たいちの仮設避難所

某小説投稿サイトの規約改定による 仮設の避難所です。

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九十六話


洛陽




翌朝、今回は桂花の目覚めも良かったようで、
すぐに起きてくれたが、あいかわらず店に居る間は、私から離れようとしない。
仕事中には、厨房にやってきて、 『皿洗いくらい手伝いましょうか?』
とか言い出す始末だ。
正直私もどうしようか悩み、丁度店でくつろいでいた曹操さんの方を見て、
どうしたものか判断を仰ごうと思ったのだが、
『好きにさせてやって。』 と言い出した。
『この店は客を使うのか?』と言われるかと思ったが、
予想外の返答だったので私は困惑したが、
この場合本人がやりたいと言っているのなら、
やらせてあげたほうが、精神的に落ち着くだろうと思い、
皿洗いを手伝ってもらった。


どうも曹操さんもかなり精神的に疲れているらしく、
今回の洛陽に居る間はのんびり余暇を過ごすみたいだ。
庭に出ては、東屋で碁を春蘭さんに碁教えていたり、
時々店に来ては、お茶とお菓子を食べて、その後は二階に上がってお昼寝。
他の諸侯に手柄を取られないために、
袁紹さん本隊を撃退して、冀州を収めるのに相当急いだのだろう。
それがこの桂花や曹操さん達の態度に現れている。
いつもなら彼女達は洛陽を回って少しでも情報を集めようとするはずだ。
なので私も余計な事はせずに、曹操さん達の好きなようにさせる事にした。

彼女達は、今はこの店のお客さんなのだ。
ゆっくりくつろいで、今までの疲れを癒していってもらおう。
それが月ちゃんの為になるかどうかは分からないが、
今の彼女達を見ているのは忍びない。


そうして厨房で、料理をしていると、
シャオちゃんがやって来て、桂花の横で、一緒に皿洗いを始めた。
コレは別段珍しい事ではなく、すでに全体の仕事を覚えたシャオちゃん達は、
全体の仕事の様子を見ては、手が足りないところにやって来ては、
その部署で仕事を手伝うので、珍しい事ではないのだが、
桂花のすぐ横で、というのが少し気になった。


「こんにちは荀彧さん。」
「え? あぁ、こんにちは・・・貴女確か孫策のところの末妹よね?」
「はい、昨日も皆と一緒に挨拶したと思いますが、
孫尚香です、よろしくね♪」
「よ、よろしく。」


桂花もいきなりやって来てハイテンションで挨拶されたので、少し困惑気味だ。


「ふ~ん貴女が荀彧さんなんだぁ。」
「な、何よ?」


そう言ってシャオちゃんは桂花を上から下まで見回すが、
その後、とんでもない事を言い出した。


「喜媚ちゃんってこういう小さい子が趣味なの?」
「ブフゥッ・・!?」
「な、な、なんですってぇ!?
チビって言えばあんたも私とそう変わらないじゃないの!!」
「え~、シャオはまだ成長期だし、お姉様達が発育いいから、
シャオも将来はきっと大人の女に相応しい体に成長すると思うんだよね♪
でも喜媚ちゃんがちっちゃい子が好きなら、シャオちょっと不利かなぁって。
きっとシャオは将来胸もお尻も期待できると思うし。」
「人聞きの悪い事言わないでよ!
私は別に桂花が小さいから好きになったわけじゃないから!!」
「あ゛ぁっ!? 誰が胸が小さいですってぇ!?」


そう言って桂花は、私の胸ぐらをつかんで捻りあげる。


「む、胸の話はこれっぽっちもしてないって!
し、締まってる、キマってるから、離し、て!!」
「(胸が)小さくて悪かったわねぇ!!」


そう言って桂花は私を落ちる寸前まで締めあげた後、離して、
私のつま先をおもいっきり踏んでいった。


「あんたいったいいきなり何なの!?
喧嘩なら買うわよ!?」
「アハハ・・・喧嘩しようってつもりはないよ。」


シャオちゃんも桂花の剣幕に少し引き気味で、
まずい事を言ったと理解したようだった。


「ただ、シャオは喜媚ちゃんの好みが知りたいかな~っと思って。」
「あんたが喜媚の好みを知ってどうするんよ?
喜媚にはもう私がいるんだから、これ以上女は必要ないわ!」
「え~そうかなぁ? 喜媚ちゃんみたいな優秀な男の子の種は、
いくらでも需要はあると思うだけどなぁ。」
「需要があっても私達には必要ないの!
小娘は引っ込んでなさい!」
「アハハ・・・今日はちょっと荀彧さん怒らしちゃったみたいだから、
私が引くけど、次はちゃんとお話しようね。
あと、荀彧さん・・・・


そう言ってシャオちゃんは桂花の耳元に顔を持っていく。


(ウチは軍の計画として喜媚ちゃんを狙ってるけど、
そんな事関係無しにシャオは個人として喜媚ちゃんを狙ってるから、
足元すくわれないようにね。)
「っ!? この小娘!!」
「アハハ、じゃあね荀彧さん。
喜媚ちゃんも今度また一緒に遊びに行こうね♪」


そう言ってシャオちゃんは、店の方に戻っていったが、
場を荒らしたいだけ荒らしていってくれたなぁ・・・
桂花なんか肩で息してるし・・・


「喜媚っ!!」
「は、はい!」
「いい、あの小娘に誑かされるんじゃないわよ!
あんた、もしあの小娘となんかあったら・・・わかってるでしょうね。」


そう言って桂花は手を肩の当たりまで上げて、
空中で何かを掴むような仕草をして、そのまま握りつぶすように拳を作る。


「わ、わかってるって。 シャオちゃんとこの家が私を狙ってるのは知ってるから、
十分そっちの方では警戒してるって。」
「そういえばあんた、あの子の真名の愛称を呼ぶのね?
その呼んでる名前真名の愛称でしょ? あの子の名は孫尚香なんだから。」
「げっ・・・その事を書いた書簡まだそっちに届いてないの?」
「私のところには、あんたが詠に誑かされた書簡までしか届いてないわよ!」
「なんでそんなに遅いのさ!」
「私は戦が終わった地を転々と移動して、復興事業してるんだから、
陳留経由で、定期的な連絡でしか重要な書簡以外は回って来ないのよ!!
後でじっくりその辺の話を聞かせてもらうわよ。
ついでに、詠とあんたがヤってから後に書いた書簡の概要も、
全部きっちり聞かせてもらうわよ!!」
「わ、分かりました・・・」


この日の夕食後は、桂花の晩酌に付き合いながら、
詠ちゃんとゴニョゴニョあってから以降に書いた書簡の概要を、
説明し、シャオちゃんと真名を交わした経緯等を説明して、
その後、私の部屋に戻って、桂花と一緒に閨を共にした。




--曹操--


私は、今日も春蘭と、店の庭にある東屋で、月見酒を楽しんでいる。

今日一日の桂花の様子を見ていたが、
大分いつもの調子を取り戻してきたようだ。
それが私に出来ないのが少々歯痒いが、無い物強請りをしてもしょうがない。
今は桂花が元気を取り戻した事を素直に喜び、
喜媚を手に入れる方法でものんびり考えるとしよう。

私自身、この数日で疲れが溜まっているのが認識できた。
まだこの後も、幽州、青州、そして孫策が動かなければ徐州と続くのだから、
今の内に英気を養い、戻ったら一気に幽州まで手にし、
異民族対策も含めて、領地運営を急ごう。
董卓が何のつもりかわからないが、
冀州をあっさりよこしたように、幽州、青州もよこすというのなら、
今は敢えて、董卓の掌の上で踊ってやろう。
・・・しかし、最後に笑うのは私達よ!


「今日もいい月ね、春蘭。」
「そうですね、華琳様。」
「・・・ねぇ? あの月が欲しいと言ったら貴女はどうする?」
「手に入れて見せます!! そして華琳様に献上して見せます!」
「フフ、ありがとう。」
「か、華琳様ぁ。」


私は春蘭に感謝を述べて、横に座っている春蘭の頬を撫でる。

今夜は、ほんとうに良い月だ・・・




--喜媚--


今日は桂花とちょうど一緒に目が覚めたので、
一緒に顔を洗いに降り、桂花がやりたいというので、
朝食の準備を簡単に手伝ってもらい、
曹操さんを呼んで、皆で朝食を取り、また穏やかな日常を過ごしていたのだが、
午前中、私に来客があった。

それは愛紗ちゃんと諸葛亮ちゃん、鳳統ちゃんと言う、
一見珍しい組み合わせの三人組で、
挨拶を交わし、話を聞くと、諸葛亮ちゃん達の休みに合わせて、
愛紗ちゃんに休みをとってもらい、一緒に店に来るのに付き合ってもらったそうだ。
諸葛亮ちゃん達が、二人だけで来た事がないため、
いままで躊躇していたそうだ。


「喜媚さんこんにちは!」 「こ、こんにちは。」
「二人共こんにちは。 今日はどうしたの?」
「きょ、今日はこの間の話で幾つか聞きたい事が出来たので、
休みの日を愛紗さんに会わせてもらって一緒に尋ねて参りました。」
「そうなんだ、でもよく来てくれたね。」
「はい、それで早速この話なのですが・・・」


そう言って諸葛亮ちゃんと鳳統ちゃんは、竹簡が詰まった鞄から、
竹簡を取り出して私を質問攻めにしようとする。

向こうでは、桂花と愛紗ちゃんが、久しぶりに会えたので、
話をしている。


「桂花殿! お久しぶりですね。
まさかこんなとこでろで再開できるとは思いませんでした!」
「こっちもまさかあんたと会えるとは思えなかったわ、運が良かったわね。
今なんの仕事をしてるの?
刑罰なんていうから鉱山労働でもさせられてるのかと思ったんだけど?」
「私は今、洛陽で警備の仕事をさせてもらってるんです。
一般の警備隊と同じ仕事ですが、・・・洛陽の民を脅かした我らが、
洛陽の民の警備とは皮肉なものなのですが、
日々充実した毎日を送ることができています。
今日は桂花殿が居るとわかってたのなら、
皆を連れてきたのですが、休みが会わないため申し訳ありません。」
「別にいいわよ、劉備達とは、一時共闘はしたけど、
仲がいいという程でもないし、真名を交わしたのはあんただけだしね。
それと・・・あそこで喜媚に縋ってる女は誰! って諸葛亮に鳳統か。
とうとう、あの二人にも目をつけられたのね・・・
会えば絶対こうなるとは思っていたけど、本当あの馬鹿は・・・」
「な、何かまずかったでしょうか?」
「別にあんたは悪くないわよ。
ただ諸葛亮達が喜媚と少し話や議論でもすれば、
ああなるのは予想出来たって言う事よ。
ちょっと! あんた達何やってるの!?」


桂花が諸葛亮ちゃんと鳳統ちゃんに向かって、
怒鳴りこんできたので、二人はびっくりして私の影に隠れてしまった。


「な、なんでしゅか? ・・・え? 荀彧さん?」
「荀彧しゃん? あぅ噛んじゃった。
荀彧さんなんでこんな所に?」
「私は華琳様と袁紹領内の情勢について報告のために洛陽に来たのよ。
あんた達刑罰で警備隊やってるんじゃないの?」
「あ、桂花殿、あの二人と桃香様は塾の講師をやっているのです。」
「塾の講師? 劉備はともかく、諸葛亮と鳳統を?
詠も無駄遣い・・・いや、立場上しょうが無いのか。
それで? その塾の先生のあんた達が鞄一杯に竹簡詰め込んで何しに来たの?」
「あわわ、こ、これは違うんでしゅ、喜媚さんに仕事を押し付けようとかじゃなくて、
質問の要点を纏めてきただけで。」
「はわわ、そ、そうなんです! 決してご迷惑をかけようとかではなくて。」
「仕事中に竹簡鞄に詰め込んで、
質問攻めにしてたら迷惑以外の何物でも無いでしょうが!」
「はわわ。」 「あわわ。」
「桂花これはいいんだよ。
詠ちゃんからもちゃんと許可をもらった彼女達の仕事みたいなもんなんだよ。
それで、質問を聞きに来たんだけど、流石に桂花に見せる訳にはいかないから、
二人共個室の方に行っててくれる?
後で私も行くから。」
「あ、は、はい!」
「では、お待ちしてます。」


