たいちの仮設避難所

某小説投稿サイトの規約改定による 仮設の避難所です。

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二十七話


許昌




後日、荀桂様に桂花の洛陽行きの日付を教えてもらい
私と関羽さんは旅の準備を済ませ、
後は許昌を旅立つのみとなった。


そんなある日、私と桂花は郭嘉さんに呼ばれ
許昌の南にある畑のそばの小川へと着ていた。


「・・・懐かしいわね。
昔は良くココへ喜媚と遊びに来たっけ。」
「そうだね・・・最近は郭嘉さんも一緒に来て・・・
遊びはしなかったね・・・」
「郭嘉は変な所で真面目だから、
せっかく小川に来たのに水軍の話をしだすんだもの。」
「別に私が遊びを知らないわけではないですよ!
ただ、あの時は本で水軍の話を読んだばかりだったので・・・」
「何言ってんのよ、一回や二回じゃないわよ?
釣りに来たのに、いきなり太公望の話をしだしたり
喜媚が葉っぱで船を作ったら
いきなりもっと作れとか言い出して
水の流れを調べるとか言い出したじゃない。」
「・・・そんな事もありましたか?」
「・・・まったく。
それで? 今日はこんな所に呼び出してなんなの?」

「荀彧さんが洛陽に旅立つと聞いたので、
私もいい機会なので、国内を見て回る旅に出ようかと思いまして。」
「そう・・・あんたもなの。」
「はい。 この国を良くしようと思ったら
まずはこの国のことを知らねばなりません。
ですので、私は名を隠して旅に出ようかと思っています。
知り合いに同じ志を持つものがおりましたので
その者と一緒に国内を見て回ろうかと思います。」
「・・・あんたの旅の無事を祈ってるわ。」
「ありがとうございます。
私も、荀彧さんと喜媚さん、お二人の無事を祈っております。」
「ありがと。」
「ありがとう郭嘉さん。」
「話はそれだけ?
なら この後みんなで一緒に簡単に祝杯でも上げに行かない?」
「いいえ、ここからが本題です。」


そう言うと郭嘉さんは、私達に向かってまっすぐと立ち
私と桂花の顔を交互に見つめる。


「今回お二人を呼んだのは、
お二人に私と真名を交わしていただきたいと思ったからです。」
「・・・真名を?」
「はい。
幼少の時よりお二人と出会ったことで、
私の知識はより深みを増し、そして初めて心から友と呼べる者を得ました。
許昌で初めての実戦の空気を感じた時には
お二人に心を癒され、
私の目指すべき道を・・・まだ、はっきりとはしませんが
進むべき方向を定めることが出来ました。
そんなお二人だからこそ、私の魂を預けたいと思い、
旅立つ前に お二人と真名を交わしていただきたいと思いました。」
「別に私はそんな大したことはしてないわよ・・・
逆に私も色々・・その、世話になったし。」
「私もです、誰かが一方的に世話をしたのではなくて
皆で少しずつ歩いてきただけですよ。」
「・・・・フフ、やはり私の目に狂いはなかった。
喜媚さん、荀彧さん、私 郭奉孝の真名を、稟と申します。
受け取っていただけませんか?」
「・・・・荀文若、謹んで預からせてもらうわ。
私の真名は桂花よ。」
「私は・・どうしよう、真名無いんだけど。」
「知っています、私も荀彧さん・・
いや桂花さんと同じで構いません。
以後、喜媚さんの名を呼ぶ時は 我が魂を懸けて名を呼ばせて頂きます。」
「・・分かった、郭嘉・・・稟さん。
これからもよろしくね。」
「はい。」

「さて、じゃあ、今日は皆で祝杯と行きましょうか!」
「だったら家に来てよ。
母さんに作らされたお酒で、いいのがあるから。
まだ、母さんにも飲ませてないけど、
味は私が今まで作った中で最高だよ♪」
「では、喜媚さんの家に行きましょうか。」
「じゃあ、行くわよ!」
「うん!」 「はい!」


