たいちの仮設避難所

某小説投稿サイトの規約改定による 仮設の避難所です。

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三十三話


寿春




孫策さんに桂花への言付けと着替えを持ってきてもらうように頼んで、
今日 私は美羽ちゃんのお城に泊まることになった。

孫策さんが帰った後、
私は美羽ちゃんと七乃さんと三人で私の許昌での話や
美羽ちゃんの子供の頃の話などをし、
豪華な夕食をごちそうになった後は、
七乃さんに客室を用意されていたのだが、
美羽ちゃんが私が泊まっていく今日だけは、一緒に寝ようとぐずったため、
結局 七乃さんを含めた三人で美羽ちゃんの部屋で眠ることになった。


「・・美羽さま、もう寝ちゃいましたね。」
「そうですね、いつも寝付きはいいんですか?」
「いえいえ、いつもは寝るまでにもっと時間がかかりますよ。
今日は喜媚さんが来てくれたお陰で
美羽さまはいつになくはしゃいでいたから 疲れちゃったんでしょうね。」
「そうですか。
・・・なんだったら私 今からでも客室の方に行きましょうか?」
「いいえ、ココにいてください。
美羽さまが目を覚ました時に喜媚さんがいなかったら
きっと悲しみますから。」
「そうですか・・・」


私も 美羽ちゃんや桂花ならともかく、
七乃さんは完全に大人の女性なので流石に落ち着かない。


「喜媚さん 今日はありがとうございました。」
「え? あぁ はい。 どういたしまして・・?」
「美羽さまがこんなに嬉しそうに過ごせたのは、
寿春に来て以来 初めてなんですよ・・」
「・・・そうなんですか? いつも明るい感じがしますが。」
「とんでもない、普段美羽さまが笑ってるのは、
蜂蜜水を飲んでるか喜媚さんの書簡を読んでる時くらいで、
普段はふてくされていることが多いんですよ。」
「そうですか・・」
「同年代の友人も居ませんし、
気を許せる話し相手もそんなに居ませんし。
周りには美羽さまを利用しようとするか、
美羽さまにあまりいい感情を持ってない人達ばかりで・・」
「・・・・」
「なんとかしようにも、私には美羽さまのみを守るのが精一杯で。」
「そうですかね? 七乃さんはよくやってると思いますよ。
本当に七乃さんの言う通りだったら
美羽ちゃんはこんなに素直に育ってませんよ・・・
ちょっと我儘な所がありますけど。」
「フフフ、そうですね。 そうだといいんですけど・・」
「そうですよ。」
「・・・」


今は私、美羽ちゃん、七乃さんと並んで寝ているので
七乃さんの表情はあまりはっきりとは見えないが
彼女は少し困ったような感じで微笑んでいる。


「そういえば喜媚さん、今日は孫策さんに手を貸しましたね?
揚州の開墾や治水の件で。」
「・・・やっぱり七乃さんにはバレますか?」
「それは、わかりますよ。」
「ちょっと孫策さん・・と言うより孫策さんの所の
周泰ちゃんと友達なので断りきれなくて。
内容自体も、揚州の民の為になることみたいだし、
一緒に来ていた桂花・・荀彧ちゃんも特に問題無いと判断したようなので・・」
「今日は見逃しますけど、次はダメですよ?
孫策さんは、お嬢様の客将・・みたいな扱いですけど、
実質は美羽さまに援助を受ける代わりに、
配下として働いてもらってます。
ですけど 何時美羽さまに反抗するかわからないんですから。」
「・・孫策さんは、無茶なこと言わない限りは
とりあえず借りを返すまでは大丈夫だと思うんですけど・・・
でも それはあくまで普通の農民の私の考えだから 当てにはなりませんかね?」
「そうですね、事 領地や領民、官職や面子が絡むと、
個人の為人は当てに出来ませんから。
今回の件は 以前から孫策さんから上がってきていた計画書がありましたし、
孫策さんが得る理は揚州での名声だけですので、
喜媚さんを連れてきてくれた褒美として見逃しましたけど次はありませんよ?」
「心しておきます・・でも、もうこういう事もないと思いますけどね。
次からは寿春に来ても すぐにお城に通してもらえそうですし、
私自身 孫策さんに特に借りがあるわけではないですから。
宿がわりにお世話になったのも、今日のコレで十分返したことになるでしょうし。」
「お願いしますね。
喜媚さんが美羽さまに何かするとは思ってませんが、
利用されることがあるということを 覚えておいてくださいね。
美羽さまの真名を預かるということは、
それだけで十分な力になるのですから。」
「・・・分かりました。」
「さて、難しい話はコレまでにして、もう寝ましょうか。
「そうですね。」


