たいちの仮設避難所

某小説投稿サイトの規約改定による 仮設の避難所です。

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六話


許昌




この世界に来て3年目に入り、
荀彧ちゃんと出会うというトラブルもあったが
それ以外では大きな問題もなく平穏に過ごしている。


最近では学問の話や、愚痴を聞かされるだけではなく
普通の子供のように遊んだりする関係になってきている。

この間も小川で拾ってきた丸い石を使って
おはじき遊びをしてみたり
お手玉を教えてみたりしたが
やはり荀彧ちゃんは頭をつかう遊びが好きなようで
何か無いか聞かれたが、
そもそも私は畑仕事をしているので
そんな頭をつかうような遊びの道具は用意してない。


「なにかないって言われてもね・・・
まるぺけでもする?
地面に棒で○と×書くだけでできるし。」
「イヤよ! あんた私が知らないと思って
絶対負けない方法で散々私を弄んでくれたじゃない!」


まるぺけとは井の形に線を引いてその中に○と×を交互に書いて
3マス揃える遊びなのだが、
まるぺけは最初に中心を取るのではなく
角を取ると最悪でも引き分けに持ち込めるので
昔 荀彧ちゃんをからかうつもりで
一見有利に見える真ん中を取らせてあげて
ボコボコにしたことがある。


「ん~じゃあ五目並べにする?
アレなら大丈夫でしょう?」
「それも単純すぎて面白くないのよね~。」
「わがままだなぁ。」
「・・・そうだ、囲碁はないの?
囲碁盤と碁石!」
「あるわけないじゃない。
あんなのお金持ちの家にしか無いし
私は囲碁なんか打ったこと無いし。
大体私はココに畑仕事しに来てるのよ?」
「使えないわね~。
家から持ってくるわけにも行かないし・・
・・・・ん?
そうだ!」


荀彧ちゃんはおはじきに使っていた小石をもって
眺めていると急に立ち上がった。


「そうよ、なけりゃ作ればいいのよ!
この小石をたくさん集めてきて墨で塗って
後は その辺の板に線を引けば十分使えるじゃない。」
「でも、私は囲碁なんてやったことないわよ?」
「それくらい 私が教えてあげるわよ。
喜媚も囲碁くらい打てるようになったほうがいいわよ?」
「え~・・・」


私の印象だと囲碁はお爺さん達がお茶を飲みながら
縁側で打ってる印象が強いし
難しそうなので出来たら敬遠したいのだけど・・・


「そうとなったら石を拾いに行くわよ!」
「今日はもう遅いから明日にしようよ。
川まで行って使えそうな石拾うだけで
結構時間掛かると思うよ?」
「・・そうね、じゃあ明日から早速石を拾いに行くわよ!」
「はぁ・・・しょうがないなぁ。」


この将来の王佐の才こと荀彧ちゃんは
意外に行動派で 気になったことは自分の目で調べに行くし
まだ子供だということで 思い立ったら即行動というところがある。
彼女の姉妹は部屋にこもって本を読んだり
屋内で できる遊びをしていることが多いのだそうだが
荀彧ちゃんは部屋で本を読むのも好きなのだが
知識を自分の目で確認しないと気が済まないようだ。

本の知識だけで頭でっかちになるよりはいいだろうが
その内 痛い目に合いそうで心配になる。


この日から数日掛けて使えそうな小石を集め
半分を墨に漬け込んで色をつけて
ちょうどいい大きさの板がなかったから
荀彧ちゃんが家の人に頼んだのか
どこからか板を持ってきて
私が大工さんがやる墨入れの要領で
糸を使って線を引いて
囲碁で遊ぶ準備が整った。


「やっと完成したわね!
早速やるわよ!」
「しょうがないなぁ、じゃあ私打ち方知らないから教えてよ。」
「いいわよ、じゃあまず囲碁っていうのは・・・」


結局 囲碁の打ち方を教えてもらうだけでこの日は終わり、
翌日から開いた時間に少しづつ囲碁で遊んでいるのだが
荀彧ちゃんに勝つことは一度もできていない。

どうやら以前にまるぺけでフルボッコにしたことを
未だに恨んでいるようで
素人の私相手に置き石もなしで
一切の容赦無く私をボコボコにしていった。

数週間ほどその状態が続いたが
流石に荀彧ちゃんも飽きたのか
それ以降は徐々に置き石を増やしてもらったが
結局 未だに勝つことはできていない。

このまま負けっぱなしと言うのも腹が立つので
夜寝る前に知恵袋から囲碁の棋譜を引っ張りだしてきて
勝てそうな状況に持ち込む方法を模索する日々が続いた。


さて、荀彧ちゃんと囲碁を打つようにはなったが
遊んでばっかりもいられない。
私は私で畑の収穫率を上げる方法や
母さんに頼まれたお酒造り。
更には 衛生面で不安があるので
今度石鹸でも作ってみようと思い立ち 知恵袋で調べてみたが
やはり私の前いた時代のような石鹸は無理だが
灰と油で簡単な石鹸を作れそうなので
この日から実験を繰り返すことになる。


