たいちの仮設避難所

某小説投稿サイトの規約改定による 仮設の避難所です。

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三十六話


陳留




「ただいま喜媚! やったわよ! 私 華琳様の軍師になれたのよ!!」
「・・・・桂・・花?」


最初は桂花が扉から飛び込んできた時、
幻覚でも見たかと思ったが 桂花が私の肩を掴んだ感触で
現実だと認識できた。

桂花の様子は 少し汚れているが見た感じ特に問題ありそうではない。


「喜媚・・ってあんたどうしたのよ?
風邪でも引いたの? なにか病気にでかかったの? すごい顔よ。」
「別に大丈夫だよ、少し寝てないだけだから。」
「少しって・・そんなにやつれて何が少しよ。
ほら、早く部屋に戻って横になってきなさいよ。
何か食べるもの買ってきてあげるから。」
「それはいいよ・・・お帰り桂花。
怪我とかしてない?」
「え、えぇ、私は大丈夫よ。
少しお腹が減ったくらいだから。
それよりもあんたよ、あんたの方が酷いじゃない、」
「私は大丈夫だよ、すこし眠ってご飯でも食べれば。」
「本当でしょうね?」
「それより桂花、今までどうしてたの?
心配したんだよ?」
「あぁ、ごめん・・・ちょっと理由ありでね。」
「どうしてたの?」
「どうしてたって、別にいいじゃない。
そんな事より私華琳様の 「桂花。 今までどうしてたの?」 ・・えっと。」


桂花はバツの悪そうな顔をして私から目をそむける。


「ええっと、ちょっと色々あって、華琳様の賊の討伐に参加してたのよ。
それで、その功績を認められて、
華琳様と真名を交わして軍師として召抱えられたのよ。」
「私はどうして桂花が何の連絡もなく、
賊の討伐に参加することになったのか聞いてるの。
桂花は兵糧管理の文官でしょ?
何がどうなって軍の指揮なんてするようになったの?」
「そ、それは・・・・」


その後、渋々遠いった感じで桂花は事の経緯を話す。

最初は賊の討伐のため必要な遠征期間の兵糧を用意するように言われたのだが
桂花が独断で少なめに見積もった竹簡を担当者に渡し、
どうして兵糧を少なめに見積もったのか
その理由を尋ねるために曹操さんに呼び出された時に、
自分が指揮をすれば試算した兵糧で足りると進言したそうだ。
そして それを証明するために桂花は自分の首を賭け
賊の討伐に参加し、途中で大食いの許褚(きょちょ)さんの参加もあり
若干兵糧が足りなくなったのだが
許容範囲内と言うことで許され、その功績を認められて、
桂花は曹操さんの真名を呼ぶことを許され 軍師として召抱えられる。

やはり原作通りの展開・・・一刀くんは魏以外か。


「そう・・・」
「その・・・ごめん。
急いでいたから連絡できずに心配掛けたのは悪かったけど・・
でも! おかげで華琳様の軍師として一気に出世出来たわ!
コレでこの陳留ももっと豊かにできるし
私の目標に一気に近づいたわ!」


私に連絡がなかったことは悪いと思っているようだが、
反省した感じではない。
それどころか、曹操さんの軍師になれたことが
嬉しくてしょうがないといった感じだ。

私は椅子から立ち上がり桂花の正面を向き、
手を組んで拝礼し桂花に告げる。


「荀文若様、おめでとうございます。
コレにて私めが荀桂様より指示された期限は満たされたものと致します。
文若様にお仕えするのも今日限りとなりますが、
許昌にて文若様のますますのご活躍とご健勝をお祈りしております。」
「え・・・・?」
「それでは荷物をまとめて出ていきますので失礼します。」
「・・・・・え? ちょ、ちょっと待ちなさいよ!!
なんでそうなるのよ!?
華琳様にお願いして、
あんたを私の専属の文官にしてもらうようにお願いしてあるのよ?
なんで急にそんな、許昌に帰るなんてなるのよ!」
「私が元々荀桂様より頼まれていたのは
荀文若様が使えるべき主を見つけ、そこに仕官するまでの間です。
文若様が曹孟徳様を主と定め 軍師となられたならば
私のお役目も終わりました。
この上は速やかに許昌に帰り、荀桂様に報告し、
私は許昌で農家の運営の仕事に戻りたいと思います。」
「なんで、なんでそうなるのよ!
お母様は関係ないわよ、あんたは私と一緒に華琳様の元で働けばいいじゃない!?
喜媚と一緒ならこの陳留、いやこの国をもっと良く出来るわ!」
「申し訳ありませんが、私には無理です。
以前から申し上げたかもしれませんが、文若様と私では生きる世界が違います。
私の様な身分の者では文若様の足を引っ張ることしか出来ませんし
私には文若様の生きる世界で生きていく事などできません。」
「なんでよ・・いままでは一緒にやったこれたじゃない!
それにその口調と呼び方をやめなさいよ!
いつも通り真名で呼びなさいよ!!」


