たいちの仮設避難所

某小説投稿サイトの規約改定による 仮設の避難所です。

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十六話


洛陽




桂花は 今から人脈を作るために
洛陽の宮殿で荀緄さんの知り合いと桂花が面会している間、
一緒に付いてきた私は 宮殿の庭園で暇つぶしをしていたのだが、
その時に庭園にある生垣の裏で私は協ちゃんと弁ちゃんという
姉妹と知り合う事になった。


「それで二人はこんな所に隠れて何やってるの?」
「む・・・そ、それはな・・・」
「え~っと・・・なんて言いましょうか・・・」


二人は何か悪いことでもしたように
口篭っているが、その様子は悪戯をした後に見つかった時の桂花を思い浮かばせる。


「何? なんかいたずらでもして逃げまわってるの?」
「そ、そんな事しませんよ!」
「そ、そうじゃ!そうじゃ!・・・・た、ただな・・・
その、妾達に学問を教える者があまりにも口やかましいので
・・・逃げてきたのじゃ。」
「・・・二人共何やってんのよ。」
「し、仕方がなかろう!
毎日毎日 勉強勉強、姉上と遊ぶ時間もろくに取れぬのだぞ!
・・・少しくらい遊んだって良いではないか。」
「・・・そういうことなんです。」
「まぁ、私は二人の先生じゃないから
別に口やかましく言わないけど 少し遊んだら戻るんだよ?」
「う、うむ!」 「はい。」
「じゃあ、私は邪魔になるからもう行くね。」
「ま、待つのじゃ!」
「ん? 何?」
「喜媚は城の外から来たのじゃろう?
城の外では 今どんな遊びがあるのか教えてくれぬか?」
「外の遊び? ・・・まぁ、少しくらいならいいよ。」
「本当かや! やったぞ姉上!」
「よかったわね。」
「それじゃあ、今ココでできそうな遊びだと・・・」


こうして私はこの生垣の隅っこでもできそうな遊びを
いくつか彼女達に教えてあげた。

手頃な石を使ってお手玉をやってみせたり、
小さな石でおはじきを教えたり、
私の持っていた袋の紐を使ってあやとりをしてみたり
木の枝で地面に枠を書いてまるぺけや、五目並べを教えたり、
後はしりとりや指相撲等、
簡単にできて場所を取らなくてもできる遊びを
彼女達に教えた。

お手玉やあやとりでは感心されたり、
おはじきやまるぺけでは、慣れている私に勝てずに
協ちゃんが悔しがり、何度も再戦することになり、
弁ちゃんはその様子を見て笑っていたりと
桂花や郭嘉さんと違い、久しぶりに子供らしい、子供を見て
私も穏やかな気分になっていた。

しかし、そんな時間も長くは続かず、
生垣の中から見える通路を歩く桂花達を見つけて
私は戻らなければいけないと彼女達に告げる。


「あ、ゴメンね、私もう行かないと。
私がお供しないといけない人が戻ってきたみたいだから。」
「なんと・・・もう行ってしまうのか。」
「・・・そうですか、せっかくお知り合いになれたのに。
残念ですね・・・」
「二人共ごめんね、一応しばらくは洛陽にいるから
もしかしたらまた会えるかもしれないけど、
今日はもう行かないと。」
「本当かえ? また会えるか!?」
「確実とはいえないけど、
また何回か宮殿には来れるかもしれないから
もしかしたらその時に会えるかも。」
「うむ、それならば、その時はまたココで会おうぞ。」
「そうですね、私達はよくココに・・・その・・・逃げてきますから。」
「フフ、逃げてって・・・
じゃあ、また宮殿に来たらココに来るよ。」
「うむ、約束じゃぞ!」
「約束ですよ?」
「うん、約束ね。
じゃあ、私は行くね。」
「うむ。 今度は城の外の話をきかせてくりゃれ。」
「また、お会いできるのを楽しみにしてますわ。」
「またね~。」


こうして私は、二人と別れて、桂花達の待っている所へ行った。

桂花と合流した時、挨拶だけした後 彼女はずっと無表情で無言だったのだが
荀緄さんの家についた途端、その感情は爆発した。


「もぉ~~~ぅうっ! 何なのよっ!!
あのデブっ 必ず殺すっ!!」
「桂花・・・その、せめて洛陽内で宮中にいる人に悪口は・・・」
「はぁっ!? だから宮中や町中では我慢してたじゃない!
ここまで耐えた自分の忍耐力を 褒めてやりたいわ。」
「・・あの何があったんですか? 荀緄さん。」
「最初は普通に対談してただけなんだがな・・・」


