわけでは無いですが、
音々達のために命がけで助けてくれた皆に音々の真名を預けたいです!」
「ええんやないか?
もともと呂布はウチらの仲間やったけど、
これからは真名を交わし合ったもっと深い意味での仲間やな。」
「私は一族の風習上、呂布達の真名を呼ぶわけにはいかんが、魂と心は共にある。
そのつもりで居てもらって結構だ。」
「私は誰かに聞いたかもしれませんが、
真名がないのですがそれでいいのなら、
これからはお二人の真名を呼ばせてもらおうと思います。」
「それでいい。」
「音々もいいのですぞ!。」
「恋の真名は、恋。 これからもよろしく。」
「音々の真名は音々音です、「音々音」ですけど、音々でいいのです。」
「ウチは霞や、よろしくな。」
「これからもよろしく頼む。
共に董卓様や、陛下をお守りしていこう。」
「私もよろしくお願いします。」


こうして、呂布さん改め、恋さん達は董卓軍の皆と真名を交わし、
本当の意味で仲間になった。


この日は連合の方でも混乱があり、昼夜問わずの攻撃は行って来なかったので、
警戒している兵以外はゆっくりと休みを取ることができ、
私は城壁の上で今日の戦いで散っていった兵達を弔う。。
私以外の皆もそれぞれの方法で弔っているようで、
勝利を共に喜んだ宴会時をすぎれば、虎牢関は静かな夜の闇に包まれていた。




--荀彧--


今、連合軍内部では、ある噂で持ちきりになっている。
この反董卓連合に大義は無く、袁紹、張譲、橋瑁の一派による、
権力闘争で、我々はそれに巻き込まれただけではないのか? と言う内容である。
・・・喜媚の依頼で私が細作を使って流したのだけど。

以前、汜水関で夜戦を行なっていた時、一通の矢文が曹操軍に向かって放たれた。
その矢文にはある暗号、と言うか私にしかわからないような内容が書かれてあった。
『華は実をつけ種を落とす、土に必要な分量の栄養があれば新たな実をつけるだろう。
土に栄養が足りなければ、堆肥を撒いてはどうだろうか?』
と言う内容だ。

つまりコレは喜媚が私宛に射った矢文で、
汜水関で華、華雄が不和の種、連合に向けての演説をしたので、
連合内部で今回の連合について栄養、
この場合不信感があれば放っておいても不和の芽は出るが、
袁紹に求心力があり、不信感が足りないようなら、堆肥を撒く、
私達に不信感を煽るよう陽動しろ。
という事になる。


董卓に対する風評は、元々二分化されていた。
民を愛し素晴らしい治世を敷く名君、民を弾圧し専横政治を敷く暗君
参加諸侯の間では、袁紹の圧力でやむなく参加した諸侯も多い。
そんな中、汜水関での華雄の演説、
そして今回の呂布の激昂と橋瑁を討ち取った際の名乗りで、
本当に、当初袁紹達より説明された通り、
呂布は義母を暗殺して董卓に身を寄せたのか?
そもそも、董卓は本当に悪政を働いているのか?
陛下は、袁紹達の言うように軟禁されて政治の場から排除されているのか?
と言う疑問が払拭できないでいた。


「まぁ、麗羽に大義なんて始めっから欠片ほどもなかったんだけど、
これで後は虎牢関で連合が瓦解するまで防衛されて終わり。
その後 陛下が勅命で、それぞれ連合に参加した諸侯を呼び出して、
詰問して朝敵として罰を与え討伐令が出て終わりかしらね。」
「そうなれば大手を振って、連合に参加した 我ら以外 の諸侯を潰して回れますね。
大義もあるので、先制攻撃を仕掛けても風評に影響はありません。
むしろ朝敵を討つのですから、華琳様の風評は上がることでしょう。」
「だけどそれも張譲を捕えない事にはなんとも行かないわ。」
「華琳様は元々、董卓とは面識もおありでしたし、
戦場では双方共、芝居のような小競り合い程度でごまかしていました。
私が喜媚から受け取った矢文もあります。
しかし、唯一の不安は、それでも董卓が、
『そんな事知りません。』 と言えばそれまでですが・・・」
「まぁ、あの董卓がそう言うとは思えないけど、
そんな事を言うようだったら、私の目をも欺く名演技ね。
それはそれで、私の敵として申し分ないわ。
どちらにしろ、この連合の後は乱れるわよ・・・」
「華琳様・・・そのような悠長なことを言っている状況では・・・」
「わかってるわ、だから最悪、張譲を捕えられなかった場合でも、
董卓軍寄りの立場を維持できるように、連合軍の不正の証拠を、桂花、
貴女に集めさせているのでしょう?」
「はい、連合内部での袁紹の横暴な振る舞いや、
飛ばした細作による諜報等で、
袁紹と張譲、橋瑁の会話を聞いて書簡にしたためてあります。
それに橋瑁が討たれた事で、橋瑁の天幕に侵入し、
証拠となるものがないか捜索し、色々と怪しい書簡などが出てきました。
どうやら橋瑁は小心者の上、まわりをまったく信用していないようで、
わざわざ、戦場にまで様々な書簡を持ち込んでいました。
自分が領地に居ないことで、
他の者に自分の裏の面を調べられるのがよほど都合が悪かったのでしょう。」
「ご苦労様、引き続き麗羽や張譲の方も頼むわよ。」
「はっ。」


