たいちの仮設避難所

某小説投稿サイトの規約改定による 仮設の避難所です。

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二十三話


許昌




桂花達が曹操さんと会い、その後 桂花と一騒動あったが、
翌日に 私以外の皆で陳留を視察してから許昌へと帰ってきた。

陳留から許昌までの帰りは、特に問題もなく帰ることが出来たのだが、
途中で同行した行商人の人達から、
最近、黄色の布を巻いたおかしな連中が
いろんな村に現れるという話を聞いた。
行商人の人達は、新しい賊の一団ではないか?
と、警戒していたが、
私にとっては、近いうちに・・・少なくとも数年内には
黄巾の乱が起こるのだということを確信させる内容だった。

今の、私にはどうすることもできないが、
少なくとも私の身の回りにいる人くらいは守れるように、
今から準備だけはしておこうと思った。


許昌に帰ってから、私は黄巾の乱に備えて準備しつつ
普段通りの生活を送っていたのだが、
とうとう、桂花が十八歳になったら、
荀緄さんの元で仕事を習うために洛陽に行く事が決定した。

実は桂花の姉の荀衍さんや荀諶ちゃんは既に揃って洛陽に行き
荀緄さんの元で働いているのだ。

コレは桂花がまだ学びたいことがある、
と言ったのと、桂花に会いたいと言う人達が
順番待ちのような状況になっていたので、
一通り会う予定を立てていたら、この時期になったのだ。

桂花が洛陽に行くのと入れ替わりで荀衍さん達は一度 許昌に戻り
その後、荀諶ちゃんは袁紹(えんしょう)さんの所に、
仕官することが決まっているそうだ。

それに郭嘉さんがいい機会だということで、
桂花が洛陽に行く時期に、
知り合いと旅に出て国の現状をこの目で確かめて回るそうだ。


まだ、桂花が洛陽に行くまでは半年以上あるが
皆がそれぞれの目標に向かって動き出す。


私は、将来 穏やかにのんびり暮らすという私の目標の為に、
なんとしても この戦乱の時期を生き残れるよう
着々と準備を進めていく。


(・・・・と、思っていた時期もありました。)


それは桂花が洛陽に行くと聞いて、
しばらくたった時期のことである。

その日、私は荀桂さんに呼ばれ屋敷に向かったのだが、
嫌な予感しかしなかった。


「喜媚ちゃんは桂花と一緒に洛陽に行くわよね?」
「なんで、それが当たり前のような聞き方をするんですか・・・
行きませんよ。」
「なんで?」
「逆にこっちが聞きたいですよ、
なんで私が桂花と一緒に洛陽に行かなきゃいけないのか。
桂花は洛陽に実務を習いに行くんですよね?
私が行く意味が無いじゃないですか。」
「コレは桂花よりも先に行った二人もそうなのだけど
ウチから何人か信用できる使用人をつけているんだけど、
桂花には喜媚ちゃんが着いて行ってあげて欲しいのよ。
もちろんお給金は弾むわよ?」
「お断りします。」
「・・・即答ね。」
「えぇ。」
「・・・・・」
「・・・・・」


私と荀桂さんはしばらく睨み合うような形になる。
流石に今回はいつもの人に会う時のような一時的な旅とは違う。
聞いている話だと最低 数ヶ月から半年は洛陽に居るという話だ。

そんな長期間家を離れるのはまずいし、
荀桂さんのことだ、人手は用意すると言うだろうが、
これ以上 桂花に付き合っていると
本当に、陳留で曹操さんに仕官するまでついて行くことになりかねない。


