たいちの仮設避難所

某小説投稿サイトの規約改定による 仮設の避難所です。

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四十話


洛陽




私、張遼さん、華雄さん、兵士の人二人、
私達はこのメンバーで 拐われた私の友達である協ちゃん、
劉協様を救出するべく、
拐った男達を追って宮中を走り回っているのだが、
男達の仲間に足止めされたせいで 宮中で取り押さえることが出来ず、
とうとう外に出られてしまう。

そこにはすでに用意していたのか、
貴人が乗るような屋根付きの馬車と騎馬が四頭あり、
私達が追いつきかけた時には、劉協様が馬車に乗せられるところだった。


「喜媚ぃ~!」
「協ちゃん!」
「っち、アイツらやっぱり馬で逃げよるつもりか!」
「そうはさせんさ!」


私達は追いついて馬車を止めようと一気に駆け寄るが、
協ちゃんを連れて馬車に乗り込んだ男以外の数人の男達が
私達の足止めをするべく襲いかかってきた。


「本来のウチの得物とはちゃうけど、
お前ら相手やったらコレで十分や!」
「宮殿の外だ、ここなら切っても問題なかろう。」
「私は一人くらいしか相手出来ませんよ?」
「はっ、私一人で十分だ!」
「アホか、時間がないんやから手分けしてかたずけんかい!」


私達は協ちゃんを拐った男達と交戦するが、
相手はそれほど武に長けているわけではないようで、
一人二人なら私でもなんとか相手にできそうだったが、
張遼さんと華雄さんが私が一人を相手にしている間に、
ほとんど全員片付けてしまった。


「ふん、口ほどにもない。」
「っち、言うてる場合か、馬車が出てしまったやんか。」
「町中ならば そう速度も出せんだろう、追いついてやるさ!」
「必ず協ちゃんを助けます!」
「おい、一人賈詡の所に行って状況を知らせてこい!
相手は馬車と騎馬四騎、東に向かっている 行け!」
「はっ!」
「ウチは馬取ってくるさかい、追うのは三人に任せたで!」
「私の分も取ってこいよ!」
「取れる分取ってきたるわ!
あの馬車には劉協様だけや無くて、天子様も乗ってる可能性もあるから
下手に馬車潰すんやないで。」
「っち、金剛爆斧があればあんな馬車真っ二つにしてやるのに。」
「それをするんやない言うてんのや!」


一旦ついてきてくれていた兵士の内の一人が賈詡さんへの報告に向かい、
張遼さんは馬を調達しに行く、
私と華雄さん、残りの兵士一人で協ちゃんの乗せられた馬車を追う事にした。

私達は馬車を追うが、町中で速度が出せないとはいえ、
流石に馬に追いつくのはかなりしんどく、
なかなか距離が縮まらない。
東の方向に向かっているようなので、東の城門から外に出るつもりなのだろう。
賈詡さん達が兵を指揮してうまく足止めしていてくれたらいいが、
この短時間ではそこまでは期待できない。

逃げる彼らは馬車で人を轢くことなどお構いなしに速度を上げていくので、
距離が縮まるどころが、どんどん離されていく。

こうして東の城門まで着たが、やはり賈詡さん達は間に合わなかったようで、
城門はいつも通り開けられ、
馬車は門番の兵士の制止も聞かずにそのまま走り抜けていってしまう。


「まずい、外に出られたら本当に追いつけなくなる!」
「っち、せめて馬があれば・・。張遼はなにをやっているんだ!」


私達が東の城門を通り過ぎ、馬車が速度をあげた所で、
後方から馬が近づいてくる音が聞こえてきた。


「待たせたな! 二頭しか用意でけへんかったわ。」
「遅いぞ張遼!」
「こっちやって精一杯急いできたんや!
文句あるんやったら乗んなや!」
「今はそれどころじゃないですよ!
華雄さんは空いた馬に乗ってください、
張遼さん、二人乗りできますか?」
「喜媚くらいチビやったら大丈夫や、ホラ。」


そう行って張遼さんは馬の上から手を伸ばしてきたので、
私はその手に捕まって張遼さんの後ろに乗る。


「華雄、すぐ取ってこれた得物は戟と戈しか無かったから、
両方持ってきたけど お前はどっちや?」
「戟だ、よこせ!
お前! 敵は街道を東に向かっている、賈詡に伝えろ!」
「はっ!」