そう言って、諸葛亮ちゃんと、鳳統ちゃんは、個室の方に向かって駆けていった。


「ごめんね桂花。 流石に董卓軍の内部事情が絡んだ話になると、
私も話す訳にはいかないから。」
「それは別にいいわよ、お互い事情があるんだしお互い様だから。
それよりあんた、あの二人とは親しいの?」
「まぁ、普通に話す仲だよ。
と言ってもこの間からなんだけどね。
詠ちゃんと音々ちゃんと一緒にあの二人とちょっと議論することがあって、
それ以来かな? 二人とよく話すようになったのは。」
「ふ~ん、ならいいけど、気をつけなさいよ。
あんたはあの手の人間にはすごく魅力的に見える人間なんだから。」
「それはないでしょう。
あの二人は曹操さんみたいに同性愛者じゃないし私男だよ?
二人共私が男だってちゃんと知ってる 「誰がそんな話をしてるのよ!
あんたの知識は、軍師や文官のような、知で仕事をやってる人間には、
宝に山に見えるって話をしてるのよ!!」 ・・・ご、ごめん。
一応気をつけるよ。」
「ホント、気をつけなさいよ?
それで? これから・・・個室に行くの?」
「うん、少し仕事の引き継ぎしたら行くけど、流石に桂花は連れていけないよ?
董卓軍の内部の話になっちゃうから。」
「わかってるわよ・・・それなら愛紗と昔話でもしてるわ。」
「ごめんね桂花。」
「なんで謝る必要があるのよ。 さっさと行きなさいよ。」
「うん、なるべくすぐ戻ってくるから。」


そう言って私は、厨房で従業員の皆に話をした後個室で、
諸葛亮ちゃんと鳳統ちゃんの質問攻めに会うのだった。




--荀彧--


「荀彧殿、どうかなされたんですか?」
「ん? 別にどうってことはないわよ。
喜媚がちょっと私に聞かせられない、
董卓軍内の話をするから個室に行くんですって。」
「そうですか・・・そういえば家でもそうなんですが、
ある日、朱里と雛里が賈詡殿に呼ばれて出ていってから、
渋い表情で帰ってきて、その後すぐ二人で部屋に篭って、
徹夜で議論をしてたんですよ。
それに最近も良く同じように議論してるのを見ますね。
それと桃香様に、何やら教えているような場面も見ます。
・・・朱里達の才は確かにこのまま塾の講師で潰すには惜しいですから、
賈詡殿からお声がかりがかかるのは分かるのですが、
そう言った感じでもないようなんです。
お声がかりがあったら別に我らに隠す必要はないのですが、
何やら二人だけでコソコソと話すことが多くなったので、
私達も気にはしてるのですが・・・何分無理やり聞き出すわけにもいきませんし。」
「そうなの? ・・・確かに変ね。
賈詡だったら普通に二人に声掛けて勧誘すればいいだけなのに。」
「えぇ、我らも別にそれで朱里や雛里を咎めるような事はしないのですが・・・
それに桃香様に今更、
主君としてのあるべき姿を教授するのもおかしな感じがしますし。」
「あの二人そんな話してるの?」
「私もちょっと小耳に入っただけなので、
はっきり断言できませんが、
主君として持つべき覚悟がどうとか言っていた気がします。」
「確かに劉備には今更よねぇ・・・
そう言えば、あんた達刑期が終わったらどうするか決めてるの?」
「いえ特には、まだ刑期はそれなりにありますし、
偶にどうしようかと皆と話し合ったりしますが、
まだ明確な目標は・・・もしかしたら、朱里達は刑期が終わったら、
また桃香様を主君に旗揚げするつもりなのでは?」
「そんな事董卓や賈詡が許さないでしょう。
・・・しかし変な話しよねぇ。」
「そうですね・・・一度二人とこの事について話をしてみます。
私も気にはなっていたので。」
「まぁ、私にはあんまり関係ないけど、
あんたらは全員真名を交わした仲なんだから、
それくらい聞いたって、いいと思うわよ?」
「そうですね。」


こうしてこの後しばらく愛紗と昔話に花を咲かせ、
稟も今私達と一緒にいる事を話したりしていたら、
個室から喜媚達が出てきて、諸葛亮と鳳統がペコペコと頭を下げているので、
疑問は解決したのだろう・・・が厄介な女がまた喜媚の近くに近づいてきた。

喜媚は、あの手の優秀な文官を引き寄せる傾向にあるから、
董卓軍の陳宮にも警戒をしておいたほうがよさそうだ。
後 稟と風、周喩に孫策のところの新人の呂蒙、
それにあのクソ忌々しい乳から生まれてきたような陸遜も気をつけなくてはいけない。

私が喜媚を何としても守らなくては・・・
私には喜媚しかいないのだから。


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  1. 2012/12/08(土) 14:03:09|
  2. 真・恋姫†無双 変革する外史。
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  4. | コメント:4

雑記


こんにちは。


ちょっと私生活でドタバタして更新が遅れがちですが、
先ほど九十五話以降を投稿しておきました。
良かったら読んでやってください。


>>Gfessさん
メイドは一刀くんの隠れた性的嗜好ですね。
桃香達にご主人様と呼ばれて、何かが目覚めたのでしょうか?

>>綾宮琴葉さん
わざわざ、武将等をwikiで調べられてご苦労様です。
そこまでして読んでいただいて私も嬉しいです。
他の人物の視点等は人によってはあまり受け付けないようですが、
この三国志を題材とした恋姫の場合、
どうしても私の文章力では表現の限界があるので使わせてもらってます。
side○○ っていうのを嫌う人がいるみたいですね。
議会制については国家百年計画とかそれくらいの話ですし、
そんなにSSで語れるほど政治に詳しくないので、
細かくやったら絶対ボロが出そうですw

>>meoさん
解像度によって改行がおかしくなる、とのことですが、
その辺はご容赦ください。
以前はもっと酷く、今の形式に全て直したのですが、
ここに移転(?)する前のハーメルンと言うサイトが横四十文字で自動改行だったので、
その名残です。

>>ゼオンさん
ウチの桂花を気に入って頂いてありがとうございます。
??の人物については今後明らかになるので、
ココでは特に何も書きませんが、
幼少時の桂花の事件に関わった一家は、生きてるだけで御の字、
というのもあるのですが、あの後は相当苦労したでしょうね。


ここまでにご指摘いただいた誤字は全て修正しました。
ご指摘ありがとうございました。


たいち
  1. 2012/12/08(土) 13:38:07|
  2. 雑記
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  4. | コメント:0

九十五話


洛陽




翌朝、目が覚めた時にも桂花は私にしがみついたままで、離れようとしない。
離そうとすると私の寝間着を掴む力が強くなるので、
朝食の準備をしないといけないので、仕方なく、桂花を起こすことにした。


「桂花、桂花、ほら起きて。」
「・・・・・ん。」
「桂花起きてって、早く起きないと朝ごはん食べられなくなっちゃうよ。」
「・・・食べる。」
「ほら、曹操さんもご飯食られなくなっちゃうよ、
そしたら曹操さんに怒られるよ。」
「・・・やぁ、怒るなら喜媚がいい・・・ムニャ。」
「桂花・・・何言ってるの、起きてって!」
「・・・・ん? 喜媚? なんで・・・ここに居るの?」
「なんでって、ココ私のお店じゃない。」
「ん・・・そっか、私洛陽に来てたのか・・・ふぁ~。」


ようやく桂花も目が覚めたようなので、二人で顔を洗い、
交代で着替えて、朝食の準備をするのだが、
桂花も、一緒に厨房のある店まで降りてきて、
まだ、かまどに火も入れてないのに、厨房が見える席に着いて待っている。
そうしている間に皆起きてきて挨拶しながら、それぞれが朝食の準備にとりかかる。

私は桂花に見られながら朝食の準備を進めるが、
見られながらというのはなにか落ち着かない。
どうも桂花は昨日から私から離れるつもりは無いようで、必ず視界に入る場所に居る。
昨日や昨晩の様子から、何が原因かまだはっきり分からないが、
相当、桂花にストレスが溜まっていたようで、
昨日の出会い頭のビンタと、私に抱きついて泣いたのは、
おそらく、それが爆発したのだろう。
昨日の様子から、曹操さんも、
桂花に相当ストレスが溜まっているのは承知しているようなので、
詰問する必要はないが、洛陽にいる間に少し話してみたほうがいいだろう。


そうして朝食が出来上がってくる頃に、
曹操さんと夏侯惇さんが降りてきたのだが、曹操さんにしては、
起きてくるのが遅いように感じた。
曹操さんにも同じようにストレスが溜まっているのだろうか?
・・・今の袁紹領内での事を考えると、ストレスがないほうがおかしな話か・・・


「あら桂花早いわね、おはよう。」
「おはようございます華琳様。」
「おはよう、早いな桂花。」
「あんたが・・・なんでもないわ。」


おそらく夏侯惇さんに、『あんたが遅いのよ!』 とか、言おうとしたんだろうが、
それを言うと曹操さんにも言った事になるので飲み込んだのだろう。
桂花も、昨日よりは調子が戻ってきたみたいだ。


そうして朝食後、曹操さん達は、月ちゃんとの謁見のために、
宮殿へと出かけていった。
出かけていく曹操さん達を見送っていたのだが、
桂花がチラチラとこちらを見てくるのが何か可愛らしいと思ったが、
反面、かなり重症なのだろうと私は感じた。
出来れば洛陽に居る間にいつもの元気な桂花に戻ってくれればと願いつつ、
私にできる事は最大限しようと思った。




--北郷--


俺達は今、俺が現代に帰還するための場所に向かいつつも、
袁紹軍の残党に襲われた村々に立ち寄って、少しでも力に慣れるように、
華佗の治療活動に手を貸している。

俺も大分慣れてきて、止血や道具の消毒のためのお湯の準備等も、
手早く出来るようになり、華佗の補佐としてサポートに回っていた。


この日も華佗と一緒に村人の病と怪我を治療して周り、
今はこうして、星を見ながら、焚き火にあたり、
村人から感謝の印としてもらった、なけなしのお酒を飲んでいるが、
こうし村々を周り、怪我や病に苦しむ人達を助けていると、
理不尽な暴力を奮う袁紹軍の残党に対する怒りが湧いてくるが、
自分も虚名で白蓮の領内で義勇兵として人を集め、戦闘に向かうように差し向け、
黄巾の乱でも曹操達と一緒に黄巾の賊徒を倒してきたりした・・・
目的とそこにある志は違うが、民を戦に駆り立て、
負傷者や死者を出したのは同じなので、怒りをぐっと押さえ込む。

しかしこうして華佗達と旅をしていると、良く分かる事がある。
こうして賊や軍に奪われたものには、もう何も無く
生きるために止む無く賊に身をやつしたり、
流民として、生活できる場を求めて黄巾のような軍団に、
身を寄せる者達も居るという事だ。
黄巾の中にも、本当は賊なんかになりたくなくて、
やむなく黄巾に身を寄せていた人達等もいるかと思ったら、
自分達が指示した事で一体どれだけの血を流してきたのか、
考えさせられるようになる。

