たいちの仮設避難所

某小説投稿サイトの規約改定による 仮設の避難所です。

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十三話


許昌




警備隊のお兄さんから報奨金を受け取った後、
特にすることもないので
桂花と庭で許昌の警備状況や軍備、軍の運用方法などを
話していた。

桂花が襲われたあの事件や、警備隊の人に会ったという事で
その話題になったのだが
警備隊の人員を増やすだけでは
費用がかさんで都市の運営に支障が出るので
今の人員でも効率的に運用できないか?
見回りの経路を効率化したり
邑周辺の治安も今よりも確保できないか?
等の話をしていた。


「あんたの言う屯所だったっけ?
警備隊が何人か常に待機していて
犯罪が起きた時にすみやかに動けるようにっていうのは
もう少し練ればいい案になりそうだけど
初期費用がかかるわよね。」
「まぁ、この許昌じゃ難しいよね。
新しく作る村や これから程度発展していく村、
なんかだと屯所の用地確保も楽なんだけど
今住んでる人がいるのに
屯所作るからどっか行け、っていうのはちょっと難しいよね。
警備隊の再訓練もあるし、
あんまり屯所だけに任せておくと
そこから賄賂とかもらって犯罪者を見逃したり
有る特定の家だけを優遇するとかもありそうだし。」
「そうね、屯所を用意しつつも定期的に人員の配置転換をしたり
時折中央から各屯所を見回る体勢も必要よね。」
「でもそれやると警備隊の再編成や用地確保の資金やらで
大事になるよね。」
「まぁ、案として記憶に留めて置いて
将来、私が都市計画を立てるような立場になった時にでも
使えるようにゆっくり考えておこうかな。」
「頑張ってね。」
「なに言ってんのよ、あんたも一緒に考えるのよ。」
「え、なんで?」
「あんたが最初に言い出したんでしょ!」
「桂花が何か面白い警備案がないか?
って聞くから 言ってみただけじゃない。」
「とにかくあんたも一緒に考えるのよ!」
「・・・・ハァ。」


こんな感じで時間を余している私達は
お茶を飲みながらのんびりと会話を楽しんでいた。

と、そんな私達のところへ荀桂さんがやってきた。


「あなた達こんな所で何やってるの?
もうすぐお客さん達が来るわよ。」
「お客さんですか・・・?
何のために来るんですか?」
「はぁ・・・あんた何言ってんのよ。
前にお母様が話したでしょう。
今日の宴席には近所に住むウチの血縁者も来るって。」
「・・・まさか、昨日の私の歓迎の宴席の続きで
今日は外からもお客さんが来るってことですか?」
「そうよ。
むしろ今日が本場よ。」
「そこまでするようなことなんでしょうか?」
「喜媚ちゃんの感覚からすると
そう感じるのかもしれないけど
ウチの一族みたいな歴史があって、
何人も偉人と呼ばれるような人を輩出している家だと
世間体というものがあるのよ。
ましてや 今回は桂花の命を救ってくれたんだから・・・
受けた恩はそれ以上にして返すと言うことで
ウチの一族の力と徳を示すことが重要なの。
喜媚ちゃんはウチの一族の問題に巻き込む形になっちゃったけど
その分も含めて これからは喜媚ちゃんの力になれると思うわ。」
「友達を助けただけだから
そこまでしてもらわなくても私はいいんですけどね・・」
「まぁ、そういうものだと思って諦めてちょうだい♪
ほらほら、もうすぐお客さんが来るから
喜媚ちゃんも早く着替えて。」
「え? この服じゃダメなんですか?
結構いい服ですけど。」
「荀衍が催事の時に着る服で
もう少しいいのがあったからそれに着替えてちょうだい。
上着の猫耳は桂花とおそろいだからいいけど
中はもう少し良い服のほうがいいわ。」
「お母様、喜媚が着るなら
私の服のほうが寸法が合うんじゃないの?」
「荀衍の昔の服だから今の喜媚ちゃんにちょうどいいのよ。
さぁ、早い人はもうすぐ来るんだから
さっさと着替えてちょうだい!」


そう言うと荀桂さんは私と桂花の手を引っ張り
屋内に連れて行き、私達を着替えさせる。

私が着たことのないような立派な服で
着方がわからなかったので使用人の人に着せてもらい
最後に猫耳の上着を羽織り
応接間に連れて行かれる。

そこからは緊張のあまり 何があったのか記憶がおぼろげだが
次から次へと来る桂花の親族の人達に挨拶をし、
桂花を助けたことを感謝されたり、
色々 おみやげを貰ったり、
更に宴席の会場に来たら
いままで会ったことないような偉い人や
年上の人から私より年下の子供達を紹介され、
良かったらウチの嫁に来ないか? とか、
男だということを言ったら別の人から
ウチの婿に来ないか? とか
次から次へと話が広がったり話が変わったりで
何が何やらわからない状況になり
宴席が終わって、お湯で汗を流し
桂花の部屋の寝台に突っ伏した所で
ようやく私は落ち着くことが出来た。


