たいちの仮設避難所

某小説投稿サイトの規約改定による 仮設の避難所です。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

四十五話


洛陽




董卓さんが何進さんの地盤を引き継ぎ、
洛陽を治めるようになって数ヶ月で、大きく変わったことがある。
それは町の見回りをする警備兵をよく見るようになった事だ。

民が安心して生活できるようにするために、まずできる事の一つとして、
町の警備を増やし、治安を回復する事だ。
袁紹さん達によって、悪政を働く一部の古参の宦官が排斥された事で、
若くてこの国の未来を憂いている宦官や文官、武官を採用し、
屯所を作るための下準備を進ませる間に、
警備隊を再編成し町の巡回を以前よりも細かくするようになった事で、
犯罪を未然に防ぐ事に尽力した。


それと均田制を導入する事だ。
均田制とは、税金を払えない人達や戸籍のない流民等に戸籍を与え、
最低限の衣食住を保証する代わりに、
洛陽周辺の荒れた土地を開墾し畑として利用できるようにし、
収穫の一部を税として収めさせる。
一代限りの畑と、一定の面積の範囲内の畑なら世襲を認めさせる畑の二種類があり、
流民に戸籍を登録させ、きちんと納税させるための制度だ。

一部豪族が、荘園運営のために人を雇っていたのだが、
その多くは流民で戸籍を有していない者を安い賃金で雇うことで、収益を上げていた。
しかし、袁紹さんの宦官の粛清の時に 自分達も粛清の対象になるのでは?
と 恐れた豪族達は囲っていた民を放逐するか、戸籍を入れさせ税を収める事で、
自分達はきちんと法を守っていると言う姿勢を示す態度をとる者などが現れた。

放逐された民は均田制の導入に伴い戸籍を得て、
衣食住を保証される代わりに洛陽の民としての地位と責任を得ることが出来たが、
中には悪質な豪族なども居て、
荘園で雇っていた民を 『処理』 しようとした者達もいたが、
その場合は私財没収や犯した罪によっては死罪まで適用して、厳重に処罰された。

均田制には 志願者が殺到し一時混乱したが、
なんとか無事に志願者全員分の耕作地の確保ができるようで、
コレは宦官や豪族から没収した私財の中に土地なども含まれていたため、
それをそのまま流用したり、
荒地を開墾させることで志願者の雇用を確保することが出来た。

まずは 基本は 今まで通りの農法で農作業を行なってもらうが、
許昌で採用している農法等も一部取り入れ、農業指導もしているため、
来年以降の税収は期待できるだろう。


更に雇用を生み出す為に、汜水関や虎牢関、函谷関、孟津港の、
防備を固めるための増改築工事で人を雇い、
洛陽内での当時、冷遇されていた職人達に、資金援助などで支援することによって、
職人の数を増やす試みも進行させた。
この増築工事に伴う設計案では、私の知恵袋から出した策も導入してもらい、
汜水関、虎牢関の二つの関は更に強固な関へと変わっていった。


衣食住が満たされ、治安も良くなれば人の心も穏やかになっていく。
こういった董卓さんの内政努力により、
これから数年で、洛陽内は以前とは比べ物にならないほど活気に満ちた、
まさしくこの国の首都に相応しい都市へと変貌していく。

しかし、今はまだ、その第一歩が始まったばかりである。


さて、そうなってくると忙しくなるのは賈詡さん達、文官なのだが、
嫌な忙しさではなく、明るい未来への努力なので、
意外にストレスは溜まってはいないのだが、そこはやはり人間だ。
どんなに良い仕事をしていてもストレスは溜まるので、
その発散方法を個々で色々考えるのだが、賈詡さんの場合は、
董卓さんとのお茶会か、私のところに来ての未知の知識の吸収と・・・愚痴と酒だ。


「だからね、ボクは言うのよ、あんたもこんな店やってないで、
宮殿に来てボクの仕事を手伝いなさいって!!」
「はいはい、そうだね、賈詡さんはすごく頑張ってるよ。
賈詡さん達のお陰で私達は安心して暮らしていけるんだから。」
「それがわかってるならボクの仕事を手伝いに来なさいよ!」
「だから、私がこの店を離れたら劉花ちゃんが心配でしょ?
護衛の人達がいるとはいえ、まだ、彼女は精神的に落ち着いていないんだから。」
「だったら一緒に宮殿に来ればいいじゃない。」
「だから、劉花ちゃんが宮殿内をふらふら歩いてたらみんなびっくりするでしょ?
大怪我で治療中の前皇帝陛下が宮殿内で見つかったらダメじゃない。
それに劉花ちゃんにとって宮殿は嫌な思い出が多すぎて安心できないから、
わざわざ私に着いてきてここで一緒に暮らしてるんでしょ?」
「だったらあんただけでも手伝いに来なさいよ。
あんたの新式の算盤がまともに使えるのは今のとこ、
あんたとボクと音々しかいないのよ!」
「皆に教えればいいじゃない。」
「そんな時間あったら仕事するわよ!」