今思い出せば、桃香は話し合えば分かると言っていたが、
俺達は黄巾の兵を攻める前に対話をしただろうか?
せめて警告して、已む無く集まった流民に、逃げるだけの猶予を与えていたら、
被害は少しでも納まったんじゃないか?
そんな悪い考えばかりが頭に思い浮かぶ。


「ご主人様大丈夫?」
「貂蝉か・・・あぁ、俺は大丈夫だよ。
だけど俺も慣れたもんだろ?
もう火をつけるのも大分慣れたし、華佗の手伝いもそれなりにできてるし、
前みたいに吐くことも無くなったしな!」
「ご主人様、私の前で無理をしなくてもいいのよん。」
「貂蝉・・・」
「ご主人様が一人で責任を感じる事じゃないわん。
この国の皆でここまで来てしまった。
それでも正史よりは遥かに被害は抑えられているし、国は良い方向に向かっている。
ご主人様が贖罪のために医者になってこの国の人達を救いたいというのも、
尊い決心だと思うけど、無理に一人で抱え込む必要もないのよ?
ご主人様だけの責任ではないのだから。」
「・・・ありがとう貂蝉、でも俺は自分で決めたんだ。
それにこうして村々を回って、
一人でも多くの人を助けることが出来るのが嬉しいんだ。
華佗が旅をしながら病や怪我に苦しむ人達を助けて回っている気持ちが、
少しは理解できる気がする。
・・・だから俺の気持ちは変わらないよ。
元の世界に戻って、部活の剣道も真剣に打ち込んで、
勉強して医者になって、この世界に戻って来る!
その時はまた皆で旅をしながら、病や怪我に苦しむ人達を助けよう。
きっとその時の俺は今よりももっと多くの人達を救ってみせる!
ハハ、華佗と競争さ。 どっちが多くの人を助けるか、ってな。」
「ご主人様・・・わかったわ、もう私も何も言わないわん。
頑張ってね、私のご主人様。」
「あぁ、やってみせるさ!」




--荀彧--


昨日や朝は喜媚に醜態を晒してしまったが、今は別になんともない・・・はず。
喜媚に変なところを見せるわけにはいけない。
それに、今夜は詠に手を出した理由を問い詰めて、
詠の馬鹿が私との約定を破っていないか、きっちり確認しないといけない。

だが、まずはその前に華琳様と董卓との謁見を確実にこなさなければいけない。
最上は、董卓に冀州の統治権を華琳様に任せるように言質を取る事、
最低でも、華琳様の功績を認めさせて、冀州一部でも貰わないと、
私がアレだけ苦労した意味が無い。

こうして私と華琳様、春蘭は謁見の間で、董卓を待つ。
この論戦には負ける訳にはいかない。


「董仲穎様が参られます。」


侍女からそう声がかかり、もう何度か見た事のある董卓が現れる。
しかし何度見てもあの女がこの董卓軍を率いているとは思えないわね。
どこぞの良家のお嬢様にしか見えないけど、時折見せる王としての風格が、
その考えが思い違いで、董卓の心底には確かに華琳様に匹敵する芯があると思わせる。

横には護衛の中に紛れて詠も控えている。
あの雌狐め、どの面下げて私の前に出てこれたのか・・・


「曹孟徳様、長旅ご苦労様でした。
それに、袁紹領内では大層ご活躍の様子、他の諸侯にも見習ってほしいものですね。」
「いいえ、それほどでもないわ。
我軍の兵の実力ならば、賊軍に堕ちた袁紹軍など、敵では無いわ。」
「そうですか、ですが、できたらなるべく温情を掛けるようにしてくださいね。
兵とはいえ戦時でない時は一人の民、投降してくるものには、
なるべく寛大な処置をお願いしますね。」
「もちろん投降してくるものは、それなりの処理をした後、
ウチの領内で受け入れるわ。
流石に他の者達と同等の扱いはできないけど、
罪人以外はちゃんと人として立ち行く程度の生活は保証してるわ。」
「ありがとうございます。
それで、本日は陛下に報告が有るとか。
まずは私が聞かせてもらいますが、どのような報告でしょうか?」


そうして、華琳様は一呼吸おいて報告をする。


「まずは反逆した袁紹本隊を我が部隊で撃滅したわ。
コレで、これ以上袁紹領内で大規模な内乱は起きないはずだけど、
本隊から離反した部隊や、賊徒と化した部隊が多数いるため、
袁紹領内を、安定させるにはまだ少しの猶予が必要よ。
現在は冀州を我が部隊で完全に制圧し、
早速ウチの部隊で、冀州で復興事業を初めて、それも順調に進んでいる。
ウチで治めれば、計算では数年内には安定化し、
税収を期待できる土地になるはずよ。」
「そうですか、それは良かったです。
それでは、袁紹本隊の撃滅と冀州奪還の報奨として、
陛下に曹孟徳様に冀州をお任せするよう上申してもよさそうですね。」

「「・・・はぁ?」」 「ん?」


私も華琳様も思わず、情けない声を発してしまった。
春蘭は理由がわかってないようだが。


「・・・何か私、おかしな事を言いましたか?」
「い、いいえ! ・・・董仲穎貴女本当に私に冀州を渡すつもりなの?」
「何か問題がありますか?
袁紹本隊を倒し、冀州を取り戻した。
他の諸侯は賊軍との小競り合いや、
曹孟徳様・・・ええと呼びにくいので曹操様とお呼びしてでいいですか?
私の事も公式な場以外では董卓で構いませんので。」
「えぇ、構わないわ。」
「話を戻しますが、他の諸侯は賊軍との小競り合いや、
曹操様への金銭や兵糧の援助のみで、他には何もしていません。
孫策様は避難民を積極的に受け入れてくれているそうなのでありがたいのですが、
実際兵を率い、主力を倒し、冀州を取り戻したのが曹操様ならば、
当初の約定通り、功績に応じて冀州を曹操様に治めてもらうように上申しても、
問題無いと思いますが?」


董卓は馬鹿なのか? いや、馬鹿なのだろう・・・馬鹿正直だ。
私も華琳様も、ごねて冀州の一部でも、もぎ取れれば御の字だと予想していたが、
この女は、冀州を、まるごとよこすと言う。
この場での狂言なのかと疑いたくなるような話だが、
董卓が乱心したようには見えない。
いや、董卓が乱心したなら詠が止めるはずだが、詠は黙っていて口を挟む様子はない。
ならば本当に、董卓は冀州を我らに渡すつもりなのか?
詠が何も口を挟まないのなら、何かの策だろうか・・・?


「そ、それで報告の続きをさせてもらっていいかしら。」
「どうぞ、お願いします。」
「それで、袁紹本隊を撃退した時、ウチの部隊の人間が袁本初を確認したのだけど、
逃亡を許してしまったのだけど、コレについて今後どう対応すればいいかしら?」
「袁本初はできたら生きたまま捕縛でお願いします。
事の経緯を聞かない事には判断できません。
陛下の御前で、領地・私財・官職の没収を認めたのに何故兵を率いて、
反逆の徒に堕ちてしまわれたのか、話しを聞かない事には判断できませんので。」
「ではすぐに死罪ではなく、あくまで生かして捕らえよと?」
「はい、抵抗した場合は仕方ありませんが、できたら生かして捕縛してください。
こちらで掴んでいる情報では、
部下の暴走で今回の戦の総大将に祭り上げられたという情報を掴んでいます。
その確認をしたいのです。
その上で袁本初の罪状については陛下の裁定をいただきます。
ですが、部下を抑えられなかったのは、主君の罪。
無罪という事はないでしょう。
ですので抵抗するようなら・・・やむを得ません。」
「わかったわ。」
「報告は以上でしょうか?
良かったら、お茶の用意などをしていますが。」
「いいえ、後報告とは別件なのだけれど、連合に参加諸侯の中で、
動きが悪い諸侯がいくつか有るわ、報告書を用意してあるので、
あとで読んでもらって、できたら貴女か陛下からお口添えいただけないかしら?」
「分かりました。
その件はこちらで処理します。」


私は報告書を取り出し、護衛の兵に渡す。
それを詠が受け取り中身を確認しているが、
何枚目かで止まって読みふけっている。
あの詠に目をつけられた諸侯は、終わりだろう。
アレはやる事が抜け目ないし、董卓の敵は徹底的に容赦なく叩く人間だ。
詠が董卓の敵になると判断したのならば、その諸侯に先は無いだろう。
逆に私も、華琳様の敵になると分かったら、もちろん徹底的に叩き潰すが。


こうしてこの後、華琳様と董卓とでしばらく話した後、
お茶を御馳走する事になったので、部屋を移動して、
そこで、お茶とお菓子をごちそうになったのだが、
ふと部屋の隅に碁盤がおいてあり、しかもまだ打っている途中のようだ。
華琳様も気がついたようで、視線が碁盤に行った時に、董卓が反応した。


「あぁ、あれですか。 あれは私と喜媚さんとで打っている碁で、
なかなか勝負がつかないものですからああして、
碁石を置いた状態で、いつでも打てるようにしてあるんですよ。」
「へぇ、董卓、貴女も碁を打つの。」
「はい、でもなかなか上達しなくて・・・それに喜媚さんと打ってると、
打つよりも世間話に花が咲いてしまって、酷い時は、
お互い一手だけ打ってその日は終わり、なんて事もあるんですよ。」
「私が言うのも何だけど、打つ時はもっと集中して打ったほうがいいわよ?
でないと上達もしないわよ?」
「そうですね、ですがお話しながら打つほうが楽しくないですか?
それに喜媚さんとは真剣に勝負、と言うよりも、
お茶を飲みながら、楽しんで打つ感じなので。
そういう打ち方も楽しいものですよ?」
「・・・そうね、そういうのもたまにはいいかもしれないわね。」


そう言うと華琳様は少し遠い目で碁盤を眺めていた。
華琳様は囲碁は大変お強い、私と打っていても、私のほうがやや勝ちが多いくらいで、
いつも打つ時は真剣勝負になりがちだが、
華琳様と世間話等をしながら打ったことはあっただろうか?
喜媚となら、与太話をしながら打つこともあるが、
華琳様とはいつも真剣勝負なので、今度打つ機会があれば、
世間話でもしながら勝負ではなく、
昔喜媚と打ったみたいに楽しむ碁を打ってみるのもいいかもしれないな・・・
と、この時私は思った。


この日はコレで、宮殿を後にして、喜媚の店に帰った。
華琳様は帰るなり喜媚に 『碁盤はないか?』 と聞いて、
用意してもらったら庭の東屋で碁石を並べていた。
私も途中で御用はないか聞きにく時に見たのだが、
アレは、董卓のところにあった碁盤の棋譜だった。
見たところ、喜媚らしい奇抜な攻め方が見えた、
そちらの石が喜媚の打っている方だろう。
董卓は中々やりそうだが私や華琳様なら、
問題なく倒せる打ち手だろう、様々なところに隙が見えたが、
華琳様はその碁盤に石を並べながら、対手の席に座る春蘭と、
のんびり話をしながら石を並べていた。


私は、華琳様に好きなようにしていいと言われたので、
店の中で喜媚の仕事の様子を眺めながら、
董卓が何の狙いで、冀州をあっさりよこしたのか考えていた。




--喜媚--


宮殿から帰ってきてからの曹操さん達は今までの様子とは全く違って、
碁盤を借りて、庭の東屋で夏侯惇さんと碁を打つのだろうか?
二人で庭に出て、偶にお茶のおかわりを入れに行った時には、
夏侯惇さんと談笑していた。

桂花は相変わらず私の見えるところでお茶を飲んだり、
お菓子を食べたり、なにか考え事でもあるのか、時折瞑目したりして過ごしていた。
時々目が合っては、すぐに桂花が恥ずかしそうに、
目を逸らす等という事もあったが、
昨日のような逼迫した感じはなく、少しは落ちつけたようだ。


こうしてこの日は夕食時まで曹操さん達と桂花はのんびり過ごし、
曹操さんは夕食後、晩酌用にお酒を少し持って庭に出て、
夏侯惇さんと月見酒を楽しんでいた。

何やら完全に今までと違い、余暇を楽しむような感じで、のんびり過ごしている。
よほど今まで忙しかったのだろう・・・相当疲れが溜まっているようだ。
そんな時、ふと曹操さんも人の子なんだな~と思った一日だった。


そして桂花は、少しお酒が入った事で、この晩はひたすら私に甘えるように、
閨で二人っきりで過ごした。




--曹操--


「こうして春蘭と二人で飲むのも久しぶりね・・・」
「そうですね、華琳様。」


私はこの晩春蘭とは閨で過ごすのではなく、
月見酒を飲みながら過ごした。

こんな穏やかな日は、いつ以来だっただろうか?
董卓との交渉は相手の罠を疑うほどあっさり進み。
挙句に私らしくもなく、董卓との談笑に付き合い、
こうして久しぶりに春蘭とのんびり昔話をしながら過ごしている。

・・・しかし、ここは本当にいいところだ。
料理は美味しいし、お酒も美味しい、周りには綺麗どころが揃っていて、
風呂あがりにこうして月見酒を楽しめる。
そして、なにより仕事の竹簡を持ってくる文官がいない!

