たいちの仮設避難所

某小説投稿サイトの規約改定による 仮設の避難所です。

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十一話


許昌




昨日は ほんとうに色々なことがあり、
私の人生の中で最も波乱に満ちた一日だったが
こうして私も荀彧ちゃん・・・桂花も無事に朝日を迎えることが出来た。

寝ている間にどうやら私は桂花を抱きしめていた手を解いたようで
桂花が私の胸に顔を埋めるようにしがみついている。

しばらくはそのまま桂花の好きなようにさせ、
私は眠っている桂花の髪を撫でたり
しびれてきた腕を桂花が起きないように動かしたりしながら
布団と桂花の温もりを堪能していたら
桂花が起きたようで 私の服から手を離し
布団の中から桂花の顔が出てきた。


「おはよう桂花。」
「・・・んぁ・・・おはよ。
・・・・・・・・っはぁ!?」
「どうしたの?」
「な、な、なんであんたが・・・・・・あぁ、そっか・・・
き、昨日は 一緒に寝たんだったわね。」
「・・・あはは。」
「・・・は はは。」 

流石に昨日の今日ではお互い恥ずかしさが先に立ち、
二人で揃って乾いた笑いを浮かべていた。

そんな時 不意に桂花が真面目な顔になり私に尋ねてきた。


「そういえば私は あんたに真名を預けた訳だけど、
あんたの真名ってなんて言うのよ?
まさか、私の真名は預かっておいて
自分のは駄目とかぬかさないでしょうね。」
「そんなことは言わないけど、
だけど私は少し事情があるんだよ。」
「何よ事情って。」


そうして私は自分の真名がないことを桂花に伝える。

自分が本当は今の母さんの子供ではなく
孤児であり、本当の両親がつけてくれたであろう
真名を私は覚えてなく、
勝手に名乗ってもいいのだが、
本当の両親を尊重し、真名を名乗ってないことを。


「そう・・・そういう事情ならしかたがないわね。
でも あんたは私に真名を預ける気はあるのね!?」
「そ、それはもちろん。」
「じゃあいいわ、これからあんたの名前を呼ぶ時は
真名を呼ぶつもりで呼ぶから。」
「・・・いいの?」
「いいのよ。
大体 数年来の付き合いがあって
み、操や命の恩人のあんたに真名を預けなかったら
私はこの先一体 誰に真名を預けんのよ。」
「・・・ははは。」


こうして私は荀彧ちゃん もとい、桂花と真名を交わし、
今までの友人とはまた違った関係を築きあげていくことになった。


二人で庭の井戸に行き、顔を洗い身だしなみを整えていると
使用人の人から食事がもうすぐできる旨を伝えられたので、
私達は食堂に行くと、
既に荀桂さん達は食堂に揃っていて お茶を飲んでいた。


「あら、二人共おはよう。
昨日はよく眠れた?」
「おはよう。」
「おはようございます。
お陰様で昨日はよく眠れました。」
「そう・・・なら良かったわ。
もうすぐ朝食だから二人共座りなさい。」


荀桂さんの勧めに従って開いている席に座ると
使用人の人からお茶を注がれる。

この世界に来て初めての外泊なので
少々居心地が悪いが とりあえずお茶を飲んで
気を落ち着けることにする。

私も桂花も特に話すことはなく、
荀衍さんは本を読んでいるし、荀諶ちゃんは眠そうに
机に突っ伏している。
そんな中、荀桂さんは私の方を見ながらニコニコ笑っているので
何かおかしい所でもあるのか心配になり、
寝ぐせや目やにが付いてないか確認する。