こんな感じの話が彼女が眠くなるまで延々とループするのだ。
正直彼女にあのお酒を飲ませたのは失敗だった。
最初は美味しいお酒でも飲めば気休めになるかと思って薦めたのだが、
一般に流通しているお酒よりもアルコール度数が強いため、
お酒にそれほど強くない彼女はすぐに酔ってしまうのだ。
そして眠くなるまでひたすら愚痴る。

まぁ、彼女は酔った時の状況が 記憶には残るタイプのようなので、
翌朝、バツの悪そうな顔をして二階から現れる彼女が結構可愛いので、
愚痴を聞くくらいならいいのだが、
そんな彼女の様子を見ていると、ふと桂花の事を思い出してしまう。
書簡でやり取りはしているが、やはり会えないと寂しいもので、
自分でもここまで桂花が好きだったのかと 改めて驚いている。


「・・・・・」
「・・・そ、そのおはよぅ。」
「・・あ、おはよう賈詡さん。」
「・・・・ふんっ。」
「どうしたの?」
「なんでもないわよ!」
「?」


この日 賈詡さんはなぜか機嫌が悪かったが、次に会う時には元の機嫌に戻っていた。


さて、洛陽の宮殿を出て町に住んでいるとはいえ、
私と協ちゃん達が疎遠になったかというと そういった事は無い。
数日おきに洛陽の宮殿に劉花ちゃんと一緒に協ちゃんや、董卓さんを尋ねるのだが、
私が以前、協ちゃん達に用意してもらった書簡では、
効果が強すぎると言うか、兵がびっくりしてしまうので、
新たに董卓さんに立ち入りの許可証を発行してもらい、それで宮殿に立ち入っている。


「協ちゃん久しぶり~元気?」
「おぉ! 喜媚か、よう来たのう。
ほれ董卓よ、今日はもう仕事は止めじゃ。」
「陛下、そうはまいりません。
まだ、本日中に決裁をいただかないと行けない書簡が残っているのですから・・・
でも・・・丁度キリもいいので 少しくらいなら休憩してもいいですね。」
「じゃから董卓は好きなのじゃ~!
コレが賈詡じゃったら 「仕事が終わるまでおあずけです!」 じゃからのう。」
「フフフ、詠ちゃんらしいです。」
「では、お茶を用意させますね。」
「あ、お菓子は私が作ってきたのがあるからお茶だけでいいよ。」
「はい、わかってますよ。
私も喜媚さんのお菓子、楽しみですから。」
「姉様! 市井の暮らしはどうじゃ? 楽しいか?」
「えぇ、皆さんよくしてくれますから楽しいですよ。」
「そうか! よかったのう。
妾も喜媚の店に遊びに行きたいのじゃが、賈詡がうるさくてのう。」
「賈詡さんも劉協の為を思って言っているのですから、
あまり無茶をいってはいけませんよ?
私もできるだけ来るようにしますから。」
「うむ!」
「それにしても劉協は大丈夫ですか?
・・・私の代わりに嫌なことを押し付けてしまったみたいで。」
「妾は姉様が元気でやっておるならそれで良い。
それに姉様が皇帝だった頃と違うて、随分と風通りが良うなった。
妾もそれなりに自由な時間をもらっておるしのう。
逆に姉様に悪い気がしてならぬ・・・
姉様には最悪の時期に皇帝をやらせてしまったからのう。」
「そんな事無いですよ。
私も劉協が元気でやっているならそれでいいですから。」
「うむ!」
「さぁ、二人共話はお茶をしながらでもできるから、
一緒にお菓子でも食べながら話そう。
今日は新作で出す予定の試作品のお菓子だよ、
遥か西ではマドレーヌって言うお菓子だよ。」
「おぉ、喜媚の新作か! 楽しみじゃのう。」
「董卓さんもどうぞ。多めに作って来ましたから、余ったら皆で食べてください。」
「ありがとうございます。」