こうして過ごしていると自分も随分疲れていたんだと実感する。
桂花も随分酷かったが、喜媚と過ごすことで大分疲れが癒されてるようだった。
私でもこの様子だとウチの皆もそれぞれ疲れが溜まっていることだろう、
私が洛陽に来ている間に、皆もそれぞれ休養がとれていればいいのだが・・・
戻ったら、休養についてもう少し考える必要がありそうだわ。

しかし自分も相当疲労がたまってたのね・・・、
洛陽に来て、喜媚の店で過ごすようになってからは、それが癒されていくようだ。
春蘭も久しぶりに穏やかな表情で私の昔話に付き合ってくれている。


「たまにはこんな穏やかに日もいいわね、春蘭。」
「はい、華琳様・・・なにか昔に戻ったような気がします。
・・・コレならば、秋蘭も連れてきてやればよかったですね。」
「そうね・・・落ち着いたら、一度三人で酒でも酌み交わして、
昔話でもしましょうか?」
「そ、それは勘弁して下さい! 秋蘭にどんな話を持ち出されるか・・・」
「フフッ、それも良い思い出じゃない。」


こうして私はこの日は、自分でも信じられないほど穏やかに過ごすことができた。


  1. 2012/12/08(土) 13:15:08|
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九十四話


洛陽




--荀彧--


陳留から数日掛けて私達は洛陽までやってきた。
今回の目的は、反逆した袁紹の主力部隊を撃滅したことの報告と、
袁紹から離反し、独自の旗揚げ、賊徒化した元将官等の処理について、
董卓か陛下から伺う事。
連合に参加した他の諸侯の動きが悪いため、
陛下の方からお口添えいただけないかという要望。

そしてコレはあまり報告したくはないのだが、
袁紹自身と、そのお付きの文醜、顔良を取り逃がしてしまった事についての報告だ。


私が少しでも印象を良くするために、道中で報告の仕方について、
思考していると、不意に華琳様からお声がかりがあった。


「桂花。」
「はい、華琳様。」
「今回の報告内容は私の方で、すでに草案はできているから、
貴女は少しゆっくりして、旅を楽しんで、洛陽では喜媚に甘えるといいわ。」
「・・・は?」


華琳様は何をおっしゃった? 旅を楽しんで、喜媚に甘える?
反射的に想像した、喜媚に甘える自分の様子を頭に浮かべて、
私の顔は熱を帯びる。


「か、華琳様な、何をおっしゃって・・・!?」
「そうして慌てる貴女も可愛いけど、聞きなさい。
貴女と真桜にはお互いの状況を観察して報告するように言ってあったでしょう?」
「・・はい。」
「真桜からの報告で、少し気になる報告があったわ。
貴女に少し仕事量や、精神的負担がかかりすぎているってね。
しかし今、我が陣営は収穫の秋、飛躍の時。
少しでも多くの領地や領民を得るため、多少無理をしてでも功績を上げて、
陛下から賜る領地を少しでも多く増やさなくてはならない。
董卓や賈詡に有無を言わせないだけの戦功を上げ無くてはならない。
戦に出る者達にも負担はかかるけど、それ以上に、今、
貴女達に負担がかかっているのは、私は理解しているつもりよ。
ただ戦で袁紹軍の残党や、賊徒を討てば、それで終わりというわけではない。
その者達が荒らした村々や、邑を復興させ無くてはならない。
そのためには、ウチの中で内政面で最も優れた能力を持っている桂花、
貴女に少し無理をしてもらってでも、復興を急いで行い。
領民に少しでも早く生活を立て直してもらい、
少しでも早く税を納めてもらえるようにならなくてはならない。」
「はい。」
「そのためには貴女や真桜に今は少し負担をかけるけど、
そこはもうしばらく我慢してちょうだい。
この件が終わって、陛下から領地を賜って安定したら、
貴女達にはしばらく休みをあげるから、
休養をあげるから、名目上は董卓への友好の使者という事にでもしておいて、
洛陽にでも行くといいわ。 それまでは負担をかけるけど、
我慢してちょうだい。」
「・・・はい。」
「華琳様、私には!?」
「春蘭は閨でかわいがってあげるからいいじゃない。」
「本当ですか!? ・・・プフッ」
「汚いわね・・・稟じゃないんだから興奮して鼻血出すなんて止めてよね。
ほら、コレで拭きなさい。」


そう言って私は春蘭に手ぬぐいを渡す。


「ふふぁん。」


こうして、道中、華琳様から意外なお言葉を頂いたが、
私達は洛陽まで無事につくことができた。




--喜媚--


皆で交代で昼食取って、午後の営業に迎えて、
商品やお湯の準備をしていた時、どうやら客さんが来たようで、
従業員の皆の『いらっしゃいませ~!』と言う元気な声が聞こえてきた後、
美羽ちゃんの叫び声が聞こえてきた。


「な、な、なんでお主がここにおるのじゃ!?」
「ココはお茶屋でしょう? お茶を飲みに来たに決まってるじゃない。
ところで店主は居るかしら?」
「き、喜媚ぃ~~!!」


そう言って美羽ちゃんが厨房に駆け込んできたので、
とりあえず美羽ちゃんを抱き止めて、
七乃さんにパスして、店内の方に出てみると、そこには意外な人物達がいた。


「はい、私が店主ですが、なにか私に、御用・・・でしょうか・・・?
曹操さ・・・桂花!?」
「・・・・っ!」


店には曹操さんを先頭に、両脇に控えるように桂花と夏侯惇さんがいたのだが、
桂花がいきなり、私に涙目で駆け寄ってきたので、
何事かと思ったら、いきなり全力のビンタを食らった後、
桂花が私に抱きついてきた。


「痛ぅ~、桂花何す・・・・桂花?」


私に抱きついてきた桂花は、どうやら泣いているようで、
時折、嗚咽が聞こえて来る。
どうやら声を出さないよう、我慢しているようだが、
いきなりビンタで、そのあと抱きつかれてしまったので、
私もどうしていいか分からず、とりあえず、桂花を抱きしめて、
背中を撫でてあげた。


「何があったかわからないけど、私はココにいるから大丈夫だよ。」
「・・・く・・・ぅぅ。」


曹操さんは一瞬少し複雑な、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべると、
すぐにやれやれと言ったような表情に変わり、
夏侯惇さんは、何が起きたかわからないようで、呆けたような表情をして、
私達の様子を呆然と眺めている。
反董卓連合の時に怪我しなかったので大丈夫だとは思っていたが、
アレからも怪我はして無いようで、ちゃんと両目が健在な夏侯惇さんが居る。

その後しばらく桂花が落ち着くまで頭や背中を撫でてやり、
落ち着いたようで、桂花が私から離れてボソリと 『悪かったわね・・・』
と耳元で呟いて、曹操さんの脇に戻っていった。

しかしその間、私達は、店の全員から注目されていて、
なんとも居心地の悪い思いをしたのだが、桂花が落ち着いてくれたのならば、
その甲斐もあっただろう。


私の上着は黒なので、目立たないが、
桂花が顔を押し付けていた部分は確かに濡れていて、
先ほどまで桂花が泣いていたのは確実なのだし、桂花の目が真っ赤なので、
誰が見ても、桂花がさっきまで泣いていたのは確実なのだが、
指摘しても確実に桂花は否定するだろうから、敢えて今は何も言わない事にしたが、
後で詳しく話を聞いてみようと思った。


「曹操さんお久しぶりです・・・か、夏侯惇さんもお久しぶりです。」
「久しぶりね。」
「ん? なんか引っかかる言い方だな・・・
だがまぁ、久しぶりだな男女・・・じゃなくて喜媚。」
「えぇ! お久しぶりです!!」
(夏侯惇さんはいきなり切りかかって着たりは無いようだな、
曹操さんがちゃんと話してくれたのかな。)」


都合のいい事に忘れているのか、曹操さんがちゃんと言い含めてくれたのか、
陳留では曹操さんの悪口を言うと、夏侯惇将軍がやってくると噂になるほどの人だが、
今は随分落ち着いているようだ。
この様子なら、私が迂闊な事をしない限り大丈夫だろう。


「さて喜媚、私達がココに来た理由だけど、もう察しはついているわね?」
「・・・いつもの部屋でいいでしょうか?
あと注文は蜂果水とお菓子でいいでしょうか?」
「それでいいわ、後お風呂もね。 旅の汗を流したいわ。」
「うぅ・・・かしこまりました。」


結局私は、何時まで経っても曹操さんには勝てないのかもしれない・・・


とりあえず皆に普段の仕事に戻るように指示した後、
私は厨房に戻り、注文の品を作っていた。
その時、シャオちゃんが厨房にやってきて、
さっきの事について聞きに来たのだが、
私も何事か、理由がわからないので 『あとで桂花に聞いてみる。』
と話しておいて、注文の品をシャオちゃんに持って行ってもらった。


「ご注文の蜂果水と蜂蜜パンです!」
「ありがとう・・・? 貴女どこかで会った事なかったかしら? 」
「シャオ・・・コホン 私は直接のご面識はありませんよ、曹孟徳様。
でも私のお姉様とは面識はあると思いますよ?」


そう言うと曹操さんはシャオちゃんの顔をじっくりと見つめ、
はっとした表情に変わった。


「・・・もしかして細作の情報にあった孫策の妹?
末妹の孫尚香かしら?」
「当ったりぃ~! お姉様がお世話になっています!」
「そう、あなたがココでその制服を着ているという事は・・・
孫策もなかなか抜け目がないわね。」
「曹操さんはお姉様や冥琳みたいに、すぐに相手の意図が分かっちゃうんですね。」
「これくらい出来ないと、領主なんて出来ないわよ。」
「領主って大変なんですね~。
それじゃあ、ごゆっくりどうぞ♪」


シャオちゃんは、曹操さんと少し話した後、
すぐに厨房の私のところまで戻ってきた。


「そういえばさっきは聞き忘れたんだけど、
曹操さんって何しに来たの?」
「それは洛陽にっていう意味? ウチにっていう意味?」
「両方~、・・・ふむ、喜媚ちゃんは領主には向いてなさそうだね。」
「当たり前だよ、私に領主なんて務まるわけがないよ。
それで曹操さん達が来た理由だっけ?
多分、袁紹さんの本隊を倒した報告と、
功績によって本当に領地が貰えるか釘を差しに来た事かな?
後、何か他にも報告があるかもしれないけど、
おおよそそんなところだと思うよ。
それとウチに来たのは、この店を宿として使うためだよ。
もうコレで三回目くらいになるんじゃないかな?
ウチの店を宿屋がわりに使うの。
因みに言うけど、孫策さんもそうなんだからね。」
「お姉様もなんだ、けどなんで喜媚ちゃんは断らないの?」
「・・・色々複雑な事情があるんだよ・・・特に今回はね。」