「お母様は何 喜媚を見てニヤニヤしてるのよ。」
「ん? 別に~・・・ただ桂花が初めて男の人と閨を共にしたから
その相手はどんな子なのかな~と思って。」

「「ぶふぅっ!」」


私と桂花は飲んでいたお茶を吹き出した。



「んきゃ! な、なに!? 雨っ!?」
「・・・汚いわね、本が濡れるじゃない。」
「す、すいません。」
「お、お母様! 何を言ってんのよ!!」
「別に事実をありのままに言っただけじゃない。
一緒に寝たんだから、閨を共にしたというのは事実でしょう?」
「紛らわしい言い方はやめなさいよ!!
別に私と喜媚はただ一緒に寝ただけで、それ以上もそれ以下もないわよ!」
「あらそうなの?
少しくらい何かあるのかと思ってたのに。」
「何もありません! ただ少し話してそのまま寝ただけよ!」
「閨房の語らいってやつ?」
「お母様!!」
「はいはい、わかったわよ。
ちょっとからかっただけじゃない。」
「・・・・全く、喜媚もお母様に余計なことを言うんじゃないわよ。
どうせ、それをネタにからかってくるだけなんだから。」
「うん、わかったよ桂花。」
「・・・・おやおや~♪」
「・・・な、何よ?」
「いつの間に喜媚ちゃんは桂花の真名を呼ぶようになったのかなぁ?」
「うっ・・べ、別にいいでしょ!
命の恩人なんだから真名くらい預けたって!」
「本当にそれだけ? 」
「くっ・・もうその事はほっといてよ!
私と喜媚の問題なんだから!」
「たしかにそうなんだけど、少し気になるのよね。
何で喜媚ちゃんは桂花の真名を呼ぶのに
桂花は喜媚ちゃんの真名を呼ばないのよ?」
「それは少し事情があるのよ・・」
「あ、私が説明しますよ、実は・・・」


そうして私は昨日桂花にした真名が無い理由と
桂花はそれを納得した上で真名を預けた事を皆に話す。


「ふ~ん、そういうことだったの。
だったらしょうがないわね。
なら桂花も今後は喜媚ちゃんの名前を呼ぶときは
ちゃんと真名を呼ぶつもりで、
誇りと魂を懸けて呼ぶのよ。」
「わかってるわよ。」
「喜媚ちゃん これからも桂花のことお願いね。」
「はい。
コチラこそよろしくお願いします。」
「・・・じゃあ、そろそろ食事が用意できたみたいだから
朝食にしましょうか。」


次々と朝食が机の上に並べられ、
朝食が出揃った所で 皆で食事を食べる事にした。

食後にお茶を飲みながら桂花の昔話や
普段 皆がどんな生活を送っているか等を話していると
荀衍さんや荀諶ちゃんが私塾に行く時間になったようなので
二人は一緒に私塾に行ったが、
桂花はしばらく休みを取るようで
そのまま私と家に残っていた。

しばらく庭で桂花とゆっくり過ごしていると
荀桂さんが来た。


「二人ともココにいたのね。」
「お母様?」
「荀桂さん、なにか御用ですか?」
「喜媚ちゃんの服なんだけど、
洗ってはみたけど汚れが落ちなくてね。
そこで、私の方で何着か送らせてもらおうと思うんだけど
これから一緒に買いに行かない?」
「服ですか・・・別に汚れが落ちないなら
今借りている服を貸してもらえば家まで取りに行きますから
わざわざ買っていただかなくてもいいですけど?」
「そういうわけにも行かないわ。
桂花を助けるために汚れたのだから、
代わりの服を用意させてもらうくらいはさせてもらわないと。」
「・・そうですか。
じゃあお言葉に甘えさせて頂きます。」
「えぇ、じゃあ早速で悪いけど行きましょうか?
寸法が合わなかったら 仕立て直してもらわないといけないから。」
「はい。 桂花はどうする?」
「わたしもついていくわよ。」


こうして私達は町の服屋に向かったのだが、
やはりまだ桂花は男の人が怖いようで、
周りを気にするように歩きながら
私の手を握りしめ、服屋まで歩いて行く。


「さぁ、着いたわよ喜媚ちゃん。
好きな服を選んでちょうだい。
何着でもいいわよ。」
「そんなにたくさんは要りませんが
・・とりあえず汚れた服の代わりだけを・・・」
「じゃあ、お母様 私も少し見てくるわ。」


そう言って桂花は服の品定めを始める。
桂花は元々 普通に女の子らしいおしゃれな服を着ていたのだが
先日の一件以来 なるべく肌の露出を避けるような服を着ている。
彼女の家には冬物以外では あまりそういった服はないので
多分 肌の露出を控えた服を探しているのだろう。

私の方も 服を探すが、
今回 荀桂さんから提案されたこの機会を逃すのはもったいない。

私の服は基本的に母さんが どこからかかってくるのだが
全て女に見えても可笑しくない様な服ばかりなのだ。
流石に女物の服や、裙子(スカート)を持ってきた時は
断固として反対したのだが、
それ以外に着るものがないので しょうがなく着ている状況だ。

この機会を生かして、男物の服を手に入れようと思った
私は男物の服がある場所に行き、よさそうな服を探す。

しばらく服を見ていて丁度いい裤(ズボン)を見つけた。
膝の少し下まで裾があり、少しゆったりとして
膝を曲げたりするのにじゃまにならず
足首が出ているので激しく動いた時に
気にしなくてよさそうだ。

