たいちの仮設避難所

某小説投稿サイトの規約改定による 仮設の避難所です。

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五十五話


汜水関




--荀彧--


先の喜媚の火薬騒動の後、連合軍の軍議で劉備の軍師から提案された、
昼夜問わず交代で汜水関を攻め立て、
敵兵の疲労を誘うと言う作戦が可決され、
今夜は私達が汜水関に夜襲を掛ける順番なのだが・・・


「「「「「わぁぁ~~!!」」」」」

「「「「「うおぉおぉ~~!!」」」」」

「・・・か、華琳様、さすがにコレはやりすぎなのでは?」
「こんな月明かりも何もない状況で戦の状況なんて確認しようがないわよ。
適当に声出して、やってる振りをすればいいのよ。
それに他の諸侯、特に文句を言いそうな麗羽は寝てるか宴会でもしてるわよ。
大体、この献策は桂花が言い出したんでしょう?」
「いや、そうなんですけど・・・
まさか董卓軍もこうも素直に乗ってくるとは思わなかったので・・・」


そうなのだ、私達が弓の射程外から声を上げて、
偶に剣を等を打ち鳴らして威嚇してるだけなのだが、
敵が弓でも射ってくるのかと思ったら、
敵も同じように声を出して威嚇するだけで何もしてこないのだ。


「桂花と喜媚の愛のなせるわざかしら?」
「華琳様!!」
「まぁ、私達は兵に損害が出ないし、
これで向こうには私達が敵でない事が伝わったろうから、
私達が戦をする時は、ほどほどに手を抜いてもらえるでしょう。
あんな火薬なんてモノ出されたら コチラにどんな被害が出るか・・・
それにこの連合はもうお終いよ。
麗羽も気の毒にね、ヤブを突いて毒蛇を出し、
猫のしっぽを踏んだと思ったら虎だったなんて。
後は私達で張譲と橋瑁を捕えて突き出せば・・・・
フフフ、大した損害もなく一気に領土を広げられるわ。」
「・・・・」
「貴女には喜媚を捕えてあげられなくて残念だけど、
しばらくは董卓とウチの間で戦は起こら無いだろうから、
その内会う機会も作ってあげるわ。
袁紹の領土を治めるまでの間、
一時的に同盟を組むか不可侵条約結ぶのもいいかもしれないわね。
どちらにしろ現状、董卓を相手にした状態で、
同時に麗羽の領土を治めるのは難しいでしょうから、
しばらく董卓と事を構えるつもりはないわ。
・・・やるとしたら董卓は最後よ」
「わかりました。」




--喜媚--


私は今夜も夜襲を掛けようとしたのだが、
今夜は曹操さんの部隊が出てくるため夜襲をかけるのを一旦止め、
汜水関の様子見をしているのだが、曹操さんは攻めっ気を見せずに騒いでるだけ。
なので、こちらも騒ぐだけで済ませている。

今回の事で曹操さんが董卓さんの敵では無い可能性が濃厚になってきた。
もっとも、曹操さんの事なので 全てを信用できるわけではないが、
利害で考えれば、曹操さんにはどちらが勝っても利益を得られる計算があるのだろう。
例えば張譲や橋瑁を捕えるとか、連合の内部にそういった不和の種を植えこむのも、
華雄さんの演説では狙いだったのだが、
曹操さんの部隊にはあまり効果は無いかも知れないと予想していたが、
今回の事で、曹操さんがこちら側に着く可能性が高まったため、
桂花なら、読めば分かるような矢文を射って、
連合内部で不和を煽ってもらうように依頼した。
曹操さんと桂花なら、うまくやる可能性が高いので、コレはコレでいいだろう。

こうして24時間昼夜を問わず、連合軍は攻撃をしてくるのだが、
どの諸侯も思い切った攻撃をしてこないので、
こちらも交代要員だけで抑えられている。

そんな中 賈詡さんからの伝令で、
汜水関をそろそろ放棄しても良い、との連絡が来た。
更に馬超さんの部隊が遅ればせながら到着したとの事なので、
洛陽防衛の心配が薄くなったのもあり、準備が順調に進んでいるようだ。