さて こうなってくると荀彧ちゃんと話したり
遊ぶ時間が少なくなってくるのだが、
しばらくは我慢していた荀彧ちゃんが
我慢できなくなり・・


「じゃあ 私が畑仕事手伝ってあげるから
さっさと終わらせるわよ!」


・・と 言い出した。

本人が言ってるんだから
ハイそうですか。 と言って手伝わせるわけにも行かず。


「荀彧ちゃんに畑仕事手伝わせたなんて
ご両親の耳にでも入ったら 私や皆が怒られるからだめだよ。」
「私が良いって言ってんのよ!
母さま達は関係ないわよ。」
「いや、十分関係あるって・・・
尚書の役職を賜るほどのお方の娘に農作業手伝わせるなんて
問題以外の何物でもないよ。」
「・・・・ぐぬぬっ。」


荀彧ちゃんはこの年の子供にしては
理屈がわかる子なので、こう言えば無理に手伝おうとはしないだろう。
この日は荀彧ちゃんが折れる形で終わったが、
翌日 私は信じられない話を聞くことになる。


「喜媚! お母様から許可をもらったから
私も農作業手伝うわよ!」
「・・・はぁ?
流石にそんなこと あるわけ無いでしょう?」
「本当よ、何ならお母様に会って確認してもいいわよ?」
「いやいや、私が荀彧ちゃんのお母さんに会うなんて
できるわけ無いでしょう。」
「別にお母様はそんなこと気にしないわよ。」
「・・・そもそも どうやって説明して許可をもらってきたの?」
「簡単よ。
書物で学ぶのも大切だけど
自分で実践して学ぶことで 書物からでは学べないことがあるから
実際に自分で体験してみたい。
お父様も自分の目で町や畑を見て
どうしたらより良くなるか考えなさい。
って言っていた。 って話したら普通に許可してくれたわよ。」
(・・・・この子はこういう時は悪知恵が働く。)
「あ~、別に私の所にこなくても、
塾の友達とかと遊べばいいんじゃない・・かな?」
「前も言ったでしょう、
私塾ではそれなりに話したりする友人はいるけど話が合わないのよ。
一人話しが合う子はいるけど
その子は暇さえアレば本ばっか読んでるから
あんまり遊んだりしないし。」
「・・・むぅ。」


荀彧ちゃんくらいの年で 私塾に通わせてもらえるのは
かなりいいとこの子が多く、
そういうところの子供は 当然将来を嘱望されている。
まだ荀彧ちゃんくらいの年齢なら遊びたい盛りだろうが
そういう子達だと 荀彧ちゃんと精神年齢が合わない。
逆にこの年で将来の事を見据えて
勉強するような子は あまり子供がするような遊びはしないし
そんな暇があったら勉強するだろう。

年齢が違う人とは 対等に遊ぶことが出来ず
気を使うことになるので敬遠したくなるだろうし。
なかなか難しいものだな~ と思った。


「・・・本当にやるの?
結構大変だよ?」
「やるわよ。
それにそういう事を学ぶためでもあるんだから。」
「・・・ハァ。
しょうがないな・・・」


かと言って 荀彧ちゃんに何をやってもらおうか?
堆肥作りは水分調整とかが難しいし
汚れるから駄目だし。
収穫はこの間終わったばかり。
今やれることと言ったら
畑の土に空気を含ませるために耕すくらいだけど・・・
私の実験用の畑なら小さいから二人でやれば大丈夫かな。


「じゃあ荀彧ちゃん畑を耕してみる?
次の種植のための準備で 畑を耕す必要があるんだけど。」
「任せておきなさい!
すぐに終わらせて 昨日の囲碁の続きをやるわよ!」


そう言ってクワを渡して
使い方を教え、一緒に畑を耕してみたのだが
・・・どうしてこうなった?