桂花は私の方を掴んで引きとめようとするが、
今回は私も譲ることができない。
今の私と今の桂花では生き方が決定的に違うのだから
このまま一緒にいてもお互いのためにならない。


「荀文若様、貴女と私では決定的に生き方が違うのです。
貴女は民のため、国のため、主のため、
家のため、名のため、功績のために己が全てを懸けますが、
私は自分の命と身の回りに居る僅かな者達が、
一緒に笑って生きれればそれでいいのです。
私の器はその程度のモノでしか無いのです。
そんな小さな私の器に文若様と同じ物を入れたら、
たちまち溢れて器が割れてしまいます。
私では文若様のお供になれないのですよ。」
「そんな事ないわよ!
あんたの器の広さは 一番長く過ごした私が一番良く知ってるわよ!
喜媚ならきっとこの国で苦しむ民達を救えるし・・・・それに私だって・・・」

「・・・フゥ 桂花、私は桂花が好きだよ。」

「・・え?」
「でも、たとえ好きでもこのままじゃお互いがダメになる。
今の私じゃ いつか必ず桂花の足かせになる。
その時にお互い潰れたんじゃダメなんだよ。」
「わかんないわよ・・・あんたの言ってる事は私にはわかんないわよ!!
私のことが好きなんでしょ!
だったら一緒にいればいいじゃない!!」
「好きなだけじゃダメなんだよ・・
根本的な生き方が違うんだ、私が桂花に合わせても
桂花が私に合わせても、いつか必ず破綻する。
私には桂花にはそうなってほしくないんだよ。」
「そんな事わからないじゃない!!
今までやってこれたんだから これからもきっとやっていけるわよ!
あんたに相談も無しに勝手に賊の討伐に行ったのは謝るから、
だから・・・」
「ごめんね、桂花。」
「あ・・・っ!?」


私が桂花の手を振り払い部屋からでていこうとした時・・


「何やら大声が外にまで聞こえるから
何か事件でも起きてるのかと思って 礼には失するけど立ち入らせてもらったわよ。」
「華琳様・・・」
「・・・・曹孟徳様。」


扉から入ってきたのは、
曹操さんと夏侯惇(かこうとん)さん夏侯淵(かこうえん)さんの三人だった。


「何だ桂花、なんて顔してるんだ?」
「・・・・何か有ったのか?」
「なんでもございません、私が荀文若様の使用人の仕事を
辞する旨をお伝えしただけです。」
「わ、私は認めてないわよ!」
「・・・桂花はこう言ってるけど?」
「私は荀文若様の母上からご依頼されて文若様の使用人として働いておりました。
その期限が来たので職を辞する旨をお伝えしたのです。」
「その呼び方をやめなさい! さっきみたいに真名で呼びなさいよ!」
「ふぅ、話がわからないわね。
桂花、何があったのか最初から説明しなさい。」
「は、はい、華琳様。」


そして桂花は自分が帰ってきてからの出来事を曹操さんに漏れ無く話し
私と桂花が幼馴染で真名を交わした仲であるということまで説明した。


「ふむ、で、貴女胡喜媚と言ったわね。
貴女の言い分は?」
「私から説明することは何もありません。
荀文若様がそうおっしゃるならそうなのでしょう。」
「くっ・・・!」


桂花が私を睨みつけるが私はその視線を無視する。


「貴女の言い分を詳しく聞かない事には判断できないのだけど、
要は胡喜媚、貴女は桂花とは根本的な考え方が違うから
何れ不和を起こす事を恐れているのよね?」
「何も申し上げることはありません。」
「あら、そう。
・・・そうね、貴女 桂花の使用人を辞めるのよね?」
「そうです。」
「喜媚っ!」
「桂花は少し黙ってなさい。」
「・・・はい。」
「じゃあ、貴女私の所で働きなさいな。
桂花に道中で聞いた話では
貴女も文官としてかなりの才を持っているのでしょう?
喜媚が文官として望むなら文官として、
桂花付の侍女か文官がいいならそれでも良いわよ?」
「本気ですか曹孟徳様?
よく知りもしない農家の出の者を その懐に置くなどと。」
「本気よ、私は才ある者を出自で差別するつもりはないわ。」