私は自分の天幕に戻り、
橋瑁の天幕から間諜に奪わせた書簡の確認作業を続けることにした。


(それにしてもあの馬鹿! 火薬はもう無いとか言ってまだあるじゃない!
私にまで隠していたなんて・・・
でも、アレだけの武器ならしょうがないとも思うけど、
私にくらい話してくれたっていいじゃない!
まったく・・・本当にしょうがない奴なんだから。)




--関羽--


今日の戦いで、連合内にとどまらず、
我らの兵にも今回の反董卓連合への不信感が高まってきている中、
桃香様やご主人様は、兵を慰撫して回っている。

今日の戦いは、呂布の言う通りなら、
図らずとも呂布の義母の仇討ちを私達が邪魔した事になる。
軍議の上では我らの立場は弱いので、袁紹に近い者に頼まれては我らは断る術がない。
それにこんな所でご主人様の天の御遣いと言う名を使われるとは・・・
以前、桂花殿から忠告されていたのに・・・コレならばやはり義勇軍を編成し、
黄巾の乱を治め、領地を賜った時点で、その呼び名は取り下げさせるべきだった。
・・・しかし、領地を賜ったとはいえ私達は当時・・・
コレは今もだが弱小勢力だったために、
人を集め、人心を落ち着けさせるために、ご主人様の名を使わざるをえないと言う、
朱里達の意見に反論できなかったのも、また事実。
私自身も当時、楽な方に逃げてしまった・・・
もはやこうなってはどうしようもない・・・
唯一、逃れる手段は我らで張譲を捕縛し、董卓に恩赦を願い出るのみ。


私や朱里、雛里達は、今日の戦闘での被害報告の竹簡を片付けながら、
眠れない夜を過ごす。


「・・・・この先、どうすればいいのでしょうか?」
「雛里?」
「私達は、今回の反董卓連合・・・
この連合には逆らえない形で強制的に参加させられました。
汜水関での華雄さんの演説、虎牢関での呂布さんの名乗り、
それ以外にも細かい所でおかしい所はいくつもあったんです。
連合に参加してからも、細作を飛ばして報告を集めてますが、
おそらく袁紹さん達が流したと思われますが、
董卓さんが悪政を働いて言うのは噂以外では、証拠が全くないんです。
逆に洛陽に近づいて、情報を集めるほど、
董卓さんが善政を行なっているという情報や証拠が集まってくるんです。
この虎牢関や汜水関の道でもそうです。
以前は荒れて補修もおぼつかなかったそうですが、
汜水関、虎牢関の改善工事の時に道も補修したそうです。
それに洛陽の畑では、新しい農法・・・関羽さんが許昌で学んだという農法が、
一部で使用され始めているようです。
戦時中のため、外部の人間は内部にはなかなか入ることはできませんが、
働いている人達はきちんと管理され、明るく元気に働いているそうです。」
「喜媚殿の農法が・・・」
「もはや私達には引くことも進むことも出来ず、流れに身を任せるしかありません、
流れの中でどう舵を切るのかが問題なんです。
せめて・・・董卓さんか、董卓さんに近い方とお話出来る機会でもあれば、
私達の事情を知ってもらい、
董卓さんの言い分を聞いて判断することもできるのですが・・・」
「雛里ちゃん・・・」
「雛里・・・」
「私達には情報が少なすぎる・・・」
「・・・」
「・・・」


雛里の言うことはもっともな事で、
私達は、望んでこの反董卓連合に参加したわけではない。
領地の平定をしていた時に、檄文がいきなり飛び込んできて、
領民を守るためには参加せざるを得なかった立場だ。
その中で、董卓が悪政を働いているかを見極め、
悪政を働いていない事がはっきりと分かった時は、
せめて董卓や、近隣の者達を助けようというのが、桃香様やご主人様の願いだった。

しかし、それも今となっては虚しい・・・
董卓を救うどころか、私達の勢力の存亡の危機でもある。

この連合が、虎牢関を攻めきれずに瓦解してしまったら、董卓はどう出るだろうか?
当然、私達連合をほうっておくはずはない。
何とか言い逃れする事が出来ればいいが、最悪、
朝敵として認定されることにもなりかねない。