この後しばらくして、私と七乃さんは眠り、
翌朝、私よりも先に目を覚ました美羽ちゃんに叩き起こされ、
朝食を作らされることになったり、
昨日作ったお菓子の材料費と褒美だと言って、
小さい袋ではあったが、
銀がぱんぱんに詰まった袋を貰っていいのかどうかで揉めたりしたが、
結局そのまま押しに負けて 貰う事になり、
午前中一緒に美羽ちゃんと遊んだ後、桂花が心配するといけないので一旦、
孫策さんの屋敷まで帰ることにした・・・のだが、
美羽ちゃんがゴネまくったりと一悶着があった。


孫策さんの屋敷に帰った私は、桂花がどうしているのか気になったので、
使用人の人に桂花の居場所を聞き、庭に居るというので見に行ったら・・・


「・・何やってるの?」
「・・・・色々あったのよ。」
「・・・・ハァ。」
「ハァハァ・・・あぁん♡
あっ、喜媚さん、この縄をほどいてくださいよぉ、
そしたらぁ、ンフフ、私と一緒に二人っきりでお話ししましょう♡」


そこには縄でぐるぐる巻に縛られた陸遜さんが転がされており、
その状態の陸遜さんを無視するように 桂花と周瑜さんが机に竹簡や本を並べて、
何やら勉強会を開いているようだった。


「穏じゃなくて亞莎を連れてくるべきだった・・・」
「・・あんたも苦労してるのね。」
「あぁん♡」
「わかってくれるか?」
「とりあえず、陸遜は放っておいていいから あんたもこっちに来て座りなさい。
丁度今経済の話をしていたから あんたも一緒に話に加わりなさい。」
「・・はぁ。」


結局この後、陸遜さんは縛られたまま、私達の話を聞くことだけ許され、
太腿をもじもじとすり合わせながら 何度かビクビクと震えているが
その様子を見ようとすると、
桂花に思いっきり足を踏まれるか 本で顔面を叩かれるため、
彼女の方は見ないようにしながら話し合いに参加させられた。


そうしてある程度キリがいいところで、
周泰ちゃんがお茶のおかわりを持ってきてくれたので いったん勉強会は休憩となり、
私が寿春のお城で何をやってきたのか話すことになった。