こうして私達は、郭嘉さんあらため、
稟さんと真名を交わし、祝杯を上げた。

祝杯の席で稟さんだと呼びにくいので稟ちゃんと呼んだら
稟ちゃんは顔を真赤にして、慌てていた。

どうやら今まで呼ばれたことがない
呼び方だったため恥ずかしいそうだ。

途中で関羽さんと母さんも参加して、
その日はちょっとした宴会になった。


そしてとうとう、桂花の洛陽への出発の日。

その日は桂花の家の前に荀桂さんや桂花の家の使用人達、
そして稟ちゃんや荀家に関わりのある人達が集まり、
皆で桂花の見送りに来ていた。


「・・・喜媚、あんた何やってんのよ。
あんたはこっちでしょ!」
「バレたか・・・」


私はどさくさに紛れて、
荀桂さんの後ろに隠れていたのだが、
すぐに桂花に見つかってしまった。


「喜媚殿・・・荀彧殿の大事な出発の日に
ふざけるのは止めてください。」
「喜媚さん・・・」
「喜媚ちゃん・・・」
「「「「・・・・」」」」
「すいませんでした。」


後に郭嘉は語る、それはそれは見事な頓首だったと言う。


「・・・コホン、
確か、一度洛陽でお父様の所で仕事を一通り学んでから
許昌に戻り、その後、袁本初様のところに行くのだったわね。」
「えぇ、荀諶がうるさいから・・・
それに一度 名門と言われる袁家の治世を見てみたかったし。」
「あの娘も困ったものね。
まぁ、いいわ・・・
さて、桂花、貴女もとうとう この時が来てしまったけど、
荀家の者として恥ずべき事がない様に、
そして 己を見失わずに、自分の歩みでしっかりと進んでいきなさい。」
「はい。」
「洛陽ではお父様の言うことをよく聞いて、
しっかり学んでくるのよ。」
「はい。」
「桂花が無事に帰ってくるのを待ってるわ。」
「はい。」
「喜媚ちゃん、関羽ちゃん、桂花の事よろしくね。」
「「はい。」」
「大体 半年ほどだけど、
洛陽から帰ってきたらおいしいもの用意して待ってるわ。」
「桂花さん、私は少し遅れて許昌を発ちますけど、ご壮健で。」
「あんたもね稟、できたらあんたとは一緒の仕官先になるといいわね。」
「そうですね。
喜媚さんも関羽さんもお元気で。
また何れ会える日を楽しみにしています。」
「稟ちゃんも元気でね。」
「郭嘉殿もお元気で。」
「「「「お嬢様、お元気で!」」」」
「あんたたちもね!
さぁ、行くわよ!
喜媚も関羽も付いてらっしゃい!」
「はいはい。」 「はい。」


こうして私達は城門で待ち合わせをしている
行商人と警備隊の一団と合流し、
洛陽に向けて出発した。


道中では何度か怪しい集団がコチラを伺っていたが、
警備の人数の多さと、関羽さんの睨みで
襲われることは無かった。


「しっかし、昔と比べて物騒になったわよね~。
何回か洛陽には行ったけど
昔はこんなに物騒じゃなかったわよ?
・・・ほら、あそこにもコチラの様子を伺ってる馬鹿共がいるし。」
「そうだね・・・年々物騒になっていくね。
私達はいいけど、他の旅人とかはどうするんだろう?」
「そういう旅人は私のような護衛を数人雇うか
今みたいに行商人の一団と交渉して同行するんですけど、
それも出来ない人達は、命がけで旅をしていますよ。」
「本当ならこの許昌と洛陽の街道なんか
賊が出たら駄目なところなのに・・・何やってんのかしら。」


桂花は官軍という言葉は出さなかったが
話を聞いていた皆は同じ気持ちだっただろう。


「まぁ、いいわ。
私が行くからには少しでもマシにしてやるわよ。」
「その意気です、荀彧殿。」
「頑張ってね。」
「・・・・ハァ、
あんたは本当にもぅ・・・」


賊に警戒しながらも、
私達は洛陽まで旅を続け、ようやく洛陽の城門が見える所まで来た。


「・・・凄い、アレが洛陽ですか。」
「えぇ、そうよ。
・・・本当に城壁は立派よね。」
「城壁は? 中も立派なんじゃないですか?」
「立派よ、宮殿と大通りの市と一部の屋敷だけは。」


