たいちの仮設避難所

某小説投稿サイトの規約改定による 仮設の避難所です。

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四十九話


洛陽




桂花達が洛陽を去り、少し家の中が寂しくなったような気がするが、
私がそんな事を気にしてたら、従業員の皆に影響が出てしまうので
気持ちを切り替えて 今日も一日頑張って営業しよう。


そう思っててた時期もありました。
この眼の前で管を巻いてる人が来るまでは。


「賈詡さん、せっかく休みが取れたのなら、
こんな所に来ないで、もう少し体を休めるとか、
董卓さんと遊びに行くとかしたらどうですか?」
「そんな暇ないわよ!
今は一日も早くアンタの持つ治世の知識を取り入れて、
この洛陽を民が暮らしやすい町にしなくちゃいけないのに。
それに月は今日も仕事よ。
本当は月と休みを一緒にしたかったけど、
たまたまボクの仕事が進んだおかげで、
周りとの調節のために一日空いただけだもの。」
「そうですか・・・まぁ、私も董卓さんのお世話になってますし、
例の件もあるので 賈詡さんに話をするのはいいですけど、
店の営業もあるんですから 程々にしてくださいよ?」
「程々なんてありえないわね、今日は徹底的に議論するわよ。」
「・・・・ハァ。」


こんな事を言ってるが 賈詡さんは、
議論ではなく愚痴が半分 議論が半分で話をするから厄介だ。
農法の話をしていたと思ったら、
周りの農地の計算が遅いから予定通り進まないと愚痴り、
私が 「部下の前でそんな事言っちゃダメですよ?」 と諭すと、
「部下の前でこんな事言わないわよ!」 と返答が帰ってきて、
結果的に火に油を注いでしまう事になる。

個室に移ってもらったからいいが、
こんな話を店でやってたらお客が離れるし、
情報漏洩の危険もあるので、早々に個室に移ってもらって良かった。
賈詡さんもその辺は わかってやっていると思うが・・

そんなこんなで夕方頃まで議論は続き、
店を閉めて、皆で夕食になったのだが、
賈詡さんはまだ帰らずに、私達と一緒に食事を取り、
お酒も入って愚痴の比率が多くなる。

まぁ、ココで私に愚痴って明日から仕事を頑張ってもらえればいいかと思い、
私も賈詡さんの愚痴に付き合って、結局夜中まで話し合っていたのだが、
とうとう賈詡さんが酔いつぶれて眠ってしまったので、彼女を抱えて、
部屋まで運び布団を掛けてあげる。


「こんな両手で収まる小さくて軽い娘に、この洛陽の命運がかかってるんだな・・
たまにはこうして賈詡さんの愚痴を聞いて鬱憤を晴らすのに付き合うのもいいか。」


私はそう独り言を言いながら彼女を運び、
せめて今夜くらいは安らかに眠って欲しいと祈った。




--賈詡--


ボクは喜媚に寝かされた布団の中でゆっくりと目を開いた。


「ふん、小さくて悪かったわね。
大体、独身の男と気を許して酔った女が居るのに、なんでなにもしないのよ。
愚痴を聞いてくれるのはいいけど・・・・なんかむかつくわね・・・・ふん。」




--喜媚--


さて翌朝、昨晩飲み過ぎたせいで二日酔いなのか、
頭を抱えて賈詡さんが二階から降りてきたので、
消化の良い雑炊を朝食として取ってもらい、
彼女を宮殿へと送り出す。

去り際にボソッと、 「世話かけたわね・・」 と頬を染めて言い、
彼女は宮殿へと戻って行った。


家に来る人間の中で最も多いのが賈詡さんだが、
その次に多いのが実は呂布さんと陳宮さんだ。

最も、彼女達の場合は 店本来の目的通りに、
食事に来てくれるので、一見いいお客さんなのだが、
食べる量が半端じゃ無く、
一度その日の店のお菓子と料理を全て食べ尽くしてしまったので、
彼女達には事前に予約を入れてもらうようにしている。

呂布さん個人が食べる量もさることながら、
彼女が食事をしている風景を眺めるために、
他のお客も来てくれるので、
呂布さんが来る日の売上は通常の倍近いものになるので、
店としては嬉しい悲鳴なのだが、
よく考えて欲しい、そんなに食べて懐は大丈夫なのだろうか?
それに呂布さんには『家族』が多いので、
彼女の家の食費は人よりも多めにかかる。

もちろん大丈夫じゃない。
呂布さんと陳宮ちゃんの給金を足しても、
足りない月などがあるので、そういう時は彼女達にアルバイトをしてもらうのだが、
呂布さんを厨房や店に入れると 食事に目が行ってしまい、
仕事にならないので、彼女には薪割りをしてもらっているのだが、
家でつかう薪のほとんどはメイド・バイ・呂奉先だ。
無駄に豪華な薪である。


「薪割りが終わった。」
「ご苦労さまです、おやつを用意したので少し休憩したら、
次はお風呂の水汲みをたのんでいいですか?
帰りに陳宮ちゃんと一緒に入っていって、汗を流していってください。」
「セキトもいい?」
「セキト用の桶にしてくれるならいいですよ。
毛が湯船に残ったら後の人が困りますから。」
「ん、分かった。」