「あの荀彧ちゃん?」
「なによ?」
「あの・・・そんなに一箇所を深く掘らなくてもいいんだよ?
耕すんだから・・・」


荀彧ちゃんが掘った穴は、
彼女の腰ほどまでに深さに達している。


「あんた、なるべく深く掘れって言ったじゃない?
それに前に農法の話で作物の根をうまく張わせるために
なるべく深い所まで土を柔らかくしたほうがいいとか
言ってなかった?」
「いや、たしかにそうだけど限度があるよ。
もっと浅くてもいいんだよ?
私の畑は小さいけど、そんなに深く掘ってたら
何時まで経っても終わらないよ。」
「もう、そういうことは早く言いなさいよ。
・・・でもコレ使えるわね。
ここまでの深さがあれば敵の歩兵の行軍を遅らせたり
輜重隊の足止めに使えそうだし柵を一緒に組めば
騎馬も止められるわね。」
「あぁ・・・塹壕に馬防柵ね。
荀彧ちゃん塾でもうそんな事習ってるの?」
「え? こういう穴を使った戦法って有るの?」
「昔から有るみたいだよ。
知らなかったのなら その内習うんじゃない。」
「・・・・じゃあ何であんたは知ってんのよ?」
「ま、前に読んだ本にたまたま書いてあったんだよ。」
「くっ・・家や塾でたくさん本を読んで
先生や姉様にも話を聞いてるのに
まだ喜媚よりも知識で負けてるなんて・・」
「た、たまたま! たまたま知ってただけだよ!」
「いいわよ・・・今はまだ勉強が足りないかもしれないけど
いつかあんたをぎゃふんと言わせてやるから!」
「・・・・ハァ。」


荀彧ちゃんは負けず嫌いなところがあるから
しょうがないのかもしれないけど
私を目の敵というか、変な目標にされるのも困るんだけどな・・・

この後、私の実験用畑を三割ほど耕した所で
荀彧ちゃんは農作業は初めてなので
この日の農作業は終わりにした。

もっと早く音を上げるかと思ったら
意外に体力があったのか、それほど疲労した様子は見られない。
作業のあとに少し囲碁を打ったが
その間に荀彧ちゃんは体力が回復したのか元気に帰っていった。

翌日も私の作業を少し手伝いながら
何かブツブツと独り言を言っているが
農作業をしていて何か思うところがあったのだろう。

結局、荀彧ちゃんは畑を全部耕すまで手伝ってくれて、
その後の作物の苗を植えるのも手伝い、
私の畑でいちばん外側の畝は荀彧ちゃんが育て
作物が収穫できた時には家に持って帰って
家族に振舞ったそうだ。
コレは少し先のお話。


しかし問題もなかったわけではない。
最初に畑を耕した際に穴を深く掘りすぎ、
それを軍事で使えないかと考えた荀彧ちゃんは
よりにもよってそれを私で実践することになる。


それは荀彧ちゃんが私の畑仕事を手伝うようになった数日後の話。

その日、私が畑についた時には荀彧ちゃんは既に
畑に到着し、うっすらと汗をかいていた。


「どうしたの荀彧ちゃん、きょうはやけに早いね?」
「今日は私塾が早く終わったから来てみたのよ。
喜媚はいつもこのくらいの日の高さの時に来るの?」
「そうだね、昼食をとって少し家の仕事をしてからくるから
いつもこのくらいだね。」
「そう。
そういえば先に畑を見ていた時に変なものを見つけたんだけど
ちょっと見てくれない?
こっちだから。」


そう言うと荀彧ちゃんは私の手を取り、
畑の隅の方に連れていく。


「ちょ、ちょっと荀彧ちゃん。
そんなに急がなくてもちゃんとついていくわよ。」
「早くしないと逃げるかもしれないでしょ。
ほら、もう少し言った所・・・・ククッ。」


私は荀彧ちゃんに手を引かれるまま歩いて行ったのだが
不意に足元がなくなり、浮遊感が私を襲った。


「え? うわぁっ!」
「・・・・クックック、アーッハッハッハ!
引っかかったわね!」
「え?・・・・・落とし・・穴?」


一瞬 身体が浮いたような感じがしたと思ったら
すぐに足元に地面の感触が蘇り。
私は転ばないように地面に手をつくが高さがおかしい。

笑っているの荀彧ちゃんをよそに、
状況を確認してみると、
どうやら私は落とし穴に落ちたようで
それを掘ったのは荀彧ちゃんなのだろう。

深さ自体は膝までしか無いので
ちょっとびっくりした程度ですんだが、
驚く私の様子を見て、
お腹を抱えて笑っている荀彧ちゃんを見ると
ふつふつと怒りが湧いてくる。


「クフフ、やったわ。
コレは兵法にも使えるかもしれないわね!」
「・・・荀彧ちゃん・・・こんな所に落とし穴なんか掘ったら危ないでしょう?
誰か引っかかって転んだらどうするのよ!」
「あんた以外 他の皆は知ってるわよ。
穴を隠すのに手伝ってもらったから。」
「つまり皆もグルか・・・」