コレは困ったことになった・・・
曹操さんは陳留の刺史だ。
その曹操さんが言ったことは陳留では絶対だ、
下手に断ろうものなら手討ちにされても文句は言えない・・・が
曹操さんはそこまではやらないだろうが
無理やり私を城に連れていき、
桂花と一緒の部屋に缶詰にして話し合わせるくらいならやりそうだ。

・・・・私の無い頭を総動員して考えた結果、
私が桂花にしてあげられる最後の事を思いついた。
失敗したら桂花に最悪のトラウマを植え付けることになるが、
成功したらきっと今後の桂花の財産になる。
それにどちらにしても、私が桂花に何を伝えたかったのか、
桂花なら理解してくれるはず・・・
私は曹操さんを信じてこの策を使うことにした。


「・・・曹孟徳様にお仕えするのはかまいませんが
一つ。 私の望みを叶えてくれますか?
それが条件です。」
「なにかしら? 言ってご覧なさい。
高待遇は約束するわよ?」
「その前に一つ約束してください。
私がこれから何を言っても絶対に怒らないと。」
「・・・・面白そうね。
良いわよ、言ってご覧なさい。」
「では・・・」


私は一度 夏侯惇さんの方を見て彼女が帯剣していることを再度確認した後、
できるだけ下卑た笑みを浮かべてこう言った。


「曹操、お前の身体を今後 私の自由に弄んで良いのなら その仕官の話受けよう。」

「「・・・は?」」
「貴様ぁ!! 華琳様に向かってふざけたことを!
叩き斬ってくれる!!」
「・・・ッ!」


私がそう言うと夏侯惇さんはすぐさま剣を抜き私に向かって切りかかってきて、
夏侯淵さんは懐から小刀を取り出し曹操さんの前に立ち私を威嚇する。


「喜媚っ!!」
「・・・・」
「やめなさい春蘭!!」
「・・・くっ!」


曹操さんが夏侯惇さんに制止するよう命令を下すと
夏侯惇さんの剣は私の猫耳頭巾に触れた所で止まり、
その後すぐに桂花が私に抱きついてくる。


「馬鹿っ!! あんた何ふざけたこと言ってるのよ!!
もう少しで春蘭に斬り殺されるところだったじゃない!!」
「・・・これで少しは分かってもらえた?
私がこの数日間 どんな気持ちで桂花を待っていたのか。」
「・・・・え?」
「自分の大切な人が必要もない事で命を賭けて来るそのさまを、
ただ待つことしか出来ない人が どんな気持ちか。
荀桂さんや荀緄さん、桂花の姉妹達が今回の桂花の行動を知ったら、
どんな気持ちになるか。」
「・・・・」
「今回の桂花の行動は明らかに功を焦った結果だよね?
桂花ならこんな事しなくても 近い内に曹操さんの目に止まったはずだよ?
・・・もし間違って桂花の首が斬られたら、
私はどんな顔して桂花の家族に説明しに行ったらいいの?」
「・・・・・・」
「桂花、そんなに焦らなくてもいいから確実に一歩ずつ前に進めばいいんだよ?
桂花の事を心配して協力してくれる家族や皆が居るんだから、
そんなに命を粗末にするような無謀な賭けは止めて。
孫氏にも そんな事は愚者のやることだって書いてあったでしょ?」
「・・・・・ごめん。」
「コレが私が桂花に教えてあげられる最後の事。
もっと自分を大切にして。
桂花の事を大切に思っている人がたくさんいるんだから。」
「・・・・うん。」
「さて、曹孟徳様、どうしますか?
ちなみに、私はこう見えて男ですよ?」
「・・・なるほどね、私への仕官を断るのと同時に桂花に教育ね・・・
私を出しに使ったわけね。」