まずはこの裤(ズボン)を選び、次は上に着るものと
上着を探そうとした時に
桂花が目の前に現れ、
私に黒い上着を差し出す。


「あんたちょっとコレ着てみなさいよ。」
「これ? 黒い上着? 
あ、頭巾が一緒に縫いこんであるなんて珍しいね。」


桂花に渡された上着を着て頭巾の部分を頭にかぶってみるが
伸ばしている後ろ髪が邪魔なので左右に分けて
肩から前に出し頭巾をかぶってみる。

少し寸法が大きいようでぶかぶかだが
コレはコレでいいかもしれない。
前の世界でSWの某暗黒面の皇帝みたいなローブに憧れた時期があったので
この頭巾は面白いなと思い、
備え付けられている鏡を見てみると・・・
私がかぶっている頭巾には・・・1対の 猫耳 が生えていた。


「なっ! さ、流石にコレはないな・・・」
「どう、ちょっと見せてみなさい。」
「・・え?」


背後から桂花に呼ばれたので
振り返ってみると桂花の方は
知ってる人にはもうおなじみの 水色の上着に黄色の猫耳頭巾という
格好で立っていた。
中に来ている服や裤(ズボン)こそ違うが
私が初めて桂花に会った時に この格好だったら
間違いなく桂花だと判断しただろう。


「へ~、あんた黒髪だからどうかと思ったけど
案外似合うわね・・・じゃあ上着はそれでいいわね。
同じ上着を予備に何着か作るとして、
中の服は少し明るい色のほうがいいわね。」
「ちょ、待って桂花、私はこの上着は止めておこうかと思うんだけど。」
「・・・何でよ?」
「いや・・・男なのにこの猫の耳みたいなのはちょっとどうかなと・・・」
「いいじゃない、あんたに似合ってて。」
「そもそも、似合ってるのが問題なのであって・・・ね?」
「似合うなら何も問題ないじゃない。」
「・・・っく。
その、もう少し男らしい服がいいかな~って。」
「はぁ? あんたに男らしい服なんて似合うわけ無いじゃない。」


桂花はどうやらこの件では折れるつもりが全くないようで
この後も何度か問答を繰り返したが
すべてが無駄に終わった。

その桂花の後ろで荀桂さんが立っていたので
何とかしてもらおうと 彼女の方を見てみたら、
申し訳なさそうに両手を合わせて
片目をつむって、声を出さずに唇だけで 『ごめんね♪』
と言っているのがなんとなく理解できてしまった。

だが、流石に男物服を手に入れるいい機会なのに
コレを不意にするわけにも行かない。
桂花としばらく問答をしていると、
荀桂さんに肩を叩かれ、私だけ店の隅に連れて行かれる。


「悪いんだけど喜媚ちゃん、桂花のお願いを聞いてあげてくれない?」
「しかし、流石に女物の服は・・・
母さんに何回言っても、男物とも女物取れる
微妙な服ばっかり買ってくるので
私としても いい機会なので、男物の服がほしいんですが。」
「・・・桂花も単純に喜媚ちゃんと
おそろいの服がいい っていうのもあると思うけど、
昨日の事を引きずってるのよ・・
今ココで喜媚ちゃんが男の子の服を着て
男の子の格好をしてるのを見ると
無意識でも自分が喜媚ちゃんを
警戒しちゃうかもしれないと思ってるのよ。」
「・・・」
「だから暫くの間だけでいいから
桂花のお願いを聞いてあげてくれない?」
「・・・はぁ、本当にしばらくですよ。
桂花が落ち着くまでの間ですよ?」
「えぇ、その後は改めて私が喜媚ちゃんの服を用意させてもらうわ。」


結局、私が折れる形で
猫耳頭巾付きの黒い上着を予備とあわせて何着か買うことになり
それ以外には最初に私が選んだ裤(ズボン)と
その後に桂花が選んだ服が数着、
これらの服を買うことになり、
桂花はこのまま着て帰るということで
それに私も付き合う形になり 服屋を後にした。


「うんうん、二人共可愛いわよ♪」
「そう。」
「・・・褒め言葉になってません。」
「喜媚ちゃんもそんなに拗ねないで。
この後 もう一軒鍛冶屋に寄りたいんだけどいいかしら?」
「いいけど 鍛冶屋なんかに何の用なのお母様。」
「喜媚ちゃんの鉄扇がね。
汚れを落として返そうかと思ったんだけど
どうも無理な使い方したらしくて
少し軸がずれてるのよ。」
「あ・・・」
「・・・」


鉄扇の話を聞いて、私はアレを使った時の事を思い出す。
その時に 桂花がそっと私の手を握ってくれて
私は少し落ち着くことが出来た。


「・・・・で、お母様それは直るの?」
「えぇ、私が昔 武官をやってた頃から
お世話になってる鍛冶屋があるんだけど
腕はいいから そこに持っていけば直してくれるはずよ。」
「そう、ならお母様、早速行きましょう。」
「じゃあ、こっちだから二人共付いてきて。」


