たいちの仮設避難所

某小説投稿サイトの規約改定による 仮設の避難所です。

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二十六話


許昌




翌朝、私が先に目が覚め、それに気がついた関羽さんも目が覚め、
不意に目があった私達は、すぐ目の前にお互いの顔があることや
昨晩のことを思い出して、顔が熱くなってしまう。
関羽さんの顔は真っ赤だが、おそらく私の顔も真っ赤だろう。


「そ、その・・・おはよ。」
「・・・おはよう ございます。」


その後、関羽さんはそそくさと私の部屋から出ていき、
私は顔を洗いに井戸に行ったのだが、
そこで服を着替えた関羽さんと出会い
気まずい雰囲気になってしまう。

私は先に顔を洗い、食事の用意を済ませ、
起きてきた母さんも含めて皆で朝食を摂ったのだが
私と関羽さんの様子がおかしいのを
察した母さんがニヤニヤと笑っていたので、
むかついた私は母さんのスープの中に
小皿に分けていた漬物を全部ぶち込んでやった。

その後は、関羽さんと訓練をしたのだが、
流石に武術の訓練となると、昨日のこともあり、
関羽さんの気持ちも切り替わったようで、
相変わらず私がボコボコにされた後、
小休止してから畑仕事に向かった。


畑に向かう途中で、まだ昨日の戦闘の後片付けをしている人達と
何人かすれ違ったが、関羽さんの表情には
普段と変わった様子はないが
昨晩の様な迷いは一切無く、
しっかりとした足取りで畑に向かった。


畑仕事をしていると、丁度区切りがいいところで、
桂花と郭嘉さんが二人揃ってやってきた。


「こんにちは。」 「こんにちは。」
「「こんにちは。」」


その後、二人は関羽さんの表情を観察していたが・・


「ふん、
昨日はアレから少し様子がおかしかったから
心配したけどもう大丈夫なようね。」
「そうですね。 流石は武術を
修めただけはあるということでしょうか。」
「いえ・・・そんな。」


謙遜する関羽さんは、恥ずかしそうに目をそらした。
関羽さんの様子が なにかおかしい事に気がついた
桂花が彼女を問い詰める。


「ん? ・・・・関羽、アンタ何か有ったの?」
「い、いえ! 何もありませんよ!
昨晩はちょっと喜媚殿に相談に乗ってもらっただけです。」
「そう? ならいいけど・・・」


そう言いながら桂花がいつもの定位置の
私の横の木を切っただけの椅子に座ると
不意に私の方に顔を寄せ、クンクンと鼻を鳴らす。


「・・・ん? 喜媚から女の匂いがする。」
「? 荀彧さん何を言っているのですか?」
「喜媚殿から女性の臭がするのは当たり前ではないですか。」
「・・・・違う! コレは関羽の匂い!!
あんた達昨日の夜ナニやってたのよ!?」


この桂花はどんなけ鼻がいいんだ・・・
私は自分では気が付かないが、
そんな匂いがしているのか?

とにかく、桂花は私の服の襟を掴み
私に詰問する。


「昨日の夜って・・・関羽さんの相談を少し聞いただけだよ。」
「嘘言いなさいよ! それだけでこんなに臭うわけ無いでしょう!」
「あ・・・・・っ!?」
「なに!? 関羽、アンタ何かされたの?」
「あ・・・いや、されたというかしたというか・・・」
「何よ! はっきり言いなさいよ!!」


桂花の剣幕に脅されたのと、桂花達も戦闘後の最初の夜は
皆と一緒に寝たという話を聞いていたせいもあって
関羽さんは あっさり桂花に昨晩のことを話してしまった。


「じ、じつは・・・お恥ずかしい話なのですが、
昨晩はすこし不安だったので・・・・喜媚殿と、その
一緒に寝たのですが、
私はその前に訓練をして汗をかいていたので
それで少し匂いが・・・・」
「あんた 喜媚と寝たの!?」
「は? はぁ・・・なにかまずかったでしょうか?」
「まずいって! あんた・・・・・・ん?
喜媚、あんた自分の事関羽に話したの?」
「え? ・・・・話したっけ?」
「何がですか?」