「・・・・」
「・・・・今回は、小細工は一切抜きで行かせてもらうわ。」


そう言うと荀桂さんが椅子から立ち上がって
私の直ぐ側まで歩いてきて
床に膝を付き手を組み 礼をとる。


「・・なっ!?」
「胡喜媚殿、伏してお願い致します。
桂花が・・・娘が仕えるべき主に仕官するまで、
娘を見守っていてくれないでしょうか?」
「・・・・荀桂さん。」
「娘が望む仕えるべき主に仕えることができたら
それ以降は、胡喜媚殿に対して
これ以上無理なお願いをすることは致しません。
ですから、どうか・・・
どうか、その時まで娘の事をお願いできないでしょうか?」
「・・・・どうしてそこまでして私に括るんですか?
前も言いましたが、桂花はもう十分一人でやって行けますよ?
男に対して苦手意識はあるでしょうけど
それを職務に持ち出すほど桂花ももう子供じゃないですよ。」
「私も桂花の男嫌いに関してはそう思うわ・・
だけど、私は桂花には喜媚ちゃんが必ず必要だと考えているわ。
でも、同時に喜媚ちゃんの人生を歪めてまで
桂花と一緒にしようとは思わない。
そんなコトしたらうまくいくものも うまく行かなくなるわ。
だから、せめて、桂花が仕えるべき主が見つかるまで・・・
その主に仕えることができるようになるまで、
それまででいいから桂花のそばに付いてあげてくれないかしら?」

「・・・・」

「これも前に話したけど、
私個人としては桂花と喜媚ちゃんが一緒になってくれたら
こんなにいい事はないと思ってるわ。
でも、無理強いするつもりはないわ。」
「・・・・私を買ってくれるのは嬉しいんですけど
私はそんなに立派な人間でも無いですし、
どちらかと言えば、自己中心的な人間ですよ・・・
自分さえ良ければいいと思っている様な人間ですよ。」
「そんなの皆そうよ。
逆に 「桂花のためならなんでもできる!」
なんていう人間の方が信用出来ないわ。
実際、私だって自分の娘が幸せになるために 喜媚ちゃんに無理なお願いをしている。
私も喜媚ちゃんも 何も変わらないわよ。」


荀桂さんほどの立場の人が、ただの農民に膝を付いて頭まで下げたのだ。
前の桂花の命を助けたお礼とは理由が違う。

正直 私自身、桂花が無事に曹操さんの元に行けるかは心配だ。
陳留へ向かう時の賊の件もある。
私がついていけば、少なくとも少数の賊くらいだったら
なんとか桂花の身を守ることが出来るだろうし、
一刀くんが魏に所属して 桂花がいないなんてことになったら・・・
程昱(ていいく)さんや郭嘉さんが合流するまで、
特に反董卓連合後の袁紹さんとの官渡の戦いが危ない。
あそこで桂花がいなかったら曹操さんが負けることさえありうる。
そうなったらこの国は相当危なくなってしまう。

そう考えると桂花が無事に曹操さんの所に仕官できるまで
見守るのは悪くないのかもしれない・・・
それに私自身、桂花の事は好きなのだ。
恋愛感情は別としても彼女には生きていて欲しいし、
曹操さんの所に行けば彼女の才は十全に生かされるだろう。

それならば、桂花が曹操さんの所に仕官するまで・・・
ここまで付き合ってきた友人・・・親友なんだから
それまでの間ならば・・・・


「・・・ハァ、もう立ってください、荀桂さん。」
「喜媚ちゃんが うん と言ってくれたら立つわよ。」
「ですから 立ってください・・・
桂花が望む主の所に仕官するまでは着いて行きますから。」
「本当っ!?」