張遼さんは馬車を追いながらも器用に華雄さんに武器を渡す。
武器を戟に持ち替えた華雄さんも馬の速度を上げ一気に馬車に迫っていく。


「さぁ、馬に乗ったらウチに敵う奴はおらへんで、
一気に追いついて劉協様を助け出すで~!」
「騎馬は得意ではないが、董卓様のためにも貴様に負けてはおられん!」
「二人共目的は協ちゃんですよ!」


私達は、騎馬二頭で馬車を追う、
流石に相手も馬車の速度に合わせて走らねければいけないのと、
張遼さんや華雄さんの乗馬技術が優れているので、
すぐにでも追いつけそなのだが、
馬車の護衛についていた四人の騎馬の内 二人がコチラに向かって転身してきた。


「また足止めかいな!
華雄! こっちは二人乗りやからしんどい、
お前があの二人を仕留めてから追ってこいや!」
「っち、しょうがない。
すぐに片付けて追いついてやるさ! はぁっ!」


そう言うと華雄さんが二人の方にまっすぐ向かっていき、
張遼さんは少し逸れて走り、
敵の一人が戈で攻撃してきた所を持っていた戈でいなして そのまま走り抜けていく。

後ろの方から華雄さんの名乗りが聞こえてくるが、
私達はそれを無視して、馬車に向かう。


「張遼さん、一瞬だけでいいので馬車の横を通り抜けられますか?」
「できるけど どないするんや?」
「私が一緒に乗っていたら張遼さんが本気で戦えません、
横を通り抜けるのと同時に、
私が馬車に飛び乗りますのでしっかり馬を抑えててください。」
「ほんまにやるんか?」
「コレでも母にしごかれてますので大丈夫です。
失敗したら私を放って置いてなんとか馬車を止めてください。」
「よっしゃ、任せとき!
ホラ、コレ持って行き。
宮中で奴らから奪った剣や。」
「ありがとうございます。
うまく飛び乗れたら御者を倒して馬車を乗っ取りますけど、
・・・馬車ってどうやって止めるんですか?」
「ゆっくり手綱を引いたらええ、そしたら速度が落ちる。
一気に引いたら馬がびっくりするからゆっくり引くんや。」
「分かりました。」


そう言うと張遼さんは更に馬の速度を上げ、
馬車の左側面から近づいていく。
馬車の左右を守っていた敵の騎馬が気づいて張遼さんを止めようとするが
流石に馬上での張遼さんは強い。
あっさり相手の攻撃を捌き 戈の石突きで殴りつけ相手を落馬させる。

そして馬車の側面に近づいた所で・・


「喜媚今や!」
「はい!」


馬に乗る練習をしてるとはいえまだ 慣れない馬の背中から私は馬車に飛び移る。
なんとか馬車に飛び移ることが出来たが、
掴む所があまりないので剣を馬車の屋根に突き立て、
その剣を掴むことで体勢を立て直す。

剣を突き立てた所で、馬車の中から二人の女の人の悲鳴と、
男の声が聞こえてきた。

私は鉄扇から鉄針を取り出すと、
馬車の屋根の上から御者の頭を殴りつけ、鉄針を首に差し込む。

意識を失い倒れこむ御者を蹴り飛ばして御者席から蹴り落とし、
馬の手綱をゆっくりと引いて馬車を止める。

張遼さんの方は私が馬車を止めている間に、
もう一人の方も倒してしまったようで、
その後ろから華雄さんもすぐに馬車に追いついてくる。


「おぉ~うまくやったな喜媚。」
「な、なんとか・・・」
「ならば早速劉協さまをお助けせねば。」


すぐさま馬車の扉を開けようとする華雄さんを、
私は御者席から急いで降りて止める。


「なん (し~! 中に協ちゃん以外に最低二人乗ってます。) わかった。)
(私が馬車の下に隠れますからお二人は
扉を開けた時の強襲に備えてください。)
(わかった。) (任せとき。)


その後、私が馬車の下に隠れて鉄針と鉄扇を用意し、
いつでも奇襲できるように備えた所で、
華雄さんが扉を開けると、
中から短刀を協ちゃん以外の女の人に突きつけて男が出てきた。