桂花が興奮する中、郭嘉さんだけが冷静に状況を見ていたようで
郭嘉さんが関羽さんに情報をまとめて説明する。


「関羽さん、貴女が知っているかわかりませんが、
喜媚さんは男性なのですよ。
それで、荀彧さんは関羽さんが男性と一緒に寝た事を
認識しているのか? と聞いているのです。」
「・・・・・・・はぁ!?」
「喜媚! あんた、話してなかったの!?」
「え? 話してなかったっけ?
昨晩は関羽さんから誘われたから
知ってるのかと思ったんだけど・・・」
「・・・・そんな!
そんな大事なことを 知っていたらあんな事誘いませんよ!!
あぁぁ・・・・そんな。
それじゃあ、私は昨晩は男性と閨を共にしたと・・・?
しかも自分から誘って?」


関羽さんが羞恥で顔を真赤にして
地面にぺたんと座り込んだところへ
郭嘉さんが関羽さんの肩にそっと手を置き。


「まぁ、知らなかったのならしょうがないですよ。
その、私も荀彧さんも 以前同じような経験はありますので
今回の事は 無かったことにしたほうが 精神的にもいいですよ?」
「・・・・あぁぁ・・・・」


郭嘉さんもそうだったが、関羽さんも貞操観念が強いようで
自分が昨晩 何をしたのか考えているのか
さきほどから百面相をしている。

関羽さんは 一通り、考え終わったのか、
俯いて地面に手を付き・・


「かくなる上は、喜媚殿に嫁にもらってもらうしか・・・・」
「あんた なに馬鹿なこと言ってるのよ!!
無しよ! 無し!!
昨晩のことは忘れなさい!!」
「いや、しかし・・・・」
「だったら私も郭嘉も一緒に喜媚に嫁入りしなきゃいけないじゃない!!」
「・・・・あの? 誰が正妻になるのでしょうか?」
「ばかっ!! 誰もなりゃしないわよ!
もうっ!! 全部アンタが悪いんだからね、喜媚!!」
「え~・・・」
「まぁ、関羽さんが喜媚さんを女性だと思っていたなら
何もなかったのでしょうが・・・・いや、
関羽さんが何も知らない無いことをいいコトに
喜媚さんが穏やかに眠る関羽さんの豊満な身体を使って
自らの欲望を・・・・」
「郭嘉は寝てなさい!!」


そういいながら桂花は私の鉄扇を奪い取り郭嘉さんの後頭部を殴りつけ、
郭嘉さんは前のめり倒れて意識を失う。


「・・・なんだこの状況?」


結局 状況が収まったのは 陽が少し傾いてきてからで
落ち着いた私達は、
とりあえず、言わなかった私が悪い。
昨日のことはなかったことに。
と 言う結論で落ち着いた。


この日はしばらく関羽さんに警戒されたが、
翌日にはいつも通りの対応になっていた。
おそらく訓練で私をボコボコにして気が晴れたのだろう。


戦場の後片付けに十日ほどかかったが、
今は普段通りの日常に戻っている。

そんな時、私と関羽さんが一緒に荀桂さんに呼ばれた。
呼んだ理由は桂花の洛陽行きの日程が決まったからだ。

桂花の家に行くと応接間に通され、
荀桂さんと桂花がやってきた。


「とうとう桂花が許昌を離れるんですか?」
「えぇ、私としては、桂花が最後だというのが
不思議なんだけど、ウチの旦那がそう決めたみたいだし・・」
「荀緄様ですか・・」
「何を思って桂花が最後なのかわからないけど、
とにかく、前の賊との戦闘で、
ここらの賊がしばらくおとなしくなってるみたいだから
いい時期だと思って。
同行する、行商人や傭兵の手配は既に済ませてあるから
後は喜媚ちゃん達だけなんだけど、
そっちの方の準備はどう?」
「私は大丈夫です。」
「私も大丈夫です。」
「じゃあ、問題無いわね。」
「関羽も悪いわね、私の護衛なんか頼んじゃって。」
「いいえ、私としても洛陽までの旅費が浮きますし
その上、護衛代金も頂いて、洛陽での宿代も浮きますし逆に申し訳ないくらいです。」