私が畑の方を見ると
子供達が私達の方をみて笑っている。


「・・・こんないたずらをする悪い子にはお仕置きが必要みたいね。」
「フフ、引っかかるあんたが悪いのよ。 ・・クックック。」


荀彧ちゃんは反省や謝罪をするどころか
引っかかった私が悪いと言っている・・・
コレはもうお仕置きが必要でしょう。


「荀彧ちゃん・・・」
「な、何よ・・・」


流石に私の様子がおかしいことを感じた荀彧ちゃんは
私が一歩近づくと一歩下がり
更に荀彧ちゃんに近づくと同じだけ下がっていく。


「・・・待ちなさい! 荀彧っ!!」
「げっ!」


私が走って荀彧ちゃんを追いかけると
荀彧ちゃんも同じように走って逃げる。

しばらく追いかけっこが続くが
毎日訓練をしてる私と、何もしていない荀彧ちゃんとでは
体力が違うので 少し走った所で
息を切らせた荀彧ちゃんを捕まえることに成功し
そのまま荀彧ちゃんを背後から抱えるようにして
道具や堆肥の雨よけのための小屋の方に連れて行く。


「ちょっと喜媚 離しなさいよ!」
「こんないたずらをして
ちゃんと謝ることが出来ないような子には
お仕置きが必要なのよ!」
「お母様みたいなこと言うんじゃないわよ!」
「荀彧ちゃんのお母さんとかは関係ありません。
悪いことをした子にお仕置きするのは当たり前なんだから。」


途中でじたばたと暴れる荀彧ちゃんを
そのまま抱きかかえて小屋の近くに置いてある
丸太を短く切っただけの椅子まで連れていき
私は丸太に座り荀彧ちゃんは私の膝で
抱えるようにうつ伏せにさせる。


「ちょっと何するのよ!」
「昔から悪いことをした子にするお仕置きといえば
お尻叩き十回でしょ。」
「・・・ちょっと、あんた本気なの?」
「荀彧ちゃんがちゃんと謝らないのが悪いんだからしょうがないでしょう?
さぁ、行くわよ!」
「ちょ、ちょっと待っ・・・!」


流石に子供の力とはいえ
私はある程度体力をつける訓練をしているので
おもいっきり叩くとマズイので
ある程度加減して荀彧ちゃんのおしりを平手で叩く。


「痛っ・・・たぁぁいっ!!
ちょっと何すんのよ!」
「荀彧ちゃんがちゃんと謝らないからいけなんでしょう?
次 行くわよ!」
「引っかかったあんたが・・・ぃったぁ~い!!」
「どう? 謝る気になった?」
「誰が!」
「じゃあしょうがないわね・・・ホラっ!」
「い゛っ・・ったぁ!」
「次ぃ!」
「んぐっ!?」
「次行くわよ!」
「わ、わかったわよ! 私が悪かったから!」
「・・・やっと分かった?」
「分か・・・ったから。」


荀彧ちゃんの様子を見ると
頬が若干硬直しているがコレは怒りと恥ずかしさだろうか?
目も若干涙目になっている。


「そう・・・でもお尻叩きは十回って決まってるから、
・・・次行くわよ?」
「ちょ! 待ちなさいよ!!
私が悪かったって言ってるでしょう!?」
「じゃあなんて言うの?」
「う・・・ご、ごめん なさい。」
「そう、よく出来ました。
・・・・でもお尻叩きはあと五回残ってるからね♪」
「ふざけんじゃないわよ!!」
「ほら、反省してない。
本当に申し訳ないという気持ちで一杯なら、
本心から反省しているなら
どこでも 何回でも お尻叩きを受け入れられるはず!」
「そんなふざけたこと有るわけ無いでしょう!!」
「次行くわよ!」
「ま・・・いったぁぁぁっっい!!」
「ほら、次!」
「いぃっ!! 分かった、分かりました!
ゴメンナサイ!!」
「あと三回!!」
「本当に駄目だって! これ以上はっ・・ったぁい!!」
「後二回!」
「・・・だめぇ・・・駄目だって・・・・んくっ!」
「最後行くわよ!」
「ハァハァ・・・本当、だめらって・・・・んあぁ!」
「・・・・ふ~ はい十回おしまい。
これに懲りたら もうこんないたずらはしちゃだめだよ?」
「・・・・んっ・・・ぅぁ・・ハァハァ」
「・・・? 荀彧ちゃん?」


