たいちの仮設避難所

某小説投稿サイトの規約改定による 仮設の避難所です。

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七話


許昌




私が外史に降り立って五年ほどの歳月が過ぎた。

荀彧ちゃんに出会って以来
慌ただしい毎日を送っているが
私達は大きな問題もなく無事に過ごしている。


私達は、というのはこの国の情勢がいよいよ怪しくなってきたからだ。

私が住んでいる許昌は洛陽ほどではないが
それなりに発展していて
市などでは よその邑等から商人や旅人が来ていて
いろんな情報を得ることができるのだが、
やはり洛陽から離れた場所では
官の目が届きにくいため治安が悪化しており、
その上 重税や干ばつ、疫病、
連作障害や天候不順、追いつかない治水、虫害等による凶作
様々な要因で民衆が苦しみ
税金を払えなくなった人々が邑を離れ 流民となったり、
中には野盗に身をやつす者達も現れ
この国内は今 大変なことになっている。


荀彧ちゃんの耳にも その話は入っていて
昔はただ父親のように偉くなり、
皆に尊敬されたいという思いだけであったが、
最近は この国を何とかしないといけないという
使命感にも似た思いを度々口にするようになった。

一緒に通っている私塾の中にも
同じような思いの人達が増えているとも話していた。


国内の事情はコレまでとして、
私の方はと言うと・・

武術関係では最近では型の訓練や体力をつける訓練よりも
模擬戦の比率が増して来て
更に鉄釘の投擲も訓練に含まれることになった。

模擬戦に関しては、
昔は事前に決まった攻撃を躱したり
防御する訓練だったが
最近は本当に模擬戦と呼べるような形に変わり、
私用の武器として鉄扇と鉄釘をもらった。
コレは私の身長が低いため
大人が使うような剣は使えないし
力もそんなに無いため槍も使えないし
そもそも その二つを普段持ち歩くことが出来ないので
普段持っていてもおかしくなく
身体にあった鉄扇と鉄扇に仕込んである
投擲用の鉄針を投げて牽制し、その間に逃げる。
接近されたら鉄扇で攻撃をいなす と言う使い方をするためだ。
単純に鈍器としても十分の威力は期待できると言う話だ。

食生活では芋から水飴を作ることに成功し
今まであまり口にする機会がなかった甘味を
堪能できるようになったり、
ある程度使える石鹸を作ることに成功したため
衛生面が向上し
農業の方もウチの畑だけで言えば
他所 よりも収穫率が上がり
小作人の人達の知り合いが どうやって収穫率を上げているのか
話を聞きに来ることが多いそうだ。

そこで問題に上がってきたのが虫害や鳥害だ。
当初は子供たちに遊びの延長で捕まえてもらって
捕まえたイナゴ等は しばらく置いてフンをさせてから
油であげるなどで 基調なタンパク源として食べていたのだが
農作物の出来が良くなるに連れて
虫害が無視できないようになってきた。

その為まずは服屋に行き
網目の粗い網タイツの生地を加工してもらい
簡易の玉網を作って子供たちに渡して
今まで以上に虫を捕まえてもらった。
ここが古代中国ならば こんなに簡単に素材が手に入らなかっただろうが
ココは恋姫世界、服飾関係の技術等が異様に高く
私がいた時代にも匹敵するのではないかと
思うくらいの精巧な服なども置かれていることもあり
簡易の玉網用の布もすぐに見つかり、
更に今後 ちゃんと長期にわたって使える
玉網も作ってもらえることになっている。

コレに合わせて農薬の作成にも着手した。
農薬といっても私がいた時代のようなものではなく、
まず最初に作ったのは唐辛子とニンニクを使ったものだ。
バッタには効果はないがアブラムシなどに効果があるし
簡単且つ大量に作れたためとりあえず私の実験畑での
一部で試験運用してから全体的に使うことにした。

次に考えたのが木酢液を作ることだが
コレが思いの外 量を作ることができなく
金属のパイプでも作れたらいいのだろうが
そこまでの金属加工技術は知っている鍛冶屋には無く、
仮にあったとしても高額の費用を要求されるだろうから
少量だけ作ってお蔵入りとなった。