そのまま桂花と手を繋いで私達は鍛冶屋に向かう。
鍛冶屋に近づくと空に向かって登っていく煙や
鉄を打つ音、更にはその周辺だけ少し温度が上がったような感じがした。


「おじさん、おじゃまするわよ。」
「あぁ? ・・おぉ、荀桂様じゃね~か!
久しぶりだなぁ。」
「ココに来るものひさしぶりね。」
「まぁ、引退した荀桂様にはこんな暑苦しいとことこ
用事はね~から しょうがねーぜ。
で? わざわざウチまで来たのは
そこの娘さん達を紹介するためか?」
「ウチの娘を紹介するのはいいんだけど、今日は別件よ。
コレを見て欲しいのよ。」


荀桂さんはそう言うと持っていた布に包まれた私の鉄扇を
鍛冶屋のおじさんに渡す。


「どれどれ・・・・へぇ、なかなかの業物じゃねーか。
良い鉄使ってるぜ・・・ん?
鉄の針・・・にしちゃぁ太いな。 暗器か? 
ふむ・・・少し要が歪んでんな。
無茶な使い方でもしたのか?」
「えぇ、ちょっとあってね。
私が使ってるものじゃないんだけど
今日はそれを直してもらおうと思って。」
「へ~ 荀桂様の獲物にしちゃぁ小さすぎるしな。
で、誰が使ってんだ?
そこの嬢ちゃん達か?」
「そう、こっちのかわいい黒猫ちゃんの方よ♪」
「あの・・・その呼び方は止めてくれませんか?」
「ごめんなさい♪」
「黒い方の嬢ちゃんか。」
「あ、私 胡喜媚と言います。
皆は喜媚と呼ぶのでそれでお願いします。
あと、私はコレでも男です。」
「ん、そうか。 じゃあ坊主、ちょっとこっち来てみろ。」
「・・・はぁ?」


鍛冶屋のおじさんは
あまり細かいことは気にしない性格のようだ。
呼ばれたのでそのままおじさんの元に行くと、
私の腕を触ったり、糸を使って私の腕の長さや
身長を測り、その後いきなり
私を持ち上げ そのまま手を離す。


「ふ~ん、坊主ちゃんと飯食ってるか?
飯食わね~と でっかくなれねーぞ。」
「一応 人並みには食べてるんですが・・・」
「まぁ、いいや。
直すだけなら1日もあれば直せるけど
この鉄扇、坊主に合ってねーぜ。」
「そうなの?」
「あぁ、武器として使うなら もう少し長い物のほうがいい。
それにもう少し鉄を厚くして重くしたほうがいいな。
坊主の力じゃこの重さだと急所でも狙わねーと
仕留め損なう可能性があるぜ。」
「その鉄扇、何年も前にもらったやつですから、
私の身体が成長して合わなくなったんですかね?」
「そうだろうな。
まぁ、直すだけなら1日。
鉄の針も何本か使ったみたいだからそれを補充するとして、
坊主に合わせていじるなら・・・荀桂様の紹介だ、
3日でいいぜ。」
「あの、だったら私がもう少し成長することを見越して
少し大きめには出来ませんか?」
「坊主、武器として使うなら 今の坊主に一番合うようにしねぇと駄目だ。
大きめに作って使いこなせずに殺られましたじゃ
話にもならねーぜ?」
「・・分かりました。」
「じゃあ、おじさん お願いするわ。
代金は私が出すから。」
「おう、じゃあ3日以降に取りに来てくれ。」
「お願いします。」
「お願いね。 じゃあ行きましょうか。」


そう言うと要件だけさっさと済ませて
桂花の紹介もせずに荀桂さんは帰ろうとしてしまう。


「桂花の紹介とかはいいんですか?」
「いいのよ、あのおじさんは細かいこと気にしないし、
さっきので桂花の顔は覚えたから
今度 桂花が一人で来たとしても
ちゃんと覚えてるわよ。」
「そういうものですか・・・」
「まぁ、あんな暑苦しい男に名前を名乗らずに済んでよかったわ。」


桂花は強気な発言をしているが
さっきの鍛冶場では、私の手を強く握っていたので
緊張していたんだろう。

こうして 私の新しい服と、
桂花の新しい服・・・原作の上着と猫耳フードを手に入れ
私達は一旦 桂花の家に帰ることになった。


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  1. 2012/09/16(日) 13:04:43|
  2. 真・恋姫†無双 変革する外史。
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  4. | コメント:0
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