「それ以上近づくな! それ以上近づいたら少帝弁の命はないぞ!」
「貴様ぁ! 陛下を人質に取るとは何たる不敬だ!!」
「なんとでも言うがいい! このような飾り者、
我等がいなければまともに政治もできぬ愚か者ではないか!」
「お前らが陛下を軟禁して好き勝手やって私腹を肥やしてるだけやないか!」
「この国を治めてやっているのだ!
多少我等が潤った所で仕事に対する正当な報酬というやつよ。」
「何処まで腐った奴だ!」
「おっと近づくなよ・・その内我等を迎えに兵がやってくる、
そうしたら貴様ら如き武将二人では、
多少武に心得があろうと数には勝てまい。
それまでは時間稼ぎをさせてもらうぞ。」
「くっ、卑怯な。」
「何処まで腐ったやつや!」


華雄さんと張遼さんが少し大げさに騒いで気を引いてる間に、
私は馬車の下から出て二人に目配せしてから 短刀と少帝弁様の間に鉄扇を置き、
鉄針で男の背後から短刀を持っている腕を突き刺す。


「な!? 痛っ ぎゃ~!!」
「二人共!」
「よっしゃ!」
「任せろ!」
「殺しちゃダメですよ!
情報を引き出さないと!」
「わかっている!」


華雄さんは男の顔面を殴りつけ、
倒れた男を、張遼さんが取り押さえる。


「大丈夫でしたか、少帝弁 陛・・・下?」
「え?・・・・喜媚・・様?」


そこには泣きはらして目を真っ赤にして、
涙を流す弁ちゃんが居た。


「姉様!」
「・・え? 劉協! 大丈夫でしたか?」
「妾は姉上がかばってくれたおかげで大丈夫じゃ!
・・・ん? 喜媚!!
お主が妾と姉様を助けてくれたのか!?」
「私だけじゃないよ、張遼さんと、華雄さんも一緒だよ。」
「そうか! じゃがよう来てくれた・・・ほんに よう来てくれた!
前に喜媚からもらった組紐が切れた時に願いが叶うというのは、
本当じゃったんじゃな・・・今朝方髪を結おうと思ったら切れてしまったから
何かあるかもしれぬと思ったが・・・」
「うん、二人が霊帝様の娘だと言うのにはびっくりしたけど、
二人共無事でよかったよ・・・」
「喜媚・・・」
「喜媚様・・・」
「三人とも悪いけどすぐにここから 洛陽に戻らんとまずいことになるで。
こいつが言ってた事がほんまなら、
もうすぐココに兵がやってくるで。
その前にこの馬車使こうて宮殿に戻らんと。」
「そうだな、流石に陛下と劉協さまを守りながら戦うのは厳しいな。」


すると弁ちゃんが私の背後に回って怯えるように叫ぶ。


「い、嫌です!!
もう、もうあんな所へは戻りたくありません!」
「姉様・・・」
「陛下、なぜですか?
このままココにいてはいずれ敵の兵が来て、
陛下や劉協様が連れ去られてしまいます。」
「もう、あんな所 嫌なんです・・・
宮中での私はただのお飾り、私が何を言っても誰にも聞いてもらえず、
皆の策謀の道具にされ、散々使い潰された挙句、
子を生むための道具にされる・・そんな目に会うくらいなら・・・」


そう言うと弁ちゃんは落ちていた短刀を拾い、首に当てる。


「これ以上そんな目に会うくらいなら この場で自害したほうがマシです!」
「「陛下!!」」 「姉様!!」 「弁ちゃん!!」
「・・・劉協ごめんなさい・・・
貴女を守る為にがんばってきたけど、もう限界なの。」
「姉様・・・止めてください!
姉様を失ったら妾はどうずればいいのじゃ!
もう家族は姉様しかおらぬというのに!!」
「ごめんね、劉協・・・喜媚様、私の最後のお願いです。
劉協を、妹をお願いします。」
「弁ちゃん!」
「ね、姉様が自害するなら妾もココで死ぬぞ!!」
「協・・・お願い、貴女には私の分も幸せになってほしいの。
だから貴女は・・ 「姉様が死んで妾が幸せなはずないであろう!」 ・・・劉協。」
「姉様、お願いじゃから妾を一人で置いていくのは止めてくだされ。
妾の一生のお願いじゃ・・・」
「劉協・・・」