次に考えたのが
バッタなどが大量に現れた時には夜に火を炊いて
火に飛び込んでくるバッタ等を駆除。
日中は捕獲と煙を燻して追い払うことで
少しではあるが被害を抑えることが出来た。

私の小さい畑ならは蚊帳で囲うこともできるが
大きい畑になると、流石に布の費用もバカにならないので
無理だということがわかった。


更にコレとは別に考えたのが養蜂だ。
私は虫があまり得意ではないので
蜂の扱いに困っていたが、
この世界は恋姫世界だ。
服飾技術が発展している。
その為 ストッキング等も有るので
全身を覆う白い服を何枚も着こみ、
目の所は白いストッキングの生地を使うことで視界を確保。

これで蜂の巣箱での作業も安全にできる様になったのだが、
肝心のミツバチがなかなか捕まらず、
知恵袋で現状できる最適な巣箱の設計図を得て
それを元に巣箱を幾つか作ったのだが
蜂が住んでくれない。

森の方に行けば蜂がいるらしいし
邑や畑の外れにたまに蜂の巣があるという話は聞くのだが
私の巣箱に入ってくれないと意味が無い。

結局巣箱を作った年は蜂が巣箱に住まず、
失敗に終わったが翌年、
金稜辺とい花が 蜂を誘引する匂いを放つということで
小作人の人達の知り合いにあたってもらったり
市場で行商の商人の人に頼むことで
金稜辺ではないが 蜂を誘うと言う花の種をなんとか手に入れることに成功し
コレを栽培し、巣箱にも水飴などを塗ったりしながら
なんとか2年目で蜂を巣箱に住ませることに成功した。

蜂の行動範囲は数キロは有るそうなので
畑の近くにある私の小屋の近くで
小作人の人達の家から見える場所に
見つかりにくいように設置し
壊されたりしないように周りに話を通したり
見張っていてもらうようにしておいた。


さて、そんなことをしながら数年過ごし 私も10歳。
荀彧ちゃんも私よりは生まれが数ヶ月遅いようなので
私のほうが少し歳上なのだが 同い年だ。

後八~九年ほどで一刀くんが今世界に降り立ち
黄巾の乱が起きてしまうことを思うと
憂鬱になるが、なんとか頑張って生きていこうと
気合を入れた・・・・のだが
すぐさま私のその決意は揺らぐことになる。


それは私が十歳になり数週間ほどたった時だ。


「喜媚、母様があんたに会いたいんだって。」

「・・・・はぁ?」
「聞こえてるんでしょ?
お 母 様 が あ ん た に 会 い た い ん だ っ て 。」
「・・・またまたご冗談を。」


私は苦笑しながら右手を猫が手招きするように
荀彧ちゃんの方に振り、
今 聞いた話しが何かの冗談であることを祈った。


「別に冗談じゃないわよ?
あんた 私のお母様に会いたくないの?」
「会いたいとか以前に 私が会うなんて身分違いとか
そんな感じでちがくない?」
「なにを焦っているのか知らないけど
言葉使いがおかしいわよ?
そういう身分とか お母様は気にしないわよ。
そもそも、一度喜媚に会いたいっていうのは
よく口にしてたんだけど
少し前に 洛陽のお父様から書簡が届いてね、
それを読んでから 本格的に喜媚に会いたいから
家に招待しろって言われたのよ。」

「・・・もしかして荀彧ちゃんを拐かしたとか言って
いきなり首切ったりしない?
確か荀彧ちゃんのお母様って
結構武術や兵法に明るくて
許昌の軍部にも影響力があるんでしょ?」
「そんな事しないわよ。
招待しろって言ってるのよ?
招待ってことは歓迎するってことでしょう、普通。
別にとって食やしないわよ。」
「う~ん・・・そもそも何で
私なんかに会いたいのかわからないんだけど?」
「私も詳しくは聞いてないんだけど、
最近 お母様はいろんな農家の人間を呼び出しては
話を聞いてるのよ。
その関係じゃない?
喜媚の畑って、今は殆ど喜媚が取り仕切ってるんでしょ?」
「まぁ、ウチの母さんが面倒くさがりで
私に押し付けてるだけなんだけどね。」
「ふ~ん、喜媚のお母さんって妲己さんでしょ?
何回かあったけど結構しっかりしてそうなのに。」
「外面だけはいいんだよ・・母さんは。」