そして陳宮ちゃんは、その暗算の速さや、
可愛い容姿なども相まって、たまに看板娘をやってもらっている。

日頃は劉花ちゃんが家の看板娘なのだが、
陳宮ちゃんもマニア受けするので、
彼女達はいろんな意味で家の売上に貢献してもらっている。


「胡麻団子とお茶お待ちどうさまなのです!
あぁ、そっちの蒸しぱんはもうすぐ蒸し上がるので、
少し待って欲しいのです!」
「はい、陳宮様、蒸しぱん出来上がりましたよ。」
「了解です!」


こうして彼女達は意外にいい店員なのだが、
この事が後に賈詡さんにバレて、大目玉を食らっていた。

以降、 「外で働く暇があるのなら仕事を増やしても問題無いわよね?」
と賈詡さんに言われ、陳宮さんの仕事は二割増しに。
呂布さんの仕事も二割増しにされたが、
彼女達が家の店に通ってくる回数は減らなかった。


張遼さんはよく家にお酒をたかりに来るのだが、
意外にウチに店に来る回数が少ないのが華雄さんだ。

以前はたまに来てたのだが、
劉花ちゃんの働く姿を見て、 「陛下にそんな雑事をさせているのか!」 と
店で大騒ぎを起こしたのでしばらく出入り禁止になり、
劉花ちゃんにも 「仕事の邪魔をしないでくださいね。」 と
怒られたので、店に来づらいとの事だ。

董卓さんや賈詡さんから何度も、市井の民にまぎれて暮らしているのだから、
劉花ちゃんがこうして働くのは当然だし、本人も望んでいるので邪魔をするな!
と怒られているのだが、彼女の価値観から、
前皇帝陛下が民に紛れて額に汗をして働くのが耐えられないらしく、
偶に空いた時間を見つけては 店に来て入り口あたりの席から、
劉花ちゃんを見張ったり、
向かいの屯所に出入りしては店を見張っている。


「・・・・・・」
「あの・・・華雄さん、お茶のおかわりは?」
「ん? もらおう。」


董卓さんや賈詡さんも、アレで本人は納得してるみたいだし、
劉花様の警護になるのだから放っておくように、
と言われたのでそのままにしてあるのだが、
武官である華雄さんが店の入口で睨みを効かせていると、単に営業妨害でしか無い。
しかし本人に悪気もないので、追い出すわけにも行かず、
華雄さんが来たら気の済むようにさせておくというのが、
店の暗黙の了解になっていた。


ある日のことだ、
張遼さんが店にやってきて私を呼ぶなり一言。


「なぁ、どないしたら喜媚みたいに女らしくなれるやろか?」
「・・・・・は?」
「せやから、どないしたらウチも喜媚みたいに女らしくなれるやろか?」
「私が男だってわかってて聞いてますか? 嫌味ですか?」
「そこ何や! なんで男の喜媚がウチより女らしいねん!」
「別に女らしくなんかしてませんよ!
人聞きの悪い!」
「せやかてこの間もウチのアホ共が・・
『ウチの隊長は生まれてきた性別間違えてるよな?
黒猫茶館の店主と中身を間違えたんじゃないか?
「「「ハハハツ!!」」」 』
なんてアホなこと抜かしよるから・・」
「で、その後 その人達をどうしたんですか?」
「訓練倍にしてしばらく動けんようにしてやったわ。」
「そういう事するからでしょう・・・
少なくとも私の知る限り張遼さんは女らしいですよ?」
「どないなところが?」
「どんなところがって・・・む、胸とか・・・お尻とか?」
「体の事やのうて内面の事では?」
「・・・酔っ払った時とかお酒が欲しい時に甘えてくる仕草とか?」
「・・・ふむ? こないな感じか?」


そう言うと張遼さんは私にしなだれ掛かり・・


「なぁ、喜媚ぃ、ウチもう一杯だけ飲みたいなぁ。」
「・・・どうでもいいですけど、それ、外ではやらないでくださいよ。
勘違いした男が襲ってきても知りませんよ?」
「え、ほんま? 今の女らしかった?」
「女らしかったですよ。 悪い意味で。」
「なんでや!」
「そういう甘えるような事は 本来お酒のためなんかじゃなく、
好きな男の人 だけ にやってください。」
「え~・・・ほんならどうしたらええの?」
「普段通りでいいじゃないですか、
別に親から早く結婚しろとか、女らしくしろとか、言われてるわけじゃないんでしょ?
女らしくなくても張遼さんらしくしてればいいじゃないですか。
それに よく考えたら今の 内面と関係ないですよね。」
「ほんならなんのためにウチはあんな事やらされたんや!」
「張遼さんが勝手にやったんでしょう。
それに一応確認で聞きますけど、張遼さん、男の人と女の人、どっちが好きですか?
もちろん性的な意味で。」
「・・・・・・・・どっちも?」
「帰ってください、私にはどうしようもありません。」