よくわからないが、途中からおかしくなったらしい。
荀緄さんも桂花が暴言を吐きまくっているのを
止める様子がない所から、
荀緄さん自身も今回の会談で思うところがあるのだろう。


「だから男は嫌いなのよ!
まだ、ある程度の歳の女に持ちかけるなら万歩譲って理解できるけど
私は十二なのよ!
あのデブは何を考えてるのよ!
ただの太った変態じゃない!!」


あ~分かった・・・桂花が
何を言われたのか大体想像できてしまった。

大方、嫁に来いか愛妾になれとでも遠まわしに言われたんだろう。
荀緄さんが居て直接的な言葉で言うとは思えないから、
桂花が嫁か妾になったら地位が上がるとか
両家のためになるとか言ったんだろう。


「ニヤニヤと人の体を舐め回すように見てくれて・・・
思い出すだけで怖気が走るわ!
お父様! 私はすぐに湯で身体を清めるから!」
「・・・分かった、用意させよう。」


そう言って桂花は風呂場に向かって肩をいからせながら歩いていった。
荀緄さんの屋敷には小さいながらお風呂場があり
入浴することができるのだが
当然準備には時間が掛かる。
今回は準備の時間がないので湯で身体を流すだけだろう。


「・・・大変だったみたいですね。」
「・・・あぁ、宦官や宮中の中には変わった奴も多いからな。
もちろん 全員がそういうわけではないのだが、
権力に近いものほど、そういう傾向が強くなるのだ・・・」
「幼女性愛や同性愛や少年性愛ですか?」
「あぁ、中には桂花のような子供に興味を持つ者や
男娼を何人も囲っている者も居る。」
「去勢すると性癖がおかしくなる人が多いんですかね?
それとも権力に酔っておかしくなったんでしょうか?」
「さぁな・・・・ん?
まて、なんでお前そんな事知ってるんだ?
喜媚・・・貴様 まさか桂花に・・・」
「変な言いがかりはやめてくださいよ・・。
大体 私が桂花に何か変なことをしたら
荀桂さんに殺されますし、桂花が私を洛陽まで連れて来ませんよ。」
「む・・・まぁ、そうか。
とにかく今回の相手はそういう相手だったのだ。
私もできたら会わせたくなかったのだが
何処で噂を聞きつけたか、
向こうから一度会いたいという話があってな。
断りきれなんだ・・・嫌なことはさっさと済ませようと思ったのだが、
今の桂花には悪いことをしたと思っとる。」
「まぁ、桂花も荀緄さんの事情は察してくれますよ。
そうで なかったら屋敷まで我慢してませんよ。」
「そうだな。」


結局、この日の桂花は荒れに荒れ、
夕食でやけ食いしたり、寝台に入ってからも
私に延々と愚痴をこぼしたりしていたが、
翌日に持ち越すことはなく、
朝には いつも通りの表情になっていた。

この日は宮中ではなく、町の有力者との会談が予定されていたので
私がついて行くこともなく、
二人は護衛を連れて出かけていった。

その間、私は洛陽の町を見て回るために
様々な店が開く時間まで
時間を潰した後、洛陽の町に出かけた。


私の将来設計には幾つかあり、
今まで通り農業や養蜂で身を立てる、
お酒や紙を作って売る、
小さい喫茶店のような店を持つ、
大体この三つなのだが、
今回は喫茶店を経営するにあたって、
どの程度の味のレベルならばお客が来てくれるのか?
と言う調査を行うことにしていた。

洛陽はこの国の中心のために
いろんな店が集まり
他の邑にはないような菓子や飲茶を専門に扱うような店もある。
そういった店と同レベルかそれ以上の味を出せれば
私も店をやっていけるだろうと思い、
味を確かめるべく、いろんな店を食べ歩きしていた。

そうして昼過ぎに差し掛かった所で
流石に疲れたので菓子とお茶を出す店で休憩しようと思い
注文を済ませて椅子に座って待っていると
何処かで見覚えのある少年が
私の座っている正面に相席をしてきた。


「邪魔するぞ。」
「どうぞ・・・・・ん?
あれ? もしかして、何処か出会ったことありませんか?」
「ほう、よく覚えていたな。
名乗るまで気がつかんと思っていたのだが。」