「まぁ、その話はいいけど
何時くらいなら時間取れるの?」
「・・・話をするだけなら別に明日とかでもいいんだけど。」
「ふ~ん、じゃあこっちでお母様に都合のいい日時を
決めてもらうけどいいわね?」
「それでいいよ。
・・・なんかおみやげとか持ってったり 正装したほうがいいのかな?」
「別に何もいらないし 普通の格好でいいわよ。
流石に今着てるような畑仕事用の
汚れた服じゃ駄目だけど
それ以外だったら普通の服でいいわよ。
お母様はそういうことあまり気にしないから。」

「わかったよ・・・ついでに聞くんだけど
荀彧ちゃんのお母さんってどんな人?」
「どんな人って・・・普段は優しいわよ。
昔は武官をやってたらしいけど
お父様と結婚してからは 引退して子育てに専念してるけど
今でもココの軍部の人とかが よく訪ねてくるわね。」
「まぁ、尚書さまの奥さんだから
偉い人が訪ねてくるのは当然か。」
「まぁ、あんまり地位とかには拘らずに
その為人を見るって感じ?
だから無理におべっか使ったり
卑屈になる必要はないわよ。
普段にしてれば大丈夫よ。」
「そっか・それは良かった。」
「でも・・・怒ると怖いわね。」
「マジ?」
「マジよ、私には平気で体罰とかするわよ。
妹の荀諶や姉の荀衍(じゅんえん)には ほとんど体罰なんてしないのに・・・」
「あ~・・・・」


荀彧ちゃんの体罰といえば『アレ』か・・・
私も普段のツンツンしたキツい感じの荀彧ちゃんと違って
お尻叩きとかした後の 妙に従順な荀彧ちゃんが可愛くて
つい、やり過ぎることとかあるからなぁ・・
なんか子供なのに妙に色っぽかったりするし。

もしかしたら荀彧ちゃんのお母さんも
怒られた時の荀彧ちゃんが見たくて
荀彧ちゃんには厳しいのかもしれないな・・・
それに荀彧ちゃん かなり悪戯っ子だし。


「な、何よ・・・」
「別にぃ・・もしかしたら荀彧ちゃんの
お母さんとは仲良くやれるかもしれないなと思って。」
「・・・なんかむかつくわね。
とにかくそういうことだから
こっちで勝手に予定決めるわよ。」
「はいはい、日付が決まったら教えてね。」
「はいはい。
キリがいいことだし 今日はもう帰るわね。」
「ん、また明日ね~。」
「じゃあね。」


そう言うと 荀彧ちゃんは城門の方に駆けていった。

翌日、荀彧ちゃんから
二日後に私が荀彧ちゃんの家に招待すると連絡があったので、
おみやげはいらないと言われたが
一応ウチで取れた蜂蜜を使った飴の試作品を
持っていくことにした。

当日は 私が荀彧ちゃんの家を知らなかったが
荀彧ちゃんの家は有名なので
その辺の人に聞けばすぐに分かるのだが
今回は招待されているということで
わざわざ迎えに来てくれるということだった。

こうして荀彧ちゃんの案内で
とうとう荀彧ちゃんの家まで来てしまったわけだが・・・

「や、やっぱり帰ってもいいかな?」
「あんた、何言ってんのよここまで来て。」
「だってなんかすごい門構えで
私が来るようなところじゃないと思うんだけど。」
「あんた、妙な所で卑屈よね・・・
そんな事いちいち気にしなくてもいいのよ。
ほら、入るわよ。」
「あ、ちょっと!」


そう言うと荀彧ちゃんは
門を開けてさっさと中に入っていってしまう。

私もこんなとこで一人で残されても困るので
荀彧ちゃんについて一緒に門の中に入っていく。

そのまま荀彧ちゃんの案内で庭の方に連れて行かれる。
荀彧ちゃん言うには庭の東屋で飲茶の用意をしているそうだ。

流石に荀彧ちゃんの家の庭とも言うと
ウチとは違い広いし
小さいながらも池があり 木が植えてあり ちゃんと剪定もされているようだ。
その庭の少し開けた所に
赤い東屋がたっており、そこのは一人の女性、
荀彧ちゃんと同じ髪色ではあるが
軽くウェーブがかかった髪が背中まで伸ばしてあり
身長はあまり高くはなさそうだが、
私や荀彧ちゃんよりは背は高く
女性的な特徴は・・色々と控えめではあるが
荀彧ちゃんを大人にして穏やかで 優しそうな感じにした顔立ちをしている。