私がお尻叩きを終えて荀彧ちゃんを解放すると
荀彧ちゃんはその場にぺたんと座りこみ、
地面に手をついて息を荒げている・・・が
何か様子がおかしい。
私の言葉に返事を返してこない。


「荀彧ちゃん? ・・大丈夫?」
「・・・・ハァハァ・・・・んぅっ・・ハァ、だ、らいじょうぶ・・です。」
「・・・ちょっと本当に大丈夫?」


私が荀彧ちゃんの目の前に座り
荀彧ちゃんの顔を見ようと頬を手でさわり
私の方を向かせようとすると
荀彧ちゃんは焦点の定まってないぼーっとした目付きで
目の端に涙をため、口は半開きで頬が真っ赤になり息も荒い。


「ちょっと、ほんとうに大丈夫?」
「・・・はい、大丈夫です。
・・ごめん なさい・・・もうしません。」
「・・・ほんとうに大丈夫なの?
痛いところとか無い?」
「・・大丈夫です。」


私が荀彧ちゃんの頬に当てている手に荀彧ちゃんがそっと手を重ねて
愛おしそうに頬ずりをしながら
素直に謝罪を述べるが・・・何が起きた?

あまりの荀彧ちゃんの変貌に
薄気味悪くなった私はとりあえず荀彧ちゃんを椅子に座らせて
水を飲ませ落ち着かせる。


それからしばらくして、荀彧ちゃんが急に震えだしたので
何事かと思って荀彧ちゃんの様子を見ると・・


「・・・あ、あんた・・・見た?」
「え? 何を?」
「・・その、私・・・少し 変じゃなかった?」
「・・・えぇっと・・・変というか・・・
可愛かった・・よ? なんか妙に素直で。」
「くっ・・・っ!
ああぁぁぁあんた! 今日見たことは黙ってなさいよ!!
誰にも言うんじゃないわよ!!」


そう言いながら急に立ち上がった荀彧ちゃんが
私の胸ぐらを掴んで口止めをしてくる。


「ちょ、荀彧ちゃん苦しいって。」
「いいから黙ってなさいよ!」
「それはいいけど・・・どうしたのさっきの荀彧ちゃん。」
「・・・・べ、別に大したことはない わよ?」
「何で疑問形なのよ。
さっきの荀彧ちゃん、ちょっと・・・いつもと違ってたよ?」
「うぅぅっ うるさいわね!
あんたは黙ってればいいのよ!!」
「でも・・・」
「・・くっ、きょ、今日はこの辺にしといてやるけど
いつかこの屈辱は晴らしてやるから覚えてなさいよっ!!」
「あ・・・荀彧ちゃん!」


荀彧ちゃんはそう言い残すと走って帰っていった。

作業を終わらせて家に帰り訓練、夕食を済ませ
就寝時に今日の出来事を考えてみて ふと思い出した。


「あぁ! そう言えば荀彧ちゃんてドMの人じゃない!
・・・彼女まだ8~9歳なのに既にその素質が目覚めているのか?
そういえば、お仕置きする前に荀彧ちゃんの母親も
同じように悪いことをしたらお仕置きをしてると言っていたけど
まさか、それが原因じゃないでしょうね・・・」


翌日 少し恥ずかしそうな顔をしていたが
いつも通り荀彧ちゃんは現れ、
普段通り話をしたり、遊んだりしたが・・

この日以降 十日に一度くらいの割合で
荀彧ちゃんがいたずらをしては
私がお仕置きするというのが新たに私の日常に追加された。


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  1. 2012/09/15(土) 22:20:36|
  2. 真・恋姫†無双 変革する外史。
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1
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コメント

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「ま、前に読んだ本にたまたま書いてあったんだよ。
→「ま、前に読んだ本にたまたま書いてあったんだよ。」
  1. 2012/10/11(木) 11:12:48 |
  2. URL |
  3. へいほう #0DCaDBFQ
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