私達が協ちゃんが弁ちゃんを説得している様子を見ていると
東と西の両方から砂塵が見えてきた。


「ち、二人共話は馬車の中でゆっくりしてや!
東の砂塵は敵の兵やろう、だが西は・・」
「おそらく賈詡、董卓軍の騎馬隊だ。
ようやく追いついてきたのだろう。」
「とにかく、二人は馬車の中に!
このままじゃ敵に捕まるから 話は馬車の中でゆっくりしてて!」
「う、うむ、姉様 さぁ!」
「でも、劉協・・・」
「ここで奴らに捕まっては何もならぬ!
さぁ!!」
「・・・うん。」
「張遼さん! 馬車を使って少しでも西の方に!」
「馬の扱いやったら任せとき!
華雄、お前は馬車の護衛や、喜媚もウチの乗ってきた馬に乗り!」
「おう!」
「はい!」


こうして私達は張遼さんの操る馬車を護衛しながら董卓軍に合流するために、
西に向かった。

移動していると、徐々に砂塵上げて走る騎馬隊が見えてきて、
騎馬隊が掲げている旗には賈と書かれていることから
賈詡さんの騎馬隊だということがわかる。

しかし騎馬隊の数は少なく、
五十騎弱といった所だろうか。


馬車と賈詡さんの部隊が合流すると、
賈詡さんが前に出てきて状況を聞こうとする。


「華雄! どうなったの!?」
「とりあえず陛下も劉協さまも無事だ、そっちはどうしたんだ?
えらく騎馬の数が少ないが?」
「こっちも大変だったのよ!
洛陽の宮中で袁紹と袁術達が何進様を暗殺した罪で、
宦官と十常侍を殺して回ってるのよ!
そのせいで 宦官が紛れて逃げるかもしれないからって、
あまり大量の兵を出せなくなって、
取り合えずボクが理由を説明してすぐに動かせる騎馬全部動かして連れてきたの。
歩兵も直に着いてくるわ。」
「こっちも厄介なことになってな、
とりあえずまずは陛下達を拐った奴らが兵を率いて東からやってくるから、
それを何とかしないことには・・・」
「あそこに見えてる砂塵がそう?」
「あぁ、このままだと直に追いつかれるな・・・かと言って洛陽にも戻れんし。」
「なんでよ! ボク達が殿を引き受けて洛陽まで逃げきれば大丈夫でしょう!?」
「・・・陛下が洛陽に戻るくらいなら自害すると言ってな。
いま劉協様が説得されている。
それが終わるまでは洛陽に戻れん。
無理に戻ったらそれこそ陛下が自害しかねん。」
「・・・なんでそんなこ事に!」
「理由は後で詳しく話す。
まずは奴らを何とかせんと・・・」
「・・とりあえず馬車を中心に方円陣を組むわ。
それまでは防衛に徹して歩兵が追いついて来たら何とか押し返せると思う。
あの砂塵の量だと敵は百~二百もいないわ。
歩兵は五百は持ってこれるから押し返せるはずよ。
こっちの騎馬は六十近くあるから防衛に徹すれば
歩兵が来るまでの時間稼ぎくらいなんとかなるはず。」


私は敵の砂塵や周囲を見回すと、
少し離れた場所に小規模ではあるが竹林があるのが見えた。


「賈詡さん! あの竹林使えませんか?
敵の先方は急いでいるなら騎馬のはずです。
あの竹林を背にすれば騎馬に背後に回り込まれることが少なくなります。
それに竹を切って簡易の長槍にすれば あまり練度の高い訓練を受けていない騎馬では
槍の穂先に驚いて馬が混乱したり落馬を誘えます。
竹を斬るだけでいいので短時間でも何本か用意できると思います。
馬二頭にそれぞれ竹を括りつけて突っ込ませてもいいですし。
それに華雄さんなら力が強いから、
長い竹でなぎ払うだけで馬から落馬させることができると思いますけど。」
「そうね・・・六十騎ほどの騎馬で方円陣を組むよりかは持ちそうね。
竹林の近くまで移動して竹を切るわよ!
華雄! あんたの武を魅せつけてやりなさい!」
「竹相手に武を魅せつけろと言われてもなぁ・・・コレは馬鹿にされているのか?」
「いいから一本でも多く切りなさい!!」
「わ、分かった。 ・・・まったくなんで私が竹を切らねばならんのだ・・・・」