その女性が私達を見つけ、
私と丁度視線があった・・

「ご苦労様桂花、初めまして胡喜媚さま。
この家の主は洛陽に出かけていますので
今は私が代理でこの家を取り仕切っています。
荀桂(じゅんけい)と申します。」
「・・・あ、これはこれはご丁寧に!
今日はご招待ありがとうございました。
胡喜媚と申します。
あと、私を呼ぶ時は喜媚で結構なので。」
「ウフフ、じゃあ喜媚ちゃんって呼ばせてもらうわね。
後 私を呼ぶ時は荀桂で構わないわよ。
様とかそういうのはいらないから。」
「あ、では荀桂さんで・・・」
「堅苦しい挨拶はこの辺にして、
どうぞコチラに、簡単なものしか用意できなくて
申し訳ないけど飲茶を用意してあるから
軽く食事でもしながら話しましょ?」
「あ、はい。
失礼します。」


私は荀彧ちゃんに案内されるまま東屋に入り
荀桂さんの正面に座り
荀彧ちゃんは私の右斜め前に座った。


「今日は突然呼び出したりしてごめんなさいね。
それと、桂花と今まで仲良くしてくれてありがとうね♪」
「その名前は、荀彧ちゃんの真名ですか?」
「あら、桂花はまだ喜媚ちゃんと真名を交わしてなかったの?
もう何年も付き合ってるから
真名を交わしてると思ってたわ。」
「・・・お母様!
そ、その真名はお互い信頼出来る者同士で
交わし合うものですし
その、喜媚は男なのでそう簡単に真名を交わすわけには・・・」
「桂花は変な所で硬いわね・・・
いつもは私達が止めても平気で家から飛び出して
そこら中で遊びまわってるくせに。」
「私は別に遊びまわってるわけではありません!
お父様に言われた通り、
この目と耳で実際の町の様子を見て
何がこの許昌にとって最適なのか研究しているんです!」
「はいはい、喜媚ちゃんの前だから
そういうことにしておくわね。」
「お母様!」
「ごめんなさいね喜媚ちゃん、
ウチの子が迷惑かけてるみたいで。」
「いえ、迷惑というほどでは・・・」
「べつに遠慮しなくていいのよ?
桂花は少し気が強くて大人びてるから
私塾でも少し浮いてるのよね。
話し相手や議論する相手はいるらしいんだけど
あなた達くらいの歳の子が
当たり前のように遊んだりするような
友達は喜媚ちゃんが初めてなのよ?」
「お母様! 私が人付き合いが苦手な様な言い方はやめてください!!」
「桂花もこんな席だからって
わざわざそんな口調使わ無くてもいいのよ?
いつも通り話しなさいな。
いつもだったら 「ふざけんじゃないわよ。」 とか言うでしょう?」
「・・・くっ!」
「あの、荀桂さん?」
「あら、ごめんなさいね。
桂花がこんな席だからって
妙に堅苦しい話し方をするから気になって。」
「・・・・」


桂花は普段の家庭内での生活の話をされて
少し恥ずかしそうに俯いている。


「それで、本日はどんな御用だったんでしょうか?」
「そうね、今日喜媚ちゃんを呼んだのは
実は喜媚ちゃんの農法についての話なのよ。」
「農法・・・ですか?」
「そう、喜媚ちゃんが今は一人で畑を切り盛りしてるっていうのは本当なの?」
「一人ってわけじゃありませんが、
最近は私が雇ってる皆に指示を出して作業してもらってますが。」
「そうなの・・・実は今この許昌でも
農作物の収穫が落ちてきているのは知ってる?」
「いいえ、初耳ですが?」
「まぁ、喜媚ちゃんの立場だとあまりわからないと思うんだけど
最近 国内の至るところで住民が邑や村を離れて
流民となったり 酷い時には野盗に身をやつしたりしてるんだけど
この許昌でも 最近作物の収穫率が下がってきていて
そう長くない時期に この許昌からも流民が出る可能性があるのよ。」
「はぁ・・」