荀桂さんが立ち上がって私の両手を握り締める。


「本当です・・・まぁ、そんなに長くはかからないでしょう。
桂花は曹孟徳さんを すごく気に入ってたみたいですし。
陳留から帰ってきてから よく話を聞きました。
荀諶ちゃんからも、袁本初さんの所に誘われてたみたいですし
多分、どちらかで決まりでしょう。」
「そうね・・・それ以外だと
何遂高様の所だけど・・・コレはないわね。」
「そうですね・・・何遂高様の所だと重用はされるでしょうけど、
桂花の才は・・潰されるでしょうね。」
「そんな事言ってもいいのかしら?
何皇后様の異母姉よ?
下手したら不敬罪に問われるわよ?」
「私が不敬罪に問われるなら、
荀桂さんも一緒じゃないですか。」
「そうね。」
「それに桂花が潰されるとしたら、
何遂高(かすいこう)様云々よりも周りに潰されますよ。
宦官や十常侍辺りにね。」
「・・・何で喜媚ちゃんが宮中の事に
そんなに詳しいのかは聞かないでおくわ。」
「ありがとうございます。
・・・それで、私は桂花の使用人としてついていけばいいんですか?」
「私は夫でもいいのだけど 「帰ります。」 わ~嘘嘘!
そうなったらいいとは思うけど、
そうね、使用人としてでお願いできるかしら?
書生や個人的な秘書だと、喜媚ちゃんも困るでしょうから。」
「分かりました・・・・ハァ。」
「一応、私は桂花の母親なんだから
そんな目の前でため息付かれると 困っちゃうんだけど。」
「だったらこんな事 私に頼まないでくださいよ。
桂花が将来幸せになってくれるのは望んでますけど、
私の将来もかかってるんですから。」
「ごめんなさいね、でも、
喜媚ちゃんが一番桂花を安心して任せられるのよ。
・・馬鹿な親だと笑ってくれてもいいわ。」
「親が娘を想うのを笑えるわけないじゃないですか・・・」
「フフフ、そんな喜媚ちゃんだから安心して任せられるのよ。」
「・・・・ハァ。」


こうして、荀桂さんの泣き落としに近いお願いを聞くことになり、
私は桂花と一緒に洛陽へ行き・・
おそらくその後は、袁紹さんの鄴、
曹操さんの陳留へと行くことになるだろう。


荀桂さんのお願いを聞いた数日後、
袁術ちゃんの所からいつものように周泰ちゃんが
蜂蜜を受け取りに来た。

その時に世間話のついでに、
私が今後 洛陽へ行くため
数カ月後からは母さんに蜂蜜の受け取りを頼むように話をしたのだが・・


「えぇ~、喜媚さまは洛陽ヘ行っちゃうんですか!?」
「行くって行っても一時的なものだよ。
ただ、その後少し回るとこができそうだから
もしかしたら1年くらいは帰ってこれないかもしれないけど・・」
「そうですか・・・あっ、洛陽で
喜媚さまが住むお家が決まったら私に連絡ください!
私、仕事で洛陽にも行きますから、
その時にお会いできると思いますから!」
「本当! 周泰ちゃんも大変だねぇ・・
でも、会えるのは嬉しいよ。」
「私もです!」


最初の出会い以来、周泰ちゃんとは仲良くやっている。
最初の出会いで猫耳服をあげてから、
次に来た時、周泰ちゃんはわざわざお土産を持ってきてくれたのだ。
そのお返しに私がご飯やお菓子をお返しして、
そのお返し、そのお返し、と続いていたので
お互いきりが無いという事で、
お返しは止めて、普通の友達として付き合っているのだが・・・
結局、止めた今でもお土産と
食事のご馳走の応酬は今でも続いている。


「あ・・・・でも、その事は
袁術さまには言わないほうがいいかもしれません。」
「何で?」
「喜媚さまが洛陽や他の邑へ行くと袁術様が聞いたら
寿春にも来るようにおっしゃいますよ、きっと。」
「あ~、でも袁術ちゃんには前から誘われてたんだよね。
それに周泰ちゃんに渡した書簡にもう書いちゃったし。」
「あやや。
でも、喜媚さまが寿春に来て頂けるなら 是非紹介したいお方がいますので、
私の所にも遊びに来てください。」
「そうだね、寿春に行くことがあったら 周泰ちゃんのところにも行くよ。」
「はい! お待ちしてます!」


その後、食事をしながら周泰ちゃんと話した後、
彼女は寿春へと戻っていった。


そう考えると今回の洛陽行きは
少し行程を考えたほうがいいかもしれない。

確か洛陽に行って一度許昌に戻ると言っていたから
戻る時に 少し足を伸ばして袁術ちゃんのところに
行くのもいいかもしれない。

正直恋姫の話に関わってくる彼女とは
あまり会わないほうがいいのだが、
彼女・・袁術ちゃんや張勲さんとの書簡のやり取りでわかったのだが、
張勲さんや本当に身近な世話人以外、彼女に味方がいないのだ。