私達は竹林まで移動し、華雄さんが剣で竹を一刀の元に切り倒す。
本来固い繊維でそう簡単に切れないはずなのに、華雄さんは楽に切っていく。
やはりこの世界の武官は一般人とは一線を画す武を持っている。
華雄さんが切り倒した竹をの枝を兵士が切り落とし、
敵の騎兵が見えるまでに十数本の長い竹槍が用意できたので、
私が賈詡さんや兵達に 許昌での運用方法を説明していく。

華雄さんはその内の一番太い竹槍の持ち手に布を巻きつけて握りやすくし、
振り回している。


「ほう、コレはなかなか面白いな。
どれ、私が先陣を切って敵の騎兵を叩き落としてやろう。」
「馬鹿なことはやめなさい!
他の兵の竹槍の邪魔になるでしょ!
あんたは他の兵の邪魔にならないように小さく細やかに騎兵を落とせばいいの!」
「面白くないな・・・」
「で、ウチは適当に落馬した兵や、
回りこんでこようとする兵を相手にすればええんやな。」
「話が早くて助かるわ・・・何処かの馬鹿にも見習ってほしいわね。」


華雄さんは竹槍を振り回す時の風切り音が面白いのか、
自分の得物を確かめるように振り回しては、握りなどを確認している。


こうして敵の兵が視認できるほど近づいてきた。
先陣はやはり騎馬でコチラの様子を伺っているようだが、
弁ちゃん達が乗った馬車を確認した所で コチラに向かって陣形を整えている

敵はコチラが少数だと侮っているのか、
そのまま騎馬で突撃を仕掛け、その後に歩兵で突撃を仕掛けてくるようだ。

今回は、敵の兵にも旗はなく、鎧も野盗のような粗末な物だが
陣形を組んだ所を見ると中身は訓練された兵のようだ。
野盗に変装して弁ちゃん達を連れて行くつもりなのだろう。


しばらくすると、名乗りもなく 敵がコチラに向かって突進してくる。

竹槍は伏せていたのだが、賈詡さんが絶好のタイミングで指示を出し、
敵の騎馬に向かって竹槍を突き出す。
それに驚いた敵の馬は混乱し、
落馬するものや回避しようとして横の馬に当たる者などで、
敵の先陣の騎馬隊はこんらんし、
それに乗じて張遼さんが騎馬二十騎を引き連れて 一気に畳み掛ける。

敵の騎馬隊が混乱して張遼さんの指揮する騎馬隊にやられている間に、
竹槍を捨てて騎馬に乗り戈で武装した賈詡さんの残りの騎馬隊が、
次の歩兵の突撃に備える。

敵は騎馬隊が思いもかけぬ打撃を受けたことで、
一旦混乱し、歩兵の突撃も止まり膠着状態に持ち込まれる。
歩兵では騎兵を相手にするのは分が悪いと踏んだのだろうか?

そんな中 賈詡さんが名乗りを上げる。


「我が隊は中郎将、董卓様の配下 賈文和(かぶんわ)である!
天子様をお守りする我らに弓を引いた貴様らは一族郎党 尽く皆死罪になるだろう!
捉えた者より情報を聞き出し、
必ずや貴様ら全てを朝敵として一族もろとも子供、
孫の代に至るまで尽く首を刎ねてやろうぞ!!」


賈詡さんの口上とともに図ったように西から砂塵とともに
董の旗を掲げた歩兵がやってくる。

それを見た敵の歩兵の士気は一気に下がり、散り散りに撤退を開始する。


「ふぅ・・・何とかなったわね。」
「今の口上狙ってやったんですか?」
「そうよ、丁度西に砂塵が見えてきたからね、
そろそろ月達の部隊が着くと思ったから、
今の口上と合わせれば敵も逃げ出すと思ってね。
敵の指揮官はともかく、
兵の末端にまで今回の狙いが陛下だとは知らされてると思えないから、
陛下に弓を引いたとなれば当然 一族も含めて死罪だもの。
後は月達の兵を見てだめ押しすれば逃げ出すって寸法よ。」
「へ~・・・なんか、すごいですね。」
「そう? 貴女の竹林を使った兵法もなかなかのものだったわよ?
貴女、ウチに来ない・・・・って、そうだ! 貴女!!
陛下達とどういう関係なのよ!
劉協様は貴女のこと知ってらしたから・・・本当に陛下のお知り合いなの?」
「あ~・・さっき顔見たけど、弁ちゃんが劉弁(りゅうべん)様・・・
少帝弁陛下なら間違いないかと。」
「し、失礼いたしました!」