洛陽に桂花が移った時は
荀緄様のお屋敷にお世話になることになっている。
関羽さんも洛陽を視察する時に
部屋を一室借りられるように手配されている。


「喜媚ちゃんと関羽ちゃんが
一緒についてくれるなら桂花も安心ね。」
「喜媚はともかく、関羽の武は信用しているわ。」
「・・・・私行かなくてもいいかな?」
「アンタには料理で期待してるから、
ちゃんと付いてきなさいよ。
妲己様が舌が肥えてらっしゃるだけあって
アンタの料理はその辺の食堂よりも美味しいんだから。」
「桂花も料理くらい覚えればいいのに・・・」
「私はいいのよ! りょ、料理くらいできなくても生きていけるわ!」
「いや、無理でしょう・・・食べ物なかったら。」
「その話は後で二人でゆっくりなさい。
とにかく、道中と洛陽では頼んだわね、
喜媚ちゃん、関羽ちゃん。」

「「はい。」」

「それじゃあ、二人はもう戻ってもらっていいわよ。
悪かったわね、急に呼び出して。」
「荀桂さんが 私を急に呼び出すのはもう慣れましたよ・・・」
「これから喜媚の家に行くんでしょ?
じゃあ、私も一緒に行くわ。」
「桂花はまだ、話があるから残りなさい。」
「・・・分かりました。」


私と関羽さんは応接室を出て、
家に帰り 少し早いが夕食の準備でもすることにした。





--荀彧--


その頃 荀家の応接室では・・・


「さて、桂花。
今日は大事な話があるわ。」
「何ですか、お母様・・」
「貴女、喜媚ちゃん好きよね?」


お母様の話を聞くために
いったん落ち着こうとお茶を口に含んだ時・・・


「ブフゥッ!? ・・・ゲホッ・・ケホッ。
な、な、なにをいきなり言い出すのよ!?」
「なにを、って大事な話じゃない。」
「・・私が喜媚をどう思っているかが関係あるの?」
「あるわよ、貴女の婿取りの話しなんだから。」
「・・・まさか、お母様。」
「そのまさかよ、私は喜媚ちゃんを桂花の婿に取ろうと思っているわ。」
「喜媚が私の婿? ・・・本気なの?」
「本気よ、あの人はまだ納得してないみたいだけど、時間の問題よ。
喜媚ちゃんは武術も学問も修めてるし、身体にも何も問題ない。
家柄の問題があるけど、そもそも桂花は
喜媚ちゃんに命を助けられてるんだから 命の恩人なら婿にとっても問題無いわ。」
「・・・・」
「なにか言いたげね?」
「・・・・喜媚はなんて言ってるんですか?
どうせ、お母様のことだから もう喜媚にも話してあるんでしょう?
少し前から あいつの様子がおかしかったし。」
「喜媚ちゃんは 桂花とは生きる世界が違うとか言ってたわね。」
「そう・・・」