それ以外の人間は皆 彼女が幼い事で、
彼女を利用しようとするものばかりなのだそうだ。
張勲さん本人が袁術ちゃんを
猫可愛がりしたいだけといいうのもあるのだが、
わざと甘やかすことで袁術ちゃんが、
まだ幼い事を演出している節がある。
実際、袁術ちゃんと書簡で話をしているが、
彼女が原作や、世間で言われているほど暗愚とはとても思えない。
頭に回転もいいし、意外な指摘などをしてくることなどもある。

そんな彼女には このまま行ったら 過酷な状況が待ち受けているので
せめて私にできることがあったら 何かしてあげたいと思うのだが
私にできることなど たかが知れている。

せいぜい、彼女の所に遊びに行って お菓子をご馳走するか、
彼女が逃げ延びた後、ウチの畑か養蜂所で二人を雇ってあげるか・・
孫策さんにうまく会えたら、
その辺の彼女の状況をさり気なく教えることで
彼女が見逃してもらえる確率を上げるか・・
私にできるのはこれくらいだろう。

関わりたくないと言っても
流石に数年来の文通友達が死ぬのは忍びない。
まだ手が打てる 今の内に寿春に行っておくのはいいかもしれない。

・・・・・結局桂花の時もそうだが、
私はこういうところが非情になれないと言うか、
甘いのだろう・・・

でも 非情になって彼女達を見捨てるよりはましだ。
友達くらいは・・・・せめて自分の手の届く範囲の人くらいは
助ける努力をするくらいいいだろう。


まだ、桂花とは話していないが、
一度この件で相談してみよう思った。
最悪、桂花が許昌で家族と会っている間に
私一人で寿春に行けばいいのだ。


さて、私が袁術ちゃんや桂花の事で悩みつつも
いつも通りの日常を過ごしていた。


そんなある日、私は桂花の家の庭で
二人で碁を打っていた。


「はい、コレで終わり♪
13目差で私の勝ちね。」
「ぐっ・・・・だからもう少し置き石を増やしてって言ったのに。」
「コレ以上増やさなくても勝ち目はあったわよ、
ほら、あんたこの盤面で読み違えなきゃ反撃出来たのに。」
「そんな桂花みたいに何十手も先を読めないよ・・・」
「あんたたまにすごい手を打つくせに
相手の手を読むのは苦手なのよね。」
「私が普通で、桂花が異常なんだよ!」
「そんなわけないでしょう、郭嘉は私と同じくらい読むわよ。」
「二人が異常なんだよ!!」


そんなやり取りをしていたのだが、
不意に門が叩かれ来客が来たようだ。


「ん? 桂花、誰か来たみたいだよ?」
「はぁ? そんなのほっとけば誰か使いの者が・・・って
今買い出しに出てるんだったわ・・・
ったく、面倒ね!」
「お客さんに当たらないでよ?」
「そんな事しないわよ!」


そう話しながら、私と桂花は門に向かって歩いて行くのだが
桂花一人だと危ないので、私は一応 桂花の護衛役でついて行く。

そうして門の所に着くと、私が門を開け、
桂花が応対する。


「どんな御用かしら?」
「突然の来訪、申し訳ありません。
私、関雲長(かんうんちょう)と申しますが 家主様はご在宅でしょうか?」


「はぁっ!?」


「ちょっと喜媚うるさいわよ!
私が応対してる横で騒がないでよ!
家の品格が疑われるじゃない!」


(何で! あんたが! 今! ココに! 居るし!! 関雲長っ!!!)


私は一瞬にして混乱状態になったが
確かにそこに立っているのは
美しい黒髪を横に束ね、意思の強さを感じさせる綺麗な瞳。
武を嗜むものなら誰でもひと目でわかるほど
しっかりとした隙の無い佇まいの美しい少女だった。






(何であんたがココに居る 関雲長ぉぉぉっ!!!?)


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  1. 2012/09/17(月) 01:07:21|
  2. 真・恋姫†無双 変革する外史。
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  1. 2012/09/21(金) 19:53:41 |
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  3. 読み返しは一気に派 #-
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  1. 2012/10/27(土) 13:59:46 |
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