「詠はもう汜水関から撤収してええって?」
「はい、予定よりだいぶ早いですね。」
「だが、予定より連合の士気が落ちすぎている、
ここらがいい機会なのかもしれんぞ?」
「・・・オマエ誰や!! 華雄ちゃうやろ!?」
「何を言っているんだ? 私は私以外、何者でもないだろう。」
「華雄、オマエ前から変わりすぎなんや!
喜媚にひっぱたかれて頭おかしなったか?」
「失礼な事を言うな! 私は何処もおかしくなってなどおらん。
ただ・・私が守るべきものや、
私の背後で安心して私を見てくれているお方に、気がついただけだ。」
「・・・ほんま何があったんや。」
「さぁ? でもいいんじゃないですか?
今のほうがいいですよ、武人! って感じじゃないですか。
かっこいいですよ華雄さん。」
「ん? お、おぅ、そのなんだ・・・あ、ありがとぅ・・・」
「・・・コレは華雄にも春がきたか、それとも強敵になるか・・・」
「ともかく、賈詡さんから連絡が着たので、近日中に汜水関から撤退します。
今から徐々に抵抗を弱めていって、コチラの資材が尽きたように見せかけます。
その後 汜水関から撤退し、
敵を汜水関に誘い込んでから私の部隊で空城の計を弄った火計を行い、
敵の出鼻をくじいている間に、本体は虎牢関まで撤収。
虎牢関で呂布さん達と合流し、橋瑁を討つ準備をします。」
「了解や。」 「うむ、問題ない。」


こうしてこの日から四日ほどかけて、徐々にコチラが資材不足に陥ったように見せて、
その間に野営地の天幕などを撤去し、
撤収準備を整え、敵に調子付かせてから汜水関から撤収することになった。




--荀彧--


「オーッホッホッホ! 私の見事な策でとうとう敵の資材が尽きかけたようですわよ!
偉そうなことを言ってた割にだらしが無いですこと!
このまま一気に押し切って、美しく華麗に前進ですわ!」
「劉備の所の策でしょうに・・・」
「・・・ハァ」


いま諸侯が集まって軍議を開くための天幕では、相変わらず袁紹が馬鹿騒ぎしている。
それにしてもおかしい、汜水関の防衛戦は明らかに董卓軍が勝っていたし、
昼夜問わずの攻撃は喜媚は想定していたはずだ。
実際私もそういう話を幼い頃に聞いた。
それにアレ以降、火薬をまったく使ってこない。
偶に見せかけで油壷を投げて火を放つことはあったが、
火薬の使用は最初の衝車破壊の一回きり。
なのになぜ、抵抗が弱まったのか?
私ならば洛陽から資材を運ばせて、このまま汜水関で粘れば、
連合軍の兵糧は尽きて防衛できるのに。

ここで敢えて兵を引く理由があるとしたら・・・
まさか、虎牢関と汜水関の間に連合軍を閉じ込めて一気に殲滅するつもり!
洛陽からなら孟津港からなら船を出して連合軍の裏に回り込めば、
虎牢関と汜水関の間に閉じ込めることができる。
後は防衛しきれば兵糧が尽きて私達は終わる。


(華琳様、お話が・・・)
(なによ?)
(実は・・・)


私はこの現状最悪の状況になりかねない考えを華琳様に伝え、
万が一汜水関を抜くことができても、
汜水関には防衛の兵を置くように、袁紹に釘を刺す必要があると伝えた。


(そう、わかったわ。 麗羽!」
「な、なんですの華琳さん、私の見事な戦術になにか言いたいことでも有りますの?」
「あんたの戦術はどうでもいいけど、
この後汜水関を抜いた後は、当然、
最低限汜水関を防衛できる兵は残していくんでしょうね?」
「はぁ? そんな事必要ありませんわ、全軍で華麗に前進ですわ!」
「あんた馬鹿なの? 汜水関を抜いた後、董卓達に黄河を使って裏に回られたら、
私達は虎牢関と汜水関の間に挟まれで閉じ込められるでしょう?」
「そうなんですの 斗詩さん?」
「そうですよ麗羽様!
っていうか兵を置いていくつもりだったんじゃないですか!?」
「・・・も、もちろんそのつもりでしたわよ!」
「嘘つくのじゃ! 完全に忘れておったであろう!」
「何を言うんですの美羽さん、私がその辺りのことを考えてないとお思いですか?」

(((((絶対考えてなかったな。)))))

「そういうわけで、ウチの 「待ちなさい麗羽。」 なんですの華琳さん。」
「その部隊、ウチから出すわ、
麗羽は美しく華麗に洛陽ヘ乗り込まなきゃいけないのに、
こんな所で兵を割く訳にはいかないでしょう?
それとも貴女美しくも華麗でもない、落ちた関の防衛なんかやりたいの?」
「えぇ、もちろん美しくもない落ちた関の防衛なんかやってられませんわ!
そういう地味な仕事は華琳さんがお似合いですわ。
では、華琳さん関の防衛はお願いしましたわよ。」

(((((うまい!)))))