喜媚が私と生きる世界が違う、そう言った事に
私は胸に穴が開いたような喪失感を覚えた。


「でも、喜媚ちゃんもまんざらでもないようだったわよ?」
「・・・な!?
・・・嘘よ・・・あの子 最近私を避けてるもの。」
「家柄や桂花の立場のことを気にして
自分から身を引こうとしてるだけよ。
陳留に行った時は 桂花と別の部屋にしてほしいとか言ってたけど
それは桂花を女として意識してるからでしょ?
気恥ずかしいから 避けてるだけよ。
それに 本当に桂花が嫌いだったら、
私が頼んだからって 洛陽まで着いてきてくれるはずないでしょ?」
「・・・・・」
「そこで、今回の話に戻るんだけど。
桂花、貴女が本当に仕えたい主が見つかり、
その人に仕官するまで、喜媚ちゃんが桂花の使用人として、
付いてもらうように頼んであるけど、
貴女、それまでの間に、色仕掛けでもなんでもいいから、
喜媚ちゃんを堕としちゃいなさい♪」
「くっ・・・・・なんで私から そんな事をしなくちゃいけないのよ!!」
「じゃあ、聞くけど桂花 喜媚ちゃんの方から
貴女を口説いてくると思ってるの?
はっきり言うけど、無いわよ。」
「・・っ!?」
「喜媚ちゃんは荀家や桂花の将来のことを考えて、
何処かの権力者の嫁になる事がいいと考えてるのよ?
そんな喜媚ちゃんが貴女を口説こうとするわけ無いでしょう?
それに あの子の自制心ときたら・・・
一時期 本気で男が好きなんじゃないかと 疑ったことがあるくらいなのよ?
だったら貴女から行くしか無いじゃない。」
「だからなんで私がそんな事をしなくちゃいけないのよ!!」
「じゃあ貴女・・・喜媚ちゃん以外の男に抱かれて 子供を生むことできるの?」

「・・・・!?」


私が男に・・・抱かれる?
その時 私の頭にはあの時の記憶が蘇り
身体は無意識に拒絶反応を示し、震えていた。


「私の目は節穴じゃないのよ?
今でこそ 普通に男の人とも話せたりしているけど
話すのと肌を晒して抱かれるのでは全く違うのよ?
荀家の女として生まれた以上、子を成す事は当然の義務よ。
もう一度聞くけど、貴女、
喜媚ちゃん以外の男に抱かれることができるの?」
「・・・・・っ!」
「・・・無理よね、さっき想像しただけでそれだもの。
子供の頃に あんな事があったのに 忘れられるはずないわ。
心というものは、一度傷つけば傷は治っても
傷跡は残るもの・・
そんな貴女が 好きでも無い男に肌を晒すなんて無理よ。
貴女に喜媚ちゃんより好きな男がいるなら
話しは変わるけど・・いないでしょ?」
「・・・・・」
「すべての条件を満たしているのが喜媚ちゃんよ。
学問、武、五体満足な身体、命の恩人、貴女が唯一心を許せる男、
これだけ揃ってて何が不満なのよ?」
「・・・・」
「言っておくけど、コレが最後の機会よ。
貴女は今までなんだかんだ言って 見合い話を断ってきたけど、
喜媚ちゃんには喜媚ちゃんの人生があるんだから、
これ以上、桂花が煮え切らないからといって 引き止めておくことは出来ないわ。
貴女が仕官した時までに 喜媚ちゃんを堕としていなかったら、
適当な官職に付いている男の嫡子を 無理にでも婿に取るわよ。
その時に 子供を生むために貴女が無理やり犯されても 私は止めないわよ。」
「・・っ!?」
「わかったわね。
コレが家を預かる 私にできる最大の譲歩よ。」
「・・・・はい。」
「じゃあ話は終わりよ、部屋に戻っていいわよ。」
「はい・・・」


お母様の話が終わり、私は部屋に戻り寝台に身を投げ出す。


(・・・・・私が喜媚と?
喜媚の子供を私が生むの・・・?)


それを想像しただけで、
先ほどの男に抱かれるのを想像した時とは違い 全身が熱くなる。
身体の震えや拒否反応も一切しない・・・

私も荀家の女だ、そういった教育も受けているので
ありありと喜媚と私が・・・そういう事をする様子が想像できる。
それどころか、私が喜媚に無茶苦茶にされながらも、
悦んでいる姿すら浮かんできた。


「っ~~~~!!!?
あぁぁ~~~~もうっ!!
なんで私がこんな・・・!
ただでさえ仕官先を選ぶのに大変なのにぃ!!」


結局、この日はもう喜媚の顔をまともに見る自信がなかったので、
部屋に篭り、悶々とした時間を送っていた。


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  1. 2012/09/18(火) 01:21:49|
  2. 真・恋姫†無双 変革する外史。
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  4. | コメント:1
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記憶が読みがえり
→記憶が蘇り
  1. 2012/10/27(土) 14:34:20 |
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