関羽さんはよくわからないような顔をしたが・・


「関羽、貴女はそれをその目で確かめるために来たんでしょう?
よく見て回るといいわ・・・この洛陽こそが
この国の縮図だということを・・・」
「この国の縮図・・・・ですか。」
「そうよ、その目で確かめることね。」
「・・・・・」
「・・・」


桂花はそれ以上何も言わず、
私達は洛陽の城門まで進み、手続きをした後、
洛陽に入り、行商人や護衛の人達と別れ 荀緄様の屋敷に向かった。

荀緄さんの屋敷に着くと、
すぐに門が開けられ、荀緄さんが屋敷内から姿を現す。


「おぉ! よく来たな桂花よ!」
「お久しぶりですお父様、1年ぶりくらいですか?」
「そうじゃな、まぁ、堅苦しい挨拶はよい。
喜媚と護衛の関羽じゃったか?
二人共ご苦労だったな。」
「お久しぶりです荀緄様。」
「初めてお目にかかります、関雲長です。」
「うむ、家内から書簡で聞いておる、
部屋はすでに用意してあるからゆっくりと寛ぐが良い。」
「「お邪魔します。」」


荀緄さんの屋敷に入り、私達が使う部屋に案内され
荷物を置いたら、一旦居間に皆で集まり
簡単な祝宴の後、今後の事を話す。


「さて、桂花はもう知っておると思うが、
明日休んだ後。明後日からは儂と一緒に宮中に上がり
儂の補佐をしてもらいながら 仕事を覚えてもらう。


「はい。」
「喜媚は一応使用人ということだが、
荀桂から桂花付きの侍女の仕事をさせろと
言ってきておるからそのようにな。」
「はい。」
「関羽は洛陽を見て回るんだったな。
ならば儂から言うことは特に無い。
騒ぎを起こさない限り好きにして構わぬ。」
「ありがとうございます。」
「うむ、とりあえずそんなところだが、他に何かあるか?」
「あの荀緄さん。」
「なんじゃ喜媚。」
「良かったら私も宮中に入れるように出来ないでしょうか?
今まで通り、宮中のお庭まででいいので。」
「ふむ・・・出来ぬことはないが・・
例の友人とかいうのに会いにゆくのか?」
「はい。」
「構わぬが・・・以前から儂も聞いていたが
宮中にそんな者達はおったかのう、まさか あのお二人ではないだろうし。
まぁ、人の出入りが激しいため
儂もすべてを把握しておらぬからなんとも言えぬが。
とりあえず、桂花の侍女ということで報告しておくので
儂の執務室までの出入りを許可しよう。」
「分かりました。」
「あんた今度 私にもその女達に会わせなさいよ。
どんな女か見てやるわ。」
「あの桂花・・・結構偉いとこの娘みたいだから
もし会えたとしても粗相のないようにね。」
「わかってるわよ、宮中で会う人間に下手なことはやらないわよ。」


こうして 私はなんとか弁ちゃんや協ちゃんに会う算段を付け、
この後は本格的な夕食を楽しみ、
洛陽での初日は終わった。


翌日は、桂花と関羽さんと私の3人で
洛陽の地形を把握するために
目印となる通りなどを 関羽さんに案内しながら
洛陽を視察した。


「どう、関羽?
何か思うことはあった?」
「そうですね、表通りは大変賑やかなのですが
路地に入ると・・その。」
「口に出さなくていいわよ、
私も同じ感想だから、それに下手に人に聞かれてもまずいから。」
「はい。」