「しかし、あんた、袁公路の真名を預かってくるとは・・
どれだけ好かれてるのよ?」
「色々あったんだよ・・・ハァ」
「だが、我々は大いに助かった。
昨日 雪蓮から話は聞いたが お陰で少しではあるが確実に揚州の民が救われる。
それに荀彧殿と話しあった治水法や農法は大変役に立つだろう。
できたらお二人にはこのままこの屋敷に残ってもらいたいくらいだ。」
「私もあんたや陸遜との話は楽しいからいいけど、
私達はこの後、行かなきゃいけないところがあるのよ。」
「その話は昨日聞かせていただいた、
袁本初殿のところに行かれるとか?」
「えぇ、妹が早く来いってうるさくてね。」
「それならば仕方がないが、お二人ならいつ来てもらっても歓迎するから、
雪蓮の所に来ることも選択肢の一つとして考えておいてほしい。
アレは普段は仕事をさぼったり問題行動も多いが
民を思う気持ちと主としての器は本物だ。」
「そうね、孫策の為人はまだ見極める必要があるけど
あんたほどの人物が仕えてるんだもの、見極める価値は充分有りそうね。」
「あぁ、是非考えてみてほしい。
もちろん喜媚殿もいつ来てもらっても歓迎しよう。
喜媚殿ほどの人物が野に埋もれるのはこの国の損失だ。」
「私はそんな大した人物じゃありませんよ・・
私はただ、私や私の周りの人達がほんの少し幸せでいてくれたらそれでいいので。」
「・・・ふむ、どうやら喜媚殿は我々や蓮華様と考えが近いようだ。
一度 我々の考えも聞いて欲しい所だが・・・まだその時期ではなさそうだ。
何れ 我々が喜媚殿を迎えに行くこともあるやもしれぬな。」
「・・・そうですか?」
「あぁ、今はまだ理由があって語れないが
何れ我々の話を聞いてもらえれば、きっと理解してくれると信じている。」
「・・・・」
「まぁ、今の我等は袁術の駒でしか無い・・
我等も喜媚殿も荀彧殿も未だその時では無いが、
今はお互い出会えた事を喜ぶとしよう。」
「・・・そうね。」 「そうですね。」
「わ、私も喜媚さま達に会えたことは嬉しいですよ!」
「私もですよぉ・・・っていいますか、いい加減縄を解いてくださいよ!」

「「「「駄目だ(です)。」」」」

「そ、そんなぁ・・・このままじゃ新しい世界に目醒ちゃいますよぅ。」


こうして 夕食中も桂花達の話し合いは続き、
陸遜さんが椅子に縛り付けられたまま話に参加しては悶え、
私が陸遜さんを見ようとすると桂花や周泰ちゃんからいろんなモノが飛んでくる。
と、いう状況の中 夜が深まり、
陸遜さんが私を襲いに来るのを防止するための監視として、
桂花と私が一緒に寝ることになったりして この日は終わった。

翌日以降は、私が昼から夕方まで美羽ちゃんの所に遊びに行くために抜けたが、
桂花と周瑜さん、陸遜さんが、勉強会を開いてお互いの知を高め合っている。


結局、私達が寿春にいる間、勉強会をしている周瑜さんと陸遜さんの仕事は、
普段さぼりがちな 孫策さんと黄蓋さんがやらされることになり、
彼女達は屋敷に軟禁状態にされ、竹簡の山と戦っていたそうだ。

周泰ちゃんは早々に 自分の仕事を終わらせ、
桂花達の勉強会に参加しつつ、陸遜さんを取り押さえる役目をしていた。


それから数日後、とうとう私達が寿春を去る日になり、
美羽ちゃんがゴネにゴネたが七乃さんが何とかしてくれたようで
私を止めるために挙兵するという状況になるのだけは避けられた。

私達が許昌に帰る旅には
周泰ちゃんが護衛として同行してくれる事になり
行商人の護衛隊、私達が雇った傭兵、
さらに周泰ちゃんと言う布陣で安心して許昌までの旅をすることができそうだ。

孫策さんの屋敷で皆が 私達が旅立つのを見送ってくれた。


「喜媚ちゃんが来てくれて助かったわ。
荀彧ちゃんも二人でいつウチに来てくれてもいいからね♪。」
「こちらこそありがとうございました。」
「そうね、考えておくわ。」
「二人が来てくれて楽しかったぞ。
またいつでも来るといい、その時はまた儂の手料理を馳走しよう。
明命、二人の事を頼んだぞ。」
「黄蓋さんも飲み過ぎないようにしてくださいよ。」
「また今度あんたの料理を食べるのを楽しみにしてるわ。」
「はい! この周幼平、必ずやお二人を無事に許昌までお届けします!」
「喜媚さんも荀彧さんもまた来てくださいね♪
その時は またいっぱいお話ししましょうね。」
「あんたを袋詰めにして顔だけ出した状態でいいなら良いわよ。」
「あはは・・・桂花、さすがにそれは・・・・」
「話をする度に発情されたんじゃ あんたやこっちの身がもたないのよ!!」
「その、少しは我慢するように頑張りますぅ。」
「喜媚殿、荀彧殿、また会える日を楽しみにしている。
二人共 壮健でな。」
「えぇ、あんたもね。」
「・・・・周瑜さん、ちょっと二人だけで話してもいいですか?」
「ん? 構わないが?」