「本来は喜媚ちゃんにするような話ではないんだけど
許昌の太守もその辺の事を気にしていてね、
実はウチの旦那、尚書さまにも相談したらしいんだけど
今は国内中がそんな感じだから どう仕様もなくて
困っていたんだけど、
桂花が喜媚ちゃんのところの畑だけはなぜか
収穫が落ちるどころか増えてるって言うから
話を聞かせてもらおうと思ってね。」
「そういう話ですか。」
「太守様や私の方でも 何人か農民を呼んで話を聞いてるんだけど
農法自体は特に今までと変わったことをしてないから
収穫が落ちてるのは天候不順か害虫か、そういった理由だと思うんだけど
桂花が違うって言い出してね。
よくよく話を聞いてみると 連作障害とか肥料がどうとか言う
知らない話が出てきて 色々話している内に
喜媚ちゃんから その話を聞いたって言うから
私にも詳しく話して欲しいんだけど・・どうかしら?
喜媚ちゃんの農法が許昌の農民に伝われば
許昌の収穫率が上がり
流民や野盗の増加を抑えられて治安も良くなるし
皆も助かるから出来れば教えてもらいたいのだけど。
もちろん知識はその人の宝だから
それなりの礼金も出すつもりだし、
効果の検証は必要だけど 太守様からも恩賞は出ると思うわよ?」
「う~ん・・・」


家で使ってる農法の話なら 話すことはいいんだけど
ココで下手に話して太守様に名を覚えてもらっても困る。
かと言って 話さなかったら許昌から流民が出たり
治安が悪くなったりするから
それも困るんだよな・・・
ふむ、ココは荀彧ちゃんの手柄にでもしてもらおうか。
どうせ話しの内容自体は 既に荀彧ちゃんに話した内容と同じだし。


「あの、荀桂さま。」
「なに? 話してくれるの?」
「話をすること自体は構わないのですが
その話を私から聞いたっていうのは勘弁してもらえますか?」
「・・どういうことかしら?」
「私は特に世に出ようとかは全く考えていないので
私が農法について話した事で
変に私の名前を出したくないんです。
それに話す内容自体は既に 荀彧ちゃんに話した内容と
変わらないので 荀彧ちゃんが調べた農法だってことにしてもらえませんか?」

「喜媚・・・あんた本気で言ってるの?」
「本気もなにも荀彧ちゃんだって
私が将来のんびり暮らしたいっていうのは知ってるでしょう?
それに私の農法にしたって、
最初こそ私が荀彧ちゃんに教えたことが多いけど
途中からは二人で一緒に考えて
私の実験用の畑で二人で実験してやってきたことだから
荀彧ちゃんの手柄にしても特に問題はないでしょう?」
「だからって!
・・・・はぁ、もういいわよ。
こういう時のあんたは変に頑固だし。
私としても名声を得られるに越したことはないわ・・・
だけど報奨金はあんたが全部持って行きなさい!
私は名声、あんたは報奨金、コレで貸し借りとかは無しよ!」
「いいけど、最初からこの話を荀彧ちゃんの貸しに
しようとかは考えてないよ?」
「私の 気 分 の 問題なのよ!!
確かに私も途中から協力はしたけど
最初は私があんたから農法を習ったんだから
本来なら名声も報奨もあんたが持っていくべきなのよ!
その辺わかってるの!?」
「わかってるって・・・だけど私は名を売るつもりは全くないから・・・」
「・・・もういいわよ、その辺は私がかぶってあげるわよ。
お互い損をしないんだから、
あんたにいろんなことを教わった授業料だと思っておくわ。」

