たいちの仮設避難所

某小説投稿サイトの規約改定による 仮設の避難所です。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

八話


許昌




荀彧ちゃんの母親である荀桂さんとの対談後、
私は時間を作っては荀彧ちゃんの家に通いながら
荀彧ちゃんと一緒に私の家の畑で行なっている
農法について話をしている。

話自体は1週間とかからずに終わったのだが
その後 荀桂さんが文官の人達と話をしながら
分からない箇所を 私と荀彧ちゃんで補足していく作業が続いた。


その後 数年かかりで許昌の作物の収穫率は
少しづつ上がっていき、
最初に話をした時の荀桂さんからもらった礼金や恩賞、
更に効果が出たということで数年後に
太守様から荀彧ちゃんに恩賞が出て
その中から礼金は私が貰うことになった。


さて話は戻り、
荀彧ちゃんの家で農法についての話をしたのだが、
荀桂さんが許昌の文官の人に話す時に
必要な理科の事前知識がないためうまく伝わらず、
結局 荀彧ちゃんが参加し
わからない箇所を補足して
ようやく最低限必要な知識を理解してもらえたようだ。

こうして農法についての話は終わったのだが、
私はこれ以降も 荀彧ちゃんの友人として
度々 荀彧ちゃんの家におじゃまをするようになった。


さて、農法についての件から数週間後、
その日 荀彧ちゃんはすごく不機嫌で
私の畑に現れるなり、丸太の椅子に座り込み
ブツブツと呪詛をまき散らしたかと思ったら
急に立ち上がり 堆肥に空気を含ませる作業をしていた
私の(鍛冶屋で作ってもらった)ピッチフォークを奪い取り
うっぷんを晴らすかのように
むちゃくちゃに堆肥をかき回しまくり
その際に出た匂いで咽て
また椅子に座り込んではブツブツと言っている。


「どうしたの荀彧ちゃん?
なにかあったの?」
「・・・・何かあったも何もないわよ!
少し前にわかったんだけど
お父様が 私がまだ小さい時に
勝手に婚約の約束をしてたらしいんだけど、
その相手の情報が ついさっきわかったのよ!」
「へ~、荀彧ちゃん結婚するんだ。」
「しないわよ!!
・・・いや、将来はするかもしれないけど、
少なくとも今回の相手とは絶対しないわ。
するくらいなら その辺の雌犬と結婚したほうがマシよ。」
(犬だとしても雌なんだ・・・)
「なに? そんなに酷い相手なの?」
「・・・酷いなんてもんじゃないわよ。
宦官の血縁者からもらった養子らしいんだけど
コレがまた・・・父親の威を借りて好き放題してるらしいし
学問も親が無理やりやらせてるから
向学心もないし 出来も悪いらしいわ。
その上 食道楽のせいで同年代の子供の
倍は体重がある肥満児だそうよ・・・」
「・・・その情報はどこから来たの?」
「お父様よ! ・・実は私が十歳くらいになったら
一度会わせようという話が少し前からあったらしいけど
相手は洛陽にいるし、お父様も当時は
私の婚姻に乗り気だったらしいけど
相手の事を調べていく内に
流石に酷いと思ったらしいわよ。
 全 く いい迷惑よ!」

「なんか・・・それは大変だね。」
「何 人事みたいに言ってるのよ・・」
「いや、流石に荀彧ちゃんの結婚話に私は関係無いでしょう?」
「あんたねぇ! ・・・・くっ、まぁ、いいわ。
どっちにしても私は断るつもりだし、
お父様も嫌だったら断ってもいいって
書簡に書いてきてたから断るつもりよ。」
「そんな簡単に断ってもいいの?」

「いいのよ!
そもそも最初はお父様が宦官と縁故を結びたいのと
私の将来を考えて宦官の息子だったら
人脈として使えそうだからというのが理由だったらしいけど、
この間 お母様や許昌の文官達に農法の話をしたの覚えてる?」
「あぁ、覚えてるけど?」
「アレのお陰で 私はこの年で許昌の太守様に名を覚えて頂けたし、
これから許昌の収穫が増えていけば
同時に私の名声も高まって、
許昌の文官達にも私の名が知られていくことになるわ。
それに洛陽の人脈はお父様が持っているのでも
十分だから 私が宦官の息子に嫁がなくても
大して困らないのよ。」
「なんか結婚の話にしては殺伐としてるというか・・
夢も希望もないね~。」
「まぁ、あんたにはあんまり関係ないかもしれないけど、
ウチのように 昔から続いている家だと
色々とあるのよ・・・
別に 会ったこともないような人間と
結婚だって珍しい話ではないけど、
私は男とうまく生活していく自信が 全くないわ!」
「そこは威張って言うようなことじゃないでしょうに・・」
「仕方ないじゃない、
いきなり裙子(スカート)をめくってくるような変態だし、
訳の分からない嫌がらせもしてくるし、汗臭いし、
平気で虫や蜥蜴を触るし、この間だって・・・」
「分かった、もう十分 分かったから・・・」
「むぅ・・・とにかくアイツらはわけわかんない生き物なのよ。」
(荀彧ちゃんの男嫌いにも困ったものだな・・・
だけどいまの段階だと、元からの苦手意識に合わせて
私塾でちょっかいかけられてることが原因なんだから、、
その辺はもう少し成長すれば改善されると思うんだけどな~)