夏侯惇さんは訳のわからない顔をして剣を元に戻し
夏侯淵さんはクスクスと笑っている。


「こうなっては私もこの話を引っ込まざるをえないわね。
貴方の事はすごく気に入ったけど、
今は 流石に私の身体を差し出してまで手に入れようとは思わないわね。
これで貴方への貸しは二つになったのかしら?
一つは何年前かの茶店、もう一つは今。」
「覚えてたんですね・・・」
「私はやられっぱなしで済ます女じゃないの。
それと覚えておきなさい、私は欲しいと思ったモノは必ず手に入れる。
貴方 気に入ったわ、その端正な顔に己が友のために命を張れる胆力、
それに僅かな時間でこの私を出し抜く知、
何れ必ず桂花と一緒に可愛がってあげるわ♪」
「それは御免被りたいですね。」
「話し方も桂花に話す時と同じように普通に話していいわよ、
呼び方も曹操でいいわ。
貴方を手に入れた時には私の真名を呼ばせてあげるから、楽しみにしてなさい。」
「・・・・ハァ。(厄介な人に目をつけられちゃったな)」
「春蘭! 秋蘭! 帰るわよ。
それと桂花、三日休みをあげるから、
胡喜媚を止めたいのなら その間に何とかなさい。」
「は、はい!」
「じゃあ、三日後、二人揃って私の前に来ることを楽しみにしているわ。」


そう言って曹操さん達は帰っていった。


「・・・・・ハァ。」


曹操さん達が帰ると同時に私の足から力が抜け
その場にぺたんと座り込んでしまう。


「こ、怖かったぁ~・・・マジで死ぬかと思った。」
「あんたがあんな馬鹿な事するからでしょ!」
「だってしょうがないじゃない、アレしかいい方法が思いつかなかったんだから。」
「だからってやりようがあったでしょう!
・・・ん? あんたなんで春蘭がすぐに切りかかってくるって分かったのよ?」
「だって陳留じゃ有名じゃない。
曹操さんの悪口を言ったら夏侯惇さんがどこからか現れて、
すぐに斬り殺されるって。」
「・・・あの馬鹿、そんな噂が流れてるなんて。
もぅ・・・あれ? 安心したら私も腰が抜けちゃった。」


そうって桂花も私と同じようにその場に座り込む。


「・・・馬鹿・・・本当にあんたが殺されたかと思ったじゃない!」
「ごめん・・でも桂花にわかってもらうにはあの方法しかなかったんだよ。
桂花も私と同じ気持だから私が死ぬような目にあったら、
きっと実感してくれると思って。」
「口で説明すればいいじゃない!!」
「こういうことは口じゃダメなんだよ、実感しないと。
私だって、桂花が帰ってこなくなって初めて実感したんだから。」
「・・・もう、こんな事二度とするんじゃないわよ!」
「桂花もね。」
「・・うん。
・・・・・ん? ちょっと待ちなさいよ。
私があんたと同じ気持ちってどういう事よ!?」
「桂花はきっと私の事好きなんだろうなって思ってたから。
でなかったらあんな下着が透ける寝間着着て私に抱きついたり
私を閨に誘ったりしないだろうし。」
「あ、あ、あ、あんた・・・知ってたんならもっと早く何か、
こう、行動に移すなり、伝えるなり、何か有ったでしょ!!」
「しょうがないじゃない、今は桂花と一緒になるつもりは無いし。」
「どういうことよ!! あんた私の事好きだって言ったじゃない!!」
「好きだけど一緒にはなれないって・・・
言ったでしょ? 私と桂花じゃ生き方が違う。
桂花が農家の嫁で収まるはずないし、
私が曹操さんの文官なんて務まるわけがない。」
「あんた、まだそんな事・・・」
「荀緄さんも言ってたよ。
私と桂花は今はまだ道が交わらない。
今一緒になっても必ず何処かで破綻するって。」
「お父様まで・・・」
「でも、今は無理だけど 何れ時代が動いて
否応無く私と桂花も生き方を変えざるを得なくなる とも言ってた。
うまくすれば その時に私と桂花の道が交わることを祈ってるって。」
「・・・お父様。」
「だからその時までは・・・
私は許昌に戻って今まで通り農家をやってるよ。」
「どうして・・・別に陳留に一緒にいてもいいじゃない?
華琳様に仕えろとまでは言わないわ、でも一緒ココで暮らすくらい・・・」
「私がココにいたらきっと桂花を放っておけなくなる。
それじゃあ私が桂花の生き方に引きずられることになっちゃうよ。」
「べ、別にいいじゃない! 私が面倒見てあげるわよ!!」
「それだと私の心が持たないよ・・
これから来る戦乱で多くの命を奪う覚悟が桂花と違って私には無いから。」
「・・・私だってそんなにはっきり覚悟として持ってるわけじゃないわよ。
ただ この国を良くするために犠牲は最小限にする必要はあるけど
犠牲者は出るとわかってるだけだもの。」
「それでも桂花は覚悟ができてるよ、
今回の賊の討伐だってちゃんと指揮できたんでしょ?」
「・・・・うん。」
「私じゃ無理だよ・・・きっと。」
「そんな事無い・・そんな事無いわよ、
喜媚だってあの現状を見てあの場に立てば・・・」
「でも今の私にはそう思えないんだよ。」
「・・・・どうしても許昌に帰るの?」
「うん、一度荀桂さんに報告もしないといけないしね。
桂花が立派に曹操さんの所で軍師をやってるって。
今まで私達はずっと一緒だったけど、
ここらで一度離れてお互いの生き方を見なおそうよ?
その間に二人が尊重し合って二人で並んで生きていける生き方を探そう?」
「・・・・」
「さぁ、今日はもう寝よ?
桂花も疲れたでしょう、私も桂花が無事で安心して眠気がもう限界・・・ではないね。
さっき夏侯惇さんに殺されそうになったから目が冴えちゃった。」
「・・・何よそれ。」
「アレは本当に死ぬかと思ったんだから。」
「・・・思い出したくないわ。」