私が張遼さんから一歩後ずさると、張遼さんは私の足元にすがりついてくる。


「わ~! そないなこと言わんと!」
「大体張遼さん、本当に女らしくなりたいんですか?
ただ部下の人に言われたから むかついて言ってるだけでしょ?
そんな人達 言いたいように言わせておけばいいじゃないですか。」
「言われっぱなしじゃむかつくやん。
それにウチも女なんやから 少しは女らしいとこ見せたいし・・・」
「誰に見せたいんですか?」
「誰にって・・・・誰やろ?」
「好きな人ができて その人に女として見てもらいたくなったら、
改めて相談に来て下さい。
今の張遼さんになにか言ったら、変な方向に進みそうです。
変に女として意識するよりも、張遼さんは張遼さんらしくしたほうが魅力的ですよ?
今回の相談のお力にはなれませんけど、自分らしく、コレが一番いいと思いますし、
私には それが一番張遼さんが魅力的に見えると思いますよ。」
「自分らしく・・・か。」
「少なくとも人に言われたから女らしくなりたい、
って言って、辺に振る舞っても私はそんな張遼さん見たくないですね。
いつものように明るくて、部下や皆の面倒見が良くて、
ちょっとお酒にだらしがない張遼さんの方がいいですよ。」
「ウチはそんなに酒にだらしがなくないで!」
「よく言いますよ。
この間だって 私のお酒を勝手に見つけて飲んだくせに。」
「アレは喜媚が隠すからやんか。」
「張遼さんが飲み過ぎるんですよ。
放っておいたら壷にある分全部飲むじゃないですか。」
「宵越しの酒は残さん主義や!」
「人の分は残しておいてください。
そういう事で、今回の女らしくなりたいって言う相談は、
なかった事でいいですね。」
「・・・あれ? まぁ、ええのかな?」
「いいんですよ。
そのウチ素の張遼さんが良いって人が現れますし、
もしかしたら今もそう思ってる人がいるかも知れませんよ。」
「喜媚みたいな?」
「私は変に飾るより今の張遼さんがいいですね。
きっと董卓さん達も皆そう思ってますよ。」
「そうかな~。」
「そうですよ。」


張遼さんは狐に化かされたような 複雑な表情をしながらお酒を飲んでいるが、
愚痴を言えたことである程度すっきりしたのか、
その後、いつも通りにお酒とおつまみの催促が飛んできた。

彼女は変に飾るよりも、素の彼女のほうが魅力的だろう。
少なくとも私はそう思う。


さて、董卓さん陣営で、
家に来るのが最も少ないのが、その陣営の主である董卓さんだ。

彼女は家のお菓子やお茶を気に入ってくれて、
自分でも作ってみたい、などとよく言っているのだが、彼女の立場がそれを許さない。
それに彼女にはひっきりなしに決裁が回ってきたり、面会の申し込みが来るので、
ほとんど家に来ることはなく、
逆に私が協ちゃんに会う時に一緒に会いに行くしか無い。

彼女もその日を楽しみにしてくれているようで、必ず予定を空けておいてくれる。


以前、張遼さんから女の子らしくなりたい、
と相談を受けたが、そもそも相談する相手を間違っている。
女の子らしくなりたいのなら、董卓さんを観察すれば良い。
女の子の中の女の子、董卓陣営最強の女の子だろう。
・・・自分でも言ってて意味がわからなくなった。


そんな董卓さんだが、意外な事に弓が得意だったりする。
史実か演技では、董卓は馬上で両方の手で弓を引けたらしいが、
以前その事を聞いてみたら・・


「そんな事できませんよ~、でも弓は得意ですよ。
皆 私の冗談だって言って聞いてくれないんですけど。」


彼女は笑ってそう言ったので 試しにお菓子を賭けて勝負してみようか?
と言う話になったのだが、私はなんとか中心に数本当てれたのに対して、
董卓さんは全弾中心に命中、董卓さんは照れ笑いしていたが、
これ、すごいことじゃないだろうか?


「動く的だとこうは行かないんですけど、
それでもイノシシ位なら動いてても当てれますよ。」
「すごいね・・・正直ここまで上手いとは思ってなかったよ。」
「ありがとうございます。
私も久しぶりに弓が引けて楽しかったです。」
「月は剣術とかもひと通り納めてるのよ!」
「それはすごいことなんだけど、なんで賈詡さんが偉そうに言うの?」
「月はボクの親友だもの!」
「へぅ、え、詠ちゃん・・・恥ずかしいよ。」
「なんで恥ずかしのよ、友達が仲がいいのはいいことじゃない。」
「そ、そうなんだけど・・・」


少なくとも董卓さんが武芸一般に通じてて、
二人がすごく仲がいいのだけはよく分かった。

あれ?・・・・・もしかしたら董卓さんって私より強いんじゃない?


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  1. 2012/09/21(金) 14:09:13|
  2. 真・恋姫†無双 変革する外史。
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  4. | コメント:1
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  1. 2012/12/30(日) 02:00:56 |
  2. URL |
  3. ちょっと通りますよ #zQLvkSFw
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