「ええ任されたわ。それじゃあ、私は部隊編成があるから先に失礼するわ。」


そう言って華琳様はさっさと席を立ち、天幕から出ていく。
私や春蘭達もそれに続く。


「華琳様お見事でした。」
「麗羽とは付き合いが長いんですもの、アレくらい軽いわ。
それに私達の部隊で汜水関を抑えておけば、
万が一張譲や橋瑁に逃げられても、汜水関で取り押さえられる。
奴らは絶対に私達で捕まえるわよ。
それと桂花、例の袁紹達の不正の証拠集めもやっているわね?
麗羽は、コレが終わった時には、すべてが敵に回るようにしてやるわ。」
「もちろんです華琳様、橋瑁が連合の兵糧を少しずつ水増しして要求し、
不正に蓄えていましたので、その証拠を掴んで有ります。」
「いい子ね、引き続き頼んだわよ。」
「はい!」


この日の軍議はこれで終わり、
私達が抜けた後は、近日中に汜水関に対して大規模攻勢をかけ、
一気に攻め落とすという方針に決まったようだが、
その役目は袁紹が自らやるそうだ。
大方、汜水関突破の功績と名声が欲しいのだろうが、
他の諸侯は袁紹以外、皆あの火薬を恐れて攻勢をかけるのには消極的だった。




--喜媚--


夜明け間近、汜水関の撤収準備もほぼ完了し、
後は今関に残っている部隊と私の工作部隊を撤収させるだけとなった。
今は、汜水関の中に余分な資材が残っていないか最終チェックをしているところだ。


「喜媚、こっちは大丈夫や。」
「こちらも問題ない、全て搬出済みだ。」
「ありがとうございます、それでは次の連合軍の攻撃部隊が交代するのに合わせて、
こちらも撤収します。
張遼さんは西門の閂をきっちりかけていってください。
私達は予定通り、火計をかけた後、縄梯子で汜水関から脱出し、撤収します。」
「了解や、ほんなら次は虎牢関でな。
ちゃんと無事虎牢関まで来るんやで。」
「はい。」


この後、連合軍は朝に今の攻撃部隊が引き、
次の攻撃部隊に変わる時に、
張遼さんと華雄さんは最後の防衛部隊の撤収を開始し、
汜水関の洛陽側の西門を閉めて、虎牢関に撤収していった。

その間に、私と工作部隊で汜水関の兵が通る通路の奥の方に油を撒き、
二階部分に上がり、二階に上がる通路の扉をきっちり閉めて、
閂をかけ、擬似的な密閉状態を作り、
後は敵の部隊が通路を通る時に小麦粉と粉末状の火薬を撒いて火を放ち、
粉塵爆破を起こさせてから撤収するだけだ。
油が燃えてる間は汜水関を抜けることは出来ないので、
消火して通り抜けられるようになり、罠が無いか調査をする数時間か数日は、
連合軍を汜水関に足止めできるだろう。


こうして連合軍は次の攻撃部隊に変わり、
汜水関の攻撃を開始したのだが、私達の牙門旗が降ろされたのを確認したのか、
すぐに汜水関の東門を攻撃する音が聞こえてきて、
しばらくすると衝車も出されたようで、
東門を破壊する音が聞こえる。

そうして一時間ほどした時、とうとう東門が破壊されて、
連合軍、鎧の色や形状から袁紹さんの部隊が、汜水関に突入してきた。


(準備はいい?)
(おっけーです。)


私が部隊の人間だけに教えたOKやNO等の英語を使い、
お互いの意思疎通を図る。

その間にも連合の袁紹さんの兵は通路内に侵入し、
敵が居ないか索敵している。

(スタンバーイ・・・スタンバーイ・・・ゴゥッ!」
「「「投下!」」」


私の合図と共に、増築時に作られた覗き穴から小麦粉が投げ入れられ、
敵兵はいきなり視界全体が小麦粉や木炭の粉で霧がかかったようになってしまい、
混乱状態に陥る。
そこへ私が粉末状の火薬を少量撒いて、
少し置いてから最後に松明を投げ入れて、すぐに覗き穴に蓋をする。
するとすぐに轟音とともに、一瞬で通路全体が火に包まれ、
通路に撒いた油にもうまく火が着いたようだ。