そう言って桂花は私の方に倒れこんできて抱きついてくる。


「私も もう思い出したくないな。
夏侯惇さんに斬られそうになった事も
桂花が帰ってこないんじゃないかって 眠れない夜を過ごしたことも。」
「・・・・ごめん。」
「もういいよ 済んだことだし。
さぁ、もう寝よ。」
「うん。」


こうして私と桂花はようやく腰と足に力が入るようになったので
二人で手を繋いで寝室に向かい それぞれの部屋に別れようとするが、
桂花が私の手を離してくれない。


「桂花、流石に今日一緒に寝るのはまずいんだけど。」
「なんでよ?」
「いや、だって・・・ねぇ。
夏侯惇さんに殺されそうになったり桂花に告白したりした後の夜だから
その、色々と我慢するのもきついし、汗も流してないし。」
「・・・そう、今なら我慢出来ないのね。」


そういうと、桂花は私の手を掴んだまま部屋に私を押しこんで
寝台に私を突き飛ばして自分は私の馬乗りになる。


「あの桂花サン? 私の話を聞いてました?」
「聞いてたわよ、今なら我慢出来ないのよね?」
「いや、そこじゃなくて。」
「華琳様も言ってたわ、あんたを引き止めるために三日休みをくれるって。
つまりコレは華琳様あんたを引き止めろって言ったということよね?」
「・・・嫁入り前の娘が はしたないと思わないの!?」
「あんたに責任取ってもらうからいいわ。」
「え? ・・・・・マジ?」
「マジよ。」
「・・・・・・」


私に馬乗りになった桂花は 上着と頭巾を脱いで私に覆いかぶさり耳元で囁いた。


「・・・・喜媚、大好き。」


「・・・え?」
「な、何度も言わせんじゃないわよ・・・好きって言ったのよ!
あんただけに言わせて私も言わなかったら・・・・
ごめん、ちゃんと伝えたかったの、私の気持ち。」
「・・・あの、本当に まずいんですけど?」


桂花が覆いかぶさってきたせいで
私は身動きが取れない。
その上桂花も何日も汗を流してないせいか
彼女の女性独特の体臭が私の鼻いっぱいに広がり
桂花が密着してくるせいで
胸や太腿の体温や感触がはっきりと分かる。
さらにさっき死にかけたことで生存本能が刺激されているのか、
私の男の部分がはっきりと反応してしまい、その事を桂花が耳元で指摘してくる。


「・・・喜媚のが、私のに当たってる。」
「桂花本当に我慢出来ないんですけど!」
「好きに・・・すれば いいじゃない。」
「・・・いいの? 今は結婚とか出来ないよ。」
「良いわよ 私も喜媚の匂い嗅いでたら なんか・・我慢出来ない。
・・・っん。」
「桂花。」
「喜媚。」

「「んっ・・・」」




こうして私の長い桂花を待つ日々は終わり・・・そうに無かった。
まだ日は沈んだばかり、夜は長い・・・


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  1. 2012/09/20(木) 03:41:36|
  2. 真・恋姫†無双 変革する外史。
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