私はこの寿春にいる間、一つ気にかかっていたことがある。
最後までどうするか迷ったが 結局、私は情に弱いようだ・・
一度出会って、同じ時を過ごし、友誼を深めることが出来た相手を、
見捨てることが出来ないようだ。

これからすることがどういう影響を及ぼすかわからないが、
わかっている悲劇を回避するために、
私は手を打つことにした。


(何だ喜媚殿、二人だけでの話とは?)
(周瑜さん・・・もしかして何処か身体が悪くないですか?)
(・・っ!? いや、何処も悪くないぞ。
喜媚殿の気のせいではないか?)
(私の気のせいだといいんですけど・・・
私の知り合いに華佗と言う 良い腕の医者がいます。
私が知るかぎり最高の医者です。
彼に頼んで一度ココを訪ねてもらうようにしますから 診てもらってください。)
(・・・私はべつに何処も悪くないといったのだが?)
(そうであることを願っています。
診てもらうだけで結構です。 治療費も何もいりません。)
(・・・・)
(・・・・)
(・・・はぁ、分かった。
喜媚殿がそこまで言うのなら診てもらうだけならいいだろう。)
(お願いします。
容姿は赤髪の男性の医者ですので ココを訪ねてきた時は診てもらってください。)
(わかった。)
(私の話はそれだけです。)


なんとか周瑜さんに納得してもらうことが出来、
これで、後は華佗に連絡を取るだけだ。
母さんか、左慈に頼むか、華佗が許昌に来た時に母さんに言付けを頼むかして、
周瑜さんを診てもらうように頼めばいいだろう。

こうして私は寿春でのすべての用事を終わらせ、
桂花と周泰ちゃんと共に許昌に帰るのだった。


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  1. 2012/09/19(水) 02:58:40|
  2. 真・恋姫†無双 変革する外史。
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

誤字?

[この後しばらくして、私と七乃さんは眠り、
翌朝、私よりも先に目を覚ました美羽ちゃんに叩き起こされ、
朝食を作らされることになったり、
昨日作ったお菓子の材料費と褒美だと言って、
小さい袋ではあったが、
銀がぱんぱんに詰まった袋を貰っていいのかどうかで揉めたりしたが、
結局そのまま押しにか負けて 貰う事になり、
午前中一緒に美羽ちゃんと遊んだ後、桂花が心配するといけないので一旦、
孫策さんの屋敷まで帰ることにした・・・のだが、
美羽ちゃんがゴネまくったりと一悶着があった。]
の6行目[押しにか負けて]は[押しに負けて] では?
  1. 2012/09/19(水) 14:49:41 |
  2. URL |
  3. るーふぁ #TTgf5Lno
  4. [ 編集 ]

誤字の指摘ありがとうございます。
修正していおきました。
  1. 2012/09/19(水) 18:10:35 |
  2. URL |
  3. たいち #/InZ6.Jo
  4. [ 編集 ]

誤字の報告

本で顔面を叩かれるため、、
→本で顔面を叩かれるため、
  1. 2012/10/27(土) 20:30:50 |
  2. URL |
  3. へいほう #0DCaDBFQ
  4. [ 編集 ]

違和感

いつも楽しく読ませて頂いております。

兵を挙兵する、という表現に頭痛が痛い、と同等の違和感を感じましたので、「兵を挙げる」もしくは「挙兵する」がいいかと思います
  1. 2012/11/08(木) 07:18:38 |
  2. URL |
  3. カミーユ #-
  4. [ 編集 ]

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