「なんか・・・すごく精神的に疲れた・・・」
「・・・私も。」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・もう寝よっか?」
「・・・そうね。」


こうして ひたすら精神的に疲れた二日目は終わった。


翌朝、朝食後に荀衍さん荀諶ちゃんが私塾に出かける時、
荀桂さんが桂花に話しかける。


「・・・そろそろ桂花は塾に行けそう?」
「・・い、行けるわよ。」
「・・・ふ~ん。
あ、でも桂花は喜媚ちゃんの相手をしてもらわないと行けないから
今日は休みにしておきましょうか。」
「分かったわ。
そうね、喜媚が居る間は私が相手してやらないと駄目だからね!」


おそらく桂花も察しているだろうが、
荀桂さんは桂花が精神的に立ち直ってるのか図るために
わざわざ質問をしたのだろうが、
まだ、桂花が無理に強がっているだけなので
今日も休みにするようだ。

その後 庭で桂花と碁を打ったり話をしたりしていたのだが、
荀桂さんが来てはなしは中断となる。


「ちょっとイイかしら?
少し喜媚ちゃんにお話があるんだけど。」
「いいですよ、どんな話ですか?」
「喜媚ちゃんと二人っきりで話したいのよ。」
「・・・じゃあ、私は部屋にでも行ってるわ。」
「ごめんね桂花。」


そして桂花が屋敷の中に入るのを確認した後、
荀桂さんが話し始めたが、
その話の内容に私は驚くのだった。


「まず要件を言うけど、喜媚ちゃん 私塾に通ってみない?」
「・・・・は?
私が私塾ですか?」
「そう、桂花達が通ってる私塾なんだけど
私が紹介状を書くから通ってみない?」
「い、いや、それは無理でしょう!
私はただの農家の息子だし、学費だって払えませんし。
それに畑の仕事もありますし。」
「学費の事は心配しなくてもいいわ。
私の方で出すし、畑の方で人手が足りないなら
ウチから何人か出してもいいわ。」
「そこまでしてもらう訳には・・・」
「・・・コレは喜媚ちゃんに私塾で学んで学を付けて欲しいと言うのと
私塾で学んだことで泊を付けたり、人脈を作って欲しい。
と、いう本来の理由とは別の理由なのよ・・・・桂花のことよ。」
「桂花ですか・・」
「喜媚ちゃんも今朝の桂花を見てわかったかもしれないけど、
今の桂花をそのまま私塾に行かせてしまうと
ちゃんとやるべき事はやるだろうけど
それだけになってしまう。」
「・・・」
「もともと男が苦手だったあの娘に あんな事があって・・
このままだったらあの子の将来に遺恨を残してしまうわ。
・・・あの娘の才は 私が知る中でも最も優れている。
あの娘や娘達には決して言わないけど、
桂花は将来 歴史に名を残すような人物になるほどの才を持っているけど
このまま放っておいたら その才を自ら潰してしまうことにもなりかねないの。」
「・・・・・」
「これからあの娘は 必ず人の上に立って 人を使う立場になる。
その時に今回の件が原因で 男女間不和を煽る事になっては
桂花のためにも、その下につく者達にとっても良くないわ。」
「・・それで私が一緒に私塾に通うことでどうにかできると?」
「ええ、今現在 桂花が信用している人物の中で
男性は私の夫と喜媚ちゃんだけ。
夫は洛陽にいるから桂花をつれていくわけにもいかないし
仕事があるから桂花の面倒を見ている時間も
それほど多くは取れないでしょう。
本当なら私達が何とか出来ればいいんだけど、
私や姉の荀衍には 気の強い桂花は泣き言は言わないでしょうし、
妹の荀諶にも当然そんな事は言わないでしょう。
同年代で桂花が自分から真名を交わすほど信用していて
桂花の弱音を受け入れることができて、異性である喜媚ちゃん以上に
この件に最適な人物は居ないのよ。
・・・・後ついでに言うと喜媚ちゃんは
かわいいから桂花も男を連想しにくいし♪」
「最後のは余計ですよ・・・」
「それも結構重要なのよ?
喜媚ちゃんも知ってるでしょう?
今の桂花は男を見るだけでも緊張してしまうのよ?」
「・・・・・そうですね。」
「そういうわけで喜媚ちゃんには
迷惑をかけることになるかもしれないけど
できたら桂花と一緒に私塾に通って
桂花の男性不信をなんとか許容範囲に抑えられるように
付いてあげて欲しいのよ。」
「・・・・・少し、考えさせてもらっていいですか?
母さんにも相談しないと行けないし。」
「ええ、もちろんいいわよ。
あとついでに私の方からも喜媚ちゃんのお母さんに
一度会わせてほしいわ。
お礼も言いたいし。
喜媚ちゃんをウチに泊まらせて
迷惑を掛けた分のお詫びもしないといけないし。」
「まぁ、そういうことは母さんは気にしないと思いますが・・・」
「じゃあ、早速昼食を済ませたら
桂花も連れて喜媚ちゃんのお家におじゃましようかしら?」
「いきなり今日ですか?」
「えぇ、こういうことはなるべく早く済ませたほうがいいし。
兵は拙速を尊ぶ って言うしね♪」
「はぁ・・・・」