朱里や雛里もどうすればいいか判断するための材料を集めるために、
今は睡眠時間を削り休みも取らずにひたすら情報を集めている。

私達にもう少し、後1年でいいので時間があれば・・・
もう少し洛陽の事や、周辺で起きている政争について調べていれば・・・
今はそう思わざるをえない。


「とにかく今は目の前の仕事を片付けて、少しでも情報を集めましょう。
今の私達には情報や手札が少なすぎる。
それと、最悪、張譲の居場所を把握しておいて私達で捕縛をして、
董卓さんに恩赦を願い出る事で
望みをつなぐしかありません。」
「そうだな。」
「そうだね、朱里ちゃん。」


こうして私達は夜通しで今日の戦闘の処理を行い、
一つでも多くの情報と、張譲の居場所などの情報を集めようと奮闘を続けた。




--周泰--


私は今、張譲が袁紹と宴会を開いているため、
外の警備しか居ない張譲の天幕に忍び込み、
捕縛のための下準備や、何か孫家にとって使える情報がないか調べている。
しかし出てくるものは、袁紹の部隊の部隊編成の内容や、
張譲の血縁者や知人、
連合に参加した諸侯に対しても援助や保護を求める書状等が多く、
汜水関で華雄が言ったような、何進さま暗殺や皇帝陛下誘拐の証拠は出てこない。


(保護を求める書状では証拠として弱い・・・
やはりココは時期を見て本人を捕えるしか無いですね、)


私はそう判断し、警備に見つからないように天幕を抜け出して、雪蓮様に報告に向かう


「雪蓮さま冥琳さま、只今戻りました。」
「お疲れさま明命、まずは水でも飲んで喉を潤してちょうだい。」
「ありがとうございます。」


雪蓮さまは机の上に用意されていた湯のみに水差しで水を注ぎ、私に手渡してくれる。
私はその水を飲んで一息つけてから 二人に報告をする


「さて、今はどんな状況なのかしら?」
「張譲の天幕を確認してきましたが、使えそうな書簡などは見つかりませんでした。
ですが張譲がこの連合から逃げ出そうとして、
色んな知人や各諸侯に接触をしようとしているのは確認できました。
この連合が解体してしまえば、
袁家を抜けだして何処かに雲隠れしてしまうやもしれません。」
「そうか、ならばやはりこの戦の間になんとしても捕えんとな。」
「はい、そのために仕込みをしておきました。
ただ警備の状況と、張譲自身が肥満なため、
張譲を運び出すには数人が必要だと思います。」
「なら、その人選をしておいて頂戴。
近い内に私達で張譲を拐うわ。
その後、董卓に連絡して張譲を引渡し、私達の立場を説明して、
少なくとも朝敵にされてしまうのはなんとしても避けるのよ。
出来れば私達が単独で動いたという方向で、
袁術ちゃんだけ立場が悪くなるのがいいけど、
張勲も馬鹿じゃないから、
袁術ちゃんと合同でやった事にされてしまうかもしれないけど、
まぁ、それも今のウチよ。
今回の連合の戦で、袁術軍の兵もかなりの損害を受けているわ。
寿春に着く直前か、着いた直後の気が抜けた時期にしかければ、
たやすく落とせるはずよ。」
「そうだな、そうすればようやく、我らの悲願も叶い、
呉を取り戻し、揚州を得て、孫堅様に顔向けができるというものだ。」
「そうね、長かったけどココで終わらせるわよ。
明命、そのためにも張譲の身柄は必ずウチで確保しないと行けないわ。
人員は任せるから、確実に張譲を捉えなさい。」
「はっ!」


この後、私は自分の天幕に戻り、張譲を確保する際の人員の選別をし、
今日から張譲を昼夜問わず、常時監視するように部下に伝えた。




--喜媚--


呂布さんが義母さんの仇を討った戦いから数日ほど経っているが、
連合の戦闘方法は汜水関の時と変わらない、
それどころか、より消極的になっていて。

衝車を門前まで持ってきたり梯子を城壁にかけるどころか、
適当に矢を射って騒ぐのみで、完全に消化試合の様相を呈してきた。


そんな中、とうとう音々ちゃんに賈詡さんから早馬で伝令が来て、
最後の仕上げの部隊が洛陽を発って行軍中だという連絡が入った。

とうとうこのくだらない、権力闘争も終わり、
過去と完全に決別し本当の意味で、この国の未来の第一歩が始まる。


連合の諸侯皆には悪いが、こんなくだらない戦争で兵やその家族を悲しませ、
洛陽や許昌の私の知り合いの皆に不安な思いをさせたのだ。
その報いは受けてもらい、この国の明るい未来への礎となってもらう。


スポンサーサイト
  1. 2012/09/26(水) 17:48:08|
  2. 真・恋姫†無双 変革する外史。
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<五十九話 | ホーム | 五十七話>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://current9.blog.fc2.com/tb.php/221-b5d75898
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。