結局、この日荀彧ちゃんは荒れに荒れたが、
しばらくしたら婚約を破棄してもらえたようで、
その報告が届いた時には
我が世の春か訪れたかのように喜んでいた。


こうして この年も過ぎていき、
許昌では 新しい農法を試験的に試した畑で
多少の誤差はあるが全体的に収穫率が上がっており、
来年からは新しい農法を更に広め、
数年がかりで許昌全ての畑で採用できるようにするそうだ。

コレに合わせて 副次的効果として、
人糞肥料の使用を控えたことで
病気になる人も少し減ったそうだ。


私の生活の方も昔とは代わり、
武術の稽古の方で 基礎はもちろんやるのだが、
模擬戦の時間が増えていき、
母さんの言う話だと
今の私ならば何も武術を納めていない
大人ならば まず負けることは無いそうだ。

十一歳で大人と喧嘩して勝てるのだから
昔の私の常識から考えたら
かなり強くなったのだろう。


畑や養蜂、お酒作りの方はと言うと、
皆の協力のお陰で
畑や養蜂は まぁまぁの成果を上げ、
毎年黒字を上げている。
養蜂は蜂が巣箱に住んでくれるかどうかという点で
運の要素がまだ高いので、
改善の余地がまだある思う。
お酒造りの方は、簡単な所謂どぶろくならば
だいぶ安定して作れるようになりはしたが
なにぶん、私は子供の舌のせいで味見が出来ないので
味は母さんだよりだが、
普通に飲める程度にはできているそうだ。
母さんは早く日本酒を飲みたいと言っていたが
何年かかるかわからないので気長に待つようように言っておいた。

それに ろ過器の方だが、
使う布や炭や小石などを工夫して
だいぶ透明感のある水が取れるようになり、
飲んでみても普通に飲めるし、
一度 井戸水を通してみたら
若干土臭さが取れたような気がするので、
もう少し改良したらウチの生活用水にも使ってみようと思う。


あと、お酒作りの経験を生かして、
味噌や醤油の作成にも着手してみた。
米麹の作り方で何度か失敗してしまったが
なんとか仕込みは終わり、後は発酵熟成を待ち
加熱殺菌をすれば醤油は味見できるし、
味噌の方も熟成を待つのみだ。

こうして我が家の食生活が充実するにつれ
私が台所に立つ時間も増えていき、
母さんに料理を教わる時間も増えていった。

ただ問題なのは、私が料理を覚えたのはいいのだが、
その分 母さんが家事をサボり出したのが問題ではある。
養ってもらってるから家事をするのはいいのだが
この世界に来た当初の印象が残っているので
私には だらけているようにしか見えない。
今も漬物をつまみにお酒飲んでるし・・・・


それ以外では、
荀彧ちゃんが 私を町中に連れ出すことが多くなった。
彼女が言うには 私はこの許昌の事をよくわかっていないそうだ。
時々荀彧ちゃんと内政についての議論をさせられることがあるのだが
私がこの街の現状について何もわかっていないので
案を出しても現実にそぐわないために使えず、
更に 現在運用している許昌の組織構造も私は全く知らない。
荀彧ちゃんが言うには
このままでは せっかくの知恵がもったいないそうだ。

その為、私を引っ張りだしては街の中を歩きまわり
時には商店に入って話を聞いたりして
世間のことを学ぶべき、
・・・だと言うことらしい。

いいとこのお嬢様の荀彧ちゃんに 世間知らずだと言われた私は
今までどれだけ狭い世界で生きていたのだろうか?