そう、今回は桂花の様子がおかしいので、是非とも話を聞いてみたいし、
なにか困っているなら力になってあげたい。
曹操さんもわざわざ、桂花を連れてきたのはそういう意図があっての事だろう。
でなかったらあんな一瞬でも苦虫を噛み潰したような悔しそうな表情するはずがない。
自分で桂花の問題を解決できない事があるのが悔しかったのか、
部下もろくに扱いきれてない、自分に嫌気が差したというところだろうか・・・
曹操さんはプライドが高いから、特に自分の落ち度は、自分で許せないのだろう。

そうして厨房でシャオちゃんと話して居ると、
曹操さんに呼ばれたので、曹操さんの居る席に向かう。


「どうしたんですか曹操さん?」
「お願いがあるのだけど、董卓に謁見の手配を取ってくれないかしら?
私達が宮殿に行って今から手配するより、貴方が連絡したほうが早いでしょう?」
「それはかまいませんけど、内容は、袁紹さんの軍の件でいいんですか?」
「えぇ・・・喜媚の耳に入っているって事は、
やっぱり董卓の耳にも冀州の状況は入っているのね。
その件で報告と質問が有ると言う事でお願い。」
「分かりました。 シャオちゃん向かいまで出てくるね。」
「は~い。」


そうシャオちゃんに伝えて、私は売り物の持ち帰り用のお菓子をいくつか持って、
向かいの屯所の警備兵に、宮中の詠ちゃんに連絡をとってもらうようにお願いして、
おみやげのお菓子を渡して店に戻る。


この日は曹操さんも部屋の用意ができたら、
夕食の準備ができるまで休むと言って
夏侯惇さんとすぐに部屋に引きこもってしまい、
桂花だけを残して、二階の部屋に行ってしまった。

残された桂花はどうしていいか分からず、
しばらくはおとなしくしていたが、落ちつかない様子でいた。


「桂花も疲れてるんだったら、先に休んでおく?
私の部屋で寝ててもいいし。」
「いや、いいわ。 私はココでしばらくお茶でも楽しんでおくわ。」
「そう? おかわりとか何か注文があったらいつでも言ってね。
午後はこれからしばらくは忙しくなって、
私もなかなか桂花の相手できないけど、
夜ゆっくり話を聞くから。」
「えぇ・・・」


こうして桂花と話して見たが、やはり様子がおかしい。
よっぽど疲れているのか、いつもの元気も無いし、
さっき私におもいっきりビンタした割には、
もうその事はすっかり忘れているかのような感じで、
おとなしくお茶を飲んでいる。


袁紹領内では、今大変な時期だから、よほど疲れが溜まっているのか、
本当に何か有ったんだろうか?

この日、結局私は桂花の事が頭から離れずに、
桂花の様子をちょくちょく伺いながら仕事をこなしていった。
この日、結局夕食時まで桂花はどこに行く事もなく、
店の中での厨房が見える位置の机で本を開き、
時折、私の方をチラチラと見ながら過ごしていた。


そうしている間に、宮殿から連絡が来て、
明日の午前、曹操さんと月ちゃんの謁見の機会を作るという事で、
警備隊の隊員から連絡が来た。
その事を夕食時に曹操さんに伝え、曹操さんもならば今日は早めに休むと言って、
夏侯惇さんとお風呂に入った後、晩酌をすること無く本当にすぐに寝てしまった。
一体曹操軍の中で今いったいなにが起きているのだろうか?


私が最後にお風呂に入った後、部屋に戻ろうとしたら、
庭で月を眺めていた桂花が、私を見つけたらすぐに側やってきて、
手を握って、すぐに部屋に行こうと引っ張っていった。

部屋について、髪の毛をひと通り拭いた後、
寝台に桂花と一緒に座って、何があったのか話を聞いて見ることにした。


「ねぇ、桂花?」
「な、何よ?」
「曹操さんとこで何か有ったの?
出会い頭の張り手にはびっくりしたけど、いきなり桂花泣き出すし。」
「な、泣いてないわよ!
アレはアレよ・・・あんた詠を抱いたでしょう!
いくら許したとはいえ、本当に詠を抱くもんだから、
一発くらい、ぶん殴ってやろうと思ったのよ!!
・・・そ、それだけよ。」
「でも・・・」


私が桂花に詳しく話を聞こうとすると、桂花はあからさまに話をすり替えようとする。


「そ、そういえば! 前書簡にも書いたけど、稟がウチに来たのよ。
あの馬鹿、私の知らない間に風・・・あ、
コレは程昱っていうウチの新しい軍師の真名なんだけど、
凛と風の二人で、華琳様の文官の試験を受けていてて、
陳留から少し離れた砦の責任者になってたのよ。
稟は私に一言くらい何か有ってもいいと思わない?」
「確かにそうだけど稟ちゃんっぽいといえば、彼女っぽいかな。
大方、桂花と同格になるまで黙っておこうとしたんじゃない?
桂花が曹操さんのところで、人脈を使わずに文官の試験を受けたみたいに。」
「確かにそういうとこあるかもね、アイツは。
それで、今は私の下で風と一緒に軍師をやってるのよ、もちろん筆頭は私だけどね!
そう言えば稟、あんたにもよろしく言ってたわ。
今度会った時に、昔話でも一緒にしようって。
風、程昱も一度あんたに会ってゆっくり話がしたいって言ってたわ。」
「昔話か・・・あの頃は良かったね。
私達三人みんな一緒に塾に通って、
三人で共謀して稟ちゃんにちょっかいかけた男の子泣かして、
稟ちゃんはそれに協力した当事者のくせに、
素知らぬ顔で本読んで無視してごまかして。
結局、私と桂花が先生に怒られて。」
「・・・そんな事もあったわね・・・本当、あの頃は良かったわね・・・」


そんな昔話をしていた時、桂花の目には涙が浮かんでいた。


「桂花?」
「え? ・・・・こ、コレは、欠伸よ! ちょっと眠くなっただけよ。
最近仕事が忙しくて、なかなか休む機会がなくて、
陳留からここまでそれなりの旅だったし 「桂花。」 ・・・な、何すんのよ。」


私は言い訳をしようとする桂花を抱きしめて、
そのまま寝台に倒れこみんだ。


「な、何よ。 わ、私が魅力的だからって少しは雰囲気を 「桂花・・・
もう何も聞かないから。」 ・・・何よ・・・」


そして桂花も私を抱きしめるように腕を回して、
顔を私の胸に埋める。


「・・・もう何も聞かないから、桂花はゆっくり休むといいよ。」
「・・・何よ、別に・・・本当になにもないんだから。
でも・・・少し疲れたわね。」
「今日はもうゆっくりしたらいいよ、このまま寝ちゃええばいいよ。」
「・・・・・・そうね。 なんか疲れたわ。」


こうしてこの日は二人で抱きあうようにして眠った。
せめて今夜は桂花がゆっくり身体と心を癒せるように。

桂花も私の胸の中ですぐに眠ってしまったようで、
起こさないように慎重に布団を掛けて、私達はこのまま眠った。


  1. 2012/12/01(土) 18:01:06|
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九十三話


洛陽




現在、董卓陣営では幾つかの方針で行動しているのだが、

一つは、袁紹領内での内乱を、連合に参加した諸侯達に収めさせる事と、
反董卓連合敗戦での諸侯に課せられた罰金や、諸経費の支払による
諸侯の消耗を狙う方策。
コレは今のところ、まぁまぁうまくいっているそうだ。

若干曹操さんが、と言うか殆ど曹操さんが袁紹軍の主力部隊を倒してしまったせいで、
功績は曹操さんの一人勝ちと言う状況になりつつあるが、
コレは十分想定内の事である。


一つは、劉焉領内に、董卓領内の状況を、細作を使って風潮する事で、
いかに董卓領内では、民が幸せに暮らしているか、
どれだけ経済発展し、総合的な戦力も上がっているか知らしめ、
劉焉配下の善良な将官に、劉焉に対して武装蜂起を起こさせるため、
情報戦を行なっている。
具体的には、黄忠さんと厳顔さんに董卓軍と協力して、
武装蜂起させるような方策なのだが、
いきなり私が二人の名前を出しても詠ちゃんや音々ちゃんは納得しないので、
彼女達には、情報を教えつつ、自ら細作で確認してもらい、
二人が最適な人材だという事を理解してもらわなくてはいけない。
現在はその情報を確認しつつ、劉焉領内で情報の拡散を行なっている段階だ。


一つは、国内の富国強兵。 この場合董卓領内限定だが、
董卓領内の経済状態を更に良い物にするため、
新貨幣や塩引、新しい農法を民に広げ、農作物の収穫率を上げてもらい、
各、邑や村々で警備体制を見直し治安を良くし、
私の知恵袋の知識を利用した治水工事なども行いっていく。
更に兵や武装を強化し、絶対的な力を得る事で、
二度と反董卓連合などと言う物を組ませないようにする事。
同時に劉焉の領地がメインだが、他の地域にも、
董卓は善政を敷いて、皇帝陛下をちゃんと敬っていると言う噂を流させる事も、
並行して行なっている。 私も二度とあんな戦は御免だ。


一つは、異民族対策。
羌族や氐族に加え、公孫賛さん達が来た事で烏桓に対する情報も手に入ったので、
早速対策を開始し、異民族との武力衝突を避け、
なるべくこちらの経済圏に取り込む事で、
戦で奪い合うより経済活動を行ったほうが、お互い利益になるように誘導する。
羌族や氐族は元々董卓さんがそういう方針で進めていたため、
ある程度効果を上げているし、馬騰さんも月ちゃんの方針に、
方針転換してくれるそうなので、西涼でも効果が期待できる。
烏桓に関しては、まだ始まったばかりなので、
数年は成果が上がらないだろうが、
長期的に見れば五胡十六国時代を再現させないために必ず有効なはずだ。
異民族をちゃんと人として扱い、経済交流を通じて異文化交流をしていけば、
必ず戦を起こすこと無く、徐々にではあるがお互い交流していけるはずである。


一つは、劉焉対策とも連動するが、天下三分の計。
天下を三つに分け、お互いを監視するようなにらみ合いの状況を作りつつも、
外交交渉で、物事の解決を図り、長期的に安定させ、人材交流もする事で、
戦を起こさずに、外交交渉で解決するようにする。
超長期的には、政治体制を皇政から、まずは三国での議会制に移行させ、
皇帝を政治権力から引き剥がし、祭事を行う国の象徴とし、
立法・行政・司法の三権分立を行いって行き。
その監視機関も作って腐敗を防いでいく。
この大きな国を、一人の皇帝ではなく、多くの議員で細かく見ていき、
国の中央から離れた僻地でもある程度の水準で、
衣食住に困らないような内政を行える行政府を確立させる事。
そして立法・行政をきちんと切り離し、
真っ当な司法制度を構築するという、超長期的計画だ。
民の知的水準が上がらないとこの計画は進めていけないので
この計画は月ちゃんの代では完了しないだろう。
だが月ちゃん達の代で、その地盤を構築し、
後の世代で実現させられれば、この国は長期的に戦乱から開放され、
漢だけではなく西欧諸国や私の故郷である日本などの諸外国、
外へ目を向けていけることが出来るようになるだろう。