私の目の前の席に座ったのは
あの日、私を巻き込んでこの世界で暮らすことになる原因を作った少年。
左慈君が私の目の前に座っていた。


「お久しぶりですね、左慈君。
何年ぶりになりますか・・・」
「さぁな? 俺は妲己様から定期的にお前の情報をもらっていたので
久しぶりって言う気はせんが・・・・それにしても・・・クックッック。
知ってはいたが、随分と様変わりしたものだな。」
「ほっといてください・・・母さん・・・
妲己さんと桂花に無理やり着せられてるんですから。」
「まぁ、ご愁傷様といっておこうか・・・クックック。」
「・・・いいんですか?
私が何も知らないと思ってるんですか?」
「何のことだ?」
「妲己さんから貰って見ましたよ? ・・あの写真。
左慈君は随分と凛々しい少女姿でしたよねぇ?」
「貴様ぁ!! 今アレを持っているのか!?」
「今は手元に無いですけど、左慈君に会って何か言われたら
言われっぱなしって言うのも面白くありませんし。
・・・ちゃんと大事にしまってありますよ。」
「貴様・・・後でちゃんと始末しておけよ。
万が一 アレ が于吉の手にでも渡ろうものなら
貴様を八つ裂きにしてやるからな!」
「おぉ、こわいこわい。」


私は鉄扇で口元を隠し、
見下すような神経を逆なでする視線で左慈君を見ながらそうつぶやく。


「くっ・・・・!」
「まぁ、冗談はそこまでにしておきましょうか。
お互い様ということで。」
「・・・ちっ。 後でちゃんと処分しておけよ!」
「はいはい、所で左慈君は今日は何の用事なんですか?
顔合わせですか?」
「まぁ、そんなものだ。
お前が洛陽に来ると聞いてな、
一度顔合わせしておけと妲己様からの指示だ。」
「そうですか。」
「そういえば聞いたぞ?
お前もなかなか面白いことをやっているそうだな?」
「は? 何がですか?」
「なんでも許昌で農地改革をして太守の機嫌をとりつつ
荀彧を篭絡し、許昌で旗揚げの準備を着々と進めているそうじゃないか?」
「誰がそんな悪質な嘘を言ったんですか!?」
「ん? ちがうのか?
妲己様から届いた情報を俺なりに分析したのだが。」
「違います! そんなコトしませんよ。」
「なぜだ? 許昌で荀彧を軍師にして旗揚げして
曹操が力を付ける前に潰して取り込めば、
北郷一刀が魏か蜀を選んだ場合
黄巾以前に奴を抹殺できるから いい手ではないか?
魏に来たらそのまま抹殺すればいいし。」
「その何でもかんでも一刀くんを抹殺する方向に
考えるのは止めたほうがいいですよ。
そもそも、私は彼に関わるつもりはありませんし。」
「なぜだ!せっかくこの外史ならば
奴を抹殺しても影響は少ないし、その機会も腐るほどあるのに!」
「私の知ってる外史では左慈くんは失敗したんですから
諦めましょうよ。」
「それは別の端末の話だ、俺が失敗したわけではない。」
「そんなに嫌いなんですか?」
「お前も知っているだろう、俺が奴にどんな感情を抱いているか。」


左慈君がここまで北郷一刀くんを憎む理由は、
自分が外史の管理人として存在している以上
一刀君が外史に降り立ち何らかの終着を迎えるまで
何度も何度も繰り返すこの世界を 見続けなければならないからだ。

彼はその永遠とも言えるループから逃れるために
外史が存在する鍵たる一刀くんを抹殺し、
外史を終焉させ 自分が外史の管理人という役目から開放されることを望んでいる。


「まぁ、気持ちはわからないでも無いですが、
この外史では止めてくださいね。
そんなことになったら私の将来設計が台無しになるんですから。
嫌ですよ? 一刀くんがいなくなったから
戦乱が長期間続いて、結局 私が死ぬまで戦乱が続いたなんて。」
「っち・・・面白くない。
そんなに戦乱を終わらせたかったら お前が王にでもなればいいんだ。」
「私はそんな器じゃないし・・・そんな覚悟持てませんよ・・・
自分の指揮一つで何百何千何万人も死ぬなんて・・・」
「ふん・・・・まぁ、外の世界から来た
貴様ならそう思うのも無理からぬかもしれんが、
だが お前が指揮をしてもしなくても人は死ぬぞ?
それは覚えておくんだな。」
「・・・・私をいじめに来たんですか?」
「お前が不抜けているから活を入れてやったんだ。
そんなことでは黄巾以降生きていけんぞ。」
「・・・・私の指示一つで何万人も死ぬよりはいいですよ。」
「ふん・・・」