・・・・よく考えてみると、
家の周辺と よく行く市場、後は畑くらいしか行動範囲がないことに気がついた。

そうして荀彧ちゃんと町中を歩いていると
必然的に 荀彧ちゃんの知り合いと会うのだが
好意的な人もいればそうでない人も居る。
その 好意的でない(?)筆頭が
今、私達の後ろにいる男の子達だ。


その日、私は荀彧ちゃんと市場を歩いていて、
先導する荀彧ちゃんに私がついていく形なのだが
いきなり 私の横を男の子が数人走り抜けていったと思ったら、
荀彧ちゃんの裙子(スカート)をめくり上げ、
彼女の少し大人びた感じの白い下着が目の前に晒された。


「やった~!」 「やったぜ!」 「すげ~!」
「・・っ!? 何すんのよアンタ達!!」
「荀彧の内褲(パンツ)は今日は白だぜ~!」
「・・・・殺す!
待ちなさい! アンタ達!!」
「「「逃げろ~!!」」」
「・・・・何だったんだ?」


荀彧ちゃんの裙子(スカート)をめくり上げた男の子達を
追っかけまわす荀彧ちゃん。
私もしばらくその後を追っかけていったが
逃げられてしまったようで
荀彧ちゃんが息を切らして悔しそうに地団駄を踏んでいた。


「あ~もう! ホントむかつくわね あいつら!!」
「・・・あ~、いつもあんな感じなの?」
「そうよ! アイツら私だけじゃなく
私塾の他の何人かにも同じようなことばっかしてんのよ!」
「なんと言うか・・・(おもいっきり子供のいたずらだな。)」
「あいつら明日塾で会ったら覚えてなさいよ!
・・・・・・そういえば、喜媚。
あんた・・・見た?」


荀彧ちゃんは一通り怒った後
急に何かを思い出したように恥ずかしそうに顔を赤く染めた後、
私の方に来て小声で訪ねてきた。


「あ~・・・・えっと。
・・・白?」
「あんた! ・・・・っく!!
・・・あいつら明日必ず殺すわ。」


一瞬 荀彧ちゃんは羞恥と怒りで真っ赤になって
私をひっぱたこうとするが
途中で思いとどまり、振り上げた手を下げた後に
力強く拳を握りしめながら物騒な一言をつぶやき、
家の方に歩いて行った。

この後 私も荀彧ちゃんの家までついていき、
家に帰ったのだが、その後 あの男の子たちがどうなったのかは知らない。

ただ、翌日畑に来た荀彧ちゃんは 満面の笑みを浮かべていた。


荀彧ちゃんとの散歩というか、
町の視察は何日かおきにしているのだが、
その日、荀彧ちゃんが通っている私塾の方に行くということで、
私は普段荀彧ちゃんが どんな塾に通ってるのか気になってはいたので
見に行こうと言う話になり、
私塾の前を通った時に 予想外の人物に出会うことになる。


「ココが私が通っている私塾よ。」
「へ~・・私塾って言っても小さい看板が出てるだけで
後は少し大きい普通の家みたいだね。」
「あたりまえじゃない。
昔 文官をやっていた先生が引退して
個人で開いているだけなんだから。
なに? どんな感じだと思ってたの?」
「いや、もっと大きい建物で
もっと騒がしい感じなのかなと・・・」
「そんなわけないでしょう。
私達は学問を習いに来てるんだから
騒いでいたら普通に怒られるわよ。
・・・それでも騒ぐのは小さい子供か
あのバカ共だけよ。」
「そういうもんなんだ。」


私の印象だと、どうしても小学校や中学校のようなものを
想像してしまうが、やはりそんなものではなく
どちらかと言うと、本当に個人でやっている
塾のような感じであることがわかった。

そうして 私が建物を眺めていると、
荀彧ちゃんが知り合いを見つけたのか
一人の女の子に話しかけている。


「あら、今帰りなの郭嘉(かくか)。」
「えぇ、荀彧さんはどうしたんですか?
一旦帰ったと思いましたが、何か忘れ物でもしたんですか?」
「違うわよ、私の・・・し、知り合いに
私が通っている塾を紹介していたのよ。
ちょうどいいから、紹介しておくわ。
この子よ・・・・って喜媚なんて顔してるのよ。」
「え、だって・・・この子。」


そりゃ、驚きもするだろう。
荀彧ちゃんの私塾に来たら いきなり将来の魏の軍師である
郭嘉さんを紹介されたのだから。


「初めまして、郭嘉ともうします。
・・・ん? 以前 どこかで会ったこと有りましたか?」
「い、いいえ! 初めてです! 初見ですよ!
初めまして、胡喜媚と言います!
喜媚と呼んでくれて構いませんので!」
「・・・喜媚、あんた様子がおかしいわよ?」
「おかしくないよ!
ちょっといきなり紹介されたからびっくりしただけ!」
「・・そう?」
「胡喜媚と言うと封神演義の妖怪として有名ですが、
変わった名前ですね?」
「ウチの親が少し変わり者でして・・・」
「・・・郭嘉、一応言っておくけど、
この子こう見えても男だからね。」
「・・・・はぁ?」