私と桂花も何回か洛陽には着ているが、
来る度にひどくなっているような気がする・・・

関羽さんは表通りは賑やかだといったが
昔はもっとすごかった。
ただし、それはある一部の人間のみだったが。


この日は簡単に洛陽の町を見て回るだけで終わり、
明日以降は 関羽さんが自由に見て回るそうだ。

荀緄さんの屋敷に戻り、今日の洛陽での事を話しながら食事を済ませ、
桂花は明日に備え早めに寝るそうなので、
私達もその日は 早めに寝ることにした。


翌日、荀緄さんと桂花と私は宮殿に行き、
まずは手続きを済ませ、宮殿に出入りできるようにしてもらい、
その後、荀緄さんと桂花は仕事を始める。

この日は私は、桂花の手伝いや、
屋敷で、私と桂花の部屋の掃除などをして過ごし、
弁ちゃんや協ちゃんに会いに行くのは、
明日にすることにした。


翌日、午前中は屋敷での仕事を手伝い、
午後になったころ、
弁ちゃん達とよく会えた時間帯になった頃、
宮殿の庭園に向かい、いつも彼女達がよく現れた場所で
しばらく待っていると、後ろの方からガサガサと音がしたと思ったら、
急に私に向かって女の子が飛びこんできた。


「ふぎゅっ! ・・・・痛たた、何者じゃ!
妾の隠れ場に居る・・・・の は・・?」
「いたた・・・協ちゃん・・・・えっと、お久しぶり?」
「喜媚ぃぃ~っ!
喜媚ではないか! ほ、本物かや!?」
「本物だって、協ちゃん ぶつかった時に怪我とかしてない?」
「うむ! 妾は大事ないぞ、喜媚はどうじゃ?」
「こっちも大丈夫だよ。
けど どうしたの そんなに慌てて飛び込んできて。」
「う、うむ、ちょっと追われておってな・・・・
まぁ、ここまで来れば大丈夫じゃ。」
「なに? また勉強抜け出してきたの?」
「う・・・ま、まぁ、女にはいろいろあるのじゃ。」
「何処でそんな言葉覚えてきたのよ・・
そういえば弁ちゃんは?」
「うむ・・・・姉上も大事ないのじゃが・・・その
最近 姉上は忙しゅうてな、妾もあまり会えぬのじゃ。」
「そっか・・去年も忙しくなったって言ってたけど
弁ちゃんも本格的に仕事とかするようになったのかな?」
「仕事というか・・・最近ひっきりなしに
姉上に会いに来るものがおるのでな。
なかなか抜け出せんのじゃ。」
「そういうのも仕事だからしょうがないよね。」
「うむぅ・・・」


協ちゃんは微妙な、喉にものが詰まったと言うか、
言いたいけど言えなくて我慢しているような表情で
うなっていた。


「そうじゃ! 今度は喜媚はどれくらい洛陽におるのじゃ?」
「今回は結構長いよ、短くても三~四ヶ月はいるから。」
「おぉ! そんなに長く居れるのか!
ならば いっぱい遊べるのぅ!」
「遊びもいいけど協ちゃんも勉強か仕事か
私にはわから無いけど、あんまりサボっちゃだめだよ?」
「わかっておる!」
「だけど弁ちゃんが忙しいなら、ちょっとさみしいね・・・
とりあえず今度竹簡・・・・だと かさばるから
手紙でも用意して持ってこようか?」
「うむ、姉上もきっと喜ぶに違いない。」
「じゃあ、今度来る時は手紙を持ってくるよ。」
「うむ、ならば妾が姉上に届けよう!」


こうして一年ぶりくらいになるのか・・・
協ちゃんとの再開を無事に果たすことができたのだった。

後日、約束通り手紙を協ちゃんに渡して、
弁ちゃんに私が来ていることを伝えてもらうことに成功し、
弁ちゃんからの返事をもらうことが出来た。


相変わらずの達筆と言うか章草と言うか、
私には読みにくい文字だったので、
協ちゃんに訳してもらったが、
書いてある内容は
自分も元気であることと、是非私に会いたいので、
私が洛陽にいる間に必ず会いに行く。
そういった内容だった。


こうして私が洛陽に来た目的の内、
彼女達に会うと言う目的は、概ね達成され
この日以降も、毎日ではないが、
協ちゃんと会ったり、弁ちゃんの手紙を読んだりしながら
過ごしていた。


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  1. 2012/09/18(火) 01:23:08|
  2. 真・恋姫†無双 変革する外史。
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  1. 2012/10/27(土) 16:42:56 |
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