ただ問題は、孫策さん・・・は、代替わりを想定し、相手を孫権さんで考える。
孫権さんは私の知識で知る性格上、理解してくれれば乗ってきそうだが、
問題は曹操さんが乗るかどうかわからないところだ、
あの人の心を折れるほどの交渉が、月ちゃんに出来るかがキーポイントとなる。
そうでなかったら、一度戦で曹操さんを叩き潰さねばならないという、
最悪の交渉方法になってしまう事になるし、後にしこりを残す事になる。
コレは絶対避けたいので、曹操さんを納得させられるだけの、
完璧な計画と、曹操さんを交渉の机に引きずり出して、
話を最後まで聞かせる必要がある。


さて、こんな話を情報を公開しても問題ない範囲で、
私の店の個室で私、詠ちゃん、音々ちゃん、
そして、諸葛亮ちゃん、鳳統ちゃんを招いてしていたのだが、
途中から、諸葛亮ちゃんと鳳統ちゃんの目付きがギラついていて、正直怖い。


「今まで説明したモノが、ボク達が目標にしている政策で、
この国の未来を見越して、子の代、孫の代、そしてその先の世代まで、
恒久的に国の平和を維持するための計画何だけど、
何か質問は・・・あると思うけど、今は聞かないわ。」

「「そんな!? 酷いでしゅ!? はわわ(あわわ)噛んじゃった。」」

「貴女達は 『今は』 ウチの塾の講師なの。
だから塾の講師として、私達が将来に向けて、どんな人材が必要か話しただけで、
今日は貴方達の意見を聞く機会じゃないの。 分かる?」
「「・・・・くっ!!」」


この子達でも、こんな表情するのかと、びっくりするほど悔しそうな表情をしている。
二人共裙子(スカート)を握りしめて、歯噛みしている


「さて、ココで質問なのですが、諸葛亮に鳳統。
お前達二人はこの計画に興味あるですか?」

「「ありますっ!!」」

「ならば、まず、この事は劉備達には口外せず、
お前達二人で話し合って、我々に将来的に協力するかどうか決めるです。」
「なぜ桃香様に話してはいけないんですか!?
桃香様も私達と一緒に塾の講師をしているのに・・・
それに桃香様なら・・・ 「はいそこまで。」 ぅ。」
「貴女達もわかってるとは思うけど、劉備の持つ理想は尊いものよ。
素晴らしいわ。 誰が聞いても素晴らしいと言うでしょう。
子供達にその話をするのはいい。
善良な民を育成するのには、幼少時に善悪の観念を画一させる事が最適よ。
だけど、ある程度育って貴女達二人の授業を受けるような人材に、
劉備が子供達にするような授業をされると、はっきり言って迷惑なの。
分かる? この世界は決して劉備の理想のように甘くはない、
時には十を活かすために一や二を切り捨てなくてはいけない。
そういう判断をしなくてはいけない場面は必ずあるの。
だけど私達もよく観察してきたけど、今の劉備にはそれができない。
あの娘は優しすぎるから。
今の劉備は主君や為政者には向かないのよ。
そのかわり今の子供達向けの教師には最適な人材なの。」

「「・・・」」

「沈黙するという事は貴方達にも心当たりがあるという事でしょう?
大方、貴方達が劉備の下に付いた時、
自分達が劉備の理想と現実との乖離を埋めていけばいいとでも、
考えていたのでしょう?
周りの私達で、劉備の理想を実現していけるように、支えていけばいい。
そんな感じで、貴方達は劉備と北郷を御輿として担ぎあげた。」


諸葛亮ちゃんと鳳統ちゃんは、うつむいて、少し悔しそうにしている。


「だから劉備にこの話を今しても無駄なの。
あの娘なら、間違い無く袁紹領での出来事を見捨てておけないし、
劉焉の領内でこれから起こす事を看過出来ない。
劉焉を討つのではなく、まず話し合いをして、
跡継ぎを決めてもらって、きちんと内政をおこなってもらい、
三国ではなく四国で行けばいいじゃないか? そう言うはずよ。
それでは駄目なの、私達が調べた限りの情報では、
劉焉も跡継ぎ争いをしているその子息達、すべてが不適格なの。
領内では、文官が勝手に書類を偽装して予算を釣り上げて、
その分を懐に入れる、警備兵は商店の店主から賄賂を貰う、
将官は賊が出てもろくに討伐せず動いたとしても遅過ぎて逃げられる。
劉焉の領内では、跡継ぎ争いの為、味方同士で牽制し合い、
民の事など誰も見ていない。
コレがボク達が調べた、あの領内の実情よ。
まともなのは何人かの数えるほどの将官に少数の文官や兵だけ。
そして、そういった人物は邪魔だからと僻地に追いやられている。」

「「・・・・・」」

「劉焉は討たねばならないのです。
コレが音々達が細作を動員して調べた結果出した結論です。」


諸葛亮ちゃんが急に顔を上げて悲痛な表情で、詠ちゃんに尋ねる。


「桃香様は邪魔なんですか? 董卓軍のこの策には・・・桃香様は邪魔なんですか?」
「いいえ、重要よ。 言ったでしょう?
劉備の子供達への教育は素晴らしいモノだと私達は評価している。
おそらく劉備以上の適任者はウチには・・・月しかいないでしょうね。
だから劉備には、このまま理想を語っていて欲しいの、
子供達にこの国の未来は明るいという希望を持たせるために。
善良な民を育て、賊や、戦に怯えなくてもいい国を作るために。」
「劉備の生まれも調べましたが
劉備は主君として持っていなければならない物が決定的に欠けているのです。
主君として時には非情な判断をしなくてはいけない覚悟。
守るために、切り捨てる判断が取れる覚悟が劉備には欠けているのですよ。
そして、それは諸葛亮、鳳統、お前達にも責任があるのです。
必要な決断を劉備にさせずに、お前達だけでしてきた事ですよ。
義勇軍編成、黄巾の乱参戦、領地運営、
このどこにでも、その決断をするべき機会はあったはずです。
ですがその判断を劉備ではなく、お前達がやってきた。
劉備の理想を曇らせないために。
・・・そうではないのですか?」

「「・・・・・」」

「貴女達には貴女達のやり方があるから、責めるつもりはなかったのだけど、
・・・悪かったわね。
とにかく、私達のこの策を実現するためには人員が圧倒的に足りない。
貴方達のような優秀な文官を塾の講師で使い潰す事はできないの。
だから、いままで素行調査をして、まずは私達の目的を知ってもらうために、
こうして貴女達を呼んで私達の計画を話した。
後は貴女達の判断よ。
私達に協力するか、刑期が終了するまで塾の講師をして、
刑期が終了したら・・・また劉備を旗頭にして私達の敵に回るか。
それとも別の道を歩むか。
よく考えておいて、どの道が本当にこの国にとっていいのか?
子孫達にとってどの道が最適なのかを。」

「「・・・はい。」」


諸葛亮ちゃんと鳳統ちゃんの表情は暗いが、私は確かに見た。
二人の目が、死んでないのを・・・


こうして二人は帰って行き、私達は残って、
今日の手応えを話し合った。


「あの二人は乗ってきますかね?」
「乗ってくるわね、手応えはあった。
それに最後、部屋を出ていく時のあの二人の目を見た?
アレは心が折れた者がする目じゃない。
疲弊しながらも勝利をもぎ取ろうという兵がする、飢えた目付きよ。
アレだけの知を持っているあの二人が、この話を聞かされて、
『はいそうですか、じゃあ私達は協力しません。』
なんて言えるわけないわ。 私なら近い内に絶対もう一度話を聞きに来る。
そして、二人で劉備に現実を叩きこんで、三人・・・
いや、もしかしたら、関羽達も連れて全員で来るかもね。
それがいつになるかはわからないけど・・・ね。」
「はぁ・・・緊張したなぁ、なんか悪役っぽくて、
罠に嵌めてるみたいで、私は落ち着かなかったよ。」
「嵌めてるわよ? 知識という沼にね。
あの二人にとっては甘美で居心地が良くて、
自分からは抜け出したいなんて微塵も考えつかない、底無しの沼にね。」
「何その表現、悪役っぽいよ?」
「しょうがないじゃない、あんたが諸葛亮達を引き込みたいって言うから、
ボク達が、必死に考えて引き込める策を考えた結果、
優秀な文官なら耐えられない、この策を音々と練ったんだから。
・・・あの二人、今夜は眠れないでしょうね。」
「そうですね、音々でもあんな話聞かされた後だったら絶対考証せざるを得ませんよ。
実際喜媚から聞かされた後、徹夜で考証しましたです。」
「ボクもしたわ。 しばらくは頭から離れなかったもの。」


そう言うと詠ちゃんと音々ちゃんは私の方を睨んできた。


「な、何? なんか私が悪い事したみたいじゃない?」
「あんたのお陰でこっちは睡眠時間が削られまくってるのよ!」
「そうです! 音々達の睡眠時間を返すです!!」
「そんな理不尽な・・・」


こうして私はしばらく二人から攻められ、
とりあえず、甘味を作っておごる事でこの場は勘弁してもらったが、
そんなに知識人にはこの手の話題は興味を引くのだろうか?
私にはいまいち理解できない事だった。




--荀彧--


華琳様から書簡をいただき、すぐに翌日警備を伴って、
陳留まで数日掛けて戻り、久しぶりに華琳様のお顔を拝見する事になった。


「荀文若、罷り越しました。」
「李曼成、ただいま戻りました。」
「久しぶりね桂花、真桜、今までご苦労だったわね。・・・二人共少し痩せた?」


痩せたのだろうか? 私はそんなつもりはないのだが・・・
真桜は・・・あの忌々しい乳がへこんだ様子はない。
私は華琳様をよく観察してみたが、少し日焼けなされているようだ。


「華琳様は・・・少し、日焼けなされましたか?」
「せやね、少し肌が荒れてまんな。」
「そうなのよね、どうしても出兵が多いから、兵の指揮を取ってるとどうしてもね。
麗羽みたいに兵に日傘を差させるわけにも行かないし。
そんな事をしてたら士気に関わるから、する訳にも行かないし。
とにかく、本来なら久し振りに会った事だし、宴でも開きたいところだけど、
お互い時間もない事だし、今日はゆっくり休んで頂戴。
流琉に精のつく料理を用意させるから、それでも食べて今日はゆっくり身体を休め、
春蘭が戻ってきたらすぐに洛陽に発つわ。
今回は私、春蘭と桂花の三人と警護の者で向かうから、そのつもりでいるように。」
「警護の者が少なくありませんか?
せめて親衛隊の季衣か流琉をお連れになったほうがよろしいのでは?」
「そうしたいのも山々だけど、他の諸侯の部隊が役に立たなくて、
下手に戦力を削ぐと、せっかく安定させた、冀州の治安が悪くなるのよ。
あそこは并州と隣接してるから、董卓の目も近い、
できるだけ私達の功績に傷をつけるような事はしたくないの。
冀州を殆ど私達で収めたとなったら、
流石に董卓も冀州は・・・最悪その一部は私達によこさざるを得ないでしょう。
陛下の前で、功績に応じて領地を分配すると言ったのだから。
目標は幽州、青州、徐州、すべて私達で取りに行くわよ。
孫策は自領で手一杯の今が、絶好の機会なの。
アレが動くと徐州を持っていかれる可能性が高いわ。
そのためにも桂花にはしばらく無理をかけるけど、
内政で、貴女以上の人材はいないから苦労をかけるけど、
もう少し頑張ってちょうだい。」
「はっ。」


そうして私は久しぶりに、陳留の自分の執務室に戻ってきた。
真桜は、凪達に会いに行っている。

私の執務室は、きちんと定期的に掃除はされているようで、
ホコリ一つ無いが、竹簡も一枚も置いてない、
最低限の荷物しか置いていない、本当に殺風景な部屋になってしまっている。