そう言うと賈詡さんは膝を付き礼を取る。


「あぁ、いいですよ! 本当に! 普通にしてもらっていいです!
私自身はただの農家の子ですし、二人とは本当にただの友人なので!」


私がそう言うと賈詡さんは立ち上がる。


「貴女ねぇ・・・陛下のご友人というだけで、
この国でどれだけの権威があると思ってるのよ。
はぁ・・・まぁいいわ。
だけど陛下に何があったの?
なんで陛下が自害するなんて話になってるのよ?」
「実は・・・」


そうして私は弁ちゃん達を助けた時の彼女の様子を話す。


「なるほどね・・・そういう理由ね。
と、なると難しいわね。
今 洛陽では袁紹達が宦官を誅殺して回ってるから、
陛下が宦官達にいいように使われることはないけど、
何進様も暗殺されて、今 この国の政治の中心には穴が開いてる状態だから、
何としても陛下には戻っていただいて、
次の洛陽を収める者を決めていただかないといけないわね。」
「だけどあの様子だと弁ちゃんが素直に戻るとは思えないんだけど・・・
極度の人間不信になってるから、
協ちゃんか・・・後もしかしたら私くらいしか信用してくれないよ?」
「最悪貴女には陛下と一緒に宮中で暮らしてもらう事になるわね。」
「なんで!?」
「しょうがないじゃない、
無理に連れて帰って自害されでもしたら大事になるわよ。
劉協様と貴女が一緒にいれば 多分時間は稼げるでしょう。
その間に次の洛陽の領主を決めてもらって、
その者にはなんとか陛下のご機嫌を損なわないように気をつけてもらわないとね。」
「・・・・絶対に嫌だ!」
「なんでよ、貴女友達なんでしょ?
それに農家の娘が宮中で暮らせて、
しかも陛下のお世話をできるなんて大出世もいいところじゃない。」
「私は男です! 宮中に入るとなると去勢されるんでしょう!
絶対に嫌だ!」
「宮中に入るもの全てが去勢・・・・は?
貴女・・・・男 なの?」
「男です!」


賈詡さんは私の頭の先からつま先まで何度も見なおして、
目をこすったあと深呼吸して一言。


「嘘だ!!」
「本当です。」
「冗談でしょ? そんな・・そんなはず。」
「事実です。」
「そんな・・・」


何がそんなにショックだったのかわからないが、
賈詡さんが地面に四つん這いに倒れ伏して落ち込んでいると、
董卓さんの部隊が合流し、董卓さんが現れた。


「詠ちゃん! ・・・・どうしたの?」
「月~、ボク・・・ボク本当に女なのかな?」
「は? 何言ってるの詠ちゃん!」
「だってこいつ・・こんな 可愛いのに男だなんて。
だったらボクは何なんだろう?」
「詠ちゃんしっかりして!」


そうして董卓さんが賈詡さんを慰めていると、
馬車の扉が開いて、中から協ちゃんと弁ちゃんが現れた。


「喜媚、待たせたの。」
「協ちゃん・・・弁ちゃん・・・・」
「・・・・劉協、やっぱり。」
「姉様、もう良いのじゃ。
コレは妾が決めたことなのじゃから。」


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  1. 2012/09/20(木) 03:46:28|
  2. 真・恋姫†無双 変革する外史。
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

誤字・脱字の報告です

「なん (し~! 中に協ちゃん以外に最低二人乗ってます。) わかった。)
→「なん (し~! 中に協ちゃん以外に最低二人乗ってます。)(わかった。)

華雄さんが切り倒した竹をの枝を兵士が切り落とし、
→華雄さんが切り倒した竹の枝を兵士が切り落とし、
  1. 2012/10/06(土) 19:20:53 |
  2. URL |
  3. へいほう #0DCaDBFQ
  4. [ 編集 ]

Re: 誤字・脱字の報告です

誤字の指摘ありがとうございました。
修正しておきました。

>> 「なん (し~! 中に協ちゃん以外に最低二人乗ってます。) わかった。)
>> →「なん (し~! 中に協ちゃん以外に最低二人乗ってます。)(わかった。)

コレについては、最初は普通に会話していたところから、
小声に変わったったとう事で、はじめは 「 で、最後に ) で締めていると言う事なので、
修正はしませんでした。
  1. 2012/10/06(土) 20:02:38 |
  2. URL |
  3. たいち #-
  4. [ 編集 ]

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