「あちっ、あっつい!」
「隊長! 予想以上に火の勢いが強いです!」
「す、すぐに逃げるよ!
撤収~ 撤収~~!!」
「「「撤収~~!」」」


こうして私達はすぐに上に登って行き、
城壁の上に仕掛けてあった縄梯子で下に降りて、
馬で虎牢関に向けて撤収する。




--愛紗--


汜水関の反撃が一切ない状態で、最初はなにかの罠かと思ったが、
袁紹達の兵が汜水関の門に攻撃を仕掛けても何もしてこないので、
敵が汜水関から撤収したと判断した袁紹は、
残った衝車を持ちだして門を破り、兵を突入させ、
内部に敵が残っていないか確認させていた時、
轟音と共に、汜水関の破壊した門から火が吹き出してきた。


「ご、御主人しゃま、アレも ばくだん とか かやく でしゅか?
あぅ噛んじゃった・・・」
「朱里落ち着いて、アレは火薬かもしれないけど、少し様子が変だ。
アレは普通に油を撒いたかなんかじゃないかな?
それか・・たしか粉塵爆発だったかな?
火薬じゃなくて、何か燃える粉のようなもの・・・
炭を削ったものとか木屑とか小麦粉とか、
そんなような物を撒いて火を放ったんじゃないかな。
炎も一瞬で収まったし、今も燃えているのは一部だけだから、
油と一緒に撒いたのかもしれない。
この敵はかなり詳しく科学、
俺のいた世界の知識に近い知識を持っているに違いない。」
「ご主人様の居た世界の知識ですか・・・」
「俺がこの世界に来たんだ、俺以外にも誰か来ていてもおかしくはないだろ?」
「・・・確かにそうなんですが。
そうなると天の御遣いは二人か、それ以上居るという事に・・・?」
「俺が名乗っているのだって、皆に言われてそう名乗ってるだけだからな。
向こうが本物なのか、それとも天の御遣いなんてただの噂でしか無いのか。
・・・何れにしても、
俺がこの世界のために何かしたいっていう気持ちに変わりはないよ。」
「ご主人様・・・」


ご主人様がこの国のため、信念を持ってくださるのは嬉しいが、
私はこの時妙な違和感を感じていた。
私達が知らない知識を持ち、それを使いこなしている人物・・・
そして今洛陽に居る人物といえば、私の知る中では一人しか居ない。


(喜媚殿・・・まさか貴方なのですか?)


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  1. 2012/09/22(土) 17:00:13|
  2. 真・恋姫†無双 変革する外史。
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

更新お疲れ様です。

ハーメルンから追っかけてきました。
更新楽しみにしています。

ただ、私から見てもハーメルン最終話で行った孫家の行動は最悪に近い悪手であるとしか思えませんでした。
最悪、旧袁紹領のような扱いになるのではとまで考えてしまいました。

そこをどうなさるのかも楽しみにしています。
  1. 2012/09/23(日) 12:28:36 |
  2. URL |
  3. おふぃ #YF7Mt4Mw
  4. [ 編集 ]

喜媚のセリフ回し?について

>「詠はもう汜水関から撤収してええって?」
>「はい、予定よりだいぶ早いな。」
>「だが、予定より連合の士気が落ちすぎている、

二番目のセリフ、喜媚なら
「はい、予定よりずいぶん早いですね。」とかが
似つかわしいかなと。
ラフな語調にちょっと違和感があったので。

いつも更新楽しみにしています。
  1. 2012/09/24(月) 09:50:33 |
  2. URL |
  3. wakuwaku #fRAkbPOk
  4. [ 編集 ]

お疲れ様です!

更新お疲れ様です。
にじファン、ハーメルンと追っかけてきました。

いつ読んでも面白くて、本当に四六時夢中です。
ハーメルンから移転なさって、更新されるたびに……というより、ハーメルンからも含めてですが、何度も何度も最初から通して読ませて頂いてます。一向に飽きる気がしません。

ハーメルンまでで更新された分はもちろん、それ以降、これからの展開も非常に楽しみです。

応援してます、更新頑張って下さい!
  1. 2012/09/25(火) 23:31:58 |
  2. URL |
  3. 和尚 #-
  4. [ 編集 ]

>>wakuwakuさん
ご指摘のとおり少し違和感がありますね。
修正しておきました。
ご指摘ありがとうございました。
  1. 2012/09/26(水) 18:06:56 |
  2. URL |
  3. たいち #-
  4. [ 編集 ]

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