荀彧ちゃんが私が男だということを郭嘉さんに言うと
驚いた顔をした郭嘉さんの眼鏡がずり落ちて
ちょっと面白い顔になっている。


「こ、コホン。 あの、荀彧さん。
いくらなんでも冗談にしては 選ぶ相手が悪いですよ?
どうせそんな冗談を言うなら
もう少し男の子っぽい子で言ったほうがいいですよ?」
「・・・私も最初は疑ったんだけど
こいつは本当に男なのよ。」
「・・・・本気ですか?」
「本気もなにも 事実なんだからしょうがないじゃない。
い、一応 私は子供の頃の喜媚の裸見たことあるし・・・」


荀彧ちゃんの言う 私の裸は 別に私が望んで見せたものではない。
たまたま、訓練後に水浴びをして
着替えている所に荀彧ちゃんが現れただけだ。


「あの・・・なんかすいません。
親の歪んだ教育方針でこんなんですけど
一応れっきとした男なので。
別に女装癖があるとか 同性愛者とかそういうのじゃありませんから。」
「・・・・・・・・・・よ、世の中には、
まだまだ 私の知らないことがたくさんあるんですね・・・」
「だから あんたも部屋に篭って本ばっか読んでないで
少しは表に出たほうがいいのよ。」
「流石に今回の喜媚さんのことと その話は関係無いでしょう?
外に出て得る経験も否定はしませんが
土台となる知識がしっかりしていない限り
経験を完全に活かすことなどできないのですから
まずは知識をしっかりと得ることが重要です。」
「・・・まぁ その話は長くなるから今はいいわ。
私達は町の視察のついでに ここによっただけだからもう行くけど、
・・・あんたついてくる?」
「いいえ、今読んでる本が途中なので
家に帰ってから読もうと思っていたんです。
ですから、また次の機会ということで。」
「そう、じゃあ行くわよ喜媚。」
「あ、はい。 じゃあ郭嘉さん さよなら。」
「はい、さようなら。」


こうして、突然の郭嘉さんとの出会いもあったが、
余計な波風を立てる事無く済ませることが出来た。

しかし、荀彧ちゃんと郭嘉さんが
こんな所で知り合いだったとは・・・
意外だったので少し知恵袋で調べてみたら
正史で郭嘉さんが曹操さんの所に来る時に
荀彧ちゃんが紹介したようなので
この恋姫世界でも この流れは
別段おかしいものではないということがわかった。


(それにしても、郭嘉さん意外に普通だったな・・・
妄想して鼻血吹く印象が強かったからかもしれないけど、
案外 普通に生活している時にはあんな感じなのかな?)




(・・・くっ、落ち着くのよ稟!
ここで変な妄想をしたら せっかく築いてきた私の社会的な印象が、
常に冷静沈着な少女と言う印象が ぶち壊しになってしまう!
・・・・それにしても、あの男嫌いの荀彧さんが・・・
嫌がる可憐な男の子に無理やり女装させて、
町中を連れ回してさんざん辱めた後、
あまりの恥ずかしさで熱くなった喜媚さんの躰を
荀彧さんが焦らすように撫で回し、
その果てには羞恥と荀彧さんの愛撫で熱く滾った
喜媚さんの男性の象徴を・・・・ぶふぅっ!」

未来の軍師 郭奉孝・・・部屋に篭って本を読んでばかりいるために
彼女の妄想癖はすでに この時期から開花し始めていた。


スポンサーサイト
  1. 2012/09/15(土) 22:22:41|
  2. 真・恋姫†無双 変革する外史。
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
<<雑記 | ホーム | 七話>>

コメント

読みなおすと以外な人物がアピールしてたりするんですよねw

まぁ、その人物は喜媚にとっては絶対的ポジションにいるから
ある意味大丈夫なんでしょうけど・・・

読みなおす時間があればあるだけ、色んな事を深読みしちゃいますw
  1. 2012/09/15(土) 23:47:56 |
  2. URL |
  3. 聖悠紀 #-
  4. [ 編集 ]

九話へのリンクを設置、と
  1. 2012/09/20(木) 20:23:08 |
  2. URL |
  3. 読み返しは一気に派 #e.MnMlRY
  4. [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://current9.blog.fc2.com/tb.php/164-6daec715
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。