「あの・・二人で話を進められても私も困るんだけど? 」
「別にお母様を無視したわけじゃないわ。
ただ、このバカが好き勝手抜かすから・・・」
「バカって・・・」
「あんたなんかバカで十分よ!」
「そ、それで喜媚ちゃんは農法について話をしてくれるのかしら?」
「あ、はい。
それと荀彧ちゃんも一緒にお願いします。
私じゃ抜けてるところとか
実際の運用で問題があるところとかあったら
荀彧ちゃんが修正してくれますから。」
「あんたの案は突拍子もないことが多すぎなのよ。
少しはあんたもこの町や自分の畑以外も
見て回って勉強しなさい。」
「まぁ、それは時間があったらということで・・・」
「じゃあ、早速話を聞かせてもらっていいかしら?」
「いいけどお母様、この話は1~2日じゃ終わらないから
明日からにしない?」
「そんなに長い話なの?
・・・母さん身体動かすのは得意だけど
じっと話を聞くのは苦手なんだけど・・・な。」
「お母様が話しを聞きたいと言い出したんでしょう?
だったらちゃんと聞きてよね。」
「あぅあぅ・・・」


この二人・・・本当に親子か?
最初は凄い品の良い奥さんだと思ったけど
荀彧ちゃんと正反対で 武力が高くて
学問の方は苦手なのか?

それに荀彧ちゃんに諌められてるとこを見ると
意外に押しに弱かったりするのだろうか?


「喜媚、アンタが何考えてるのか想像がつくけど
お母様のコレに騙されたらダメよ。
油断してるとパクっと食われるし
こう見えて怒るとめちゃくちゃ怖いんだから。
あんたもお母様を怒らせるのだけはやめときなさいよ。」
「・・・わかった。」
「何? 桂花ちゃん。
友達にお母さんの影口を言うのは感心しないわよ?」
「べ、別に影口なんて言ってません!」
「そう? ならいいけど。
じゃあ喜媚ちゃん、話は明日から聞くとして
今日はこれから一緒に飲茶でもしながら
桂花の話でもしましょうか?
私、桂花が喜媚ちゃんと普段どんな事してるのか
興味あったのよ。」
「いいですよ。
荀彧ちゃんはいつも家の畑に来ると・・・」
「ちょっと! 喜媚! 余計なことは言わなくてもいいわよ!」


こうして農法の話は 翌日以降に持ち越され、
この日は荀彧ちゃんの暴露話になり、
荀彧ちゃんのいたずらや、その後のお仕置きをした時の話や
虫や蛙が苦手で髪の毛に虫がついた時に泣きながら逃げまわった話。
荀桂さんからも、荀彧ちゃんが姉妹喧嘩した時の話や
昔 怪談話の本を読んで一人で厠へいけなくなった話や
やはり家でもいたずらして 荀桂さんにお仕置きされる話などをしながら、
飲茶を楽しんだ。


「何で 私の 恥ずかしい 話ばっかなのよ!
ふざけんじゃないわよ!! 」
「あらあら、桂花は喜媚ちゃんにもお仕置きされてたのね。
じゃあ喜媚ちゃんは『あの』桂花を見たのね?」
「最初はびっくりしましたけど
それ以降も荀彧ちゃんのいたずらが止まないのでやむなく・・・」
「でも桂花はアレで悦んでるのよ?
子供がいたずらして好きな人の気を引くなんて
よくあることだもの。
それに 本当に懲りてたら イタズラなんかすぐに止めるはずだもの。」
「・・・だどいいんですけど。
だけど 可愛いだけならいいんですけど
ちょっといやらしいだけに
荀彧ちゃんの将来が心配になるんですけど。」
「子供を生むのには何の問題もないからいいわよ。
それに喜媚ちゃんにはまだ早いかもしれないけど
大人には色々と楽しみ方があるのよ♪」
「・・・そういうものですか。」
「そういうものなのよ。」

「あんた達はなんの話をしてんのよ!!」

「桂花が可愛いって話しよ?」
「荀彧ちゃんが可愛いって話だよ?」
「後たまにいやらしいとか?」
「たまにいやらしいかな?」

「うがぁぁぁあああ!!」


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  1. 2012/09/15(土) 22:21:38|
  2. 真・恋姫†無双 変革する外史。
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  4. | コメント:1
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コメント

誤字報告、及び、表現の提案?

第七話 表現

 投擲用の鉄釘を使うことで牽制に鉄釘を投げて逃げる。

→投擲用の鉄釘を投げて牽制し、その間に逃げる。

誤字報告

農民を読んで話を聞いてる

→呼んで話を聞いてる。
  1. 2012/09/18(火) 20:47:42 |
  2. URL |
  3. 巌の蛟 #TxK/BBs2
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