私達はちょっとしたお茶会を開きながら、
お互いの近況やこの国の将来の形等を話し合う。
董卓さんと協ちゃんはやはり謁見に来るお客が多いことを愚痴っていた。
今でも董卓さんに賄賂を渡そうとする者や、
自分の息子を婿として出そうとする者がいるようで、
董卓さんも対応に困っているそうだ。


「董卓もはよう婿を取ればそういった輩も減るのじゃがのう。
婿を取る予定はないのか?」
「へぅ、ありませんよ! それに詠ちゃんがそういうことにはうるさくて、
なかなか男の方と話す機会もなくて、
それに私も男の人はあまり得意ではなくて・・・」
「喜媚とは普通に話せておるではないか?」
「喜媚さんはなんか、同年代の方と雰囲気が違って話しやすいんですよ。
その・・・容姿の事もありますし、あ、すいません。」
「・・・董卓さん、一応言っておくけど好きでこの格好してるんじゃないからね。」
「わ、わかってますよ、何回も聞かされましたから!」
「わかってもらえてるならいいんだよ。」
「そうなると董卓の婚期も遅れそうじゃのう。
言うておくが喜媚はいかんぞ、喜媚は妾と姉様で婿にもらうのじゃから。」
「ブフゥ・・・ケホッケホッ・・・な、何言ってるの協ちゃん!?」
「何もふざけた事は言うておらぬぞ? のう、姉様。」
「し、知りません!!」
「姉様は初心よのう、そんな事では他の女に喜媚が取られてしまうぞ?
ほれ、喜媚には幼馴染の荀彧がおったじゃろう。
アレに取られてしまうぞ?」
「そう言う事は喜媚様がお決めになることですから・・・」
「そんなんじゃダメに決まっておるじゃろう。
喜媚も子を沢山残さんといかんから荀彧を妾にするくらいなら許してやるが、
本妻は妾か姉様のどちらかから選ぶのじゃぞ?」
「本気にしても冗談にしても性質が悪すぎるよ!」
「もちろん妾は本気じゃ。」
「余計に悪いよ・・・賈詡さんが聞いたら、
私が去勢されるかもしれないから、絶対に賈詡さんの前で言わないでよ!
董卓さんも賈詡さんに告げ口とかしないでよ?
私は協ちゃん達をどうこうしようとか思ってないんだから。」
「わ、分かりました。」
「姉様、喜媚の守りは硬そうじゃぞ。
まずは外堀から埋めていかんといかんようじゃ。」
(・・・・・・劉協、わかってますね?)
(うむ、まずは賈詡を何とかせんとな。)
「何をコソコソと二人で話しているの?」
「なに、女同士の秘め事というやつじゃ。」
「そうですよ、姉妹の語らいです。」
「?」


何やら二人が怪しい雰囲気を醸し出しているが、大丈夫だろうか?
とにかく二人の今後の動きには気をつけよう。
私も賈詡さんに去勢されたくはない。


洛陽の宮殿に協ちゃん達を尋ねた帰り、武官の人達が訓練している訓練所に寄って、
華雄さん達の様子でも見ていこうと予定していたので、
劉花ちゃんと護衛の人達とで訓練所の方に向かった。

私は以前から張遼さんに 密かにお願いしていることがある。
華雄さんの猪突猛進振りを何とか出来ないか? という事だ。

原作恋姫では華雄さんを張遼さんが抑えきれずに汜水関で出てしまい、
汜水関での戦闘で愛紗ちゃんに討ち取られるか、敗北して敗走するのだが、
今回、この外史でそれをやられると非常に困るので、
今の内から矯正できないか、張遼さんに相談しておいたのだが・・・・


「まだまだぁ!! 呂布もう一戦だ!!」
「・・・お腹すいたからヤダ。」
「飯はさっき食ったばかりではないか!」
「華雄の相手してたらお腹が減った。」
「恋殿! 厨房から肉まんを貰って来ましたぞ!」
「音々! お前は仕事があったやんか! 仕事はどないしたんや?」
「仕事よりも恋殿の空腹の方が一大事です!」
「・・・詠に言いつけるから覚悟しとくんやで。」
「し、仕事に戻るです!!」
「・・・なんか変な時に来ちゃいましたか?」
「ん? おぉ喜媚か、丁度休憩する所やからええで。
ほら、そんなところに突っ立っとらんと、
劉花様も一緒にこっちに来て一杯やりいや。」
「流石に昼間からお酒は飲みませんよ。それよりこっち飲んでください。
私が作った蜂蜜水のような物です、運動とかで汗をかいた後に飲むといいですよ。」