陳留に来た当初は、この執務室で、喜媚と一緒に働いて、
曹操様に天下を取らせる事を夢見たはずだったのに・・・
喜媚に甘えていた幼い私のせいで、喜媚と心は通じたが、生き方はすれ違い、
離れ離れになってしまった・・・今は、この部屋には私一人しかいない。

仕事の竹簡も無く、喜媚もいない、まるで生活感の無いこの部屋は、
まるで今の私の心を写しているかのようで、空虚な感じがした。

・・・仕事は充実している。 華琳様のお役にも立っている。
でも、何かが足りない・・・何が足りないかは分かっている。
しかし今、それを認めると、今まで我慢してきたモノが溢れ出しそうだったので、
押し殺すことにする。

もう少し・・・後もう少し経てば、必ず会えるのだから。


この後、流琉の料理をいただき、久しぶりに美味しい物を食べて、
身体にも少し力が戻ってくるような気がする。

翌日、春蘭が戻ってきた為すぐに洛陽ヘ出立する準備をし、
華琳様、私、春蘭、それに護衛の兵達が城門前に集合し、
今陳留の城に居る者達が出迎えに着ている。


「稟、風、私がいない間は、しばらくはこちらは無理せず、
皆なるべく休養を取るようにしなさい。
その辺りの判断は任せるわ。 貴女達も軍師補佐から、正式に軍師になったのだから、
しっかりとした判断を期待しているわよ?」
(稟と風が軍師補佐から正式な軍師に格上げされた!?
・・・まぁ、あの二人なら遅いか早いかの違いか・・・くっ!
二人はもう私のすぐ足元まで来てるのね・・・)
「「御意!」」
「秋蘭、後はしばらく任せたわよ。」
「はっ。 姉者華琳様を任せたぞ。」
「あぁ、言われるまでもない! 華琳様には傷ひとつ付けさせん!」
「姉者・・・戦に行くのではないのだから・・・
後、華琳様に注意されているように、喜媚殿にいきなり殴りかからないようにな。」
「分かっている! あの男女は華琳様に不敬を働いたが、
華琳様がお許しになっているのならば、私から言うことは何もない。」
「・・・本当に頼んだぞ、姉者。」
「あぁ、大丈夫だ!」


春蘭のその無駄に自信の有る返事が、逆に心配なのよね・・・


「華琳様もお気をつけて!」
「道中お気をつけてください!」
「季衣、流琉、陳留の守りは任せたわよ。」
「「はい!」」
「華琳様、道中お気をつけて。」
「気をつけてなの~!」
「華琳様、お気をつけて! 桂花はんも洛陽では喜媚はんによろしゅうな。」
「凪達も、町の警備を頼んだわよ。」
「一応喜媚にはあんたがそう言っていたって伝えとくわ、真桜。」


そして、華琳様は一呼吸した後・・・


「出立!」
「「「「「「応っ!」」」」」」


こうして私達は洛陽に向けて出発した。


  1. 2012/12/01(土) 17:34:25|
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九十二話


洛陽




「貴方も参加しなさい、公孫賛。」
「そうですね、公孫賛も参加したほうがいいです。」
「・・・は?」
「詠ちゃん、音々ちゃん、主語が抜けてる。
何に参加するように言っているのか、まずそこから話さないと。」
「そ、そうだったわね。」


公孫賛さんが家で働くようになって、今はまだ仕事を覚えている段階なので、
混んでる時は厨房で皿洗いをしてもらって、
比較的空いてる午前中などに時に、接客をしてもらっていたのだが、
ある日の午前中に、詠ちゃんと音々ちゃんがやってきた。
二人の休みが重なったため、久しぶりに勉強会を開こうという事らしい。

そこで私を個室に半ば強制的に引っ張っていく途中、
接客が終わって一息ついてる公孫賛さんを見つけた二人が、
先ほどの台詞を吐いたのだ。


「実はね公孫賛、ボク達は不定期に勉強会を開いているんだけど、
貴女も、しばらくしたら董卓軍に所属するのだし、
いきなり入っても、ウチのやり方や洛陽の今の内政手法は、
貴女が治めていた幽州とかなり違って困惑すると思うから、
今からやる勉強会に貴女も参加しなさい、という事なの。」
「あ、あぁ、そういう話か。
何の事かと思ったよ、そういう話なら・・・喜媚殿いいのかな。」
「私のこの状態を見て察してくれたら嬉しいです。」


私は両腕を詠ちゃんと音々ちゃんに片方ずつ掴まれ、
引きずるように強制連行されている。


「なんか・・・喜媚も苦労してるんだな。」
「それが分かってくれるのは公孫賛さんだけだよ・・・」


こうして私達は個室に連れ込まれ、
詠ちゃんと音々ちゃんの勉強会に強制参加させられたのだが、
いきなり公孫賛さんに二人の話についていけというのも無理な話なので、
今日は公孫賛のレベルに合わせた勉強会を開く事になった。


この勉強会を開いて初めて分かったのだが、
他所の人間をいきなり董卓軍に放り込むと、簡単な仕事ならともかく、
少し複雑な仕事になると途端について行けなくなるという事だ。


「人材育成は急務ね・・・ウチの軍で塾を開いておいてよかったわ。
あそこで学んだ人間なら仕事に着いてこれるでしょうから。」
「そうですね。 新しく人材を登用した時は、
一~二ヶ月程あそこの塾に放り込みますか。
諸葛亮と鳳統はすでにウチのやり方を習得していますので、
二人の授業をしばらく受けさせてから使うようにするですよ。」
「そうね、それがいいわね。」
「あのなぁ・・・私もそれなりに勉強は真面目にしてきたが、
いきなり知らない単語出されて会話されてもついていけないからな。」
「悪かったですよ。 しかしそうすると・・・公孫賛も塾に通わせますか?
丁度袁術と孫尚香を見張るのにもいいですし。」
「ちょっと待ってくれ、私が今更また塾に通うのか?」
「しょうがないじゃないですか、仕事に着いてこれないのですから。」
「あ~詠ちゃん、音々ちゃん、公孫賛さんには私が夜の空いた時間にでも、
少しずつ教えていくから勘弁してあげてくれないかな?
流石にまだ仕事も覚えてもらってないのに、
午前中に塾に通ってたら、公孫賛さんの仕事を覚える時間がないよ。」
「むぅ、しょうがないですね。
まぁ、公孫賛はまだウチに来るまで時間があるので、いいですか。」
「そうね、じゃあ喜媚から少しずつウチの仕事のやり方を聞いておいて頂戴。」


公孫賛さんは机に突っ伏して、ぼやく。


「接客やお茶の入れ方も覚えなきゃいけないのに、
まだこれ以上覚えなきゃいけないことが増えるのか・・・」
「ごめんね、公孫賛さん、二人は言い出したら聞かないから・・・」
「あんたがこれからウチでやっていくために必要な事なんだから、
頑張って覚えなさい。
しかし、問題は人材育成よね。
ただでさえ領地運営の人材が足りないのに、
ココに来て、ウチのやり方を覚えてもらわないといけないなんて。」
「即戦力を欲しがろうっていうのが贅沢なんだよ。
ある程度は自分達で育成しないと。」
「そうね・・・となると、
新人の文官の配置を考えなおさなきゃいけないわね・・・ブツブツ。」
「詠、それなら新人を一旦熟練の文官の元で一定期間助手のような仕事をやらせて、
それを各部署全部回して行って、個々の適正を見るですよ。
それでですね・・・」


詠ちゃんと音々ちゃんが二人で本格的な人員配置の話をしだしたので、
その隙に、公孫賛さんの手をひっぱって、
喋らないように口の前で人差し指を立てて注意して部屋から逃げ出してきた。


この日からしばらくして、董卓軍内部の文官の配置等が少し替えられて、
定期的に新人を各部署を回して全体の仕事のさわりの部分を覚えさせつつ適性を見て、
ある程度仕事を覚えたところで、本格的に部署に配置するようになった。
そうして、文官の中から特に指導に向いている人材を選び抜いて、
洛陽以外の場所に移動させて、洛陽での最新の統治方法を、
各地へと広げるようにし、馬騰さんにも連絡して、
文官を交換留学ではないが、何人か期間限定で交換交流して、
董卓軍で使用している農法や内政、兵法を馬騰軍にも広げて、
西涼の農作物の収穫率を上げたり、内政運営の効率化等を目指していった。

コレは数年単位で無いと効果を表さないが、
この時期から行ったおかげで、この数年後、
董卓領内で、様々な内政手法は広く広がり、
僻地でも、ちゃんとその土地に合わせ柔軟に改良した内政手法に、
変更したり出来るだけの、柔軟な思考ができるほど、
平均的に文官の質が上がったという話だ。




--荀彧--


「ハァ・・・ほんとうんざりするわね。
この竹簡の山は・・・もう竹簡は見たくないわ。」
「桂花はん愚痴もええけど、仕事してや。」
「あんたに言われたくないわよ、それにちゃんと手は動かしてるわよ。
そういうあんたはどうなのよ、真桜。」
「もう口動かしながら、手を動かす芸で食っていけまっせ。」
「そんなの私の部下は皆出来るわよ・・・」


私と真桜、そして執務室に居る文官は皆復興事業の竹簡の処理に追われていた。
そんな時、久しぶりに洛陽からの竹簡が届いたというので、
急いで中身を明けて読んでみたのがだが・・・


「バキッ! ・・・あの馬鹿喜媚に雌狐の詠め! とうとうヤリやがったわね!!」
「どないしたんです桂花はん。」
「どないもこないもないわよ! あの馬鹿喜媚、とうとう・・・くっ!
あ、あんたには関係ないわよ真桜。」
「喜媚はんが、またなんかやらかしたんですか?」
「関係無いって言ってんでしょ!!」


私はそう言って、詠から送られてきた竹簡を握りつぶして、
廃棄用の籠に全力で投げつける。

私は陳留経由で送られてきた喜媚と賈詡の書簡を読んでいたのだが、
あの馬鹿喜媚に雌狐の詠がとうとうヤリやがった・・・!

それも詠は誇らしげに、わざわざ私の神経を逆なでするような書き方で、
事細かに状況を書いてくるし・・・思い出しただけで腹が立つ!
喜媚の方の書簡は全面謝罪文。
日持ちする乾物とお酒付きで、コレを飲んで気を休めろとでも言うのだろうか・・・
許した私も悪いから、喜媚一人を責めるつもりはないけど、
今度会った時に一発や二発ぶん殴っても全然問題無いわね。


「くっ・・・この治水予算の計算書が計算間違ってるわよ!
もう一度、計算させ直しなさい!」
「桂花はん荒れるのはしょうがないけど、ウチに当たるのだけは堪忍してや。」
「当たってないわよ!」
「それはそうとして、華琳様の書簡にはなんて書いてあったんですの?」
「・・・へ? 華琳様?」
「さっきの洛陽からの書簡の下に華琳様殻の書簡があったと思うんやけど?」


真桜にそう言われた私は、竹簡の山から、先の書簡がおいてあった場所を掘り当て、
調べてみたら・・・確かに華琳様からの書簡が一緒にあった。


「・・・い、今から読むわ。」


そうして私は華琳様からの書簡を読む。

書簡の内容は、私と真桜を慰労する文面で始まり、
袁紹軍から離反した賊軍の討伐が、冀州はあらかた完了したので、
キリがいいところで兵や文官を休ませるのと同時に、
洛陽に、一度報告に行くため、
私と真桜に陳留に来るようにと、
そして華琳様と合流後、洛陽に行くと言う内容だった。