その後 注文した料理が来て、
左慈君も同じ物を注文し
二人で無言のまま食べた。


「・・・そうだ、思い出しました。」
「ん? なんだ?」
「左慈君に頼みがあったんですよ。」
「ほう、言ってみろ。
俺に出来る範囲なら手伝えと言われてる、
丁度 暇だったし頼みくらい聞いてやるぞ?
・・・で、誰を殺すんだ?」
「誰も殺しませんよ・・・ちょっと手に入れてほしいものがあるんですよ。」


そう言って左慈君に私の欲しい物を説明していく。


「ふむ、まぁ、手には入るだろう。
一つは今でも狼煙などに使われているからすぐに手に入るだろうが
もう一つは少し時間が掛かるかもしれんぞ。」
「そんなに急いでないので
とりあえず両方共小さい壺に入るくらいでいいので。
これを使って買ってきてください。」


私は左慈君に銀の詰まった小さい袋を渡す。


「分かった、だがそんなものなんに使うんだ?」
「将来的な護身用なんですけど
その二つとあと一つ組み合わせて加工すると・・・」


私は左慈君に頼んだ品物の使用用途を説明する。


「くっくっく・・・・なるほど。
貴様・・口では国盗りに興味ないとか抜かしておいて
この時代に こんな極悪な物を作ろうというのか。」
「護身用ですって、少量をうまく使えば
野盗がら逃げ出すくらいの時間稼ぎは簡単ですからね。
逆に向こうが逃げていってくれますよ。」
「よし、分かった。 すぐに手に入れてやるから俺にも作ってよこせ。」
「嫌ですよ、左慈君に渡したら一刀くんに使うでしょう?
言っておきますけど、左慈君が一刀くんに何かしたら
母さんに言いつけますよ。」
「っち・・面白くない。
まぁ、いい用意しておいてやる。
許昌のお前の家に届ければいいんだな?」
「えぇ、お願いします。」
「わかった・・・・おぉ、
そういえば俺もおまえに用があるんだった。
ホラ、受け取れ。」


そう言うと左慈くんは私の方に向かって
小石のようなものが入った小さい袋を投げてよこした。


「何ですかこれ?」
「俺が仕事をしていた時に襲ってきた馬鹿な野盗から巻き上げたものだ。
妲己様がそういう石が好きだからな。
お前と妲妃様で半分ずつ分けるといい。」


袋の中に入っていたのは様々な宝石や貴金属で
この袋の中の物を全部売ったら一財産になりそうな量だった。


「こ、こんなにいいんですか?」
「あぁ、別にいいぞ。
こんなの襲ってくる賊を始末すればいくらでも溜まるからな。」
(そうだった・・・左慈君は一見少年に見えるけど
その武力はこの世界でも最強の部類に入るんだった。)
「妲己様に直接渡すと全部自分のものにしそうだからな、
お前から妲己様に渡しておいてくれ、
そしたら半分は お前に分けてくれるだろう。」
「・・・否定出来ない。
分かった渡しておくよ。」
「あぁ、じゃあまたな。」
「えぇ、ありがとうね。
後、買い物の件よろしくね。」
「あぁ、任せておけ。」


こうして左慈くんはお菓子を食べた後代金を机の上に置いて
何処かへ行ってしまった。

私もお菓子を食べた後、
別の店の調査に向かうことにした。


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  1. 2012/09/17(月) 00:59:23|
  2. 真・恋姫†無双 変革する外史。
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

誤字を見つけたので報告

久ぶりって言う気はせんが
→久しぶりって言う気はせんが
  1. 2012/10/27(土) 09:04:48 |
  2. URL |
  3. へいほう #0DCaDBFQ
  4. [ 編集 ]

Re: 誤字を見つけたので報告

追加の誤字の指摘ありがとうございました。
修正しておきました。
  1. 2012/10/27(土) 16:17:04 |
  2. URL |
  3. たいち #/InZ6.Jo
  4. [ 編集 ]

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