こうして この日の午後に桂花と荀桂さんを連れて
私の家に行き母さんに今回の事を話すことになったのだが・・・


「全然 良いわよ♪
行ってらっしゃいな。」


あっさりと了承を得られ
その場のノリでトントン拍子に話は進み
結局 私はしばらくはほぼ毎日、その後は畑仕事や他の研究もあるので
一日おき 二日おきと日を空けて
桂花の通う私塾に通うことになってしまった。

私が私塾に通うことになって
桂花はびっくりした後 嬉しそうな顔をしたが
その後 一瞬暗い表情になった。
荀桂さんが私を私塾に通わせることにした意図を悟ったのだろう。

しかしそれもつかの間、すぐに気を取り直して普段の表情に戻り
純粋に私と一緒に私塾に通えることを喜んでくれた。


その日は再び桂花の家に行き、
宴席最終日を桂花の家族達と楽しみ、
もはや当たり前のように桂花と一緒に眠ることになった。


「・・・なんか、あんたを巻き込んだみたいで悪かったわね。」
「ん? 何が?」
「私塾の話よ・・・昼にお母様があんたに話したんでしょ?」
「・・・まぁ、そこは黙秘権を行使ということで。」
「なによ、その もくひけん って?」
「自分に都合の悪いことは言わなくてもいいっていう権利のことだよ。」
「あんたにそんな権利ないわよ!」
「無かったとしても、荀桂さんが私だけに話したことだから
私が勝手に桂花に話したら荀桂さんの信用を裏切ることになるでしょ?」
「・・・っち、ああ言えば こう言う。
・・・・・・・私もわかってるんだけどね。
このままじゃいけないってことくらい・・・」
「・・・・・」
「・・でも、身体が言うことを聞かないのよ。
男を見るだけで・・・震えが来て。」
「・・・しばらくは 私が一緒についてるから
ゆっくり慣れていけばいいよ。」
「・・・・そうね・・・これからは
あんたも一緒に私塾に通うんだしね・・・」
「そうそう、大丈夫だよ。
まだあれから何日かしかたってないのに
桂花は普通に町中に出ることもできるし
買い物だって出来たでしょう?
時間が経てば震えなくなるし、
普通に男の人とだって話したりできるようになるよ。」
「・・・別に 他の男と話す必要なんて無いんだけどね。」
「そうも行かないでしょう?
桂花は将来大きくなったら偉くなって
この国を何とかしたいんでしょ?
その為には上司や部下に男の人が居ることだって
有るんだから普通に話したり
愛想振り撒いたりくらいはできるようにならないと。」
「・・・全く面倒な事ね。
本当、男なんて皆死ねばいいのに。」
「・・・・そしたら私も死んじゃうよ。」
「あんたは半分女みたいなもんでしょ。」
「全部が全部男だよ!」
「はいはい、そういうことにしておいてあげるわ。」
「・・・・・・」
「・・・ほら、もう寝るわよ。」
「・・・・うん。」


こうして桂花を救ったことによって開催された私の宴席は終わり、
明日からは少し変わりはしたが
いつもの穏やかな日常が始まる。


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  1. 2012/09/16(日) 13:06:52|
  2. 真・恋姫†無双 変革する外史。
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

誤字の報告です

男だということを行ったら
→男だということを言ったら
  1. 2012/10/11(木) 22:19:14 |
  2. URL |
  3. へいほう #0DCaDBFQ
  4. [ 編集 ]

誤字の指摘ありがとうございました。
修正しておきました。
  1. 2012/10/12(金) 21:22:53 |
  2. URL |
  3. たいち #/InZ6.Jo
  4. [ 編集 ]

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