「ほんまに、たのんますで桂花はん。
・・・はぁ、華琳様に、桂花はんの様子がおかしかったら、
どんな細かいことでも報告するように言われてるけど、
なんて報告したらええんやろか・・・
洛陽からの書簡読んで、ブチギレましたってそのまま書いておこか。」
「なんか言った真桜?」
「華琳様に頼まれた、桂花はんの報告書に、
桂花はんがブチギレてましたって書こうと思ってたって言うただけです。」
「余計な事は書くのは止めてよね! 華琳様に私の品位を疑われるわ!
お返しにあんたの報告書には、変なモノばかり作って、
仕事をサボってるっ て書いてあげましょうか?」
「それはかんにんやけど、桂花はんの場合事実ですやん。」
「あんたも事実じゃない、私が知らないとでも思っての?」

「「・・・・」」

「ほ、ほんで? 華琳様の書簡にはなんて書いてあったんです?」
「・・・賊軍討伐の切りが一旦着いたから、
洛陽に袁紹軍本隊を倒した事を報告に行く。
だから一緒に行くために、私とあんたに陳留まで一度戻って来いって・・・
それと申請を出していた。部下の休息が認められたわ。」
「・・・ほんまでっか! やっとウチの研究室に戻れるんか~。
それに桂花はんもよかったですやん!
洛陽に行くって事は喜媚はんにも逢えるっちゅうことですやろ?
久しぶりに甘えてきたら・・・ンガ! 「余計な事は言わなくていいのよ!」
・・・痛つ~、竹簡投げつけるのは止めてほしい言うてますやん。」
「あんたが馬鹿なモノばっかり作って私のところに持ってくるからでしょ!」
「馬鹿なモノって失礼な!
夜が寂しい桂花はんの為を思って 「それが余計だって言ってんのよ!」 ちぇ~、
・・・せっかく使用した感じの感想を聞きたかったのに残念やなぁ。」
「あんた、又あんなくだらない物作ったら、開発部の予算半額に削るからね!」
「それは堪忍してや! わかりました、桂花はんにはもう持っていかへんから!」
「作るなって言ってんのよ! あんないかがわしい・・・は、張形なんて。」
「それもコレも桂花はんの 「あ゛ぁっ!?」 ・・・スンマヘンでした。」


こうして私は急いで今の仕事を一旦切りを付けた後、
真桜に後の事を任せて、護衛と共に陳留に向かうのだった。

今まで散々村々を転々と回されて復興作業に従事させられ、
華琳様にも会えず、喜媚の書簡もまともに届かない状況だったけど、、
ようやく華琳様や喜媚に会えるかと思うと、
今まで重かった気持ちが少し軽くなるのを感じた。

どうやら自分でも予想してなかったほど、精神的に疲れていたよう。




--??--


「っく、荀彧め・・・私の治水工事の工事費用の積算書の偽造に気づきおったか・・・
聞いていた通り、頭だけは切れる厄介な女だ。
奴のお陰で僕の親族が許昌でどんな目にあったか・・・
とにかく、荀彧のいない今、李典ならなんとか誤魔化せるだろうから、
なんとか、うまく積算書をごまかさないと、
せっかく曹操軍の文官になった意味が無い。
・・・全く忌ま忌ましい荀彧め。」




--喜媚--


あれから公孫賛さんに仕事や、内政面の知識を教え、
当初あまりに公孫賛さんに掛かりっきりだったので、
拗ねてしまった劉花ちゃんのご機嫌も取りつつ、
店の経営を行なっている。

やはり美羽ちゃんやシャオちゃん、江東の二喬こと大喬、小喬姉妹の効果は絶大で、
更に普通に綺麗な公孫賛さんファンも密かに増えているようで、
洛陽の景気も良いせいか、店の売上は順調に伸びている。

今の状態なら、月ちゃんから報奨金の一部である、
生活費をいきなり切られても、
従業員や、皆に給金を払ってやっていけるだけの収入以上に稼げている。
だが売上を占めるのが、今までの茶屋としての売上と、
新商品の持ち帰り用お菓子で、従業員を養っていける分なのだが、
董卓軍の将官が消費するお酒の代金が、売上の四割程を占めるこの状況は、
喜んでいいのか、憂うべきなのか・・・ 『と言うか皆飲み過ぎ!』

ともかく、余った余剰金を貯金しつつ、
実家の許昌の方の農業や養蜂も調子がいいので、
そろそろ新しく始めようと思っていた紙の生産か、
洛陽でも農民を雇って農業でも始めてみようか?
今のウチに安い地域で銀や金を買い占めておいて、新しい銀の貨幣を作る時に、
詠ちゃんに売ったら怒られるだろうか?


そういえば最近桂花の書簡の返事が帰ってくるのが遅いが大丈夫だろうか?
仕事で各地を転々としているため、陳留に一度書簡を送り、
そこから曹操さんの連絡部隊の人達に任せているので、
どうしても遅れるのはしょうがないが、
桂花は元気でやってるだろうか?
仕事でストレスとかためてないといいのだが・・・

そういえば真桜さんから、桂花の機嫌が良くないと書簡が来てたっけ?
アレで桂花は繊細なところもあるから、
誰か、近しい人が付いて居てくれていたらいいのだが・・・
華琳さんにお酒を送る時についでに桂花の事を少し気にかけておいてくれるように、
頼んでおこうか?

晩酌をしながら、そんな事を考えていた時、不意に目隠しをされた。


「だ~れだ?」
「シャオちゃんでしょ?
流石に声で分かるよ。」


そう言うとすぐに目隠しされていた手が外され、
私の向かいの席にシャオちゃんが座ってニコニコ笑っている。

そういえば桂花も子供の頃、同じような事を私に何回かしてきたっけ・・・
等と昔を思い出していた


「エヘヘ、私の声、覚えてくれたんだ。」
「これだけ一緒に生活してて覚えてなかったら、
流石にまずいと思うよ。
それで、どうしたの? もう皆寝る時間だと思うけど。」
「ん~、今日は喜媚ちゃんを口説こうかなぁと思って。」
「また、冗談ばっかり。」
「半分・・・七割くらいは本気なんだけどな。
本当は、ちょっと出てた時に明かりが見えたから、
誰か居るのかと思って確認をね~。」
「この店に泥棒が来たらすぐにウチの従業員が気がつくと思うけど?」
「一応念の為にね、コレでもシャオは結構強いんだよ?」
「シャオちゃんが強いのは知ってるよ・・・いや、知らされたというべきか。」


そうなのだ、私が自主練で武術の型の稽古をしている時に、
シャオちゃん達が起きてきて、 『相手がいないなら私が相手しよっか?』
と言って相手をしてもらったら、ボロ負けしたのだ・・・
弓腰姫の名は伊達じゃなかった・・・弓腰姫と呼ばれてるのくせに
剣も棍もわたしより強いなんて反則だ。
あの日は、私は、この世界では武官や将官と呼ばれるような人には、
やはり、どうあがいても勝てない運命なのだと悟った日になった。


「それで喜媚ちゃんは何してたの?」
「ん? 今後の店の運営方針をね、少し予算に余裕が出てきたから、
新しい事業に手を出すべきか、堅実に稼いでいくべきかどうしようかな~と、
考えながら晩酌をしてただけだよ。」
「う・そ・、途中からちょっと後ろから喜媚ちゃんの顔が見えたけど、
そんな感じの表情じゃなかったよ?
もしかして、荀彧さんの事考えてた?」
「っ!」
「あったり~。」
「・・・ちょっとびっくりしたな、なんで分かったの?」
「そりゃあ、私の好きな人ん事だもん、顔を見たら分かるくらいじゃないと。」
「そんな事が出来るのは、シャオちゃんか・・・孫策さんくらいだよ。」
「お姉様はこういう勘はうまく働かないから。
あと、私がせっかくさり気なく、告白したのに無視は酷くない?」
「・・・シャオちゃんが言う好きが友情なのか愛情なのか・・・恋なのか、
判断がつかなかったんだ、大人は都合の悪い質問には答えないものだよ?」
「喜媚ちゃんにはそういう大人になってほしくないな~。
でも、正直シャオもまだわかんないんだよね、
喜媚ちゃんの事は好きだけど、友達としては大好きだし、
家族としては呉の皆よりは落ちるかな、女としては・・・喜媚ちゃんが察してね♪」


そう言って少し頬が赤く染まって見えたのは、蝋燭の明かりのためだろうか?
それともシャオちゃんが恥ずかしがっているからだろうか?
・・・どちらにしても、私もお酒が入っているので、
これ以上迂闊に考えると、シャオちゃんの術中にはまってしまいそうなので、
思考を切り替える。


「そういえば、シャオちゃんのご家族、孫策さん達は元気?」
「あ、誤魔化そうとしてる~!
ホント喜媚ちゃんは女泣かせだよね!」
「私は泣かせるつもりは一切ないんだけど・・・
それで、孫策さん達はどう?」
「それが聞いてよ喜媚ちゃん!!
お姉様、塾の費用はちゃんと仕送りに上乗せしてくれたんだけど、
シャオ達のお小遣い減らしたんだよ!!
『喜媚ちゃんのところでお給金もらってるからいいでしょ?』
とか言って、おーぼーだと思わない!?」
「アハハ、多分冥琳さんあたりが気を利かせて、
シャオちゃん達ににあんまり大金を渡して、
金銭感覚が狂わないように気を使ってるんだよ。」
「シャオはそこまで子供じゃないよ!
確かに、向こうではお屋敷からあんまり出してもらえなかったから、
少し世間知らずなとこはあると自覚はしてるけど、
おかけで、今度買って喜媚ちゃんを誘惑しようと思ってた、
下着が買えなくなっちゃったよ・・・喜媚ちゃんも残念でしょ?」
「それについては黙秘権を行使させてもらいます。」
「またそれ~! その黙秘権って言うのは喜媚ちゃんには無いんだよ!」
「そんな横暴な・・・」


そんな時、シャオちゃんが立ち上がって私のすぐ横に来て、
私の耳元で囁く。


「ねぇ? 答えなくてもいいから想像してみて、
・・・シャオの下着 す・が・た♪」


私もお酒が入っていたせいか、ついシャオちゃんに言われるまま、
その姿を想像してしまったが、お酒のせいか、想像したせいか、
顔が熱くなってきた。


「アハハ、やったね! 喜媚ちゃんも私を女の子として、
ちゃんと見てくれてるんだ♪」
「シャオちゃん! あんまりそうやって男をからかってると、
その内痛い目に会うよ?」
「こんな事、喜媚ちゃんにしかしないよ♪
今日は収穫があったから、シャオはこの気分がいいまま寝ようっと。
おやすみ~喜媚ちゃん。」


シャオちゃんはそう言って、自分の部屋の方へ小走りで駆けていった。


(全く・・・シャオちゃんにも困ったものだ。
どこであんな男の気を引く手練手管を覚えてきたんだろうか?
あれが天然だとしたら、シャオちゃんは将来相当な男泣かせになっちゃうよ。)


この後、少し頬と体の火照りを取るため、少し庭で涼んだ後、
私も眠ることにした。




--劉花--


「なるほど! ああやって殿方の気を引きつつ、そのあとすぐ引く事で、
殿方に自分を意識させる方法があるんですね。
・・・勉強になります!」
「シャオはそんなに深く考えてやったわけじゃないけどな?」
「いえいえ、シャオ様、お見事でしたよ。
喜媚は今のでシャオ様をかなり女として意識しましたよ!」
「えぇ、そうですとも! あのヘタレなくせに妙に防御の硬い男女には、
ああやって持久戦で少しずつ意識させるのはいい手だと思いますよ。」


殿方との接し方にも色いろあるのですね・・・
孫尚香様達とのお話はとても参考になります。
私も今度喜媚様にあれをやってみようかしら。
それとも一度劉協相手に練習したほうがいいかしら?

こうしてこの後しばらく話しをした後、私達は解散した。


  1. 2012/12/01(土) 17:10:33|
  2. 真・恋姫†無双 変革する外史。
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