私は張遼さんがお酒を注ごうとしていた器に、蜂蜜水のような物を注ぐ。


「どれどれ・・・へ~ほんのり甘くて飲みやすいな。
お~い華雄、呂布もこっち来てコレ飲んでみいや。」
「なんだ?」 「飲み物?」


私は、伏せてあった茶器に 果実水を注いで二人に渡す。


「コレはなんだ?」
「運動などで汗を書いた後に飲むといいものです。
汗とともに失った身体の塩分や水分、栄養を補給するのにいいんですよ。」
「・・・ゴクゴク。」


呂布さんは私の説明を聞く前にもう飲んでいた。」


「・・・おいしい、もう一杯。」
「はいはい。」
「ふむ、確かに飲みやすいな、体に染み渡るような気がする。」
「運動すると水分と塩分を消費しますから、
兵の人達の訓練後にも水分補給と一摘みの塩を舐めるだけでも随分違いますよ。
ですから兵の調練後は水分補給はしっかりしてあげてくださいね。」
「ふむ、分かった。」


華雄さんは戦時はどうか知ら無いが、普段は意外に素直に私の話を聞いてくれる。
特に兵達のためになるような事だと 積極的に話を聞いてくれるので、
彼女が普段どれだけ部下を大切にしているのかがよく分かる。
もちろん、コレは張遼さんや呂布さんも同様で、
兵のためになる事だったら積極的に取り入れてくれている。


「しかしこの間、賈詡から聞いた盾を使った歩兵訓練はどうもいかんな。
防御しながら攻撃というのがいかん。
やはり先手必勝一撃必殺こそ 武の目指すところではないだろうか?」
「皆が皆華雄さんみたいに強いわけじゃないんですから、
アレで許昌では兵の生存率がかなり違うんですよ?
幾ら華雄さんが強くても数の力には勝てませんよ。」
「前にもその話はしたが、一人で二人倒せば倍の数にも勝てるではないか。」
「同じく、前にも話しましたが、
それで死んだり怪我を負ったらどうしようもないですよ。
二人か三人で一人を確実に倒してそれを三回繰り返せば同数、
六回繰り返せば倍の数の兵を安全に倒せるじゃないですか?
実際訓練して証明してみせたじゃないですか、
私の指示通り指揮する部隊対華雄さんの部隊の兵で、
その時は私の指揮する兵が勝ったでしょう?
個人戦ならともかく集団戦は如何に効率的に敵を倒すかです。」
「むぅ・・・」


実際、盾を使った戦法を華雄さんに受け入れてもらうのに、
模擬戦を行ったのだが、私の部隊は盾をつかって敵の突撃を抑えつつ
短く扱いやすい戈で突き刺すと言う戦法だったのに対して、
華雄さんは剣や斧を持った部隊での突撃だった。
両方共華雄さんの部隊の兵なので練度に違いはないが、
私の部隊はとにかく味方同士で守りあって後の先を取る戦法に徹した結果、
模擬戦終了時の損耗率は 私の指揮した部隊の方が圧倒的に少なかったのだ。

賈詡さんや陳宮さん達も実際見に来ていて、
この戦法のいいところを取り入れてもらいつつ、改善点を指摘してもらっている。


「とにかく、あの時負けたら賈詡さんの指示通りの訓練を、
受けるという約束なんですから、約束通り訓練してくださいよ。」
「それはわかっている。
私とて部下達には生きて戦場から帰ってきてもらいたい・・・
だが私の戦のやり方ではないからどうもなぁ。」
「そこは華雄さんが一騎打ちでもする時に華雄さんらしい戦い方をしてください。
部下の皆には生きて帰ってくる事を叩きこんでください。」
「うむぅ・・・」


色々消化でききれてないところもあるようだが、
コチラの指示は聞いてくれているのでいいだろう。
後は華雄さんに煽り耐性が付けば申し分ないのだが・・・


「ほら、華雄次はウチと勝負や。
呂布とやったばっかで疲れてへたれてる言うんやったら、
少しは待ったってもええで?」
「なにを!! この程度疲れた内にもはいらん!!
その減らず口たたっ斬ってくれる!」


まだまだ、先は長いようだ。
と言うか、煽り耐性無さ過ぎます華雄さん・・・


スポンサーサイト
  1. 2012/09/21(金) 12:48:13|
  2. 真・恋姫†無双 変革する外史。
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<四十六話 | ホーム | 四十四話>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://current9.blog.fc2.com/tb.php/207-4c7eab45
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。